空立つ”飛”の独器と男   作:阿久間嬉嬉

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ネギVS仁戦を見直したら、肝心の最後の会話文が抜けていたので、『子供先生VS謎の少年 終』にて、一番最後の会話文を追加しました。・・・恐らく、保存していた物ををコピーして持ってきた時に、選択できていなかった為だと思います。

 ネギの勝利に違和感を持った方々、違和感を与えてすみませんでした。ネギが勝った理由が(といっても投票の時点でわかると思いますが)分かりますので、そこをご覧になっていただければと思います。


 それでは本編をどうぞ。


図書館司書と空立つ男

「あ~・・・負けちまったのかエヴァ○ゲ○オン・・・」

 

 

 

 結果だけ言えば、エヴァンジェリンVS刹那の対決は、刹那が空気投げというわけのわからない技を食らったり、途中でお互いが30秒ほど微動だにしなかったこともあったが、最後はモップを振り抜いて強打した刹那が勝ったのだ。

 

 恐らく途中で止まったのはエヴァンジェリンが何か魔法をかけたからであろうが、彼のもといた世界にあった “術” の事もあまり知らないのに、この世界の魔法のことが仁に分かるはずもなかった。

 

 ・・・というか、また名前を間違えて覚えている。誰か一人を正式に呼ぶと、もれなく誰かがうろ覚えになるのだろうか? つくづく分からない男である。

 

 

 頭をボリボリ掻きながら、逆さま状態から屋根の上に座る形に移行した仁――――――と、その背後に何者かの気配を微かに感じ、面倒くさそうな表情で振り向いた。

 

 

 

「・・・あ~・・・あんた、クウネル・サンダースだっけ、か」

 

「ええ、そうですよ。仁君・・・いえ」

 

 

 

 そこで一拍置き何を考えているのか分かりづらい笑みで、言葉を続けた。

 

 

 

「仁さん」

 

「・・・そら気付くか、安モンではなくとも市販品だしな、年齢詐称薬」

 

「そりゃもう。ちらと見たときはネギ君と同い年の少年がここまでの技量を持っているものかと驚きましたが・・・案外からくりがわかってしまえば単純でしたね」

 

「つーか・・・俺もなりたくてこの姿になってるわけじゃないけどな」

 

「でしょうね」

 

 

 

 一頻りくすくすと笑ったあと、クウネルは顔から少し笑みを消し、仁に真面目な声色で話しかける。

 

 

 

「ネギ君達を補佐してくれる人が居ると聞いて見に来ましたが・・・まさかここまでの実力とは思いませんでしたよ?」

 

「・・・なんの話だ・・・」

 

「隠しても無駄、ですよ。あなたの力は何らかの術で封印を施さないと、全く勝負になりませんからね。それこそ、あなたの本来の実力はあの千の刃やサウザンドマスターにも劣らない」

 

「・・・そら言いすぎだ」

 

「いいえ、言い過ぎではありません。それはあなた自身がよーくわかっていることだと思いますが?」

 

「・・・どこまで知ってる」

 

「あなたの特殊な武具[独器]、あなたが異世界の人であること、そして学園長から何らかの指令を受けて世界を回っていることも」

 

「・・・あ~・・・」

 

「それにしても―――――」

 

 

 

 そこで真剣な表情を崩すと、クウネルは再び何処か裏のある笑顔を浮かべた。

 

 

 

「少し警戒をしていたのですが、ここまで面倒臭がりな性格をしている人だと分かってしまうと、気が萎えてしまいますね」

 

「・・・元からだっての、悪かーたな」

 

「警戒したのは無駄、だったのかもしれませんね」

 

「・・・おいおい・・・」

 

 

 

 仁の苦笑にあわせてクウネルも静かに笑う。と、ここでクウネルが何かを取り出し、仁に手渡した。

 

 

「・・・これぁ」

 

「招待状、ですよ。私が主催のお茶会のね。ネギ君との戦いっぷりを見たのと、今までネギ君たちを支えてくれたお礼ということで」

 

「・・・本題は?」

 

「ふふ・・・本題も何もありませんよ。それでは」

 

「あ、おい・・・行っちまった」

 

 

 クウネルは不敵に笑ったあと、まるで景色に溶け込むかのように消えていってしまう。結局、真意がどうなのかは分からずじまいだった。

 

 仁は手渡されたお茶会の招待状をヒラヒラ振りながら眺める。

 

 

 

(爺からの依頼も今のところねぇし、学園祭終わーたら依頼来るまで暇んなるし・・・行ってみるか)

 

 

 もしかすると、本当にお茶会に招待したかっただけかもしれない。仁は面倒臭がりだが、人の好意を蹴っ飛ばしたり、自分がやるべきことまでほっぽり出すような性格ではないのだ。

 

 

 

(・・・俺、コーヒー派なんだけどな・・・)

 

 

 

 どちらかと言うと苦いものが好きな仁は、この大会の後コーヒーショップにでも寄るかと、あくびをしながら思うのだった。

 

 

 

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