闇と光より産まれし兄妹   作:エルナ

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今回長いです(汗)8000文字超えました(汗)
途中で切れば良かった……。


第2話 「真実」のガラン

キィィン キィィン

 

メリオダスとジブリールの話が終わった後、一階から音が響いた。

 

2人が降りるとカウンターに座っているマーリンの手に球——神器『明星 アルダン』があった。

 

「当初の予定を変更…ただちにキャメロットに向かうぞ。キャメロット(王都)付近で異常な魔力の動きが確認された」

「ただちにって…マーリン一体何が——」

 

ディアンヌの言葉が終わる前にマーリンは“瞬間移動”を使い、キャメロットへ飛んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「〈十戒〉…古に封印されし魔神の王直属の精鋭部隊……」

 

メリオダス達はキャメロット付近の異常な魔力の正体——巨獣 アルビオン討伐後情報交換をしていた。

 

「この圧倒的な化け物が動き出したのはその〈十戒〉が目醒めたため…そう申されるのですか?」

 

茶髪で金色の鎧をつけた少年——キャメロットの王 アーサーがメリオダスが倒したアルビオンを見上げ、メリオダスに問う。

 

「すぐには信じられねぇだろうけど、全部本当の話だ」

「たしかに…あの化け物を目にしなければ、まず信じられん話だったろうな…」

「古のブリタニアはこのような化け物が跋扈する大地だったとは、恐ろしい…‼︎」

 

メリオダスの言葉にアルビオンを見上げながらキャメロットの聖騎士達は呟く。

 

「だとしたら、団長。アルビオンを作った〈十戒〉は、もっと強いってことだよね?そ…そんな、とんでもない連中に勝ち目はあるのかな?」

「ハッハッ、お前ら何か忘れちゃいねーか?」

 

ディアンヌの言葉にホークが歩いて来て、言った。

 

「さっきのメリオダスの技があれば、どんな敵もイチコロじゃねーの?」

「た…たしかに!豚殿の言う通り。あの技は凄かった‼︎」

 

アルビオンを倒す時、メリオダスの全反撃(フルカウンター)を学習したアルビオンが顔から5つの角のようなものを出し、そこから魔力攻撃をして来たのだ。その瞬間、メリオダスが5人に増え、5つ同時に全反撃(フルカウンター)で跳ね返したのだ。

 

「にししっ、あれはオレの技じゃねぇ…神器ロストヴァインの特性『実像分身』さ」

 

メリオダスの神器『魔剣 ロストヴァイン』の特性は自身の半分の闘級の分身を作り出すことが出来る。分身の数を増やす程分身の闘級は下がるが、メリオダスの全反撃(フルカウンター)はほぼ 0(ゼロ)の力であらゆる攻撃魔力を跳ね返せる為メリオダスにとても相性のいい神器だ。

 

「神器といえば、ジブリールにこれを返しておこう」

「へ?」

 

マーリンがずっと空気だったジブリールに向き直り、指を鳴らすと空中に先端に白い球をつけた150cm程の杖が出現した。マーリンはそれを取るとジブリールに差し出した。

 

「あっ!私の神器『聖杖 ルーチェ』だ!なんでマーリンが持ってるの?」

 

ジブリールはマーリンから受け取ったルーチェを抱き、飛び跳ねながらマーリンに問うた。

 

「20年程前に競売にかけられているのを発見してな。些か出費がかさんだが買っておいたのだ」

「ありがとうマーリン!」

 

ジブリールはルーチェに頬ずりをしながらマーリンに礼を言う。……かなり愛着があるようだ。

 

「ジブリールの神器にはどんな特性があるんだ?」

「これはね、魔力を無限に貯蓄出来るの!これで封印の影響でなくなった魔力を回復——ってあれ?」

 

ルーチェを見つめていたジブリールの笑顔が引きつり、ギギギ、と音を鳴らしてマーリンへ視線を向け、

 

「ま、魔力めちゃくちゃ減ってるんだけど⁉︎」

「仕方あるまい。3000年も持ち主を変えて使われて続けていたのだからな。競売では無限の魔力をもたらす杖として出品されていた。人間にとっては無限に等しい量の魔力だったのだろうな」

 

