ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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戦闘終了後のあれこれをかましたいと思います。


第二章 17

 

 そんなこんなで大激戦が終わり、数日後。俺は姐さんやペトと一緒に、グレモリーの城でテレビを見ていた。

 

 絶霧を利用したとはいえ、冥界の重要人物がゴロゴロいる地区に、大部隊が進行するという大事件。ヴィクター経済連合の脅威度の高さを思う存分知らしめる出来事だった。

 

 ちなみに、さらに数時間単位のずれで各神話体系の拠点にも攻撃が来たが、それも撃破されたようだ。

 

 もちろん、予定されていたレーティングゲームは当然中止。俺達は追撃が来るかどうかの様子見をしている間、城に軟禁状態と言ってもいいほど籠る羽目になった。

 

 まあ、ヴィクター経済連合有する禍の団の襲撃相手にこの成果。まず間違いなく大戦果だろうな。

 

 功を焦って訓練期間が足りなかったというところかねぇ。

 

「それでお姉さま? なんで私達は表彰されないッスかぁ?」

 

「文句言わない。これは悪魔の受勲式だもの。悪魔以外が報奨されたら、悪魔の重鎮としては面子にかかわるんでしょうね」

 

 文句たらたらのペトを宥めながら、姐さんは苦笑した。

 

 そう。今日はその戦いにおける功労者達に対する受勲式だ。

 

 ただし、大量の敵を撃破したうえ巨人族の精鋭をぶっ倒した姐さんと、敵の部隊長クラスをことごとく狙撃して撃破に貢献したペトは参加してない。

 

 ……一応悪魔における受勲式ってのが理由だが、ま、実際のところは姐さんの言った通りだろう。

 

 サーゼクス様曰く。

 

『現大王などが難色を示していてね。まあ、成果は上げたので悪魔と別種族で時期をずらして受勲式をすると言う事で落としどころをつけたのだよ』

 

 と、苦笑いしてた。

 

 ったく。悪魔業界は大変だな、オイ。

 

 ま、ドーインジャーの後ろからの襲撃を凌いだ俺も含めて、褒章そのものは既に秘密裏に貰ってるから別にいいんだがよ。

 

 でも、できればあの悪魔全国ネット放送で姿を見せつけたかった。

 

 そうすれば、俺は悪魔界の若き英雄の一人にノミネートされたのに!! おのれ老害どもめ!!

 

 ちなみに、姐さんも同じ気持ちなのか、ペトを撫でてない方の手はプルプル震えている。

 

 まあ、そんなこんなで重鎮クラスや現役の上級悪魔やその眷属の褒章式は終わった。

 

 そしてここからが俺達にとっての本番だ。

 

『それでは、この戦いで活躍した若き英雄達の番となりました!』

 

 司会の言葉とともに、三組の若手悪魔の眷属が姿を現す。

 

 うち二組は、お嬢と会長だ。

 

 そしてサーゼクス様が一歩前に出る。

 

『サイラオーグ・バアル。戦線が混乱した状態で、眷属達を率いて前線への支援を行い、敵上級クラスを打ち取った事を祝し、褒章を行う』

 

『は! ありがとうございます!!』

 

 おお、あれがサイラオーグ・バアルか。

 

 仮にも実力重視で次期当主となったゼファードル・グラシャラボラスをワンパンで沈めた男。

 

 姉さんの知り合いの主でもあるあの男を一蹴した、若手最強にして無能と言われるよくわからん次期大王ねぇ。

 

 なんでも、戦線が混乱した時に、最も近くにいた敵主力部隊に突貫して、指揮官を含めた実力者をぶちのめしたらしい。

 

 こっちとは違う戦線だったけど、中々の大活躍だな。

 

『だが、独断専行はいただけない。ゆえに今回の章では差額を引いて最も小さい賞となる。悪いがね』

 

『いえ。こちらも慣れない大規模戦闘で判断を仰ぐのを失念しておりました。賞を頂けるだけでも僥倖です』

 

 おお、中々謙遜してるな。

 

 しかしできるな、あの兄ちゃん。

 

