魔法科高校の絹旗最愛   作:型破 優位

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気ままに書くダイジェスト。
ダイジェストだから飛ばし飛ばしになる予定。
原作既読済みの方じゃないと物語は掴めないです。


ダイジェスト
来訪者編〜邂逅と吸血鬼〜


「こちら、アンジェリーナ=クドウ=シールズさん。もうお聞きのこととは思いますけど、今日からA組のクラスメイトになった留学生の方です」

 

 そうほのかから紹介された少女は、一言で表せば金髪で深雪にも匹敵するほどの美少女だった。

 留学生制度というものに最愛はあまり馴染みが無い。それでもどういうものかは知識として理解している。勿論、この世界において留学生という存在は異質だということも。

 

 魔法師とは、身も蓋もないことを言ってしまえば武力だ。いくら留学で一時的とはいえ魔法師の流出は軍事力の流出であり、日本でも非公式ではあるものの実質的な制限を掛けている。

 では何故今回留学生がいるのか。それは、交換留学だからだ。

 

 それも、雫との交換留学。

 

 期間は三ヶ月。最愛も前日までそのことを知らず、突然アメリカに留学すると言われた時には驚いたものだが、達也たちはそれ以上に留学の許可が下りたことに関して驚いているようだった。それだけ今回の留学は異例なことであり、今回交換留学できた生徒の見目も相まって食堂の視線は最愛たちに注がれていた。

 

「タツヤにエリカ、ミヅキ、レオ、ミキヒコね。私のことは『リーナ』と呼んでください」

 

 ほのかの紹介に続いて順番に自己紹介を行っていき、ミキヒコの発音が少し怪しいこと以外は恙無(つつがな)く終わった。

 あと自己紹介をしていないのは最愛だけ。

 ほのかに紹介をして貰ったのにこちらがしない選択肢はなく、全員からの視線を集めているのもあまり心地の良いものでは無いので前に倣ってリーナへと向き合う。

 

「絹旗最愛です。超気軽に最愛と呼んでください」

「……よろしくサイアイ」

 

 ほんの一瞬身体が揺れたのを、最愛は気付かないフリをした。

 

 

 

 

♦ ♦ ♦

 

 

 

 

 

 レオが襲われて病院に搬送されたとエリカからメッセージが届いたのは、一月も下旬に差し掛かる朝のことだった。

 襲撃者は最近噂となっている吸血鬼。

 達也たちにもメッセージは届いていたようだが、命に別状はないとのことから放課後にお見舞いに行くとのことだ。

 それなら、と最愛は着替えようとしていた制服をしまい、私服へと着替える。夏休みが明けてからそのまま秋休みに入っていた最愛だったが、九校戦の活躍や保護者である潮からの口添え、克人や真由美から十師族関連で登校できない点が予め告げられていたこと、更に論文コンペ後の試験の結果を踏まえて無事復学することができた。つまりその件は完全に終わったことだ。復学に際して特段条件付けをされていない以上、最愛を縛るものは何も無い。元々休むことに対して忌避感も無ければ今更感もあるので、最愛はレオのお見舞いに行くことを即決した。

 

 何より一緒にお見舞いに行く人数は少ない方が良い。言うまでもないが、病院に大勢で押し掛けるという常識の部分に関しての良いではなく、最愛にとって都合が良いという意味だ。

 病院に行ってメッセージにあった病室に向かうと、その部屋の前にはよく見知った美少女が座っていた。

 

「おはようございます、エリカ」

「おはよう最愛。学校は——なんて聞くのは野暮よね」

「別に良いですよ。レオのお見舞いという建前の超サボりなんで」

「認めるんだ」

 

 口調は軽いが、その表情に笑みはない。メッセージで聞いていた容態は命に別状はなく重体でもない、とのことだが、それにしては雰囲気も重い。

 友人が入院しただけではない、何かに怒っているかのような表情。見る人によっては般若とも表現するだろうその顔は、まさしく美人が怒ると怖いを体現していた。

 だがそれ以上に気になったのは、そのエリカの椅子の下。

 急にしゃがみ込んで椅子の下を覗き込んだ最愛に対して、エリカが零したのは不審でも疑問でもなく感嘆だった。

 

