ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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 いくつか感想で似たような指摘があったので、これを機に説明させていただきます。

 ヴァスコ・ストラーダ猊下とヒロイ・カッシウスの英雄間の違い大体それであっています。その辺をしっかり分けれてなかったのがヒロイの反感の原因です。


 ヒロイ・カッシウスはリアリストです。現実の醜さを知っているし、その醜さはまだまだ当分続いていくと思っています。言い方は悪いですが、その辺すれています。

 すれているので、英雄というものもきちんと資料などを使って調べて、子供が思い描くような「純粋な理想」なんてものはごく少数だということも分かっています。そして、そんな存在がもてはやされるぐらいに輝いている部分があることを把握しています。

 禁手の方向性もそれを示す伏線です。

 イッセーの場合は、時折奇策を用いることはあっても基本は真正面から戦うし、根本的には強大な力を正しくふるうタイプです。神器の成長もそれにこたえて、基本的には純粋に性能を底上げしていっています。

 反面ヒロイは、大技を手札として持つことはあっても、きちんと考えて「勝てる方法」を構築します。紫に輝く双腕の電磁王を最初に編み出したように、能力を利用して様々なアプローチを考えます。大技の類も、科学的にアプローチしています。
 この辺はリセスも近いですね。覚醒したリセスの必殺技も、科学的な現象を利用しています。






 ヒロイが目指しているのは「汚れてもなお人々を引き付けるぐらい輝いている英雄」「現実にでる大半の英雄」です。だから、リセスのある意味汚れそのものともいえる失態でも、彼女に対する敬愛は揺るぎません。英雄とはそういう者だから、リセスにもそう言った側面があると思っていたからです。ビッチなの隠してもないしね!

 逆にイッセーがなってしまうのは、それこそストラーダ猊下が言ったような「自然となる、純粋な英雄」でしょう。お伽噺の英雄を、現実に持ってきてしまうタイプです。









 すでにヒロイは、「リセス・イドアルにとっての輝き」を最優先としました。まずはリセスの英雄であることを決めました。

 リセスは「二人にとっての自慢」でい続けることを決めました。「みんなにとっての英雄」にはなれないと、悟りました。

 イッセーは「みんなにとっての英雄」にいつの間にかなってしまいました。逆に「特定個人に限定した英雄」にはなろうと思っても難しいでしょう。









 こんな発想に至ったのは、ネットサーフィンをしているときにこんなコメントを見たからです。

 実際は英雄が100人いたら100通り違う形の英雄があって良い。

 それが、この作品の「英雄」に対する一つの答えであり、ストラーダに対するアンチテーゼです。

 この作品の英雄たちは、数多くの「英雄の方向性」の一つを邁進している者たちなのです。



第五章 12

 

 Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リセスとペトは、ヴァーリに顔を見せていた。

 

 なんだかんだで、この城に今いる者達の中では付き合いが長いので、一応様子を見に行くつもりでだった。

 

「お姉様。部長達、大丈夫っすかね?」

 

「そうね。あれ、経験者としてはかなりきついわねぇ」

 

 ペトにそう答えるが、はっきり言ってかなりきついだろう。

 

 リセスは経験があるから分かる。

 

 恋愛感情を持っている者との死別は、かなり精神的に来る。それはもう、死んでしまっていいと思うぐらいに精神的に負担が来る。

 

 半ば加害者であり、目の前で死なれたリセスとは場合が違う。違うが、リアスからしてみれば初めての体験で、それに耐える土壌がないのだ。

 

 ……実際、元とは言え婚約者だったライザーや、親友であるソーナにすら顔を見せようとしなかったのだ。朱乃もバラキエルが見舞いに来るまで感情が死んでいるとしか思えない状況だった。

 

 アーシアも自殺を本気で考えるレベルで追い詰められている。小猫は比較的ましだが、こちらはレイヴェルと悲しみを共有できているからという塩梅だ。

 

 この調子では、天界でエクスデュランダルの修理をしているゼノヴィアとイリナが知ったらどうなることか。

 

 ロスヴァイセもショックを受けるだろう。ギャスパーも相当来るはずだ。イッセーのご両親や、松田や元浜にはなんといえばいいのか。

 

 そう考えると、どうしても暗い気持ちになる他ない。

 

 ヴァーリもショックを受けるだろう。宿命のライバルがこんなところで本当に死んだのだ。

 

 最初こそかなり馬鹿にしていたというか、肩透かしを食らった八つ当たりをしていた時がある。だがヴァーリは心からイッセーのことを宿命のライバルとして認め、彼が今代の赤龍帝であることを感謝している。

 

 そのヴァーリですら瀕死の重傷で事実上の集中治療室送りに追い込まれているサマエルの毒を喰らって、イッセーが無事でいるとは思えない。

 

