え?今回も切れって?兄貴出せねぇんだよ(逆ギレ)
しばらく向かい合うメリオダスとゼルドリスだったが、メリオダスが凄まじい速度でロストヴェインを振った。
並の者なら一刀両断される斬撃を、ゼルドリスはそれを上回る速度で剣を振り、メリオダスの左腕を斬った。
腕を斬られたメリオダスは、しかし顔色を変えることなく、ゼルドリスを蹴り上げた。
そして、そのまま闇で腕を治そうとするメリオダスだったが着地したゼリドリスがメリオダスの左腕を踏み、阻止する。
「やれ」
「〝呪縛怨嗟〟」
ゼルドリスが呟くと、グレイロードが黒い鎖のようなものでメリオダスを拘束する。しかし、しばらくすると鎖は消えた。
「〝
突然の〈十戒〉の出現に放心していたジブリールだったがメリオダスたちの攻防で我に返り、ゼリドリスの斜め上に転移すると、杖をゼルドリスへ向け、光を放つ。しかし——
「ガハッ」
無傷のゼルドリスがジブリールの右横腹から左肩まで斬り裂いた。
しかし、その隙にメリオダスは左腕を闇で治す。
「〝
傷を光で治しつつあるジブリールがそう言いながら、左手を上に翳すと紫色の霧がジブリールの左手から発生し、〈十戒〉を覆う。
そして、ジブリールとメリオダスは霧に乗じて、〈十戒〉から逃走を図る。
〈十戒〉全員を相手にすれば、如何にこの2人と言えども勝機はない。故の逃亡だったのだが——
「……⁉︎」
無事〈十戒〉から距離を取れたジブリールは首を傾げた。同じく、〈十戒〉から離れていたメリオダスの魔力が唐突に消え、再び〈十戒〉の包囲網の中へ入ったのだ。
ジブリールの出した霧——〝
封印される前。魔神族と女神族に追われている時によくこの魔法を使って逃れていた。〈十戒〉や〈四大天使〉であろうとも例外ではない。
そのため、〈十戒〉もメリオダスも何が起こっているのかわからない様子だったが、しばらくすると、霧の内側から突風が吹き、霧が払われてしまった。
この魔法は強力な効果を持つが、そこまで大きく動かすことができず、一定範囲に留めておくことしかできない。そして、上位魔神ならば腕を振るだけで払うことができてしまう。
そのため、いつもはこの霧で時間を稼ぎ、その隙に〝瞬間移動〟で逃げるという手を使っていたのだ。
霧が払われて中の様子がわかるようになると、メリオダスがあの妙な鎖で拘束されていた位置に立っていた。
「これが…〝呪縛怨嗟〟」「呪いを受けしその場所より」「お前は離れることができなくなる……」「もはや〝死〟は不可避」
それを聞いたジブリールは直ぐさまメリオダスのそばに転移。そして、〝
しかし、その前にジブリールの後方からデリエリがジブリールを殴り地面へ叩きつける。
「きゃっ!」
デリエリはそのままメリオダスへ攻撃を仕掛ける。
ジブリールは魔力防御壁によって、ダメージを無くしたので、すぐにメリオダスの援護に行こうとしたが、
「〝天漢破獄刃〟‼︎」
横からドレファスの体を乗っ取ったフラウドリンがジブリールに剣を向け、光で貫く。
「くっ!」
その攻撃で魔力防御壁は砕け散ったが、ジブリールへのダメージはほぼ無く、ジブリールはメリオダスへ向かう、が——
「〝
無数の大岩が地面からジブリールへ当たりながら、空へ上がり——
「〝
そして、隕石のようジブリールを巻き込みながら地面へ落下する。
「ガハッ……くっ……!」
傷を治しながら、ジブリールはなんとか起き上がろうとする。しかしその前に大爆発が近くで起こる。
ジブリールがそちらへ視線を送ると——
「そん…な……っ。メリ…オダス……さんっ」