というマーリンの言葉にジブリールは納得せず、

 

「3000年としても減りすぎでしょ⁉︎私の本来の魔力の倍以上蓄えてあったんだよ⁉︎」

 

ジブリールの言葉にマーリンはバロールの魔眼を取り出し、

 

「ふむ、数値にして1万2200か…かなり減ってるな」

「減りすぎでしょ⁉︎マーリンは使ってないの⁉︎」

 

ジブリールの言葉にマーリンはさっ、と目を逸らし、

 

「使うわけがないだろう?」

「使ったんでしょ!使ったんだよね!なんで使っちゃうの⁉︎」

「まぁ、落ち着け。私の手元に来た時は既に3万と少ししかなかった」

「使ってんじゃん⁉︎半分以上使ってんじゃん⁉︎ひょっとして、いつか私に返そうとして買ったんじゃなくてルーチェにある魔力が欲しくて買ったんじゃないの⁉︎」

 

その言葉にマーリンは再び目を逸らす。

 

「やっぱりそうなんだ‼︎うわーん、マーリンのバカァ‼︎」

 

若干涙目になりながらジブリールはマーリンをポカポカと殴る。

 

「…ところでメリオダス殿あの方は?」

 

アーサーがジブリールを見ながらメリオダスに問う。

 

「ジブリールか?最近まで封印されていた女神族だ。かなりの戦力になるぜ」

「それは心強い」

 

メリオダス達はジブリールを女神族として話すことにしている。ハーフと話すと話がややこしくなるし、見た目は完全に女神族なので問題ない。

 

そんな話をしていると、遠くの山に何かが落ちたような音がした。

 

「遠雷?」

「ううん?雨雲なんて見えな…」

 

その瞬間、全員が凄まじい威圧感を感じた。その後、すぐ近くに何かが落ちて来た。凄まじい衝撃により土煙が舞う。メリオダスはエリザベス、マーリンはアーサーの前に立ち、土煙から守る。

 

「ふーむ…72歩か…」

 

土煙の奥からそんな声が聞こえる。

 

「だ…団長。これって…これってま…さか」

 

ディアンヌが怯えたような声を出す。

 

「この距離なら70歩で届くと思うたが…3000年の間になまったものよ」

 

土煙が晴れると老人のような口調の、柄の片側が槍、片側が斧になっているハルバートを持ち、甲冑を纏ったような姿をしている4m程の者が姿を現した。

 

「お前は……〈十戒〉のガラン!!!」

 

ガランの姿を見たメリオダスが叫ぶ。

 

「久しいな、メリオダス。やはり儂の予想通りお前さんじゃったな。カッハッハッハッ。しかし相変わらずその姿のままか…」

「こんな…こんな化け物がこの世に存在していいの?」

 

ディアンヌが震えながら呟く。

 

「マーリン…魔眼が壊れちまってるぜ⁉︎」

「何?」

「だってよおかしいだろ」

 

「闘級2万6000って」

 

ホークの言葉に全員が動揺する。しかし、マーリンは、

 

「たしかに想像以上の闘級だが————この感じは妙だな…。ホーク殿、奴の魔力はいくつだ?」

「ん?魔力?え〜〜…と。魔力 0‼︎なんだよ〜〜〜〜この魔眼、本格的にぶっ壊れてるぜ‼︎」

「なるほど…おそらくはジブリールと同じく封印の影響か…」

「つ…つまり叩くなら今しかないってこと?」

 

ガランはガシャッガシャッと音を鳴らしながらメリオダス達へ歩いていく。

 

「ここが人間共の巣か…3000年前と比べると大分、様子が変化したの。だが相変わらずウジャウジャと群れる習性は変わっとらんか」

 

ガランは周りを見回して、呟く。

 

「狭いな」

 

そして右腕を振る。その衝撃で建物が粉々に吹き飛び辺りが更地に変わった。

 

「これで、少し動きやすくなったか」

 

そして、メリオダスに向き直り、

 

「さてと…メリオダス。お前さんとは一度じっくり手合わせしたいと思っておった……ッ⁉︎」

 

ガランはメリオダスの奥の方にいるジブリールを見ると驚愕した。

 

「まさか…女神族か⁉︎…いや、お主の顔には見覚えがあるの〜」

 

