もういちどこの世界に祝福を!   作:クロウド、

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もういちどこのパーティに祝福を!

「俺たちのパーティは冒険者である俺が遊撃でほかの二人のアークプリーストとアークウィザード後方支援をするフォーメーションなんだがクルセイダーのあんたには俺以外の二人を守ってほしいんだ。正直最も危ない役目だが大丈夫か?」

「望むところだ!!」

 俺の目の前にいるクルセイダーかつての世界でパーティメンバーダクネスが喜んでと言いたげに叫ぶ。なんか、微妙に頬が赤くなってるし話だけで興奮してんのか……。

 相変わらずこいつは天性のドМだな。普通なら危険な立場って言われて喜んでやりたいってやつがいるかよ、おい。

「じゃあ、明日うちのパーティメンバー連れてくるからその時正式にパーティに入ってもらえるか?」

「わかった」

 明日会う約束をして今日のところはそれでダクネスと別れた。

 

「ワンモアこのすば!」 ダクネス

 

「ねぇ、ホントなの?うちのパーティに入りたいっていうクルセイダーがいるって?」

 今日は、アクアとめぐみんをつれてダクネスと会うためギルドに向かっていた。

「ああ、昨日ギルドで飲んでたらいかにもクルセイダーって感じの女騎士が募集の掲示板を見たって訪ねてきてな。見た感じ実力問題なさそうだったぞ。」

 性格には重大な欠点を持っているがな、あと不器用すぎて攻撃当たらないが。

「ですが、このタイミングでクルセイダーとは私たちは運がいいですね!!うまく私たちの欠点をふさぐことができる職業ですから」

 めぐみんの言う通りダクネスがうちのパーティに入ってくれれば前みたいにアクアがジャイアントトードに食われる心配もないだろう。

 まあ、ドМを背負うという心配が増えるわけだが。あいつ確か医療用スライムを卑猥なスライムか何かと勘違いして強引に買収したりしたんじゃなかったっけか。ああ、アクアやめぐみんへの苦情だけでも手いっぱいだったてのにああこれ以上増えるのか厄介ごと……。

 いや、考えてみたらこいつらには確かに苦労を掛けられた。だが、こいつらにはこの世界に来てからずっとそばにいてくれてた、アクアには死んだとき何度も蘇生させてくれた。めぐみんには大型の魔物を何体も倒してもらった。ダクネスは貧弱な俺が死ぬような攻撃を受け続け俺を守ってくれた。あいつらがいなければベルディアも、デストロイヤーも、バニルも、ハンスも、シルビアも、ウォルバグも、セレナも、魔王も、倒すことなんかできなかった。

「フッ」

 なんだ俺への苦労なんかよりこいつらの苦労のほうがよっぽどじゃないか。

「どうしたんですか、カズマ?急に笑い出して?」

「いや、悪いただの思い出し笑いだ。」

 

「ワンモアこのすば!」 アダルトカズマ

 

「え~と、あっ、いたいた!って、あの人は……。」

 ギルドにやってきた俺は早速ダクネスを見つけた。カウンターにいた、隣には俺のよく知るもう一人の人物がいた。

「お~いダクネス、俺のパーティメンバー連れてきたぞ~。」

「おお、カズマ待っていたぞ!」

「こいつらが俺が昨日言ってたパーティメンバーだ。アークプリーストのアクアとアークウィザードのめぐみんだ。ところでそこにいるのは?」

「ああ、彼女は……。」

「やっほー、私はダクネスの友達のクリスだよ!」

 ダクネスの隣にいた銀髪の盗賊クリスが相変わらずのハイテンションで名乗る。

「へぇ、君が最近噂の『最強の最弱職』君か……。」

「すみません、なんですかそれ?」

「え?知らないの、君突然この街に現れた高レベルなのに最弱職の冒険者をやっていることから『最強の最弱職』って冒険者の間で言われてるんだよ」

 ええぇ、何その恥ずかしい二つ名いやかっけぇけど前の世界でダクネスの実家の権力ちらつかせて特集にそう書かせたことあったけどまさか自然に広まるとは。

「まあ、あの実力ならそう呼ばれても納得ですよね」

「そうね、確かに最弱職ってスペックではないわよね」

 まさかのアクアとめぐみんまで納得してる。前の世界なら「カズマのくせに二つ名なんて生意気よ」とか「カズマだけ二つ名とかずるいですよ!」とか絶対言われるのに。

 