「凄いね。どうして盗聴器があるって分かったの?」

「超勘です。敢えて理由を挙げるとするならエリカの雰囲気ですね。今のエリカの雰囲気は以前超感じたことがあります。その時もエリカの実家が関係していたので、今回レオが襲撃されたこととエリカの実家は超無関係ではないと考えました。つまりは警察関係です。警察はここに来る人の情報が超欲しいはずですから、隠すなら椅子の下と思いました」

「……凄いね、本当に」

 

 最愛の推理は当たっていた。

 今回レオが吸血鬼に襲撃された要因の一つとして、エリカの実家が関係している。聞いてみればエリカの兄がレオに対して吸血鬼事件に関して捜査の協力をしていたらしく、その結果がこれらしい。

 実家関連で友人が入院したとなればエリカが怒るのも当然だ。

 

「中にある盗聴器は超壊しても良いですか?」

「最愛なら当然中のも分かっちゃうか……壊さないで、と言ったら残してくれる?」

「超構わないですよ」

「あらありがと? アイツは横にはなっているけど、起きているわよ」

「そうですか。エリカはまだ超見張っています?」

「一応ね」

 

 見張りの許可——この場合は招かれざる客への見張りだ——も得られたことで、コンコンコン、とノックを三回ならして部屋へと入る。

 返事を待たずに入るのは流石最愛と言うべきか。当然レオも準備が出来ていなかったようで、エリカの言った通り横になっていた。しかし最愛が部屋に入ると同時にすっと起き上がっているあたり、容態は思ったよりも軽いものだということが分かる。

 

「最愛か。学校休んでまで来てくれたんだな」

「サボりの口実としては超上等でした。ありがとうございます」

 

 おいおい、と苦笑するレオ。だが吸血鬼事件の被害者は基本亡くなっていることを考えると今こうやって笑っているのは奇跡と言って良いのか、それとも何かしらの策をエリカの実家から授かったことによる必然なものか。確認したいこと、聞きたいことはいくらでもあるが、その前に一つやることがある。

 

「何とも無さそうで超安心しました」

「恥ずかしいところを見せちまったな」

「いえいえ、むしろ襲われて生きてるだけ超十分です」

「そりゃあ俺も無抵抗って訳じゃなかったが……何でずっとキョロキョロしてるんだ?」

 

 最愛の言葉だけ見ればレオの安否を気にしているとても友情に厚い女子高校生(?)に見えるだろうが、その実情は部屋に入った直後から部屋の中をキョロキョロと見渡すただの不審者。言動の不一致を体現していると言っても良いだろう。

 徐に靴を脱ぎ始めた最愛は、そのままレオのベッドへと乗り込んでそのまま立ち上がった。最愛の私服は冬ということもあり上半身は多少着膨れしているが、下半身はミニスカートに黒のタイツとこの世界においてはあまりにも大胆なものだ。

 そしてミニスカートという状態で立ち上がれば元から見えそうなものがさらに見えそうになる訳で、顔の前に突然現れたクラスメイトの脚に対してレオは「ちょっ!?」と焦りながらすぐに顔を背けた。そんなレオの配慮に気が付きつつもスルーした最愛は、カーテンレールの上にあるものを確認して一言。

 

「盗聴器はここですか」

「そうだけど! とりあえずベッドから降りてくれ!」

「……へぇー?」

 

 その声音から何か妖しい雰囲気を感じ取ったレオはこれから起こりそうな面倒事に思わず顔を顰める。今までの経験則から、最愛のこの声音は何かヤバい警鐘を鳴らしていたのだ。しかし現実はもっと物騒(?)なものだった。

 

「盗聴器、もう一個ありますよね」

「いや、オレも一個しか場所を聞いていないな……」

「なるほど——超失礼しますね」

 

 納得しながらベッドから降りた最愛は、レオに断りを入れてから今度はベッドの下に潜り込んでいった。そこまで広くは無いはずだがその体型故すんなりと入っていた最愛は、お目当てのものを見つけたのかものの数秒で出てきた。

 

「やっぱりベッドの下は超鉄板ですね」

「まさかベッドの下にも盗聴器があるのか?」

「はい。でもこの感じだとこれ以上は超無さそうですね」

「いや、それは知らないけど」

 

 むしろなんで分かるんだよ、というのはレオだけが思った感想では無い。

 

「それで盗聴器はどうするんだ? 外すのか?」

「いえ、ただ盗聴器を仕掛けるなら場所を超考えた方が良いかなとエリカのお兄さんに超言っておこうと思って。どうせどこかで超聞いているんですよね」

「……オレは改めて最愛の恐ろしさを痛感したぜ」

 