 動きに無駄がない。更に体つきも隙が無い。

 

 あれが無能と言われてるんだって? どういうことなんだか全くわからねえな。

 

「なんかごつい兄さんッスね」

 

「ああ。かなり鍛えてるな、ありゃ」

 

 ペトに同意しながら、俺は後ろに下がるサイラオーグ・バアルをながめた。

 

 そして、今度はお嬢の番だ。

 

『リアス・グレモリー。前線を突破した敵部隊を迎撃し被害を抑え、さらには大半を生存させたまま投降させた手腕を認め、ここに賞を授ける』

 

『はっ! ありがたくいただきます』

 

 流石に公の場なので、お嬢もサーゼクス様も他人行儀だ。

 

 だが、そこには確かに信頼と絆があった。

 

「兄妹ね。少し羨ましいわ」

 

 姉さんが、ぽつりとそう呟いたのが印象的だった。

 

 そして、最後に賞を受け取るのは、ある意味最も大活躍した功労者。

 

『ソーナ・シトリー』

 

『は!』

 

 一歩前に出る会長の前に立ち、サーゼクス様は厳粛な顔つきで告げる。

 

『後方から強襲してきた、禍の団の最高クラスの戦力の1人である白龍皇の無力化、ご苦労だった。ゆえに、ここに特別な褒章を授ける』

 

『謹んで受け取らせていただきます』

 

 静かに、しかし最も注目を浴びているのは会長だろう。

 

 なにせ、あの白龍皇を返り討ちにしたんだから。

 

 白龍皇の名は広く知れ渡っている。しかもルシファーの末裔だと言う事で、上役達の警戒度はかなり高いってよ。

 

 それを、神滅具も禁手もなしに返り討ちにしたんだ。そりゃ褒められる。

 

 噂じゃ、そのソーナ・シトリーが関わるのなら評価できるのではないかと学園設立について話を聞く気になった上役も多いとか。

 

 そして三人が受賞を終え、そろそろ終わりになり―

 

『そして、これはサプライズだが、北欧アースガルズの主神、オーディン殿から特別賞がある人物に授与される』

 

 ………なにぃ!?

 

 オーディンって、あの御老体だよな!?

 

 北欧神話領域にも襲撃があったらしいが、まだ帰ってなかったのかよ!?

 

 というより、北欧の主神オーディンが、態々名指しで賞を授与するとか、サプライズにも程がある!!

 

「ね、姐さん! 誰だかわかるか!?」

 

「お姉さま! 予想をッス!」

 

「わかるわけないでしょう。とりあえず見守りなさいな」

 

 パニクった俺とペトに、姐さんの呆れ声が届く。

 

 そ、それもそうだ。俺らだって、戦場を全部把握してるわけじゃねえんだしな。

 

 よし、見守ろう―

 

『シトリーの兵士、匙元士郎とか言ったかの?』

 

 ―ああ、なるほど。

 

 言われてみりゃ納得の人選だったな。

 

『……………はい?』

 

 そして、当人はぽかんとしていた。

 

 本来会長に叱責されてもおかしくねえが、しかし会長も何も言わない辺り、予想外だったらしい。

 

 っていうかコレ、リハーサルなしでやってたのかよ。サプライズすぎるだろこれ。

 

『白龍皇ヴァーリ・ルシファー退治で、最も危険な役目を負ったその度胸と、決着をつけたその拳を儂が褒めよう。北欧の主神から褒められる機会など滅多にないぞ? 素直に受けとれ』

 

 そういいながら、オーディン神は半ば強引に匙の手にメダルを握らせる。

 

 そして、さらに会長に視線を向けると、こう告げた。

 

『いつか、レーティングゲームが儂らや天界も混ざって行う時代が来るじゃろう。その時、ただ上級悪魔だからと王になったものと、決意と目的をもって王の資格を勝ち取ったもの、果たしてどちらが楽しめる相手になるのかのぉ?』

 

 ……こ、このジジイどこからその話聞いたんだよ!?