しばらく顎に手を当て考えていたガランだったが急に笑い出した。

 

「カッハッハッハッ!思い出したぞ!お前さん“忌み子”の片割れじゃなぁ?」

 

ガランは上機嫌に進める。“忌み子”という単語にジブリール、メリオダスの2人は顔を顰める。

 

「いやはや、儂も運が良い。まさかメリオダスと悪名高き“忌み子”の片割れと戦えるんじゃからな。しかし、もう1人の“忌み子”の“神殺し”はどうした?一緒じゃないのか?」

 

メリオダスはガランの質問には答えず、跳躍し、ガランの首を斬りつける。しかし、ガランは無傷でハルバートの槍の方で後ろのメリオダスを刺す。

 

さらに前から2人のメリオダスがガランへ飛びかかる。ガランはそれを一振りで斬りとばす。その衝撃で突風が吹き荒れる。

 

刺されたメリオダスと斬られたメリオダス達は消える。

 

(残像…いや、この手ごたえ。実像を伴う残像か)

 

さらにメリオダスがガランの後ろから斬りかかろうとする。

 

「次は後ろ…と見せかけて、上か」

 

ガランは上から飛びかかっていたメリオダスの首を掴む。

 

「なかなかおもしろい術だが…儂は、あまり小細工が好きくない」

 

後ろから来ていたメリオダスがガランの足や腰を斬りつけるが効果なく、ハルバートの槍の方で刺され、消える。

 

「な…んて化け物なのよ」

「アーサー王は御無事か‼︎」

「これ…は‼︎ああ、私なら大丈夫だ‼︎」

 

聖騎士の言葉にマーリンの完壁なる立方体(パーフェクト・キューブ)の中のアーサーが応える。

 

「…お前さん、本当に——あのメリオダスなんじゃろうな?」

 

首を掴まれたメリオダスはガランの腕を蹴るがダメージになっていない。

 

「ぐっ…」

 

ガランが手に力を込める。メリオダスの首からメキメキと音がなり、吐血する。

 

「まずいわ…このままじゃ」

 

スレイダーの言葉の途中でディアンヌがガランへ向かって走り出す。

 

「団長を…」

「“魔力解除(マジックキャンセル)” “物体転移(アポート)”」

 

ディアンヌが大きくなり、破けた服の上にいつもディアンヌが着ていた服が現れ、さらにディアンヌの神器『戦鎚 ギデオン』が現れ、ディアンヌはそれを掴みガランへ振り下ろす。

 

「放せ‼︎」

 

しかし、ガランはギデオンを蹴り上げられ、はね返ったギデオンに頭をぶつけたディアンヌは倒れる。

 

その瞬間、ガランの手からメリオダスが消える。ガランが周りを見回すと後ろにルーチェを持つ右腕にメリオダスを抱えたジブリールが浮かんでいた。

 

メリオダス達が戦っている間にルーチェから魔力を回収したジブリールが瞬間移動でメリオダスを手元に飛ばしたのだ。

 

「“聖櫃(アーク)”」

 

ガランが光の球体に覆われる。

 

「ぐぬぬ……はあッ‼︎」

 

しかし、闇を放出し、消す。

 

「なんじゃ、こんなもんか?」

 

「“執念深き聖人”」

 

ジブリールが上に手を掲げると、無数の光の球が現れた。ジブリールが手をガランに向けると光の球がガランに向かう。

 

「“伐娑利(ばっさり)”‼︎」

 

しかし、ガランはそれを気にせず突っ込んで来た。ガランに光の球が直撃するがダメージになっていない。そして、ガランの攻撃により、ジブリールの右肩から股まで真っ二つになった。

 

メリオダスはガランが突っ込んで来た時にジブリールに少し乱暴に下され無事だった。

 

ジブリールは傷を治しながら振り向き、ガランへ左手を向ける。

 

「“聖櫃(アーク)”ッ」

 

ガランを再び光の球体が覆う。

 

「効かんと言って——」

 

ガランが再び闇を放出しようとした瞬間、

 

「“瞬間移動”」

 

ジブリールが指を鳴らし、ガランが消えた。ジブリールは聖櫃(アーク)をダメージ目的ではなく、足止めとして使ったのだ。

 

