イタリアに戻ってきたミカさん。
ただいま!独立暗殺部隊ヴァリアー★
今日も夜な夜な暗殺活動!
ホワイト?ノンノン超絶ブラックが今季のトレンドさ!
明日も明後日も暗躍してがんばるぞぉ!(終始白目でお送りします)
……疲れてんな寝よう
通常運転でやってきます。ちょっとシリアル風味(誤字ではない)
「あれ?独眼竜先生は?」
いつもの場所で竹刀を振っている青年の姿が見えず、道場に通う少年は首を傾げて師範代に問う。
「ああ、政宗くんかい?ちょっと長期のお休みが欲しいって。旅行に行ってくるんだってさ、1ヶ月くらい」
「え、そうなの?」
「うん。場所は確か……─────」
イタリア某所
「ん?ああ!三日月じゃないか!」
「おお、店主殿。久方振りだな」
暫く見ないから心配したぞ?!
宿屋の店主にそう話し掛けられた三日月は、いつものように艶然と頬を綻ばせた。
「急ぎの野暮用でな。イタリアにいなかったのだ」
「そうなのか……いや、無事で良かったよ。何かあったんじゃないかって街の皆も一時期元気がなかったんだ。……時間があるなら、顔見せに行ってやれ」
その言葉に鷹揚に頷き了承すると三日月はまた街を歩き出す。
行く先々で呼び止められては返事を返し、時に赤子の頭を撫で、年配の方とお喋りに興じ、子供達と戯れる。
実は遠く離れた日本の地でも同じような光景が見られていたのだが、両手いっぱいに"お裾分け"を抱えた三日月は、何処にいても三日月なのだ。
三日月宗近はイタリアに帰還していた。
ボンゴレ本部で動きが見られた為、1ヶ月だけとはいえど帰投命令が為されたのだった。
だというのにそんな風に寄り道をしながらである。
彼が森に踏み込んだ頃には、とうに夕暮れ時になってしまっていた。
「此処に来るのも1年ぶりか」
街を見て回るからと迎えは辞退していた為、此処から目的地まで徒歩であるのは変わらず。
とはいえ車道に沿えば三日月の足を以てしても日が暮れるどころか朝を迎えてしまう上に、面倒な手続きをしなくてはならない関所がある。
なので三日月は敢えて罠が張り巡らされた草木生い茂る場所を通る。
超人的な身体能力を持つ幹部らにしてみれば、車ならばともかく徒歩で道を辿る事は殆ど無い。木の上を踏み付け、まるで忍びのように飛び回るのだ。それが車を利用するよりも早いのである。
肩に下げた袋に手に持った菓子だのなんだのを詰め込み、食べ掛けのクッキーを口に放り込む。
「……行くか」
パンパン、と手を払った三日月。青き衣を翻し、しゃらりと金の飾りを鳴らし。夕に染まる森を跳ぶ。
丁度夜の帳が降りた所で三日月は目的地……独立暗殺部隊ヴァリアーに帰投を果たす。
「戻ったぞ」
幹部用の談話室にひょっこり顔を出した三日月。に、ナイフが飛び込んでくる。
それを人差し指と親指で摘むように受け止めた三日月に焦りはない。ナイフの柄をその主に向けて手渡しながら、三日月は服の裾で口元を隠して笑った。
「これはまた、変わった出迎えだな」
「おっせーんだよじいさん。昼には此処に着いてたんだろ」
王子待たせるなんて何様?と不機嫌そうに、ベルフェゴールはソファーに横たわりながらそう言った。
「待ってくれていたのか」
「……べっつにぃ」
「すまなかった、そうツれなくしてくれるな。……ああ、そうだ、ベル殿。土産を持ってきたのでな」
「そんなんで王子が許すとでも?」
と言いながらも取り出した袋を毟り取ったベルフェゴールに、三日月は申し訳なさげに眉根を下げつつも思わず声に出して笑ってしまった。
「おい、ホントは反省してねーだろ」
「はっはっは。すまんすまんこの通りだ」
「っ……はぁ……そういやこんな奴だったっけ」
王子に溜息吐かせるとか万死だわ。
ベルは諦めた様子で肩を竦めた。
「おかえりなさぁいミカちゃん!もうすぐご飯ができるわよぉ」
「……おかえり、三日月」
一年ぶりのその言葉はどうにも郷愁の念を覚えるようで。
「……うむ。ただいまだ」
エプロンを付けたルッスーリア、ベルフェゴールに抱えられたマーモンのその言葉に、三日月は心底嬉しそうに微笑んだのだった。
「ボンゴレ内でも反対が出ていると」
「そういうこったぁ゙」
夕餉の前にスクアーロにも顔を合わせてくると言い、三日月は執務室にて現在の状況について詳しく話を聞いていた。
曰く。9代目が後継に選ぶのは日本の初代血統に間違いない。
そしてそれに反対が多数出ていると。
「確かに、日本の後継者候補に全面的に賛成、となる筈がないか。何せ平和な島国の一般人だ」
