空立つ”飛”の独器と男   作:阿久間嬉嬉

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行方不明? な、空立つ男

ネギ・スプリングフィールドが、”不審者をとらえる”課題を受けてから、早数週間。

 

 

 

 

「中々見つからないなぁ……はぁ」

 

ネギはため息をつきながらも、夕方の街を探している。あれから数週間以上たつのにまだ足跡すらつかんでいないのだ。

 

……なぜ見つからないかというと、侵入者はネギがと魔法で飛んでいた所よりもさらに上空を歩いているからだ。―――――何故か逆さまで。

 

「あ~…またあのガキだ……。めんどーせぇ…」

 

彼はネギが自分を探していることを感じ取ったらしく、その場を足早に立ち去る。こんなやり取りが(やり取りといえるか怪しいものだが)、数週間前からもう何回も行われているのだ。

 

「うぅ……不審人物は見つからないし、二―Aが最下位脱出できなければ先生になれないし、おまけに魔法は封印しちゃって……ってああ!? 魔法を封印したら不審人物を捕まえるどころか、逆に叩きのめされちゃうじゃないか!? トホホ……」

 

色んなことが重なりすぎているのか疲れた顔で、ネギは肩を落としその場を立ち去って行った。

 

 

 

 

ちなみに空を歩いて立ち去った男が考えていたことは、

 

(だから麻帆良園本校女子中等部って何処だっての)

 

こんな感じ―――

っていうかまだ自力で探しているらしい。いい加減人に聞くなり何なりした方がいい気がする。

 

 

 

 

side学園長

 

「すみません……。まだ見つからないんです……」

 

ネギ先生、かなり落ちこんどるの~。

 

”仁”の奴め、連絡も寄こさずどこをほっつき歩いとるんじゃ? 『全然見つからねぇ。もう探すのめんどーせぇ…』とか言うとるんじゃなかろうな………あやつなら有り得る気がしてきたのぉ。

 

「その件じゃがな。もう探さんでよいぞ」

「えぇっ!? 何故ですか!?」

「結界の誤作動でな、ただの人を不審人物と断定してしまっておったようじゃ。先ほど判明した。じゃから、もう探さんでよいぞ」

「そ、そうですか……」

 

納得いかないという顔と、肩の荷が一つ下りたという顔をしておるのぉ。まぁ、二―Aの事もあるしの。

 

ネギ君の修行と、この学校への案内の二つをこなそうと思っておったのに……。まさか、ネギ君を見つけるたび、面倒くさいからと逃げておるわけじゃ―――こ、これもあり得る気が……!

 

ええい! 早よう来んか”仁”! あの万年隈あり、面倒男め!! 

 

sideout

 

 

 

 

「……なんか、今よりちょっと前に悪ぐち、言われた気が……ま、いいか。くだーねぇ…」

 

 

空中に逆さまに座っている男・仁(じん)は今、図書館島と呼ばれる巨大図書館の上空にいた。

 

「帰るか…………ん? 何だあれぁ?」

 

もう誰もいないはずの図書館島に、仁は人影があるのが見えた。ここから見て9人程いる。構成は7人の女子中学生と一人の女性、そして一人のパジャマ姿の少年のようだが、何をしに来たのだろうか?

 

(ぬらりひょんのジジイから、あそこは危険だとか言われてたが……)

 

そして彼女たちは外に二人を残し、中へ入っていく。どうやら残った二人はもしもの時の連絡のようだ。

 

仁は少しの間考えた後、逆さまの格好のまま夕飯の”ペロリーメイト”を口に放り込んだ。

 

どうやらこの場で、少し様子を見るらしい。案外いい人―――

 

(移動すんのめんどーせぇ……少し経ったら降りて寝よ…)

 

でもなかった。ぶれなかった。

 

―――そして―――

 

彼女達が入ってしばらく経つが、問題なく順調のようだった。仁はそんなことを気にも止めず(はなから興味ないので当然だが)、地面に降りて寝床を探そうとした。

 

―――しかし彼の嫌いな面倒事がついに起きてしまう。

 

「どうしたの!? みんな、ちょっと!?」

「へ、返事をしてください!」

 

残った女子中学生二人が慌てた声で、もうつながらない携帯に話しかけている。

 

「あわわわ……どどっ、どーしよぉ!?」

「まずは誰かに連絡を……ってこんな時間じゃみんな寝てるし!?」

「でもっ、でもだったら如何したら……」

 

(……めんどーせぇ)

 

 

 

side宮崎

 

 

どーしよぅ!? みんなと連絡とれないよ!? 何があったの!?

 

こ、こうなったら私が……

 

「お前ら」

 

え、誰?

 

知らぬ声に振り向くとそこには、白髪交じりで、髪の上部がボサボサのトゲトゲで、太い足枷を付けた眠そうな顔の長身の男の人が立っていた。

 

「お前ら、もう帰れ。 なんとかしてやっから」

 

そう言うや否や扉を開け、ものすごい速度で走りだして行ってしまった。

 

「わ……?

「うおぉぉ……?」

 

その余りのスピードに私も、隣の早乙女さんも呆然としてしまう。

 

……あれ? そういえば、今のあの人―――

 

 

 

 

―――空中を走っていたような……?

 

 

 

 

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