腕は砕かれ、体は焼かれ、貫かれ、そして右腕は無くなっているメリオダスの姿があった。
「くっ……ガハァッ…!」
メリオダスの傷を治そうと左手をメリオダスに向けたジブリールを空中からデリエリが飛び蹴りをして阻止する。その後デリエリはモンスピートの側による。
「我が兄メリオダス。お前の死をもって、ようやく1つの復讐が果たされた。お前さえいなければ我らが屈辱を味わうことはなかったものを、お前1人の裏切りが我ら魔神族を戦の敗者に仕立て上げたんだ」
ゼルドリスがそう言うと、メリオダスはニヤリと笑い、ロストヴェインを抜くと——メリオダスから膨大な魔力が溢れ出した。
「こりゃあ、マズイね」
「おのれ……。またしても貴様に敗れるというのか……」
〈十戒〉ですら、その魔力量に危機感を覚える。
「〝リベンジ・カウンター〟!!!」
そして、メリオダスが剣を振り、〈十戒〉を討つ力が放たれる——が、〈十戒〉の1人「慈愛」のエスタロッサに片手で受け止められた。
メリオダスは力尽きたように、ロストヴェインを落とし、倒れた。
「なぁ、メリオダス。本当は死ぬほどこんなことはしたくねぇんだ。わかるよな?」
そう言ってエスタロッサはメリオダスの胸に足を乗せ、力を込めると、メリオダスの胸から「ベキ、ベキッ」と音がする。
「俺は、お前のことを愛してるからよ」
「あ゛……がああぁ……ぁぁあああ!!!」
メリオダスから苦悶の声が上がる。
その声を聞いたジブリールは、怒りを浮かべた顔に黒い翼のような模様を浮かばせ、エスタロッサの前に転移し、杖の先と左手をエスタロッサに向け、
「離れろッ!」
ジブリールらしくないキツイ言葉遣いでエスタロッサに言いながら、光と闇の球——〝
流石に後退したエスタロッサだったが——
「ガハッ……!?」
いつの間に取り出したのか。エスタロッサが投げた小さな短剣——〝
ジブリールはそれを抜き、光と闇で治療するが——
「霊槍バスキアス第1形態「
グロキシニアがバスキアスを向かわせる。
「…ッ。〝聖邪の槍〟ッ!!!」
ジブリールはそれを光と闇の槍で相殺する。
間髪入れずに続けて、ゼリドリスとデリエリが左右からジブリールへ向かう。
「〝
5つの魔力で作った剣を周囲に回転させ、近づかせないようにする。その隙にメリオダスの傷を治そうとする。
「ジブ…リール……。逃げ……ろっ」
「いやです…っ。絶対に」
涙を浮かべながらメリオダスの傷の治療を開始するジブリールだったがすぐに、ゼリドリスとデリエリが剣を破壊し、迫る。
「〝
ジブリールは治療を中断し、両手を広げ、ゼリドリスとデリエリへ向け、2人を〝
そして、その2人を〝
「〝獄炎鳥〟」
しかし、後ろへ回り込んだモンスピートがメリオダス諸共、ジブリールを焼かんと火の鳥を飛ばす。
「…!?〝
ジブリールはそれに素早く反応し、光の炎で相殺する。その直後——
「ぐ…ッ」
〝
地面を何度か跳ねるジブリールをデリエリは回り込み、地面へ叩きつける。そのまま連続でジブリールを攻撃し続ける。
地面へめり込んで行くジブリールだったがデリエリは30発辺りまで連打をしていた時に何かに気づいたように唐突にジブリールから距離を取る。
その直後、ジブリールがめり込んでいた穴から空へ光と闇の槍が飛んだ。避けなければデリエリに直撃していたコースだ。
〝聖邪の槍〟は高速回転しながら〈十戒〉たちへ向かう。しかし、ゼルドリスに防がれ、破壊された。
「ハァッ……ハァッ……ゴホッ……ハァッ」