「ワンモアこのすば!」 クリス

 

「ところで、カズマ君ってなんで私に敬語なの?」

「いや、何となく逆らっちゃいけない気がしまして」

 ダクネスがアクアとめぐみんとこれからパーティメンバーになるに際して親交を深めようと談笑をしている。

 俺たちは離れたところのカウンターでシュワシュワ片手に話をしていた。

「というか、女神様相手にため口は無礼でしょう?おっと、あぶないですよ」

 俺の言葉にクリス、いやエリス様はジョッキを手放してしまうが慌ててこぼれる前に回収する。

「な、なにいってるのかなぁ。私は確かにエリス教徒だけど本人ではないよ」

「エリス様、俺は女神さまとは言いましたがエリス様となんて一言も言ってませんよ」

「……エリス様じゃないよ、クリス様だよ」

「ブフッ!」

「ちょっと、なんで笑うのさ!?」

 いやだって、前の世界で正体がばれた時と全く同じ反応してんだもの!思わず笑っちまうのは仕方ないんじゃないか。

「あくまでとぼけるんですね、エリス様」

「だから私はクリスだって」

「そうですか、じゃあ仕方ありません。あなたが危険な神器を回収するためとはいえ貴族の屋敷に潜入して義賊まがいのことをしていることを警察に告げに行かなくては……。」

「待ってください!待ってください!わかりました、認めますからそれだけはやめてください!」

 エリス様は観念してしゃべり方も本来の女神のものに戻して認めた。いけないいけない、鬼畜だったころの血がうずいてしまった。

 

「うう、ワンモアこのすば……。」エリス(涙声)

 

「それで、あなたはなんで私の正体を知ってるんですか?」

「それだけは、女神様だろうと閻魔様だろうと教えられません」

 この様子だと俺を過去に飛ばしたのはエリス様じゃないのか?まぁ、戻れる保証もないしこの世界で生きて行くつもりだがもし時が巻き戻ったのではなく並行世界なら向こうに残っためぐみんやダクネスのことが心配だ。向こうなら多分俺は死んだことになってるだろうからな……。

「はぁ、じゃあどこまで知ってるんですか?」

「そうですね、女神の仕事として神器を回収していることのほかには、毎日祈ってくれてる友達のいないクルセイダーの友達になってあげるくらい優しいことと、クリスという名前は好きな花の名前からとっていることですね」

 あと、胸がぱっt……。

「……今、失礼なこと考えませんでした?」

「い、いえ、滅相もございません」

 エリス様が腰のダガーを抜き俺の首筋にあててきた。しかもものすっごい笑顔で。その笑顔はとても素敵ですが目が、目からハイライトが消えております!

「そういうことにしてあげるけど、こっちでは普通にタメ口で話してね」

「……ああ、わかったよ。ついでに今度神器の回収で手が必要なら手伝うんで」

「ホント!?助かるよ!!」

 クリスは笑顔で残りのシュワシュワを飲み始めた。

 

「わ、ワンモアこのすば」 アダルトカズマ(怯)

 

「クリス、カズマと何を話していたんだ?」

「うん?困ったときはお互い助け合おうって感じの話だけだよ」

 まぁ、間違ってないけど。

「じゃあ、俺たちは新しいパーティで実践したいんでこのまま依頼を受けるんだがクリスはどうする?」

「私は用事があるからここでね!バイバイ、ダクネスのことよろしく頼むよ!!」

 そういって、クリスはギルドから出て行った。今回の世界では彼女に迷惑かけないよう死なないように生きよう。

「んじゃ、今日はどんなクエストにするか、ジャイアントトードは昨日一昨日で倒しすぎてもう受けられないらしいからな」

「じゃあ、これなんかどうですか?」

 そういって、めぐみんが見せてきたのは一撃熊の討伐依頼。確かに、ダクネスの耐久力を試すにはちょうどいいかもしれないが。

「ダメだ、俺はともかくお前らは一撃でも食らったら即死亡だぞ」

「いや、大丈夫だカズマ!どんな重い一撃だろうと受け止めて見せる」

 こんのドМが。

「今日はこいつを受けるぞ」

「「「ゴブリン討伐?」」」

 それは、俺がかつてダストの発言でブチぎれてキースやリーンと受けたクエストだ。

「このクエストにはゴブリンだけじゃなく初心者殺しっていう強力なモンスターがついてくるケースがある。俺がそいつと戦っている間ダクネスはゴブリンから二人を守る、んでアクアとめぐみんは俺の指示で後方支援だ。いいな?」