 レオの声色には少量の呆れと多分の本音が混じっていた。しかし当の本人はというと、まるで心外とばかりに驚いた表情を作っている。

 

「吸血鬼に頭でもやられたんですか? 私はそこら辺にいる超普通の女子高校生ですよ」

「普通の高校生……?」

 

 その瞬間レオの脳裏に過ぎる、世界屈指の近接魔法師と互角に戦いを繰り広げる自称普通の高校生——の姿。流石にそこまで口にするという野暮なことはしないが、それでも最愛には何を言わんとしているかが理解出来たのかムスッとした表情を浮かべる。

 

「そもそも、普通の高校生に見つかるような場所に超置いてあるのが悪いです。超定番じゃないですか、椅子やベッドの下にカーテンレールの上って。要は超音が拾いやすい場所ですよね。そんなところに置いてあるなんて超見つけてくださいって言ってるようなものです」

「普通の高校生はそもそも盗聴器なんて気にしないだろ」

「超うるさいですよレオ。病院送りにされたいんですか?」

「もう病院送りにされたんだよ。恥ずかしいから言わせないでくれ」

 

 そういえばそうでした、とケラケラ笑う最愛にレオはため息を吐く。病み上がりにこのテンションはきつい物があるのだろう。それでも付き合ってくれているあたり、レオの優しさが伺い知れる。

 

「まあ冗談は超これぐらいにして——レオ、吸血鬼と超戦闘になった時、他に誰か居ませんでしたか? 覚えている限りで超大丈夫です」

 

 スーッと空気が張り詰めていくのを、レオは感じた。最愛の雰囲気が変わったのだ。見た目上は笑みが消えただけなのにも関わらず、病室内の空気が急変したことにレオも思わず表情を硬化させる。ここが最愛の凄いところなのだ。あれだけ冗談を言い合っていたのにも関わらず、本題に入った瞬間しっかりと雰囲気が出ている。公私の分別が出来すぎているのも考えものだな、とは達也の言だ。

 

「吸血鬼を除くなら二人だな。一人はベンチで倒れていた女の人。たぶん吸血鬼にやられた魔法師だと思う。警部さんに聞いたらこの病院に入院しているらしいぜ」

 

 警部さん、というのはエリカの兄のことだ。最愛も知識としては知っていたし、先程エリカから聞いたばかりなので敢えて聞き直すことはしない。

 

「もう一人はどうでした?」

「オレも意識が落ちかけてたから詳しくは覚えていないけど、赤い髪に金色の目以外は仮面で隠れていたような気がする」

「赤い髪に超金色の目をした仮面ですか……」

 

 夜には結構目立つな、というのが最愛の所感だ。

 

「吸血鬼は超特徴がありましたか?」

「目の部分だけ切り抜かれた白い覆面で、何回か殴りあってたんだけど、掴まれた瞬間に何故か力が抜けたな」

「力が抜けた、ということは何かしらの超魔法ということでしょうか」

「そこまでは分からねぇ。だけど——」

 

 一旦言葉を止めたのは、思い出せないというより確信が持てないという感じが強かった。

 

「——女だったと思うんだよな」

「レオと超殴りあってたのが女ですか?」

 

 信じられない、とばかりに最愛は驚いた。

 レオといえば呂剛虎(ルーガンフー)の攻撃に素で耐えられる、魔法師全体でも屈指のフィジカルを有した近接戦闘魔法師だ。そのレオと殴りあえたとなれば、総合的な強さはもしかしたら呂剛虎に届くかもしれない。

 特に今回は詳しい情報がないため、非常に厄介な相手だ。

 

「…………?」

 

 ふと、部屋の雰囲気が異様なことを最愛は感じた。

 張り詰めた雰囲気がホトホトと解れていくような、そんな感覚。誰かが襲撃に来た訳では無いだろう。エリカが入口にいる以上、滅多なことで出し抜かれることはないし、何より臨戦という雰囲気ではない。

 では大本は何処だろう、と視線を移していけば、その雰囲気を醸し出している大本は最愛の目の前にいた。

 

「…………」

 

 なんとも言えない表情で最愛を見るレオ。

 その顔には「お前がそれを言うのか?」と書かれているのがよく分かった。

 最愛は女性がレオと殴りあえていたという事実に結構本気で驚いていたのだが、そのなんとも言えない表情を見て意を察し、目尻を下げる。

 

