フェバル~全知無能のイモータル~   作:華村天稀

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前回のあらすじ:
アスカのスパルタ訓練が決定。
ヤスール「この兎刺し美味いな。毎晩出してくれ」
カリム「俺の分も頼んだ」チカバル「おれもおれも」
アスカ「ちょ!? 材料貴重なのに!?」



0x05.下着がないなら作ればいいじゃない

 スパルタ初日。朝。集落の入り口で。

 

「訓練はあの丘で行う。ついて来い」

 

 言うが早いか、遠くに見える丘を目指して走り出すカリムさん、ついていくチカバル君。二人ともはっや!

 置いて行かれてはいけない、私もすぐさま走り出すものの、文化系日本人にはとてもついていけそうにない速度……あれ、私の足も思ったより早い。ていうか身体が軽い? どうして?

 困ったときは【(ばん)()】の出番。この星、重力が地球の0.7倍しかないらしい。つまり単純計算でパワーが1.4倍になったようなもの。なるほど身体が軽いわけだ。でも逆に、そんなゆるい環境だと筋力を鍛えるのが難しくなるかも。まあ段階的に重り(ウェイト)をつけるとかを意識すれば大丈夫かな。

 ……なんて考えてたのに、現場に着く前にばてた。いやばてようが疲れようが身体動くけど、動きが鈍るのは避けられず、そのせいで二人に遅れた上に派手に転んだ。痛くたって平気だけど何か悔しい。うわーん。

 

「姉ちゃん体力ないのな」

「そこから鍛える必要があるか……基礎以前だな」

 

 心配して戻ってきてくれた二人の手にはアルミラージが。走ってる途中で狩ったらしい。いつの間に。自分がドシロウトなのは自覚してるけど、こう技術の差を見せ付けられると

 

「姉ちゃんそれ、昨晩のおれらな」

「あんな器用に剣を使うのは長でも無理だろうな」

 

 木工は何であんな器用にできたのか自分でもよくわからないんで、褒められても複雑な気分なんですが。あとさ、この集落はノミとか彫刻刀とかないの?

 

「どっちもあるよ」

 

 ……あるなら木工中に出してほしかった。

 

「だって言われなかったし」

「それに気がつく前に作り上げてしまったからな」

 

 言われてみれば自分でも驚くくらいスムーズに切り出してたもんなぁ。じゃあ次に作る機会があったら出してもらおう。

 結局、まずはとにかく基礎体力を倍以上にしないと何をするにも(らち)が明かない、ということで夕方近くまで延々と集落と丘の上を往復させられた。体感だけどフルマラソン以上の走行距離。ばてばてになった身体には手に持ったククリナイフがさりげなく重くて辛い。あと昼飯抜きってどういうことよ?

 

「昼飯? 飯は一日二食だろ? 朝と晩」

 

 あ、昼食の習慣がない世界でしたか。でも途中で少しくらいは水を飲ませて欲しかった。甘えじゃないよ! 運動中の水分無補給は身体に悪いんだよ!

 私は延々と休み無くとろとろ走るだけだったけど、二人は飛び出てくるアルミラージをぷちっと猟果に追加したり、巣の場所を私に聞きだして幼体を生け捕りにしたりと大活躍だった。しかもけっこう涼しい顔、対する私は汗だく。

 十時間も延々と走ってると身体ががくがくしだすけど、普段から月例で激痛を耐え抜いたり、一月ほど死んで死んで死にまくる狂気に耐えた実績のおかげか、気合入れて無理やり身体動かしてしまえば何とかなった。まぁ生理痛の最中と比べればまだ全然身体動くね、辛いには辛いんだけども。

 

 そしてくったくたに疲労した後で入る温泉はサイッコーに気持ちがいい。転んだときの傷がちょっとしみるけど。

 温泉にとろけながらふと思う、私も鍛えたらあの二人みたいに動けるようになるんだろうか……そんなことを考えながらボーっとしてたら、ちょっとのぼせた。

 

 そのあとは調理場の隅のほうを借りて、連中がどうしても兎刺し食べたいっていうから狩ってこさせた子ウサギを、昨日と同じようにささっと捌く。この調理場、なんか変な光る紋章が書かれた台があって、その光にかざすことで調理器具だろうが食べ物だろうがヒトの手だろうが何でも消毒できるらしい。深く考えずに利用しているけど、これ多分魔法だよね? いずれ詳しく聞いてみたいところ。いや【万智】で調べ抜けばいいのかもしれないけど、まずは知ってる人に教わりたい。