 神の奇跡クラスの出来事が連発でもしなければ、如何にイッセーといえど生存は絶望的だった。

 

 一つぐらいならどうにかしそうだが、然し連続となると……。

 

「イッセーの童貞、こんなことなら無理やりにでも奪ってやるべきだったッス」

 

 ペトが、そう涙を浮かべるとぽつりと呟いた。

 

悪友達(ヒロイ達)に先超されてるの気にしてたのに、こんな形で絶望的になるなんて。……部長達をけしかけるなり、ペト達ならできる事はいくらでもあったはずなのに……」

 

「そうね。確かに、私も臆病になりすぎてたわね」

 

 ペトが沈む気持ちも分かる。

 

 ……リセス・イドアルは手痛いにもほどがある失恋をした。

 

 あらゆるものが弱かった事が原因で、ニエは絶望して死を選んだ。

 

 それがトラウマになっていたからこそ、リセスは恋愛関係に対して「余計な介入は避ける」をモットーとしていた。

 

 そしてその結果がこれだ。

 

 イッセーは恋愛ごとに対してトラウマを持ち、恋愛に対して臆病になっていた。その結果、あからさまな好意にすら無自覚に目を背けた。そしてようやく乗り越えたと思ったらこれだ。

 

 自分が、気づくべきだったのだ。

 

 愛する者を殺したリセス・イドアル。惚れた女に殺された兵藤一誠。

 

 自分達は方向性こそ真逆だが、男が死に追いやられたという意味では同じなのだ。それに気づくべきだった。

 

 もちろん気づいたからといって、七年間も迷走を続けていた自分が何ができるかと言われたら困る。

 

 しかし、それでも、何かできるのではないかという想いが浮かんでしまう。

 

「イッセー。散々ハーレム王になりたいって言ってたのに、後は童貞捨てるか結婚するかの違いだけだったのに……っ」

 

 思い返して涙を浮かべるペトの肩を、リセスは抱き寄せる。

 

 ……シャルバ・ベルゼブブが生き残っている可能性は低い。

 

 今のイッセーなら、蛇を使ったシャルバを打倒する事だってできる。話によれば蛇を失っているようなので、尚更勝てるだろう。

 

 だが、シャルバがサマエルの毒を持っているというのならば話は別だ。

 

 サマエルは龍に対する圧倒的天敵。魔王の末裔であるヴァーリですら、今現在進行形で死にかけているのだ。元がタダの人間であるイッセーでは耐えられない。

 

 そこに、これまで確実に死亡している駒だけの転送。

 

 ……リセスもペトも、イッセーの死亡を疑っていなかった。

 

 そしてヴァーリを匿っている部屋のドアの前に来た時、ドアが開いた。

 

「おっと。煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)の姉ちゃんに、狙撃手の嬢ちゃんかい」

 

 扉の先にいたのは、闘戦勝仏だった。

 

 美候がヴァーリの治療のために呼んでいたのは知っていた。どうやら本当に来たらしい。

 

「あら、ヴァーリは連行しないのかしら?」

 

「なに、馬鹿孫の友達に無体なマネするほど、この老いぼれは鬼じゃねえわぃ」

 

 リセスにそうからからと笑いながら答えるが、しかしすぐに表情を変える。

 

「……聖魔剣の坊主達ほどじゃないが、だいぶ参っとるようじゃの」

 

 痛いところを突かれた。

 

 なにせ、イッセーはリセスにとっての恩人だ。

 

 絶望する自分を救ったのはヒロイとペトだが、そこに至るまでのお膳立てを整えたのはイッセーだ。

 

 その前から、覗きの常習犯である事は苦笑ものだが好感を感じていた。大事な仲間の一人だとも言ってくれたし、自分にとっても同じだ。

 

 ペトにとっても大事な友人の一人だった。恋愛感情はないが、友情としては間違いなく最高峰のはずだ。

 

 だから、正直言ってかなり辛い。相当辛い。

 

 そして、そんな表情を浮かべるリセスとペトの頭を、闘戦勝仏はぽんぽんと撫でた。

 

「まあ、普通に考えりゃぁ死んでもおかしくねえわな。そりゃ落ち込むのも当たり前じゃが……」

 

 そして、意味深な表情を浮かべる。

 

 その態度に、二人が少し変な表情を浮かべる中、闘戦勝仏はにやりと笑った。

 

「確かにサマエルの毒を、ただの人間ベースの赤龍帝の坊主が喰らえば肉体は持たん。だが、魂はそのあとじゃな」

 

 その言葉の意味を、二人が理解するより早く闘戦勝仏は言葉を続ける。

 

「ま、それでも普通は次にやられるだけなんじゃが……。それが無事なら何とかなるかもしれんぜ? 煌天雷獄の姉ちゃんの彼氏も、リムヴァンが復活させたじゃろ?」

 

