選ばれた男は選ばれなかった子へ   作:猫ペンギン

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ほっこり更新します。
ほとんど推敲できてません。


魔法薬学の先生

「ネビル!朝だぞ!」

 

身体を揺さぶられて目を覚ますとドラコが目の前にいた。

うーんと唸りながら身体を起こして周りを見渡すと、ドラコ以外の同部屋の生徒たちは誰もいなかった。

 

「早くしないと朝ごはんを食べれないぞ!君はもっとしっかりしていると思ってたよ」

 

「朝は食べなくても大丈夫なんだ。けど、起こしてくれてありがとう」

 

呆れながらドラコが言ってきたが、お礼を言うと頬をピンク色にして目をそらした。

 

「それはいい。僕も基本的に食べなくても大丈夫だから。授業の前に父上に手紙を送りたいんだ。ふくろう小屋まで付き合ってくれないか?」

 

手紙を手に持っていた。グリフィンドールに入った旨の手紙だろう。

いいよ、と軽く相槌を打って制服に着替えて、ふくろう小屋を目指した。

途中でピーブズがチョークの粉を撒き散らしてきたが、アッサリと避けて相手にしていないでいると、大声で叫んでどこかに行った。

それ以外は何も起こらずにふくろう小屋に到着すると、ドラコが呟いた。

 

「父上は許してくれるだろうか」

 

「大丈夫だ、ドラコ!ちゃんと話せば分かってくれるさ。何かあっても僕が力になる」

 

ドラコは不安そうにしながらも、手紙をふくろうに持たせた。

ふくろうがホーッと一鳴きして飛んでいく様子をふくろうが見えなくなるまで見ていた。

 

「元気出そうよドラコ、返事も来るさ!今日は変身術の授業があるだろう?マグゴナガル先生は厳しいから絶対に遅刻しないようにしなくちゃ」

 

「寝坊した君がそれを言うのか?」

 

僕らは笑い合いながら2人で変身術の教室を目指した。

マグゴナガル先生は厳格で、いくらおばあちゃんと仲が良いからといっても僕を贔屓するなんてことはないと思っている。

教室に到着するとハーマイオニーが一番前の席に座っていたので僕たちもその横につく。

 

「おはようハーマイオニー!」

 

「おはよう、ネビル、ドラコ!すごく楽しみね!」

 

僕らが声を揃えて挨拶をするとハーマイオニーは朝から元気に声を出した。

僕はちらりと黒板の前にいる黒猫を確認し、目が合ったのでウインクをした。

生徒全員が到着すると、黒猫がマグゴナガル先生に変わる。生徒たちはとても驚いて、感動していた。

マグゴナガル先生は嬉しくする素振りを微塵も感じさせない落ち着いたトーンで話し始めた。

 

「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの一つです。いい加減な態度で私の授業を受ける生徒は出て行ってもらいますし、二度とクラスには入れません。 はじめから警告しておきます」

 

そして先生は机を豚に変えて、また元に戻した。

意外にもデモンストレーションが多いと思った。本当に変身術が好きだと分かる。

授業の前半では、先生が黒板に書いた理論をノートに写していくものだったけど、教科書には載っていないポイントなどもあって、板書だけでもとても楽しいし為になる。

それが終わると一人ずつマッチ棒を配られ、それを針に変えるよう言われた。

 

「そうですね、まず、ネビル。やってみなさい」

 

配られてすぐに指名された。

これくらいできることをマグゴナガル先生は知っているので見本にさせるつもりだろうか。ちょっと贔屓も入っていたのかもしれない。

ハーマイオニーが羨ましそうに、悔しそうにこちらを見ていた。

僕は頭の中に、針のイメージをしっかりと持って杖をふるう。

銀色に輝き、先端は尖っていて、糸を通せる穴が開いている裁縫針をイメージする。先ほど教わった理論を意識しながら杖を振ると、いつもより早くイメージ通りの針に変える事ができた。

 

「さすがですよ、ネビル。グリフィンドールに5点差し上げます」

 

「ありがとうございます、マグゴナガル先生」

 

ロンだけが睨むようにこちらを見ていたけど、それ以外は歓声を上げていた。早くやってみたいと、ほかの生徒も針に向かって杖を振るい始める。

 

僕は何人かにコツを聞かれたので、説明をしていたけど、ハーマイオニーとドラコはそれぞれ自分の力でやろうと頑張っていた。

授業が終わる頃には2人ともマッチ棒を針に変えることに成功して、マグゴナガル先生を大いに喜ばせた。

 

「今年の新入生は優秀な者が多いですね」

 

マグゴナガル先生はそう言って僕たち3人に対して微笑んだ。

ロンだけがとてもつまらなそうにしているのだった。

 

