前者は今話で、後者は後々明かされます。
それでは本編をどうぞ。
星を食い荒らし、文明を滅ぼす程の力を持った、巨大で強大な化物を封じ込めたと伝わる武具・[独器]。
その強さなど言わずもがな、手にした人間は戦闘にむいている・いないに関わらず、無双たる力、大帯一帯を牛耳る力を得られるだろう。
・・・・・だが、人間の欲は尽きぬもので、独器使いが生きている間は奪っても使えず、それどころか逆に武器の殺されることを知ってなお、そもそも独器使いが桁外れに強いことを頭に入れていてなお、求めた品源もいるほどだ。
そんな欲の張る物たちの時代が続いていた時、ある日一人の男がこう閃いた―――――[独器]の力を複製して “模倣” 出来ないものか、と。
その男は幸運にも独器使いであり、しかし戦闘向きであるその力が故、研究者である男には使えなかったのだ。
勿論、使えないといっても攻撃できないというわけではない。
唯、男が望んでいた独器はコレではなかった為、物理的にではなく研究の助力として、使えなかったのだ。
しかし、それが研究に使えるのならば・・・独器程『使える』物はないだろう。
研究に研究を重ね、独器を構成しているのは異様な細胞だという事、力は細胞を通しても発現している事を知り、非物理的な力を溜め込む鉱石が存在する火山のことを突き止め、自身の独器の力を発現したあとに散らばる残骸を使い、とうとう『独器の模倣品』を完成させることに成功したのだ。
・・・・・だが、男はある重大な欠点を見落としていた。
[独器]が細胞の集まりであり、垢のように残骸が出たり力を細胞からも発現できるという事は、それ即ち『まだ生きている』ということにほかならない。
加えてそれらの細胞が大人しく持ち主に従っているのは “中に化け物が封印されているから” ・・・つまり真っ芯でもあり、仲介役でもある化物が居るからという事。
『芯と仲介無しに』力を使った際にどうなるかなど、歴史上一回も例のない事態なので、分かるはずがなかったのだ。
結果、生みの親である男は生み出した武具達に食い殺され、武具達は研究所を破壊すると、勝手気ままに外の世界へと飛び出していった。
・・・・・当然のことながら、数も少なくただ食い殺すだけの獣など放って置かれるはずもなく、すべて駆逐されてしまったと伝えられているのだが。
何がともあれ、めでたしめでたし――――――と、それで済んでいれば、今現在仁の前にその機械兵が現れることなど無いはずだ。
ならば何故彼の前にいるのか?
前述の通り人とは欲深いもの。とある国が最後の一匹を処理したと
しかもその国には、王に従順な独器使いも居り、加えて最初に模倣品の化物を生み出した男の研究データと、『似たもの』を既に得ていたため、残骸を回収し独器使いに協力させ、何と複数の力を合わせ持った機械兵と、それまでにない力を持つ武具を生み出してしまったのだ。
その武具は独器の模倣品・・・すなわち偽物として『偽器』と呼ばれ、機械兵たちはそれに準えて『偽器兵』と呼ばれるようになった。
それらを生み出したそのとある国はさぞかし裕福となっただろう。
・・・そう思われるかも知れないが、なんの皮肉かその国も偽器や偽器兵に滅ぼされてしまった。
[独器]の劣化版とは言え、それを大量に相手出来る程その国の独器使いは強くはなく、加えて王に不満が溜まっていた兵士や民が、自滅覚悟で『偽器』を手に取った事により、王国は滅んでしまったのだ。
当然ながら、『偽器』、『偽器兵』ともにその戦の最中に散らばってしまい、今も世界に存在し、闊歩している。
行き過ぎた欲は身を滅ぼす。上記二つの例は、いい見本だ。
その強欲の生み出した化身が――――――
(なんで・・・・ここにいやがんだ!?)
今現在麻帆良の地に降り立ってしまっているのだから、仁の焦りは相当なものだろう。
『偽器兵』には強さの段階も幾つかあるのだが、今目の前にいる偽器兵の強さは兎も角、パターンがどのタイプかはそこまで詳しくない仁にはわからない。
もし階級とパターン共に最も強いタイプのものであれば、後ろの学生達を守りながら戦うのは困難を極めるだろう。
加えて偽器兵には独器由来の、特殊な能力まで備わっている。
基本は関連性なくバラバラだが、階級が上がってくると何かしらのイメージや概念に沿う力になるらしい。
もし『上ランクレベル』を備えているのなら・・・厄介なことこの上ないだろう。
それに、仁は封印を施している上に子供の姿であり、本調子ではない事から苦戦することも伺えた。
総合的に下のランクに位置した物だろうが・・・偽器兵は決して弱くはないのだから。
それは光線により、中腹から爆破された鉄塔が物語っている。
「え? 今、鉄塔ぶっ飛んだよね? あ、あれも演出?」
「・・・わからないけど、どうなんだろう」
「演出じゃないわけないだろ。じゃなかったら、俺達死ぬ危険だってあるんだぜ?」
「多分エキシビジョンマッチとか、こういう感じのロボットが出てきますよー、的な演出じゃないの」
「そうだ! きっとそれだよ!」
本心としては、仁はここにいる者達を蹴っ飛ばしてでも退場させたかっただろう。
しかし、怒鳴っても過剰演出としか思われないだろうし、蹴っ飛ばしたらしたでまた面倒くさいことになる上に、偽器兵にとっての隙を作ってしまうとなると、迂闊に動けないのだ。
攻撃が仁に来たならまだしも学生達に来たら、
面倒臭いどころじゃないその結果だけは、仁は何としても避けたいと考えている。
しかし、ここで封印を解除してぶっ飛ばせば、《自分に関係のあるものを殺戮して回る》あの女が来てしまう。
結果的に言えば、このまま相手取るしかなくなったのだ。
「(・・・・頭いい奴じゃねーのを祈る!!)・・・オオッ!!」
〔ルググゥ!?〕
仁は足も縮めず飛び上がり、宙から
「
〔オオオオオン!!〕
仁は腹を蹴り上げて空中へ持っていく。空中では対処もできないだろうと距離をとって叩きつけようとした仁だったが、偽器兵はなんと
[飛]の力で前進しながらよけ、顔面と腹に一発づつ蹴りをお見舞いして隙だらけにすると、[飛の足場]を背後に作って支えにしながら、前方向に足を突き出して偽器兵をさらに上空へと持っていく。
足場による支えがあるおかげで攻撃ともなり、前に飛ぶことで運ぶこともできる。[飛]の力でなければまずできない系統だった。
飛行船からも離れた空の上で、
〔ガルルルアア!!〕
「・・・・う、ぜぇ!!」
向かってきた兵士を、[飛の足場]二人が叩き落とし、そこでバウンドしたのに合わせて背中を蹴り、蹴ると同時に[飛]の力で蹴り飛ばした先へと回る。
「倒足!!!」
〔ハコォ!!??〕
そして、水平に蹴っ飛ばした。
オリジナル設定の説明話になってしまいました・・・。