「だが、その血は確かだからなぁ゙。反対派も度外視は出来ねぇ゙と考えてるみてーだな」
賛成派の少数は傀儡目的で、大半は9代目が選んだからという理由だ。
反対派は一般人として生きている子供に期待が出来ないという現実を見たもの。
表の人間として生きているのだから裏の事情に引き込むべきではないという穏健派一部。
そして"ゆりかご"では表向き中立として、裏ではヴァリアーの所業を見ない振りをしていた……ザンザスを推薦する鷹派だ。
「鷹派も表立ってザンザスを推薦出来ねぇ゙。精々捜索を進言する位だ。それ程6年前のコトがでかいからなぁ゙」
「この6年で随分信用を確立出来たとは思うが……やはり厳しいか」
何よりこの場にザンザスがいない事が、どうしようもない。
誰よりもマフィアボンゴレの後継者に相応しいと言われたザンザス。そして"ゆりかご"の主犯である彼がいないという事は、ヴァリアーの信用は獲得できたとしても、それはザンザスの評価にはならないという事。
「老耄共はボスにはならないと宣言した沢田家光まで矢面に出そうとしてやがる」
「それは……無理だろう。撤回は出来んだろうし、家光殿は門外顧問だ。というか彼はそもそも引き受けんだろう。契約で誓った事ゆえ、それは9代目とボンゴレに対する忠誠を反故にするのと同じだ」
「だろうな。だが奴ら、何しでかすか分かんねぇ゙。ボンゴレという威光に縋れるのなら、何だってするだろうよ」
家光に、家族を盾に遺伝子提供を求める。子供をもう1人作らせてそれを礎にする、等。
挙げられる手段に三日月は微かに反応を返す。
ひとつ瞑目して、再度いつもの笑みを浮かべた。
「どうだろうな。9代目の考えが読めん限りは何とも言えんが、外道畜生ではない限りそれはさせんだろう」
「反対多数だからか、後継者については内々の話で収まっているが……どちらにしろ9代目は日本の後継者候補を、成長しきるまで守り通す。……何としてでもな」
スクアーロは親の仇でも見るように、凄まじい眼光でデスクの上の書類を睨み付けながら、深く息を吐いた。
三日月はその様子を何処か注意深く眺めながら口火を切る。
「分からんな。何故9代目はボス殿を頑なに認めないのだ?ボス殿が"ゆりかご"を引き起こしたのは、9代目がボス殿を後継としなかったからだろう」
その言葉に、スクアーロは動きを止めた。
「幹部の皆は邪魔なものを排除する為だとか、ただ単に怒りに触れたからだとか、そもそもそんな事を考えるのは無駄だとか思っているのだろうが……それはボス殿がクーデターを起こした切っ掛けに過ぎん」
三日月はその瞳を細める。
「ボス殿が求めるのは何だ?ボンゴレボスの座だ。ならば何故クーデターを起こした?邪魔なものがあった?違う。無理矢理ボスの座を得ては余計な反発を生む。それを考えられぬボス殿ではない。全て叩き潰すのではなく、従わせ、恭順させた筈だ。腹が立ったから?違う。ボス殿は……我が主殿は我慢を知らぬ幼子ではない」
「何が言いてぇ゙」
硬い声でスクアーロは問う。
三日月が疑問に思っているのは、
「9代目はボス殿を後継に選ばなかったのではない、……選べなかったのではないか」
「……」
「俺に事情はわからん。ボンゴレボスになるには何か条件があるのか……いや、そもそも単純に、今のボンゴレにボス殿は相応しくないと考えがあったのやもしれん。恐らくヴァリアーの大半が考えているのはそちらだろう。それ故に憤怒したと皆が思っている」
三日月の脳裏に浮かぶのは、自分が忠誠を誓った、あの嵐の夜の、ザンザスの怒り。
酷く
「てめぇは、……」
「……俺がザンザス殿と話したのは僅か半年の事だ。俺が彼を理解した等とは口が裂けても言えぬ。……だが、理解したいとは思っている。それは6年前から変わっておらん」
ふと、三日月はスクアーロの目を真っ直ぐ見つめる。
「……俺が刀を捧げたのはヴァリアーのボスではない。何れボンゴレボスになる者にではない」
深く、爛々と瞳の三日月を輝かせて、不敵に笑う。
「全てを燃やし尽くすような……紅く染め上げる黄昏、XANXUSという1人の男だ」
故に、ボンゴレボスだのなんだのに、正直興味は欠けらも無いのだと。
ただ、主が欲しがっているから、それに尽力しているのだと。
「……、……まあ、深く考えるな。寧ろ忘れろ。少し気が緩んだらしい……俺らしくもない事を言ったな」
「……」
スクアーロは口を噤み、三日月の言葉を噛み締める。
「……、……オレからは何も言えねぇ゙」