自分の傷を治したジブリールはメリオダスに手を翳すとメリオダスを光が覆い、メリオダスの傷が治った。

 

「サンキュー、ジブリール」

 

ジブリールはメリオダスの言葉に微笑み、傷を治す為、ディアンヌへ向かって歩く。

 

「奴はどうした?」

「瞬間移動で飛ばしただけです。おそらくすぐに戻って来るのでそれまでに態勢を立て直——」

 

ジブリールの言葉が終わる前に再び何かが落ちたような音がさっきとは反対の方向から聞こえた。

 

全員がそちらを向いた時、ガランが近くに落ちて来た。ジブリールの予想よりかなり速くガランが戻ってきたのだ。

 

ジブリールがガランへ手を向けようとする前にガランにより右肩から左の脇腹まで真っ二つにされた。そして、ガランはジブリールを左手で殴り飛ばす。

 

「お前さんのような小賢しい魔術士が1番嫌いなんじゃよ、儂は」

 

メリオダスがガランに斬りかかるが頭を掴まれ、地面に叩きつける。

 

トドメを刺そうとメリオダスへ向かってハルバートを振り下ろそうとしたガランの前にマーリンが瞬間移動する。

 

「待て…取引といこう」

「ほう?」

「魔神の王に仕えし〈十戒〉のガランとやら貴殿の手並み、強さは正直想定以上だった。なぁガラン殿。貴殿がその気になれば我らを殺すことなどいつでもできよう。どうだろう?ここは一度引いてもらえまいか。代わりに〈十戒(そなたたち)〉の目的を教えてくれれば私が知りうる限りの情報を与え、協力すると約束しよう」

 

マーリンは平静を装っていたが内心では、

 

(10秒で考えろ!全員を無事にやりすごし、王都(キャメロット)に、これ以上の被害を与えずガランを退却させる方法を!)

 

そこまで話していたマーリンは体に違和感を感じた。

 

「なんだ…?…これは…」

「マーリン!だめだ…ガランには…」

 

メリオダスが何か言いかけるがその前にマーリンの体が灰色になり、石になっていく。

 

「お主嘘をついたな」

 

そして、完全に石化する。

 

「そ…んな…マーリン‼︎」

 

アーサーが悲痛の声を上げる。

 

「儂は〈十戒〉——『真実』のガラン。儂の前で「偽り」を口にすれば、何人であろうとその身は石と化す‼︎魔神の王より与えられしこの戒禁に抗う術はなし。さぁ…粉々に砕け散れい‼︎」

「やめろ…!やめてくれーー!」

 

ガランが左の拳でマーリン殴ろうとするが、メリオダスがガランへ斬りかかる。ガランはそれを左腕で受け止める。

 

メリオダスの額に黒い太陽のような模様が浮かび、瞳が黒く変わっている。

 

「おお⁉︎メリオダスの闘級が4400に⁉︎」

 

メリオダスがガランに斬りかかったら隙にスレイダーが石化したマーリンを持ち上げ、離れる。

 

「メリオダス殿につづけーー‼︎」

「「おおおおぉぉぉぉ‼︎」」

 

聖騎士たちがメリオダスに続き、ガランへ近づく。

 

「あ?」

 

ガランはそれを見て、ハルバートを振り回す。それにより聖騎士たちは抵抗することも出来ずバラバラにされる。

 

メリオダスはロストヴァインでハルバートを弾くが、それも長く続かず、両腕を斬り飛ばされる。

 

「ムチャクチャだ…強すぎるぜ…‼︎」

「いやぁ〜〜〜っ メリオダス様‼︎やめて!もう、これ以上殺さないで‼︎」

 

聖騎士達の亡骸が吹き飛ぶ中エリザベスの声が虚しく響く。

 

「こうなりゃ…やるしかねぇか」

 

覚悟を決めたような表情のメリオダスの額の模様が広がる。

 

「マーリンの術がきいてる、今なら——」

 

聖騎士達をハルバートで刺し殺したガランがメリオダスへ振り返る。

 

メリオダスの腕が闇により修復される。

 

「ホークちゃんあれを‼︎」

「ありゃ、喧嘩祭りん時の——…」

 