「彼氏じゃないし、付き合う資格もないわよ」

 

 条件反射で答えてから、リセスはしかしその言葉の真の意味を理解した。

 

 肉体と魂はまた別のものだ。

 

 もしかしたら、魂だけでも無事な可能性はある。

 

 そして、魂さえ確保できるのなら、蘇らせる方法は存在する。ほかならぬリセスが、それを激痛を持って体験している。

 

「魂と直結してるはずの、悪魔の駒そのものは汚染され取らんかったようだしのぉ。可能性は低いがよ、もう少し信じて調べてみても罰は当たらんぜ、仏の儂が保証してやるわい」

 

 その言葉を最後に、闘戦勝仏は歩き出す。

 

「ま、この老いぼれが頑張って時間稼いでやるわい。どっちにしても、もう少しぐらい時間をおいてから戦いに行っても、罰は当たらんだろうよ」

 

 その言葉に、リセスとペトも、少しぽかんとしながら見送ることしかできない。

 

 はっきり言えば、望み薄だ。

 

 肉体の加護がない魂は非常にもろい。そして、異形の魂は死によって消滅するといっても過言ではない。様々な勢力が保有する冥界に送られる人間とは違うのだ。それは転生悪魔でもどうにもすることはできない。

 

 だが、もしかしたら復活する可能性はあるのかもしれない。

 

 むろん無理な話だ。三大勢力に幽世の聖杯(セフィロト・グラール)はないのだから、死者蘇生などという荒業は不可能に近い。いかに冥界の英雄といえど、そう簡単に蘇生させるわけにはいかないだろう。

 

 だがしかし、兵藤一誠は英雄だ。それも、お伽噺の英雄のような男だ。

 

 ……案外、魂の残骸でも確保できたら、リアスの胸に触れさせたら復活してきそうだ。

 

 その光景が目に浮かんで、リセスは吹き出しそうになる。

 

「……お姉様?」

 

「ああ、ごめんごめん。大事な事を忘れてたのよ」

 

 ペトに謝りながら、リセスは大事な事を思い出す。

 

 リセス・イドアルは英雄だ。ペト・レスィーヴとヒロイ・カッシウスの自慢(英雄)だ。それ以上になれる可能性は低いし、なれなくても別にいいと割り切っている。

 

 ヒロイ・カッシウスは英雄だ。リセス・イドアルの輝き(英雄)だ。そして、少数のモノ達にとっても輝き(英雄)。もしかしたら、三大勢力にとっての英雄になれるかもしれない。

 

 そして、兵藤一誠も英雄だ。それも、現実の英雄ではなくお伽噺のそれに近い。

 

 幾度となく奇跡を起こし、自分達を圧倒するほどの成長率を叩き出す。

 

 現実の英雄は、その多くが非業の死を遂げた。ジャンヌ・ダルクは火刑に処され、ヘラクレスは猛毒に苦しみ死を選び、シグルドは愛に翻弄され殺されて、曹操もまた、勝者とはなれなかった。

 

 だが、お伽噺の英雄はハッピーエンドが基本だ。生きて生きて生き抜いて、生きて幸せを手にするものだ。

 

 なら、彼はもしかすると生きているかもしれない。

 

 もちろん可能性は低いが、まあ、もう少しぐらい調べてみてからでもいいだろうという気に、リセスはなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、少し落ち着いてからリセスは部屋に入る。

 

 まず真っ先に目に入ったのは、表情が変わった木場祐斗だ。

 

 そこには、隠しても隠しきれなかった絶望はない。そしてどこか希望の色が見えていた。

 

「どうやら、闘戦勝仏様の説法をあなたも聞いたのね」

 

「はい。もう少し調べてみようという気になりました」

 

 どうやら、それなりに希望の星が見えているようだ。

 

 眼の色が違う。そこから見える心が違う。先ほどまであった弱さがなくなり、明確な強さが出てきている。

 

「でもでも、肉体が消滅するってもう死んでるのと同じっすよ?」

 

 むしろ、ペトの方が弱気な発言をしている。

 

 そしてペトの言う事ももっともだ。

 

 普通、肉体が崩壊したら生き物は死んでいる。

 

 ……ドライグなどは魂を封印されているが、あれはかなり特殊な事例である。死んでから復活した存在など、神話伝承を紐解いてもごく僅かしかないレアケースだ。

 

 ましてや今回は龍殺しの極点であるサマエルだ。既に魂まで汚染されている可能性は、十分にある。

 

 ペトの言う事が普通なのだ。

 

 だが、祐斗は首を振る。

 

「確かに普通は無理だね。だけどイッセー君は、普通じゃない」

 

 その言葉に、ペトは少し考えこんで……。

 