 

 今この場で、上役に喧嘩売るような発言はまずいんじゃ―

 

 と、思ったらオーディン神の後頭部にハリセンが叩き付けられた。

 

『オーディン様! 一神話体系の代表が、相手側の思想の批判をこんなタイミングで言ってはいけません! これから会合もあるんですよ!?』

 

『まったく、そんなだからお主はモテんのじゃ』

 

『モテないのは関係ないって言ってるでしょぉおおおお!!!』

 

 なんか、漫才が始まったぞ。

 

 ちなみにこれでうやむやになったらしい。

 

 ま、それはともかく―

 

「嫌な時代に生まれたもんだぜ、俺達も」

 

「そうね」

 

 俺と姐さんはそう言って苦笑し合った。

 

 ペトも、それを見て複雑な笑みを浮かべている。

 

 そりゃそうだろう。英雄を目指すのなら、それ相応の戦果ってのが必要だ。

 

 だが、俺たちの同期はどいつもこいつもめちゃ凄腕。

 なにせ史上最強の白龍皇となる男がいる。そのライバルとして最近評価を上げている赤龍帝もいる。

 

 そして、そんな二天龍に牙を届かせることができる、凄腕の神器使いがいる。

 

 ……俺達も、負けてられねえな、こりゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、夏休みの終了。

 

 帰りも今回は列車で行くことになり、俺達は見送られるわけなんだけど―

 

「ぁあああああ!!! 宿題忘れてたぁああああああ!!!」

!!!」

 

 イッセーが、大事なことを思い出して絶叫していやがる。

 

 ま、まあ。山籠もりしながら学校の宿題とか普通しないわな。無理やり連れていかれたから、宿題を持っていく暇もなかったろうしよ。

 

 流石に写させるとばれた時怖いからできねえが、ま、教えるぐらいはしてやるか。

 

「あらあら。イッセーさん? 学業をおろそかにしてはいけませんよ」

 

 部長のお袋さんも苦笑してる。

 

 ま、確かにこの人達は学校の授業とかはきちんとこなしてそうなイメージもあるからな。

 

「しかし、神器に目覚めてから半年もたたずに禁手にまで目覚めるとは。リアスのむ……げふんげふん」

 

 親父さんがいらんこと言いかけてすぐにごまかし、そしてきりっとした表情を浮かべた。

 

 ぶっちゃけ何だが、なんでこれでイッセーは気づかねえんだよ?

 

「眷属がこれほどとは、グレモリー家の将来は安泰だ」

 

 うんうんと、感動の涙すら浮かべて親父さんはなにかを感じている。

 

 ま、まあ、赤龍帝を眷属悪魔にするとか、前代未聞だから気持ちはわかる。

 

 ですが親父さん。その子、史上最強の白龍皇になる男とやらに目をつけられてんですけど? 宿敵がシャレにならないチートみたいなやつなんですぜ?

 

 ま、それは俺らがフォローすりゃいいか。

 

 と、思っていると、ミリキャス様がグレイフィアさんに連れられて、俺達に挨拶する。

 

「皆さん! またいつか来てくださいね!」

 

「もちろんですミリキャスさま。またいつか会いましょう」

 

「今度は一緒にゲームするッス! 人間界の面白いの持ってくるッス!」

 

 姐さんとペトがそう返事をし、ミリキャス様はグレイフィアさんに笑顔を向けた。

 

「か……グレイフィア。また来てくれるって!」

 

「良かったですね、ミリキャス様」

 

 その光景は、主の息子とメイドというより、なんというか……。

 

「……あの、お嬢。もしかして……」

 

 俺はふと何かに勘付いて、お嬢にそれを聞こうとする。

 

 だけど、お嬢は無言でほほ笑んだ。

 

 それが、皆納得できる答え何だろう。

 

 おいおい、メイドさんがお嫁さんとか、すごい属性持ってるなサーゼクス様―

 

「何か変な勘違いをしてないかしら?」

 

 え、違うんですかいお嬢!?

 




リアス「違わないけど違うのよ」

ヒロイ、あってるのに勘違い。









そんでもって授賞式。上役としては悪魔と同列で多種族が冥界で報奨されると面子保てないので、形だけでもなんとかしないと必死だったり。
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