額の模様は顔の半分を覆い、両手から闇が溢れる。

 

「その姿…」

 

何かを言いかけたガランの腹部へメリオダスが蹴りを入れる。

 

「かはっ」

 

ガランが僅かに吹っ飛び、初めてガランにダメージが入る。

 

「闘級1万300…や…やっべぇ‼︎」

 

そして、メリオダスは闇でガランへ乱撃を加える。

 

その攻撃で巨人族であるディアンヌが吹き飛びそうになるほどの突風が吹き荒れる。

 

「団長……」

 

ディアンヌがメリオダスの身を案じる。

 

「…れるな…」

「団長…?」

「闇に…吞ま…れる…な。制御…しろ…」

「何をブツブツ言ってお…⁉︎」

 

さらに、メリオダスがガランへ闇を放つ。それは、闇の柱のようになる。

 

「メリオダスの奴…あのスゲェ魔力を制御してやがる‼︎」

 

ホークが驚きの声を上げる。しかし、

 

「お…お前さん。この闇の力‼︎まさか…まさか、ここまで腑抜けとるとはな」

 

闇の中にいるガランからハルバートがメリオダスに投げられ、メリオダスの腹部に刺さった。

 

ガランに傷のようなものはなく、無傷であった。

 

メリオダスの腹部にハルバートが刺さった瞬間、ガランを襲っていた闇も、メリオダスが纏っていた闇も全て消えた。

 

「興が冷めたわい……時とは残酷なものよのう…」

「メリオダス様ーーーー‼︎」

 

ガランがメリオダスへ歩み寄る中エリザベスが叫ぶがもちろん、メリオダスが立ち上がることもガランが止まることもなかった。

 

「裏切りの戦士メリオダス。そして〈十戒〉に立ち向かう愚か者共よ…あの世で、この無力さを戒めるがよい‼︎」

 

ガランはメリオダスからハルバートを抜き、メリオダスへ振り下ろした。

 

ガキンッ

 

メリオダスへ迫るハルバートは、しかし、メリオダスに当たる前に何かに阻まれた。

 

「ぬ?」

 

よく見るとメリオダスの前にピンク色の壁のようなものがあった。

 

「これは、魔力防御壁?」

 

いつの間にかエリザベス達が入っている完壁なる立方体(パーフェクト・キューブ)の上に右手にルーチェを持つジブリールが浮かんでいた。

 

しかし、先とは違い瞳が黒く染まり、女神族の模様が消え、右頬に黒い翼のような模様が浮かんでいた。

 

「闘級2万6000⁉︎あいつと互角じゃねぇか‼︎」

 

ホークが魔眼で見た内容に驚く。そして、ホークの声を聞いた周りはあの娘なら勝てるのではと希望を持った。

 

「お主、なぜそこまでの魔力が残っとる?あれだけの魔力攻撃をしておったのに…」

「“抑制(セーブ)”それが私の魔力」

「んっ⁉︎思い出したぞ‼︎確か魔力消費量を半分以下にする魔力じゃったな。なるほど、一見地味じゃがお主のような魔術士には相性の良い魔力じゃな。面白い‼︎さぁ、かかってこい!」

 

ジブリールは左手を空に掲げる。すると、光の球が1つ出現した。そして、左手から闇が光の球はと伸び、光の球を覆う。

 

「“光と闇の球体(ライト&ダークネススフィア)ッ」

 

左手をガランへ向け、闇に覆われた光の球はガランへ向かっていった。そして、それがガランへ当たると、今まで以上の突風——いや、爆風が吹き荒れた。

 

土煙がある程度晴れると先の攻撃が凄まじい威力であることがわかった。ジブリールが左手を向けた先は遥か彼方の山まで大穴を開けていた。

 

しかし、今ので完全に魔力が尽きたのか、右頬の模様が消え、息切れをしているジブリールがゆっくり降りて来た。

 

「ハァッ、ハァッ、ハァッ」

「スゲェなお前‼︎あんな化け物を倒しちまうなんて‼︎」

 

膝をつき肩で息をしているジブリールにホークが賞賛する。

 

「それより、早く団長の傷を治してあげて!」

「すみ…ません。魔力…が…完全に…なくなりました。しば……らく、休まない…と」

「とりあえず、応急処置だけでもするわよ」

 

