「GODZILLA プロジェクトメカゴジラ」でキングシーサーがメガロを倒した後、沖縄で起きたであろう事を妄想した二次創作です。

元ネタがわかったら、感想とかくれると喜びます。

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神(ウカミ)亡き後。

コウヘイ・ウラウチ 恩納村立渡久地小学校6年生(当時)

 

キングシーサーがメガロをやっつけた後、大人たちがものすごく騒いでいたことは今でも覚えてるよ。

 

僕のオジーなんか、ずっと家のシーサーが祀られた祭壇に手を合わせていたな。

 

あの後、僕も友達のヨウジとシオリと一緒にキングシーサーが戦った万座毛に行ったんだ。知り合いの漁師のミキオおじさんに船を出してもらえてさ、くれぐれも気をつけるようにって口酸っぱく言われたよ。

 

万座毛の海岸は米軍と自衛隊が閉鎖していたけど、メガロとキングシーサーが並ぶように倒れていた姿を覚えてるよ。

 

メガロはテレビでしか見たことがなかった。でもあのカブトムシみたいな角と、カイジュウガクシャの先生の話では地底を掘るために爪が変化したっていうドリルみたいな腕は、間違いなくメガロだった。

 

でもその角はへし折れてて、爪も片方はもぎ取られてた。そしてそれは、両方共キングシーサーの胴体に突き刺さっていたんだ。

 

シオリは気持ち悪いから帰ろうよと言ってたけど、僕はそうは思わなかった。

 

怪獣は外国でたくさんの人達を殺してるってことは知ってる。特にあのダガーラとかいう緑色のでかい龍みたいな怪獣が出したベーレムとかいうばい菌のせいで、オーストラリアは人が住めなくなったって言うじゃんか。あのメガロだって、アフリカで何千万人って人を殺したって言うことは知ってる。

 

でも、キングシーサーは違かった。キングシーサーは、沖縄を守るために戦ってくれたんだ。

 

メガロの正体はわからなかったけど、MPN。怪獣予知ネットワークとかいうネットの変なオカルトサイトでは大昔に海に沈んだ海底王国が地上の人間を滅ぼすために送り出したなんてのもあったな。

 

そのサイト、カマキラスとかドゴラとか色々な怪獣が出てきたせいで、かなり盛り上がってたんだよね。

 

まぁ大方嘘だろうけど……あとそのサイトではマンダって言う龍みたいな怪獣は、ムウとかいう別の海底帝国が地球上の人間をマンダの生贄にするために目覚めさせたなんてのもあったよ。

 

あ、ごめん。話が変な方向に行っちゃった……。

 

すると、自衛隊員にものすごい声を張り上げて話しかけてるオバーがいたんだ。

 

オバーは、自衛隊員にずっと「キングシーサーを弔わせてくれ!」と言っていたんだ。

 

後で知ったけど、そのオバー。クニガミっていう家は地元でも歴史の長いユタの家だった。クニガミのオバーが言うにはキングシーサーこそ、沖縄のシーサーの正体だって言うんだ。

 

その後、大人たちはキングシーサーとメガロについて話し合っていた。

 

メガロの死体は米軍が回収することになったけど、キングシーサーは大人たちが色々ねばって回収が延期されることになったんだ。

 

その後、沖縄のケンチジから発表されたんだ。キングシーサーのお葬式をあげるって。

 

あのお葬式は、本当にすごかったのを覚えてる。まるで沖縄中から万座毛に人が集まっているみたいだった。

 

キングシーサーの周りにはブタの丸焼きや、山みたいな果物。それに瓶いっぱいの泡盛がお供えされていたよ。

 

オジーやオバーは、みんなキングシーサーを見て涙を流していた。ダガーラみたいに変

なバイ菌がいるわけでもなかったみたいだから、特別に近づくことを許可されてたみたいだからね。

 

それで、クニガミのオバーはキングシーサーの前で沖縄口(ウチナーグチ)で何か歌みたいな物を歌ってたのを覚えてる。

 

キングシーサーが現れた後、うるま市の近くにある御嶽(ウタキ)で古い絵巻物が見つかったんだ。

 

絵巻物では、キングシーサーが何か龍みたいな怪獣と戦ってる姿が書かれていたんだけど、それがあのダガーラって怪獣にそっくりだったんだ。

 

偉い先生はもしかしたら、キングシーサーがいなければ沖縄は大昔にオーストラリアみたいな事になってたかもしれないんだって言ってた。

 

昔の事を知ってる人は、なんで戦争の時に目覚めてくれなかったんだって言ってたけど、もしかしたらキングシーサーは、大昔の戦いで大ケガをして今まで傷を治すために眠っていたんじゃないかと思うんだ。

 

それか、大昔に戦ったキングシーサーの子供だったとか……

 

その歌は、その絵巻物に書かれていたんだって。

 

歌詞は……えっと確か、ごめん。全部は覚えてないんだ。

 

たしか、こんな歌だったかな?

 

 

島にアラビ(凶兆)迫る時。

 

美童(みやらび)の如き無垢なる祈りに応え、守り神は目覚める。

 

夜の帳が消える時。夜明けの光に、星が眠りにつく頃。

 

ニライカナイより青い珊瑚の海を超えて、其は人々の涙を拭うだろう。

 

今より永遠(とわ)に、弥勒世(みるくゆ)が続かんことを。

 

 

その後、キングシーサーは米軍に回収されたんだけど、たてがみの一部と牙の欠片だけが送られてきたんだ。

 

米軍の人達も、キングシーサーが沖縄の人にとって大切なものだっていうことを知っていたみたいだね。

 

キングシーサーのたてがみと牙は、人間が死んだときと同じように亀甲墓に埋められた。

 

亀甲墓は、赤ちゃんがいる母親のお腹をモデルにしているんだ。「もう一度この世に生まれてきてください」っていう願いが込められてるんだってさ。

 

でも、今の世の中にもう一度産まれてきたら、キングシーサーは幸せなのかな……?


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