空立つ”飛”の独器と男   作:阿久間嬉嬉

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今回、仁の実力の程がどれだけのものか、少し分かります。


子供先生 VS 謎の少年 考

 仁の接近を妨げるために、離れながら魔法の射手(サギタ・マギカ)を放つネギだったが、全て仁に無挙動のままに前進しながら躱され、すぐさま接近戦へと持ち込まれ不利になってしまう。

 

 加えて魔法の射手を使ったせいか、威力は弱いものの仁も “脚力砲撃” を織り交ぜて攻撃してくるようになり、さらに劣勢へと追い込まれてしまっていた。

 

 

「ぐっ……桜花崩拳!」

「…ホッ……ラァ!」

「うぐっ、ぁ!?」

 

 

 魔法の射手・光の矢装填パンチを繰り出すがまたも、『蹴り出す前の格好で』よけられ、入れ替わりに障壁を貫く蹴りをお見舞いされる。

 

 本人の馬鹿力による蹴り、浮遊術を極めた者にすら不可能な挙動、トリッキーなその動きにネギは翻弄されるばかりで、この試合中にまともに攻撃が当たった試しがない。当たっても、本人が丈夫なのかダメージが与えられない。

 

 本当に『魔法』も『気』も使わないであの威力と防御力を誇るのだから、やはり仁がネギたちの世界とは別世界の人間、『異世界人』である事は否定もできず嘘でもないようだ。

 

 

(タカミチに勝るとも劣らないとはいったが、本気も出さずにこれ程とはな……)

 

 

 いつの間にか来ていたエヴァンジェリンは、仁の強さを認識すると共にある違和感も覚えていた。

 

 

(やはり妙だ…アイツは確かに手加減しているが――――――内包された本当の強さ(・・・・・・)と手加減の度合いが全く噛み合わん。あいつの強さからいって、いくら手加減しても限界があるはずだ……ましてやあんな風にぼーやがあいつと闘っていられるのは絶対に有り得ない……何故だ?)

 

 

 そう、仁の強さはかなりのモノで、エヴァンジェリンに言わせるならば、「京都であの大鬼に勝てなかった事すら、絶対と言っていいほどおかしい」という程の実力であり、本来は手加減しても『攻撃を殆どせず、[飛](トバシ)の力も使わない』と勝負にならないはずなのだ。

 しかし、目の前で行われている勝負は、ネギが劣勢であれども闘いにはなっている。

 

 

(何かしらの封印(・・・)でも施しているのか? そうでなければ考えられん)

 

 

 もし何かの “術” で封印を施しているのならば、リョウメンスクナノカミに有効打をあまり与えられなかったのも、ヘルマン戦での鎌風の威力も、そしてこの戦いの運び方にも納得はできる。

 

 

(そうまでして力を抑えなければいけないとは……やはり、『紬』とかいう人物が関連しているのか……?)

 

 

 力を抑えなければいけない相手、もしかすると感づかれないように力を抑えているのかもしれない。勿論、素人ならば『何それ?』であろうし、明日菜や小太郎のような人物なら『大丈夫! なんでもかかってこい!』と言うだろう。

 

 しかし、数百年生きてきたうえ、魔法使いの中でも有数の実力者であるエヴァンジェリンには、仁が気づかれまいと危惧する理由が、何となくだが分かっていた。

 

 

(アイツの本当(・・・)の実力は……はっきり言えばあのアホ二人(・・・・・)に『匹敵』する。……そして恐らく “紬の実力” もそれと同等……加えて[独器]の特異性を考えると―――――十二分に厄介な、厄介すぎる相手だな)

 

 

 付け加えるなら、ネギ達では相手にならない。一蹴されるのがオチであろうし、仁の戦いの邪魔にもなる。紬がネギ達や街に危害を加え無いとも限らない。それを踏まえれば、危惧するには十分と言えるだろう。

 

 

(何が格上だ……格上すぎるわ、あの男)

 

 

 考えながら、エヴァンジェリンは苦笑する。

 

 

 勝利の栄光は、果たしてどちらの手に渡るのであろうか……? 実力的に勝る仁か? それとも大逆転劇をネギが起こすのか? それはまだ分からない。

 

 仁の実力が『本来のモノでない』のなら、もしかすると――――? エヴァンジェリンはそう考えると、らしくないと肩をすくめ、能舞台へと目を向けた。

 





 エヴァンジェリンさんが語ったように、仁の実力は『あの』アホ二人(・・・・・)に匹敵します。
 どのアホなのかは、ネギまファンの人ならわかると思いますw
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