マーリンを庇っていたスレイダーがメリオダスへ歩み寄ろうとした時、全員を絶望させる声が聞こえた。

 

「カーハッハッハッ!見事な攻撃じゃったぞ‼︎」

 

全員が声の方を見ると未だ完全には晴れない土煙の中からガランが出てきた。しかし、その姿は先と変化していた。

 

細身だった腕や脚が太くなっていたのだ。身体中に傷があり、血が出ているが致命傷にはなっていない。

 

そして、ホークからさらなる絶望を聞かされた。

 

「う、嘘だろ⁉︎闘級4万⁉︎何が起こったんだ⁉︎」

 

その答えはジブリールだけが知っていた。

 

「ク…“臨界突破(クリティカル・オーバー)”…?」

「そう‼︎儂の魔力“臨界突破(クリティカル・オーバー)”自身の武力を極限まで高める魔力じゃ」

「そ…そんな貴方の魔力は尽きていたはず…」

「そうじゃ、流石の儂も危なかったがさっき殺した人間共の魂を食らってなんとか魔力を回復させたのじゃ」

 

そう言ったガランの身体が元に戻った。

 

「ふむ、流石に短いな。じゃが魔力の尽きたお主と雑魚共を殺すには必要ないな」

 

そして、ガランはジブリールの心臓へハルバートを突き刺した。

 

「ゴハァッ」

「メリオダスよりは楽しめたぞ」

 

そして、さらに頭部を刺す。

 

「ジブリール‼︎」

 

メリオダスがなんとか体を起こそうとしながら叫ぶ。しかし、ガランにより頭部を斬り飛ばされた。

 

そして、スレイダー、ディアンヌ、石化したマーリンまでガランに斬られる。

 

そして、エリザベス達へも攻撃するが、

 

「ほ?……ぐぬッ!!?」

 

攻撃が跳ね返り、エリザベス達は無傷だった。

 

「ほぉ〜〜これは魔界の秘術“完壁なる立方体(パーフェクト・キューブ)”流石の儂にも容易には、破壊できんわい…」

 

感心したようにガランは言う。

 

「お主らも、よほどの強運よのう〜〜〜このガランを前に生きて立っておった者はそうはおらんのだから。さらばじゃ」

 

ガランは跳躍していった。

 

「ぐ…っ」

「あ…ああ…」

「あわわわわ…」

 

アーサーとエリザベスは涙を流す。

 

「“忌み子”の片割れは多少楽しめたからよしとするかのう。カーーーーッハッハッハッハッ‼︎」

 

ガランは仲間の〈十戒〉の元へ帰って行く。…自分の首の光の矢には気付かず。

 

そして、ガランが去ったエリザベス達の元では、

 

「クスッ。ふふ…」

「はっ‼︎お…おめぇ…」

「ふふふ…」

 

「あはははははははははははははははっ。あーーーっはっはっはっはっはっはっ」

 

不気味に笑う、色欲の罪(ゴートシン) ゴウセルの姿があった……

 




ジブリールのプロフィールを載せてきます。
身長:143cm 体重:秘密!
誕生日:8月9日
年齢(封印前):57歳
血液型:O型 利き腕:右
魔力:抑制(セーブ) 特技:料理
趣味:動物を愛でる 好きな食べ物:甘いもの
コンプレックス:身長
尊敬する人物:メリオダスとエリザベス
自分の好きなところ:髪
夢・野望:メリオダスとエリザベスと兄の4人で幸せに暮らす
好きな動物:動物全般
闘級(通常時):???
魔力(通常時):???
武力(通常時):900
気力(通常時):3000
闘級(魔神化時):???
魔力(魔神化時):???
武力(魔神化時):1000
気力(魔神化時):3500
闘級については本来ならガランは臨界突破(クリティカル・オーバー)を使っても勝てないとだけ言っておきます。

光と闇の球体(ライト&ダークネススフィア)は女神族と魔神族の力を合わせた“忌み子”しか使えない技です。本来は女神族と魔神族の力は相反する力の為合わせられませんが生まれた時から2つの力を持つ“忌み子”はこの相反する力を合わせることが出来る設定です。
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