「……確かに、汚染された魂とカ、母乳で洗ったら浄化しそうっすね」

 

 と、遠い目をした。

 

 中々斬新な発想だが、言われてみるとものすごくありえそうであった。……物体でない魂を物理的にどう洗うのかは置いておくとして。

 

「それで、問題はどうすればいいのかよね」

 

 リセスは建設的に問題点を指摘する。

 

 こういう時頼りになるアザゼルは、悪魔の駒を調べてからグリゴリの施設に戻っていったままだ。

 

 おそらくその可能性にいち早く思い至ったのだろう。そして同時に、その可能性が著しく低い事にも気づている。

 

 だから、リアス達はもちろんリセスにすら黙っていたのだ。半端に希望を持っても、それが結局無駄足だと知ればショックは大きい場合がある。それなら、自分達だけで調べればいいという判断もあったのかもしれない。

 

 とは言え、自分達で抗ってみるというのは、納得を生み出すはずだ。

 

 このまま座して絶望するよりも、はるかにいい。

 

「……それで、この忙しい中まずどうするのかしら?」

 

「とりあえず、イッセーくんの悪魔の駒をより調べてみるべきだと思っています。そして、それができるのは一人しかいません」

 

 その言葉に、リセスはかつて出会った男を思い出す。

 

 確かに、悪魔の駒に関して彼ほど知識のあるものはこの世にいないだろう。

 

 なにせ、彼が悪魔の駒を作ったのだ。それも、意図的なブラックボックスについて「それはユーザーが自力で気づいてこそ意味がある」などと言っている男だ。絶対に何か隠している。

 

 そう―

 

「現魔王ベルゼブブ。……アジュカ・ベルゼブブ様に調べてもらうのね。……かなり忙しいと思うのだけれど―」

 

「―それでも、今はあの方に頼むしかありませんから」

 

 リセスに応える祐斗の目に、迷いはなかった。

 

「なるほど。なら、俺達はもうお暇するとしようか」

 

 と、そこでヴァーリが声をかける。

 

 顔色は未だ悪いが、しかしだいぶ良くなっている。精々風邪をひいている程度の調子のようだ。

 

 闘戦勝仏による治療は見事ということなのだろう。最高峰の仙術の使い手の1人なだけはある。

 

「あら、もういいの?」

 

「ああ。世話になった借りはいつか返そう」

 

 ヴァーリはそう言うと、リセスに視線を向ける。

 

「さて、俺はこの後どうすればいいのだろうか。兵藤一誠を奪った借りを返す……というのは柄じゃないしな」

 

「だったら助けてもらった借りを返しなさい。……とにかく、今こっちに危害を加えているか加えそうな連中に、うっぷん晴らしをすればいいわ」

 

 ヴァーリにはそれが一番向いているだろう。

 

 もとより強者と戦うことに興味の殆どを向けているような輩だ。加えて根が自由極まりない。このまま現政権とともに共同戦線を張っても、よほどの人物でなければ御せないだろう。

 

 なら、敵対しないだけにとどめて自由に動かすべきだ。こちらは最初からいないものと思って行動すればいい。

 

 こちらに危害を加えない程度に立ち回る事なら、さすがにできるだろう。

 

「おい姉ちゃん。あんた、俺っち達のことを馬鹿にしてねえか?」

 

「これまでの行動を省みなさい。ヴィクター経済連合に切り捨てられたヴァーリチームさん?」

 

 美候にサラリと皮肉を返しながら、リセスは視線を黒歌に向ける。

 

「妹さんに何か言う事はあるかしら?」

 

「別にな……無理はしない方がいいって言っときなさい」

 

「はいはい」

 

 素直でないシスコンに、リセスは苦笑する。

 

「それではそろそろお暇するとしましょう。これ以上ここにいると、現グレモリーに迷惑がかかるでしょうし」

 

「本当にありがとうございました。おかげでヴァーリ様が治療できました」

 

「恩に思うのなら、これから三大勢力には迷惑かけるなッスよ」

 

 と、ペンドラゴン兄妹にペトが言葉を交わしていた。

 

 まあ、このチームは問題児というか自由人の集まりだが、どうやら外道の類ではないようだ。

 

 放っておいても、この騒動が終わるまではこちらに手出しはするまい。リセスはそう判断する。

 

 借りはきちんと返すタイプなのだろう。それは、恩であっても仇であっても。

 

 そして、仇という借りを返しに行く相手は一体誰になるのか。

 

 旧魔王派か。英雄派か。それともハーデスか。もしくは、その三勢力全員か。

 

 どちらにせよ、ただでは済まないだろう。

 

 龍の逆鱗に不用意に触れて、ただで済む者はいない。それほどまでに逆鱗というものは危険極まりないのだ。

 

 とは言え、されたことがされたことなので、リセスも同情する気は欠片もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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