「わかったわ」「わかりました」「わかった」

「よし、んじゃ行くぞ」

 俺たちはゴブリンを討伐するべくギルドを出た。

「初心者殺しか、いったいどんな一撃何なんだろうか」

 完全にトリップした顔でそんなことを言っていたダクネスを僕は見なかったことにしました。サトウカズマ〇

 

「ワンモアこのすば!」 アダルトカズマ アクア めぐみん ダクネス

 

「『ライト・オブ・セイバー』+『飛斬』!!」

 俺は左手で上級魔法をもう片方の手に握った剣でソードマスターのスキルを使って斬撃を放つ。剣はさっき来る途中いつかの鍛冶スキルを教えてもらった鍛冶屋のおっちゃんがいる店で買ってきた。

 魔法を受けたゴブリンは爆散し、斬撃を食らったゴブリンは真っ二つになる。

「『バインド』!!」

 さらに、盗賊のスキルを使ってゴブリン数体をワイヤーで縛り上げる。

「めぐみん、いいぞ打て!!」

「『エクスプロージョン』!!」

 俺の指示を受けめぐみんが爆裂魔法を打つ。それによりまとめて捕縛されたゴブリンと周りのゴブリンも巻き込んでまとめて吹っ飛んだ。

「アクア、めぐみんはもう立てない。もしものことがあった時のために背負っておいてくれ!」

「わかったわ!」

「ダクネスはまだ耐えられるか!?」

「大丈夫だ!むしろもっとガンガン来い!!」

「よーしわかった。もう聞かねぇ!!」

 本当にこのドМは~~。

「つうか多すぎるだろ、もう百匹近く倒したぞ!!」

 これは、もしかしなくてもあいつがいるな。

「!お出ましのようだな……。」

 森のほうから一体の黒いネコ科のようなモンスターが現れた。

「来やがったか、初心者殺し……。ダクネス、お前は二人守っとけ奴さんは俺が相手をする」

「おいカズマ!ずるいぞ!!」

「やかましいわ!!変態!!」

「クッ、不意打ちの罵倒とはやはりカズマは私の望む人材だ!!」

「頼むから少し黙っててくんない!!」

 こっちはこれから初の大物との戦いだってのに。雰囲気ぶち壊しだよっ!!

 ああ、怖ぇなぁ。今まで目つぶしやめぐみんの爆裂魔法で何とか切り抜けてきたが、今回は周りにゴブリンが大量にいて目つぶしを使っても逃げられない。おまけにめぐみんはもう爆裂魔法は使えない。

 

 スゥー。

 

 俺は呼吸を整える。俺の視線の先では初心者殺しが俺の様子をうかがっている。

「行くぜ……。」

 まずは牽制、

「『ライトニング』!!」

 俺は無数の雷の矢を作り出し初心者殺しに向かわせる。

 だが、初心者殺しはその攻撃を簡単によけ俺に迫ってくる。

 やっぱ、この程度じゃダメか。だったら、

「『パワード』」

 俺は剣を腰に戻し筋力強化の魔法を自身にかける。

 初心者殺しは俺に向けて口を広げ噛みつこうとする。そこを俺が、

「これで、もう噛めないだろう」

 こいつの上顎と下顎を両手で抑えて噛みつけないようにする。そして、

「いくら、初心者殺しつっても体の中まで丈夫ってわけじゃねぇだろ」

 俺は右手を牙から少しずらし、

「『カースド・ライトニング』!!」

 俺の手のひらから黒い雷の矢が現れ、初心者殺しの口から体を貫通する。

「しゃあ、初心者殺し討伐っ!!」

「「「おおっ!!」」

 俺の活躍に三人が声を上げる。

「さ、残りも討伐して帰るぞ」

 

「ワンモアこのすば!」 アダルトカズマ

 