 皿と箸は昨日のやつを再利用、ごま油モドキと塩は昨日と同様に少しだけ貰えば……そういえばこの油も貴重品なんだっけ。毎日消費してたら怒られるかもしれない。これの調達も考えないと。ヤスールさんにお願いしてみよう。

 で、ヤスールさん宅へ持っていく……

 

「やっぱり待ち構えていやがりましたね」

 

 カリムさんとチカバル君もいた。そりゃ私としては二人のもとへ持って行く手間が省けるので構わないんだけど、族長に用ないのに族長宅にホイホイ遊びに来ていいのか?

 あと生理中たいへんお世話になった薬師さんことカトラさんも居た。あれ四人いる。でも箸は四膳しかないので、つまり私の分がない。しょぼーん。

 

「そういえばあのときはお世話になりました」

「いえいえ。何事も無くてよかったわ」

「お騒がせしましたホントに」

 

 薬師のカトラさんは族長ヤスールさんの奥さんだそうで。村一番の知恵者で、普段は薬の管理や調合したり、料理班の指揮を取ったり食材の在庫管理したりでけっこう忙しく、病気の者が出ると彼女しか診察できる者がいなくて大変だそうだ。後継者育てましょうよ。なお私が後継者やるのは無理、フェバルなので育っても遠からず居なくなっちゃいます。

 そんな集落の偉い方かつ個人的にもお世話になった方に、この極上の味を食べさせない選択肢はない。でも生食ですよ、大丈夫? って族長も食べてるんだから今更か。

 

「あっ手でつかんじゃダメです」

「じゃあどうやって食べるのよ?」

「こうお箸を使って一切れずつ、タレにつけて……はい、あーん」

「変わったものを使うのね……」

 

 たしかに箸文化は変わってるかもしれないけど、衛生上必要です。殺菌効果のあるショウガを使えばマシかもしれないけど、醤油がないからなぁ。

 

「……美味しいわね。生肉って聞いてたからちょっと怖かったけど」

「実際、調理を間違えると食中毒になるでしょうね。美味しいけど怖い料理なんですよ」

「棒で食べさせるのもそのため?」

「そうです、箸と言うんですが」

 

 箸を使う理由は、実際は私の文化的な矜持(きょうじ)というかそういう面のほうが大きいんだけど、そういうことにしておく。

 

「早くワシも食べたいんじゃが」

「くっ、待つしかないとは焦れるな」

「姉ちゃんおれにもー」

 

 ちょ、おのれらは巣で親を待つツバメの(ひな)(どり)か!

 昨日全然食べれなかった族長さんはまだしも、そこの二人は随分と強欲じゃないですかね?

 

「私にももう少しもらえるかしら?」

「は、はいどうぞ」

 

 カトラさん眼光が鋭すぎて逆らえません。

 

「ふふふ、わたしに内緒で胡麻(ごま)油を勝手に使って何かと思ったけど、これは許可を出さざるを得ないわね」

 

 あ、これモドキじゃなくてホントに胡麻油なのか。

 

「そういえば貴重って言ってましたけど」

「ええ、本来は魔法の触媒にするものなのよ。食べるなんてとんでもない、って思ってたんだけど」

「魔法ですかっ!」

 

 魔法の習得は目標の一つ。是非とも習いたい。

 カトラさんに頭を下げてお願いし……

 

「そんなことより食わせてくれんかのう」

「そうだぞアスカ、素手で掴むなと言うならちゃんと食わせてくれ」

「サボんなよ姉ちゃん」

「ああもう面倒くさいですね! ご自分でどうぞ!」

 

 三人それぞれ向けに使っていた箸を渡す。え、どう使うのコレ、って顔を今更されても。さっきまでお手本見せたでしょ。

 

「え、ちょ、姉ちゃんこれ難しいー」

「なかなか、これは……」

 

 カリムさんとチカバル君は突き刺したりトングみたいな使い方でなんとか食べてる。明日から使い方教えてあげるからちゃんと使えるようになりなさい。

 

「難しいけどコレ、調薬に応用、できそうね。おいし♪」

 

 カトラさんは頑張って比較的まともに箸を使ってみせた。箸を覚えたての子供くらいの器用さ。初めて使ってそれだけできるなら凄い。

 

「む、若い()に『あーん』して貰うのは格別だったんじゃが、仕方ないの」

 

 ヤスールさんはカンペキに箸を使いこなす。えぇー、自分でできるなら初めからそうしてくださいよ。何処かの星で覚えてきたんですか?