「何ですか。超何か言いたそうじゃないですか」

「……いや、なんでもない」

 

 今のレオに「俺と殴りあえる女なら目の前にいる」等と言う口は存在していない。そんな口が存在しなくなる程、痛みを身体に教えこまれてきたのだ。最早最愛には下手なことを言わない、というのがレオの中で鉄則化してきている。

 被食者と捕食者。

 あっという間に構築されてしまったその関係性は、病室に嫌な沈黙を引き起こす。

 

 その沈黙の外側から、足音が遠ざかっていった。

 

 ドアの前から聞こえ始めたそれは、恐らくエリカのものだ。

 予期せぬ来客か招かざる客か、それとも招待客なのか。

 その答えは、三度のノックと共にすぐに部屋へと入ってきた。

 

「話し声がすると思ったら絹旗さんだったのね」

「学校はどうした、絹旗」

 

 高校生とは思えない威厳を持った厳のような男性とフワフワした巻き毛のコケティッシュな女性。レオの病室に姿を現したのは、前部活連会頭の克人と前生徒会長の真由美だ。

 

「学校は超休みました。学校と友人なら友人を超取りますから」

「……そうか」

 

 何故ここにお前がいる、と言外に告げられた最愛は、しかし敢えて()()に答えることで突き返した。

 克人も言葉だけ聞けば納得しているように聞こえるだろう。しかし克人の表情は最愛の言葉に全く耳を貸してないのが分かるほど最愛を睨んで——見た目からそう見えるのではなく、本当に睨んでいる——おり、信じていないことが簡単に分かった。根拠がない以上本人が言ったことでしか判断ができないため、言及を控えているだけなのがよく分かる。克人から視線を外して真由美に向けてみると、こちらは逆に一切表情を変えておらず、病室に入った時の笑顔を携えたままだ。

 外面だけは超相変わらずですね、と心の中で毒吐いた最愛は、ふと目線を下げて真由美の右手を見た。見たというより、何故か右手に視線が吸い寄せられて行ったのだ。

 その右手には左手が添えられており、まさしく淑女のような立ち振る舞いをしている。

 しかしよく見てみると、左手が添えられているのは手の甲ではなく手首の上だ。その下には、既に起動済みの汎用型CAD。

 

 笑顔のまま、真由美は起動済みの汎用型CADを操作する。

 同時、最愛も()()()()の特化型CADを取り出し、カーテンレールへと向けた。

 両者の魔法発動はほぼ同時。

 亜音速のドライアイスがカーテンレールの上にある盗聴器へ向けて発射されるが、盗聴器に当たる直前でキラキラと輝きを残しながら霧散した。

 その様子に苦言を呈したのは克人だ。

 

「……どういうつもりだ、絹旗」

「どうも何も、私はエリカに盗聴器を超壊さない約束をしたのでそれを超守っているだけです。逆に超聞きますが、病室でいきなり魔法を使うなんてどういうつもりですか」

 

 盗聴器が破壊されることまで読んでいてどういうつもり、なんて聞くのはなんとも白々しいことだろう。レオですら克人と真由美が来ることを予想し、盗聴器を壊されることまで予想して処理速度を補うように普段は使わない特化型CADを持ち込んでおり、さらには起動済みにしていた最愛が一歩上手だったと思っている。

 だが現実は、もっと単純だ。

 最愛はレオが襲撃されることを警戒して特化型CADを起動済みにしていただけであり、真由美の魔法に対処出来たのは脊髄反射に等しい。

 

 つまるところ、偶然だ。

 

 しかしその偶然すらも必然に思えてしまうほど、最愛の実績は凄まじいものなのだ。

 

「あまり人を巻き込みたくはないの。絹旗さんなら分かってくれるわよね」

「言いたいことは超理解していますよ。でも今回の件、そちらから見たら私も超関係者じゃないんですか?」

 

 グッと真由美の口が強く結ばれたのは、誰の目から見ても明らかだった。だからこそ、今回の被害者であるレオは口を挟まずには居られない。

 

「横入りしてすみません。最愛、どういうことだ?」

「また今度説明します——まあ、別に壊したいなら超壊しても良いですよ。その場合こちらも盗聴器の憂いが超無くなるので、友人の誼でついつい色んな事を超喋ってしまうかもしれませんけど。次壊そうとしても超止めませんよ」