次は闇の魔法の防衛術だったけど、原作通りのニンニク臭い部屋だった。

ターバンを巻いたクィレル先生はどもりながら、自分がなぜ教室中にニンニクをぶら下げているかの説明をし始めたのだ。吸血鬼に襲われない為にと言っているが、理由を知ってるとその言い訳はとても苦しく感じた。

 

そういった感じで授業や宿題に追われているとあっという間に金曜日になっていた。

ドラコに起こされて、大広間に一緒に向かう。ドラコにふくろう便で返事が来ないかを確認する為に、あの日から毎朝一緒に、大広間に来ていたのだった。

ハリーの皿の上にハグリッドから手紙が来ていて、ハリーが返事を書いているのが見えた。

けれど、今日もドラコに手紙は来なかったのだ。

 

「父上は許してくれないのだろうか」

 

ドラコはあの日から青白い顔をさらに青白くさせているように見えた。

 

「ちゃんと考えてくれているさ。大事な一人息子だろう」

 

僕はドラコに元気を出して欲しい。僕も何かしら力添えをしたい。ドラコを慰めているけど、僕も不安になってきた。

2人とも憂鬱な気分のままで地下牢にある魔法薬学の教室へと向かった。

夏だというのに寒くて、壁にはずらりとガラス瓶が並んでいる。

スネイプ先生はフリットウィック先生と同じように授業のはじめに出席を取り始めた。

原作通りにハリーのところで一旦言葉を止めて嫌味を言うと、スリザリン生数名がクスクスと笑った。

 

「このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な科学と、厳密な芸術を学ぶ。杖を振り回すような馬鹿げたことはほとんどない。そこで、幾人かは魔法ではないのではないかと思う者も居るだろう。フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち昇る湯気、人の血管の中を這いめぐる液体の繊細な力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力。諸君がその見事さを真に理解するということは期待してはいない。私が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である・・・ただし、私がこれまでに教えてきたウスノロたちより諸君らがまだマシであればの話だが」

 

呟くように話すスネイプ先生に僕は魔法薬の真髄を言っていると感じた。最後に言った言葉は賢者の石そのものであると感じたけど。

スネイプ先生は突然、ハリーを指名した。

 

「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるかな?」

 

ハリーは分かりませんと答え、ハーマイオニーが手を高々と挙げていた。スネイプ先生はハーマイオニーを無視して質問を続ける。

 

「ポッター、もう一つ聞こう。ベゾアール石を見つけて来いと言われたら、どこを探すかね?」

 

「ポッター、モンクスフードとウルフスベインとの違いはなんだね?」

 

全ての質問が終わる頃にはハーマイオニーはとうとう椅子から立ち上がってしまっている。

 

「ハーマイオニーがわかっていると思いますから、彼女に聞いてみたらどうでしょう?」

 

ハリーがそう言うとグリフィンドールでも笑い声が起きた。

スネイプ先生は不快そうにハーマイオニーに座りなさいと言うと、今度は僕とドラコが座っている方を向いた。

 

「ドラコ・マルフォイ。分かるかね?」

 

ドラコは僕のノートをチラ見してから立ち上がった。

 

「生ける屍の眠り薬、山羊の胃、違いはない、です。先生」

 

「概ね正解だ。補足しよう。アスフォデルとニガヨモギを合わせると、眠り薬となり、あまりに強力なため『生ける屍の眠り薬』と言われている。ベゾアール石は、山羊の胃から取り出す石で、大抵の薬に対する解毒剤となる。モンクスフードとウルフスベインは、同じ植物で、別名をアコナイトとも言うが、トリカブトのことだ。どうだ?諸君、なぜ今のを全部ノートに書き取らんのだ?」

 

みんなが一斉にメモを取り始め、それに合わせてスネイプ先生が言った。

 

「ポッター、君の無礼な態度でグリフィンドール1点減点」

 

その後、スネイプ先生は生徒を二人ずつ組にして、おできを癒す簡単な薬を調合することになった。

僕とドラコはおなじ組だった。

スネイプ先生は僕たち以外の全員に注意をしていた。授業の最後に薬を提出しに行くと、スネイプ先生に声をかけられた。

 

「ふむ、ウスノロではないようですな。2人とも授業後、教室に残るように」

 

ドラコは出来が良いのに居残りと言われたので納得していないようだったけど、僕は大体の理由を思いついた。

ハリーもなぜ居残りなのかと理不尽だと言いたそうにこちらを見ていたが、ロンは僕たちの居残りをいい気味だと思ったのかニヤニヤしながらハリーを止めていた。

授業が終わって、グリフィンドール生とスリザリン生が全員出て行くと、スネイプ先生は、僕たちについてくるように言った。

魔法薬学の準備室のような部屋で、薬の保管庫でもあるみたいだ。

 