 

「あなた?」

「んぐ」

 

 あと詰まらないことを言って奥さんを怒らせないように。だいたい、目の下のクマが色濃い喪女を横に侍らせて、何が面白いというのか。私には理解できませんよ。

 

 という感じに話が飛んだけど、魔法を教わることについては了承いただけた。ただし、カリムさんの訓練である程度の成果が出てから。

 あと対価として兎刺しを毎晩出すことも要求された。貴女もですか。

 

 

 

 

 スパルタ二日目。のはずだったんだけど、筋肉痛がひどいことを話したら、無理やり頑張っても身体によくないからと休みになった。痛かろうとお構い無しに気合入れてたので拍子抜け。

 時間ができたならやっておきたいことがある。

 

「エトナちゃーん」

「あ、えーと、お姉さん。元気になった?」

「ええ、おかげさまで。白湯ありがとね♪」

「でも目の下のクマなおってないよ?」

「残念ながらコレはいつでもこうなんです」

 

 この集落に来た当初、最高に灰ってヤツ(誤字にあらず)になってたときに、カリムさんの後ろから白湯を持ってきてくれた少女、エトナちゃん。他の見知った顔は狩りに出ているか忙しくしていて、服のことなら彼女にでも聞けといわれた。てかそれ、エトナちゃんが担当なんじゃなくて私の相手を適当に押し付けただけだよね? まぁ細かいことは気にせずお願いしますけども。ていうかカリムさんは私のお目付け役だったはずでは。私放置して狩りに出ていいのか?

 で、何がしたいのかというと……

 

「下着を作りたいのです、ちょっとエトナちゃんに手伝ってほしいのですよ」

「下着? って何?」

 

 そう、この集落、下着がない。そういうのを身に付ける文化がないのだ。

 男性はそれだと股間のモノがぶらぶらするので、布を巻きつけて固定しているらしい。要するにフンドシ。

 女性は何もなしで激しく動くと胸が揺れて先端が痛いので、そういう激しい動きを嫌うか、やっぱり布を巻きつけて固定するかのどちらか。要するにサラシ。なお下はない。

 そんなわけで、私もそれに倣って昨日はサラシ巻いてたわけだけど、胸を潰すようにして巻くから苦しくて、激しく動くには邪魔になる。あと下がね……郷に入ればなんとやらとは言うけど、やっぱり何もなしではちょっとねぇ。と思って一応フンドシをつけてはみたものの、やっぱ違和感がある。

 そんなわけで。ないのなら、作ってしまえ、ホトトギス。じゃなかった下着類。鳥を作ってどうするの。

 

「お姉さん、変わったこと考える」

「そらまあ、族長さんのお友達ですんで私」

 

 フェバルがどうこうとかいう話は一応伏せておこうってことになってて、ヤスールさんとカトラさん、あとカリムさんにしか話していないらしい。よってチカバル君は詳しいことは知らない。

 公的には私の身分は旅人で、族長さんが他の星に行ったときにできた友人ということになっているらしい。まぁ間違いじゃない、けど年齢的には友人の娘くらいになるんじゃないかなぁ。

 何で伏せてるのかって? そりゃ(もち)(ろん)、私が "フェバル様" の同類だなんてバカ正直に触れ回ったら大変な騒ぎになりかねないからです。まぁ一般の村人は伝承をあんまり知らないみたいなんだけど、ちょっと他の集落によく行く博識な方々はその辺をけっこう知ってたりするみたいなので、一応配慮しておけと言われた。

 それにしても『族長さんの友達』と名乗れば大概の奇行を納得してもらえる、ってカトラさんに言われたんだけどそれってどうなのよ? 族長様かわりものだから類友ってこと? それでいいのか最高権力者とその妻よ。

 

 というわけで、初日に貸し出されて以来そのまま私の家扱いになってる客人用テントまで、エトナちゃんにお願いして布と縫製道具を持ってきてもらいました。日本の裁縫道具と比べるとちょっと無骨な感じがするけど大丈夫、ククリナイフを包丁や彫刻等代わりにするよりも全然楽です。