「……本当に貴女って人は嫌な性格してるわね」

「真由美に言われるのは超心外です」

「そこらへんにしておけ。今話すべきはそんなことじゃない」

 

 売り言葉に買い言葉とはまさにこの事だろう。終わりが見えないと判断した克人はCADを操作し、障壁魔法を展開する。当然カーテンレールは障壁の外側にある。

 

「ベッドの周りに障壁魔法を張った。これで盗聴器に聞かれる心配もないだろう」

「ありがとう十文字くん。これで本題に入れるわね」

 

 障壁魔法は音に限らず物理的な障壁にもなる。つまり最愛のことは諦めたのだろう。居て欲しくはないのは事実だが、七草家にとって今回の間接的な理由の一つに最愛がいるのもまた事実。実際のところ真由美は被害者と言っても過言では無いのだが、それは真由美も知らない事であり今後も知ることがない真実だ。

 最愛のことはまた後にするとして、今は間近の話題からと話を切り出そうとした真由美は、しかしまたもや話を遮られた。

 

「ああ、いえ。超手間取らせてしまいましたが、別に居座るつもりはありません。超収穫はありましたし」

「……え?」

 

 その言葉に、その場にいた全員が一定の反応を示した。

 真由美は思わず聞き返してしまうぐらいに驚いており、克人は最愛が得た収穫という言葉に目を細め、レオは話の流れが掴めていないのか頭に疑問符が浮かんでいる。

 最愛の言う通り手間取らせたのは最愛の方なのだ。

 しかし最愛が出ていくというのなら、克人と真由美に止める理由などない。

 

「その方が超都合が良いですよね。居て欲しいのなら超残りますけど」

「いや、気遣い感謝する。邪魔をして悪かった」

「それは超お互い様ですよ克人」

 

 本当は克人が謝る筋合いなど無いのだが、形だけでも謝礼を述べるところは流石十師族に名を連ねる者と言うべきか。

 また来ます、とレオに一言告げると、克人は障壁魔法を解除。カーテンレールの上にある盗聴器は壊しても良いことを伝えると、今度こそ最愛は病室から出ていった。




ダイジェストなので伏線とか貼っても回収されず意味ないから補足

Q.リーナの目的
A.原作と変わらない。ただ追加されている点として、最愛もマテリアル・バースト(今作品では未登場)使用の容疑がかかっている。早い段階で除外されているが、呂剛虎と互角に戦った経歴があること、スパイ行為がバレている可能性が高いことから警戒対象には入ったまま。ちなみに普通に生活するだけなら最愛との相性はそれなりに良い方ではあるが、スパイ行為する相手としては最悪。達也同様情報を抜かれている。

Q.最愛がリーナに対して思っていること
A.スパイなのは間違いないけどスパイにしてはあまりにも粗末なため、何かの囮なのではないかと思っている。対象に自分が入っていることは理解しているため、情報は集めている。叩けば情報が出てくる性能だけは凄い玩具みたいな感じ。

Q.リーナの正体
A.この段階では知らないが、外から干渉があること、その中にリーナが含まれていることは知っている。アンジー・シリウスのことも知っている。

Q.最愛はマルチスコープに気付いているのか
A.見られているような気がする程度。ほぼ勘に近い。気がついているかと言えば気がついていないが、真由美は気付かれていると思っている。

Q.最愛の収穫
A.真由美は倫理観もあるため、マルチスコープで見えたとしても必要じゃない限り衣服の下までは探ろうとしない。その事を最愛は分かったので、引き際と判断。最愛が四葉側についた以上、他の十師族とはいつ敵対関係になっても良いように立ち回っている。なお、最愛が四葉側についたことを知っているのは、最愛周辺では達也、深雪、八雲、潮のみ。

Q.達也たちの訪問
A.レオは真由美と克人が来たことは伏せましたが、最愛に話した内容と全く同じ話をしました。つまり女であることも話してあり、その後の反応はお任せします。


Q.寿和の最愛に対する認識
A.呂剛虎とやりあったことから凄い魔法師だと思っていたが、今回の件でヤバい奴だという認識に至る。盗聴器を仕掛けた場所を見事に当てられた上にド定番とまで言われて、病室の外で聞いていたエリカに嗤われた。なおベッド下の盗聴器は最愛が持っていたため、最愛が退室するまでの話は全て聞いていた。


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