「なぜ呼ばれたか分かるかね?」

 

スネイプ先生に聞かれて、分かりませんとドラコが言う前に僕が返事をした。

 

「マルフォイなのにグリフィンドールだからですか?」

 

「その通りだ、ロングボトム」

 

スネイプ先生は苦々しく言うが、ドラコは納得していないようだ。

 

「なぜ僕がグリフィンドールに来たら、居残りをさせられるんですか?」

 

「そうではない。君の父親であるルシウス・マルフォイと私は・・・あー、懇意の仲でな。君についてよく見るようにと言われているのだ」

 

スネイプ先生は言葉を選びながらめんどくさそうに言う。

 

「僕が劣ってないかを見ていろとでも言われたのですか?」

 

「いや、多分違うよドラコ。スネイプ先生、ドラコのお父さんはグリフィンドールでも上手くやれてるかどうかを気にしているんじゃないですか?」

 

スネイプ先生はうんざりとした様子で机の引き出しを開けて、手紙を5通程机の上に置いた。

 

「これは、君の父親から、入学式の次の日から毎日届いている。正直な話、巻き込まないでいただきたいのだが」

 

ドラコはやっと合点がいったのか驚いた様子でスネイプ先生を見ていた。

 

「えーと、止めるように手紙を出してみます」

 

「そうしてもらえると助かりますな」

 

やはりスネイプ先生は良い先生だった。たとえ、ハリーを憎んでいても。

 

「あとロングボトム、カンニングをさせるのは良くない。次からは控えることをお勧めする」

 

「はい、スネイプ先生!」

 

僕とドラコは明るくスネイプ先生に返事をした。

ドラコは気分がだいぶ上がった様子で早くお父さんに手紙を出したいようにソワソワしていた。

 

「スネイプ先生、それが僕を呼んだ理由ですか?」

 

「・・・ロングボトム。ダイアゴン横丁の薬問屋に魔法薬を売っているだろう。学生の間は控えるように」

 

まさかバレているとは思わなかったが、禁止される理由がよく分からない。ポカンと口をあけていたらスネイプ先生は言葉を続けた。

 

「売る値段が安すぎる。他の魔法薬を販売している業者に恨まれているぞ。その代わり、ここで魔法薬を作る分には問題ない。私がいる間は、だが。用事は終わりだ。出て行きなさい」

 

先生はそう締めくくって僕たちを追い出した。追い出される前にスネイプ先生にありがとうございますと2人揃って言ったのだった。

 

そのまま次の魔法史の授業が終わった後、寮に帰る途中までドラコはとても嬉しそうだった。

 

「聞いたか、ネビル。父上はグリフィンドールを許してくれたぞ!君のことを手紙で紹介してもいいかな?」

 

「もちろんだよ、ドラコ。直接君に何て声をかければいいのか分からなかったんだろうね」

 

僕たちが喋っていると、ハリーとロンが近づいてきた。

 

「魔法薬は大丈夫だった?僕たちこれから、ハグリッドの小屋に行くんだけど、君たちも良かったらどうかな?」

 

「よせよ、ハリー。こいつらを誘うなんて!どうせスネイプにスリザリンに入れないかお願いしてたんだろう!?」

 

なぜスネイプ先生からの呼び出しで僕たちがお願いすることになったのかは分からないが、ロンはどうしても僕たちを敵にしたいようだった。

 

「ありがとうハリー。けど、父上に手紙を書きたいから遠慮しておくよ」

 

ドラコはロンを完全に無視してハリーに返事をした。

 

「父上だと?聞いたか、ハリー。やっぱりこいつはマルフォイだ!」

 

「僕もドラコが行かないなら、やめておくよ」

 

僕もロンの言葉を無視してハリーに返事をした。

 

「おい!なんか言えよ!」

 

「ロン!」

 

ロンがあまりにも突っかかるものだから、ハリーが大きな声を出した。

 

「僕たちは気にしていないからいいよ、ハリー。じゃあまた夕食の時に会おう」

 

僕とドラコはハリーとロンの2人組と別れた。あのままだと喧嘩になりかねない。

 

「いい加減ウンザリするな、あいつは」

 

せっかくいい気分だったのに、ロンのせいで台無しになってしまった。

 

「ロンが悪いな、2人とも!」

 

別れてすぐにウィーズリーの双子に捕まった。

 

「ちょっと来てくれ」

 

2人はそれぞれ僕たちの腕を掴んでどこかに向かう。僕たちはされるがままに着いていった。




時間割はわりと適当です。
温かい目で見守ってください。
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