 なのだけど、身体にフィットする下着類って設計がタイトだから、まず細かい寸法を測らないといけないんじゃなかろうか。さすがに道具の中にメジャーはない。そもそもこの世界にSI単位系がないだろうし。さらに言えば金属部品やプラの部品もないから普段使っていたそのものは作れず、形状も工夫が要る。なら【万智】で調べてしまおう。たぶんわかる。

 

 

 ……あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ。

 私は自分の下着を作るために適切な寸法を知ろうとしたら、いつの間にか上下一式が出来上がっていた。

 な、何を言っているのかわからねーと思うけど、私にも何がどうなったのかわけがわからないよ。きゅっぷい。

 

「お姉さん、これが下着?」

「うん、そうです……あれー?」

 

 こうやってこうすれば作れる、という手順みたいなものが【万智】によってわかったと思ったら、なんかそのとおりにさくさくと身体が動いて、あれよあれよという間に出来上がってしまった。ホックとかがないので形状で工夫して装着できるようになってる。これ地球にあるものと遜色ないよ、素材以外。

 そういえば一昨日(おととい)昨日(きのう)と子ウサギを捌いたときも、木を切り出して皿を作ったときもこんな感じだった。捌き方を調べて調理しようとしたら、特に意識することなく身体が自然に動いて調べたとおりに調理できてしまった。さらに盛り付け用の木皿が欲しいと考えていたら同じノリで削りだしてしまった。どうやらこれらも【万智】の特性によるものらしい。

 つまりあれか、ちゃんと材料や道具が揃ってて、私の体力とかが許す限りはどんなモノヅクリも楽勝ってことか。しかも道具はちょっと普通では考えられない用途でもだいたい完璧に使いこなせると。おお凄い。はじめて【万智】に感動した。

 そして欠点も明白。素手で捌いたり切り出すのはさすがに物理的に無理、という事実を覆すことは出来ない。この能力を活かすなら適切な道具が必要。それって星間旅行(強制)で持ち物を失くしやすいフェバルとは相性悪くない?

 

「これ、どうやって使うの?」

 

 エトナちゃんがブラに興味を示しました。この子だから微笑ましい光景で済んでるけど、他の人(特に男)に興味を持たれるとヘンタイ化不可避だわこれ。文明的に未知のアイテムだから好奇心持たれる可能性フツーにあるよね……ま、まぁ不快に思うのは異世界人の私だけだから我慢すればいいのか……いいのか? 

 というわけで実際に服を脱いで着てみせる。まず下から。ジャストフィット。そして上も……使い慣れない構造なので少しだけもたついたけど装着完了。やっぱりジャストフィット。さすが【万智】、寸分の狂いもありません。これってもしかして女性のスリーサイズ知り放題なんじゃあありませんかね? 男に持たせたらいけない能力だなぁ。

 

「こうやって身に付けて使うんです」

「うんうん」

「これなら動き回っても痛くなしい、サラシみたいに苦しくもなりません」

「おぉー!」

 

 興味津々のようだ。

 思うに、女性に狩人はとにかく戦士を名乗る人がいないのって、ブラがなくてサラシを使ってるのが原因じゃなかろうか。苦しくて大立ち回りはキツいもんね。

 つまりコレを普及させたら戦士になる女性も現れるかもしれない。役割分担の意識はあれど男女差別的な考え方はないみたいだし。

 

「これがあればお姉さんも戦士になれるの?」

 

 と言われて気がついた。そっか、女性戦士第一号、私かぁ。

 

「そうだね」

 

 それからあと二セットほど下着を作ったら、エトナちゃんもひとつ欲しいというので、でも上は未だ要らないよね。なので下だけひとつ作って進呈した。

 ちょっと形が私のと少し違うような……まぁ喜んでくれたから別にいっか。

 

 

 その後、カリムさんたちが狩りから帰ってきて、けっこう大猟に見えるのに妙にしょげてるので何かと聞いてみたら、子ウサギを捕まえたいのに自力では巣を見つけられなかったんだって。で私に位置を聞いてきた。おい戦士と狩人見習い。そんな索敵技量で大丈夫か? まぁ教えてあげるけど、狩るのは一日あたり巣一つまでにしときなさいよ? この集落は成ウサギ肉が主食なので、乱獲して絶滅させちゃったら目も当てられない。

 

 場所を教えてやれば後の仕事が早いのは流石。生け捕りで持ち帰ってきた子ウサギを受け取って……昨日は無心で捌いてたからなのか、けっこう平常心でいられたんだけど、改めて見ると生きた兎の首を狩り落として血抜きして腹割いて内蔵抉り出して……えぐいわ! こう肉と血の感触と生々しい暖かさがまたクラクラする。私これ昨日までは特に何とも思わずにこなしてたのよね? どういうことなの?