穴からボロボロのジブリールがなんとか浮かび上がる。
光と闇で傷を治しながら、〈十戒〉へ手を向けるが——
「〝
地面から尖った水晶のようなモノがジブリールを襲う。
「〝
続けて、グロキシニアのバスキアスがジブリールを襲う。
地面に倒れ伏したジブリールは最早起き上がる力すらない。
その後メラスキュラがグロキシニアに自分の傷を治すように言う。
「おい、エスタロッサ。ケツから言っていいのか?」
「どうも、さっきから妙な視線を感じる。おそらくはメリオダスの一派の可能性が高いがこのまま放っておいていいのか?———ということだな?」
「ん」
未だ倒れたままのメリオダスに再び近づくエスタロッサにデリエリとモンスピートが話しかける。
「〈七つの大罪〉…」「メリオダスの新しい…仲間」
グレイロードが視線の正体の予想を話す。
「新しい仲間——ねぇ」
その言葉を聞いたエスタロッサはメリオダスの首を掴み、顔を近づけて言った。
「今度は、いつ裏切るんだ?〈十戒〉の統率者だったお前が、俺らを見捨てた時みてぇに…」
エスタロッサは語る。
かつてのメリオダスの強さと非情さは凄まじく、誰もが次期魔神王にふさわしいと認めていた。しかし、メリオダスは突如として居合わせた〈十戒〉2人を惨殺すると魔界をめちゃくちゃにして消えた。それにより、魔神族と女神族の均衡は崩れ、女神族は魔神族を一気に潰さんと他種族をけしかけた。
「…3000年前の戦争は、お前が始めたんだよ。教えてくれ…どうやったらそんな楽しいこと思いつくんだ?今度は〈十戒〉に代わって〈七つの大罪〉か。腹の中じゃ、次にいつ裏切ってやろうかワクワク胸を躍らせているんだろ?」
そう言ってエスタロッサは掴んでいたメリオダスを地面に放り投げた。
「うる…さいッ!」
「あ?」
エスタロッサが声の方を見ると、傷を治している途中のジブリールの姿があった。ジブリールは怒りに顔を歪めて話す。
「メリオダス…さん…はッ、そんな人じゃ…ないッ。愛する人の——あの人のために戦いに身を投じた…だけッ。あなたとは違うッ!」
「おいおい、忘れたのか?お前らの両親を殺した時に指揮を執っていたのはこいつとリュドシエルなんだぞ?」
「メリオダスは変わったのッ。あの人のおかげで。何も変わってないあなたとは違うッ!」
話にならないという表情をエスタロッサがすると、メラスキュラがエスタロッサへ話しかける。
「メリオダスのトドメは、私に刺させて頂戴」
「……お前に?なんで?」
「〈
そう言ってメラスキュラはメリオダスに手をかざし、呪文を唱え始める。
「ーーーーーーー」
「うっ…ぐっ…」
「あら…抵抗するわね。けど、私も死者の——魂を操る専門家なの。動けぬあなたの魂を取り出すことくらい造作もないわ」
「やめてぇぇッ!」
傷を治すのに精一杯のジブリールが涙を浮かべながら叫ぶ。
「ーーーーーーー」
しかし、メラスキュラはそれを無視して、呪文を唱え続ける。
「〝招来魂〟」
そして、メリオダスの口から魂が出てきてしまう。しかし、次の瞬間——
「メリオダス。あなたの魂はどんな味がするぎべ?」
突然バンがメラスキュラの首を捻った。
「おま…べば?がばぼ…ごぼぼ!!?」
「何言ってっかわかんねーし♬」
「!!!?」
〈十戒〉のみならずジブリールも目を見開く。
「〝
続けて、バンはメラスキュラの心臓を5つ取り出し、踏み潰した。
「バカ…野郎。なんで…来たん…だ」
「バカはどっちだいいカッコすんなよな♬」
「お前は……大バカ野郎だぜ……!!」
「ま♬バカダチ同士気が合うってやつだな〜〜♬」
