さて、意気揚々と(微妙に違う気もするが)図書館島に乗り込んだ仁だが、
「迷った……めんどーせぇ…」
なんと女子中等部の件に続き、図書館島でも迷ったらしい。引き返そうにもかなり奥まで来てしまい、建物崩壊覚悟でぶっ壊しでもしない限りまず出れなさそうな状況になってしまった。
「……めんどーせぇなぁ」
面倒くさがりの彼のことだ。この中で消息不明となった女子中学生たちを探すことよりも、ここから脱出するほうを選ぶ―――――かと思いきや、
(あの爺には恩があーしな。それにあいつら見つけりゃ、中等部までいけそうだ。)
彼は面倒くさがりながらも、捜索を続けるのだった。学園長に受けたという、
■
「つーかよぉ、ほんとにここ図書館かよ」
仁の呟きはもっともだ。なぜなら、
「おっと、……なんで矢とか飛んでくんだよ」
この図書館には、罠がたくさん仕掛けられていたり、妙な構造になっている場所があるからだ。
本棚を横切ったら矢が飛んできたり棚が倒れてくるのは当たり前、何故か本棚の上を歩かなければいけない場所もあり、しかもそこには落とし穴のような仕掛けもある。棚の高さは結構高いため、下手をすれば怪我では済まない。
……まぁ、仁は空中を歩いているので、矢などの仕掛けしか作動していないのだが。
「……誰が読むんだ、こんな所にある本……」
足場となっている本棚にも、本は並べられていた。ロープでも持ってこなければ本棚の中腹辺りにある本は読めないだろう。
……仁は本の内容が少し気になり、手にとって読んでみる。どうやらダミーではなく本物のようだ―――――が、
「わからねぇ……」
どうやら内容はさっぱり分からなかったらしく、本を棚に戻す。
そして仁は歩を進めた。
■
「やっぱ、図書館じゃねぇだろ……ここ」
次に仁の前に現れたのは、なんと湖のような場所だった。そして向こうには、今までの本棚の高さがかわいく見えるほどの高さをほこる、本棚の壁が見える。間違っても図書館にこんな光景はあり得ないはずだ。今までの分も含めてだが。
(爺、何思ってこんなの作ったんだ…)
湖エリアを通り抜け、背の高すぎる本棚エリアにつく。
しばらく本棚を調べていると、壁に隣接している本棚に少し棚の上下幅が広い場所を見つけた。そこの本を抜いてみると―――
「隠し通路か…めんどーせぇ」
人ひとりが、匍匐前進をしながらやっと進める広さの通路が、本の奥にあった。低空飛行で通路の中を仁は進む。ちなみに、
(……ここにも本がありやがる)
この通路の横にもしっかり本は並べてあった。
そして、仁がめんどーせぇと思ってきたころ、四角形に光が漏れている場所にたどりついた。そこの石版を押し上げると、そこにはRPGの石像の間のような場所だった。石像は右向きの物が一体おり、その前の床には穴があいている。床の周りにはバラバラに砕かれた岩が散らばっていた。
片方しかない石像、何かの模様が描いてある砕けた岩、そして穴。つまりのこ状況は―――
(落ちたのか……めんどーせぇ…)
さすがに面倒くさい面倒くさいと言い過ぎではないだろうか。だが面倒くさいと言いながらも、仁は穴の中へと入っていった。
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しばらく穴の中を落ちて行った仁だったが、下のほうに地面と思わしき場所と明かりが見えた。
そして地面を突き抜けた瞬間、
「……なんじゃこりゃあ……」
仁は思わず、そう言葉を漏らす。だが、無理もないだろう。
そこは、地底なのに明るくさらに水があり、木々に覆われていたからだ。今までは非常識ながらもなんとか図書館だと認識できるものだった。しかしこれはもはや、どこかの遺跡のようにしか見えない。
(にしても広いな、ここも。…こーなスペース何処にあったんだ…)
また探さなければいけないのかとため息をつき、仁は奥へと飛ぶ。
「めんどーせぇ」
いつも通りのことを呟きながら、これ以上面倒事が起きないようにと思いながら。
………しかし面倒臭いことは起こってしまう。それは―――――
「あれ? 今誰か居たような?」
「気のせいでしょ。行くわよネギ!」
「勉強頑張らないとね」
「最下位脱出目指すアル!」
「そうでござるな」
「地底図書室が本当にあったとは……驚きです」
「そやね。……すごいとこ来てもうたもんな」
目的の人物達とすれ違ってしまったことである。