 え、【万智】の効果で平常心だった? アッハイ了解。確かに捌き方は【万智】任せだったけど、精神面も保護されてたのかぁ。この能力、意外な方面でもチートだったわ。その調子で先週までの死亡ループもどうにか回避してくれれば……どうやっても無理だった? 力なさすぎ? 鍛えないとダメ? アッハイそうですね。

 能力にまで駄目出しされてなんか悔しいので、腹いせにカリムさんとチカバル君に箸の使い方講座して、うまく持てるようになるまで兎刺しを食べさせなかった。何で俺たちだけって文句言われたけど、ヤスールさんは元から上手だし、カトラさんもけっこう器用だから及第点でOKなんですぅ。いいから練習だ、とにかく練習せよ。私の故郷じゃ乳幼児でも昨日のカトラさんくらい使いこなせるんだぞ、恥ずかしいと思わないのかキミたちは。思ったならホラ頑張れ。

 なお昼のお礼ってことでエトナちゃんも招いて食べさせました。初めてなので私てずから、はい、あーん。気に入ってもらえたようで何より。

 あ、今日は私も食べますよ。ちゃんとお箸を二膳作ってきたから大丈夫。

 

 ……すっかり贅沢を教えてしまったような気がしてならない。私がいなくなった後、この集落は大丈夫なのかなぁ?

 

 

 

 

 翌日の訓練はさらにスパルタに……なったようなならないような。

 一つだけ言うと、私は初日以上の回数を往復した。体力は少しずつ増してるんじゃないかなぁと思うのは楽観かな?

 




◇重力が地球の0.7倍
現在の話の舞台である惑星相当天体イゴールの性質については0x02話にて解説したとおり。大きさに対して重力や気圧がおかしいのだが『そのように "フェバル様" がパラメータ設定して作った』ためにこうなっていると思ってもらってよい。
なお質量と重量は異なる。たとえば調味料の量(質量)が5gと表記した場合、地球上での5gはイゴール上でも5gであり同じ量を指す。この5gの重さが地球上で5g重に対しイゴール上で3.5g重になり異なる値となる。
何が言いたいかというと、仮に今後料理のレシピ等を出した場合に『重力が違うから量も換算しないと……』などという心配は無用ってこと。

◇光る紋章が書かれた台
この紋章がイゴールの魔法。こいつは病魔払い紋と言われており、調理の前に食べ物や食器をこれにかざすと食べた者が病気になりにくい、と言われている。
実態はかざしたものを殺菌消毒する効果があり、アスカは【万智】によりそれをなんとなく理解している。
一度書くと三時間ほど持続する。逆に言えば調理一回分の時間しかもたないので、調理毎に魔法使いたちがありったけ書いて回る。

◇カトラ
族長ヤスールの妻で、影の族長みたいな存在。初老というには少し若い程度の歳。
今の集落で唯一の薬師。集落に病人が出たら、適切な診察ができるのは彼女だけ。
普段は薬の管理や調合、料理班の指揮や食材の在庫管理をしている。

◇箸文化は変わってるかもしれない
地球において、食事の際に使う道具としては(構造ではなく使い方の)複雑さにおいて他に類を見ない異色のアイテムであろう。

◇エトナちゃん
ラハール族の子供のひとり。初日にアスカのテントに白湯を持ってきた子。
ところで、この子が女の子だと誰が言った?

◇下着を身に付ける文化がない
下についてはそれほどおかしな話ではないようである。日本でも近代以前は着物の下は腰布一枚とあまり下着らしいものを身に付けていなかったというし、西洋でもドロワーズが発明されるまでは女性はノーパンだったらしい。
上については古くは紀元前より何らかの方法で固定していたらしいことがわかっている。ラハール族においてもサラシ派以外は何もしていないってわけではなく、服自体でゆるく固定しているのだが、これだと激しい運動には耐えられないようだ。

◇SI単位系
正確には国際単位系、またはそのフランス語の頭文字を取ってSI(のみ)。
地球上のあらゆる国で共通して使えるよう策定された各種単位のこと。
距離のメートル、質量のキログラム、時間の秒などがある。
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