「ゴブリン討伐と初心者殺しの討伐、合計十五万エリスです」

 おお、昨日より多いな。でも確かゴブリンって大した金にはならないはずだからほとんど初心者殺しの報酬か。俺割とあっさり勝っちまったけど。

「おおい、アクア、めぐみん、ダクネス報酬もらってきたぞ、十五万エリスだから一人五万エリスな」

「な、まってくれ!なんでカズマの報酬がないのだ。初心者殺しを倒したのはカズマだろう!!」

「そうですよ、さすがにこれはもらえません!!」

「あら、それなら私がもらおうかし……。じょ、冗談よ、だから二人ともそんな目で見ないでよ!」

 アクアの図々しい発言にダクネスとめぐみんが無言の圧を送り黙らせた。

「いや、いいよ。俺それほどほしいものないし。宿で暮らせさえできればそれでいいから」

「いえ、それでもやっぱり……。」

「じゃあなんか飯奢ってくれよ、それでいいだろ?」

「はぁ、わかりました。じゃあ今日は豪勢なものをカズマに食べさせてあげましょう!!」

「ああ、そうだな」

「ねぇ、私も食べさせてもらっていいかしら?」

「「お前(あなた)は自分で払え(払いなさい)。」」

「なんでよぉ!!」

 

「ワンモアこのすば……。」 アクア(いじけ)

 

「ところでカズマのステータスはどうなってるんですか?」

 めぐみんとダクネスのおごりで俺はギルドの飯の中でも一番高いものを頼んで食事をしていると隣で食べているめぐみんがそんなことを聞いてきた。

「ん?どういうことだめぐみん?」

「どういうこともなにもおかしいじゃないですか、カズマは最強と言われてますけど最弱職なんでしょう?それなのに上級職の魔法やスキルを本職と同然の威力で使ってたじゃないですか」

「ああ、それは私も思っていた。できれば冒険者カードを見せてもらえないか?」

 俺とめぐみんの会話にダクネスまで混じってきた。あ、アクアは飯に一心不乱に豪華な飯にかぶりついている。あっ、あいつに関しては酒場のツケね。

 しかし、冒険者カードか。ひけらかすみたいでいやなんだけどこれからパーティとしてやっていくわけだし見せておいたほうが何かと便利か。

 俺はジャージのポケットから冒険者カードを取り出しめぐみんに渡す。ダクネスはそれを覗き込むように見る。

「「!!!!」」

「どした、二人とも?」

 二人は驚愕の顔で固っている。

「ハハハ、すみませんカズマどうやら私は疲れてるらしいです。いくらカズマが強いとはいえあり得ないステータスが見えるんですが」

「いや、めぐみん、多分見間違えじゃないぞ。私の目にも信じられないステータスが見えている。」

 どうやら、めぐみんは現実を受け入れられていないらしい。

「そんなにすごいか?」

「すごいなんてものじゃないでしょう!!なんですかレベル312って三桁のレベルなんて初めて見ましたよ!!」

「それになんだ、このスキルの量百は軽く超えてるぞ!!」

「そんなにすごいことなんかじゃないだろ、俺はただの器用貧乏だ」

「……これも前から思っていましたが、なんでカズマは力をひけらかすどころかむしろ過少評価ばかり自分につけるんですか?」

「ん?そうだな、弱かったころの俺を知ってるからかな?」

「弱かった?カズマがですか?」

「驚くこたぁないだろ、誰だって弱い時期くらいあるさ。そこから死に物狂いで戦って文字通り死にかけて戦って地道に強くなっていった、それだけだよ」

「でも、このステータスなら私たち三人がいなくても……。」

 はぁ、またそれかよ。

「あのなぁ、俺が言いたいのはそうじゃなくてそんな弱かったころの俺もこんな風になれたんだお前らだって頑張れば俺くらいになれるって言いたいの!!それまでは俺が守ってやるって言ってんの!!」

 俺は酒が回ってるせいか少し強めに言ってしまった。

「ふふふ、強くなるまで守ってやる、ですか」

「なかなか恥ずかしいことを真面目な顔で言うじゃないか」

 二人は俺をニヤニヤした顔で見てくる。

 俺はこっぱずかしくなり二人から目をそらして残りの飯を食った。

 しかし、本当にくさいセリフを言うようになったな、俺も。

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