「構わんさ。少し、気に掛かっただけよ。……故に、あまり気を張るな」
「!」
首を傾げながら温かく微笑む三日月に、スクアーロは目を見開いた。
「スク殿にも一つや二つ、誰にも言えぬ悩みや秘密があろうな。……だが、そう常に張り詰めていては疲れるぞ」
それを、
唯でさえ個性豊かな面々を代わりに率いているのだから、多少なり気を緩めても、誰も咎めんよ。
どうせ人の領分に踏み込んで粗を探す程に他人に興味を持っている者など……俺以外にいないのだから。
「……お前は踏み込むのかよ」
「おう。何せ俺には斬るしか出来んからな。すっぱりいくぞ」
刃物は刃物でも医療メスのようだ。傷口を開いて、膿を出す。
それにしては、荒々し過ぎたが。
スクアーロは、6年で随分長くなった髪を揺らし、口角を吊り上げた。
「お前らしい、余計なお世話だぜぇ゙」
「うむ。余計なお世話か?まあ、だとしても俺に頼れ。仲間だろう」
……スクアーロは少し背負い過ぎたのやもしれない。
ボスの代わりとして皆を率いて任務を振り分け、様々な妨害を切り抜け、……その身に重大な秘密を抱え込んで。
6年間耐え続けたのだ。孤独に、1人で。
その疲弊を三日月が見抜いて、遠慮も容赦もなくカマをかけた。それだけの事だ。
無理をしているのだろう、休め、と。
「テメェの荷物ぐらいテメェで背負えるんだよ。余計な事すんなぁ゙!」
「分けてもらえんのだったら勝手に取っていくが良いのだな?」
「……どうして良いと思ったんだよてめぇはよォ゙!!」
「はっはっは」
「ゔお゙ぉぉい゙!!笑ってりゃいいと思ってんじゃねぇだろうなぁ゙?!たたっ斬るぞ三日月ィ゙!!」
「おお、手合せか?いいぞやろう」
「上等だァ゙!!」
「もぉ〜今から晩御飯よ!!好い加減になさい!!」
長いのよお話が!!
執務室の扉を開け放つルッスーリアに、三日月は忘れていたと惚けたように笑い、スクアーロは盛大に舌打ちした。
「では飯の後に、中庭で……だな」
「後悔すんなよ。この1年でどれだけ腕を上げたか……逆に下がってでもいれば容赦なく3枚に卸すから覚悟しとけぇ゙!!」
「うむ。こういう時はこう返すのだろう。……上等だ、やってみろ……ッ!」
「ま!何処でそんな野蛮な言葉遣い覚えてきたのミカちゃん?!」
「オカンかよ」
「どうでもいいから食事にしよう」
「そういえばレヴィ殿はどうした?」
「ああ、レヴィね。連日連夜徹夜でボスを探し回ってダウンしてるわよぉ」
「……む、では後で顔を見に行くか」
「ほっとけよあんなタコ」
「そうはいかんな。無理せぬようしっかり釘を刺さねば、雷撃隊の隊員がまた泣き付いてくるのでな」
「泣き付いてくるの?……またって、」
「ホント、三日月の交友関係って訳分からない……」
何だかんだ、やはりヴァリアーは通常運転なのだった。
観察報告・其ノ拾参
監視対象に動きなし。監視カメラに異常なし。
三日月作成の地図の精度に狂いはない模様。設置済みの監視カメラ、集音器の位置変更の必要は無い。
護衛の人数に変動、増員。
監視対象が筆頭後継者となりうる可能性が高い。
ボスの捜索を急がれたし。
報告は以上。三日月に任務を引き継ぐ。
鋭いけれど知らない振りをしていたミカさん。
スクアーロのガス抜き回でした。まじでお疲れ様な(鮫)(動かないと氏ぬんじゃないか)(動きすぎても氏ぬけどな)
ミカさん、ヴァリアーを家と考えている模様(タダイマ)
ミカさんニアピンな、多分ボンゴレボスは血の繋がりが第1ってのは分かってるけどその理由があんまりよく分かってない
血に眠る代々の力とかぼんやりとしか知らない
炎?美しいと思うよ、まさに生命の輝きよな(ドン!)
矛盾あったら見つけてくだしあ(人任せ)
綱吉の実の祖父母って誰なんでしょうねぇ、死んでるんでしょうか(無慈悲)
叔父とかいないんでしょうねぇ
初代の血統は子供は1人までって決まってるんか?じゃないとブラッドオブボンゴレばら撒いてる事になりますものね、そうじゃないかなぁ、そうなんだろうなぁ。
「レヴィ殿、また倒れられたと聞いたぞ」
「う……しかしだな、」
「ボス殿は、レヴィ殿が焦燥するのは望んではいないと思うが」
「!!ほ、本当か……?!」
「うむ。健やかで仕えられた方が良いものではないか?」
「う、ぬ……」
「まあ、無理だけはせぬようにな。部下も悲しむ」
という、会話があったりなかったり。
次回!
突撃隣のツナ缶家!
連休はお泊まり会
勉強が止められない
次回も平によろしくお願いします(アイルビーバック)