そう言ってバンはメリオダスに手を掴む。
「立てるか団ちょ♪」
「バーカ……オレが…ケガをしてるように見える……か?」
メリオダスはバンに支えられながらなんとか立ち上がる。
「メラスキュラ!!!」
「あいつは…〈七つの大罪〉バン!!」
「…こいつは、俺の兄弟の魂を勝手に喰おうとした。死んだ当然だ。人間……お前には礼を言うぜ。もっとも、お前が殺さずとも俺がこいつを殺ったが」
「バンさん!これを!」
未だ倒れたままのジブリールはそう言うとバンへ手を向けて、光を浴びせた。するとバンは力と魔力が溢れてくる感覚があった。
「メリオダスさんを守って!」
「当然だ♪」
そう言ってバンはエスタロッサへ向き直る。
「団ちょ…下がってろ」
「メリオダスは俺の手で死ななくちゃならねぇ」
しかし、バンはメリオダスへ剣を突き刺すエスタロッサに反応することができなかった。
メリオダスは再び倒れる。
「〝
エスタロッサは宙に6つの短剣を出す。
「ところで、お前何しにここへ来たんだ?」
「決まってんだろ……!!〝
バンはメラスキュラのようにエスタロッサの心臓を抜き取ろうとしたが、逆に手を潰される。
「いいことを教えてやる。————俺たち上位魔神族には心臓が7つある。これで2本目。どんな魔神もそれを全て潰せば…死ぬ」
「させるか……よぉ!!!」
バンは首に組み付き、エスタロッサをメリオダスから引き離そうとする。そして、ジブリールは無数の光球をエスタロッサへ放つ。
「3つ、4つ、5つ」
しかし、そのどちらもエスタロッサは意に返さず次々とメリオダスへ剣を突き立てる。
「〝
「おっと……邪魔クセェな」
「ガァッ……!」
エスタロッサはバンに引き離されそうになるが、バンの右腕と右肩から腹部にかけて切り裂く。普通の人間なら即死する傷を受けて、しかし、バンは左腕だけでなんとかエスタロッサを引き離そうとする。
しかし、片腕では無理で、エスタロッサはメリオダスへ6つ目の剣を突き刺そうとする。
ジブリールはメリオダスへ魔力防御壁を張り、守ろうとするが、エスタロッサはそれを貫き、メリオダスへ剣を突き刺す。
「やめ…ろ」
「あばよ、兄弟。俺の愛するメリオダス」
そして、メリオダスへ7本目の剣を突き刺そうとする。しかし——
ドンッ!!!
突如として、空から何かが落ちて来た。
それに全員が視線を向ける——前に。
「「「「!!!?」」」」
全員が凄まじい怒気を感じた。
その怒気は〈十戒〉にして、一歩後ろへ後退させるほどのものであった。
しかし、ジブリールは安心感と懐かしさ、愛おしさ——様々な感情に涙を浮かべながら、それを見た。なぜなら土煙の中から最愛の兄の魔力を感じたからだ。
「お兄……ちゃん」
土煙を裂いて、現れたのは黒髪に魔神族特有の黒い目、ジブリールと同じ黒い翼のような模様を、だがジブリールとは違い左頬に浮かべ、怒りに顔を歪めた少年だった。
「……ザレ……オス……」
メリオダスは、エリザベスとともに自身たちの子供のように思って愛した少年の名を呟いた。
かつて、魔神と女神に恐れられた神殺しと〈十戒〉の戦いが始まる。
さあさあ、ついに神殺しこと、兄こと、ザレオスの登場です!
名前の由来は悪魔です。悪魔の一覧見て、気に入った名前選んだだけなので名前の元の悪魔の要素は皆無です。
あっ、ちなみにジブリールがバンにかけたのは〝
本編で言えって?細けぇこたぁいいんだよ。
その他オリ技で分からないことがあれば質問してください。大抵名前の通りですが。