今回、いわゆる戦闘がありません。ご了承ください。
後、感想で「2日後あげるわ。」とか言ってましたが、結局無理でした。すいません。
一応いいわけですが、実家でパソコンが使えなかったんです…
いや、キーボードなしでマウスだけはちょっとやりようが…
まあ、無様な言い訳はこれくらいにしておきます(泣
話をしよう。
あれは今から三十六万…いや、一万四千年前だったか…当然、嘘である。
まあ、それは特に関係がない。話さなければいけないことがあるのは確かだからだ。
あの火竜…いい加減レウスでいいや。レウスの肉を食べた4日後の事である。
俺の身に起きたことを3行で説明しようと思う。
・レウス肉の
・燻製
・ウマー!!
きれいな3行だろう。
なんていうか、保存食の枠に当てはまらない超うまい味だった。俺の稚拙な言葉じゃあうまく伝えられないが、なんていうか…やばい。地球のA5クラスの霜降りなんて目じゃないね。食ったことないけど。
あ、それとなんか、鱗が赤くなりました。前のピンク色の鱗から鮮やかな赤色に。まあ、別に生活に支障はないから問題ないね。
と、ここまでなら別にわざわざ報告するようなことでもないだろう。誰に報告してるのか知らんけど。
今回の本題は、今俺の目の前にいる何処かで見たことがある3人組がいることなんだ。どうしてきたのかは知らない。目が覚めたらこっちを伺うように少し距離を開けてみていた。
ちなみに、その時の3人の会話はこんな感じだ。
ランス「見つけたけど…クック、だよなぁ…」
双剣「それにしたら…赤くないか?」
ライラ(だったはず)「通常の3倍だったりして…」
双剣「なんで?」
ライラ「私も意味わかんないけど、そんな気がした」
構成をみれば分かると思うが、あの時フルフルに挑んでたパーティーだ。これのおかげで鱗の色の変化に気が付いたんだ。
ちなみに、某赤い人の〇クはただの指揮官用を赤色にペイントしただけで、スペック差は通常のザ〇のスラスターを1.2倍にしただけって言う。
ていうか、なんで知ってるの…
さてさて、そんなこんなで俺の目の前にハンター'sがいるわけだが、どうなるのかねぇ?人間が相手だから戦いたくないんだけど…まあ、実際襲ってきたら適当にけん制して逃げるけど。
俺が困惑しながらハンター'sのほうを見ていると、代表者なのか双剣を持ったハンターが少しづつ近づいてきた。
双剣「お前、この前俺を助けてくれたイャンクックだよな」
…言葉知らないふりでもしたほうがいいのだろうか?でも、久しぶりにまともに人とコミュニケーションできるチャンスなんだよな。
どうなってしまうかわからないけど、とりあえずは話してみよう。…って、俺は喋れないか。
でもまあ、コミュニケーション自体はきちんと取ることが出来る。
双剣のハンターに向けて、縦に首を振る。後ろの2人は警戒しているのか近寄ってきていないが、双剣のハンターは俺の反応を見るとこちらにまた一歩よって来た。
双剣「この前はありがとう。意味が分かるかどうかも分からないけど、本当に感謝してる」
…照れるな。あの時はフルフルがあまりにうるさかったから俺がやりたいようにやっただけなんだが。しかしまあ、悪い気はしないわけで。
俺から向こうに直接言葉を伝えることはできないけど、きっと感情は伝えることは出来るから。
「クェェェ」
ハンター’sにいったん背を向けて近くの岩の上へと向かう。
振り返って呼んでいる事が分かるように鳴き声を上げる。
双剣「…呼んでいるのか?」
コクリと頷く。ハンター'sは迷っているようで互いに視線を交わしていたようだが、俺が今まで攻撃的な態度をとっていなかったためか、数秒の後にゆっくりとこちらに近づいてきた。
向かった先は少し大きめの平らな岩。その上にあるのは大きな肉。
岩の正面を開ける。歩いてきたハンター'sは岩の上を見ると何があるのか分からなかったのか眉を潜めたが、俺が一切れとって食べると、それが肉だと分かったらしい。
うん、やっぱりうまいな。
ひとしきり味を楽しんで嚥下した後、ハンター'sのほうを向いてみると、明らかに困惑していた。
ランス「たぶん、食えってことだよな」
俺「(コクリ)」
双剣「ってもなぁ…俺らが食っても大丈夫なのか?」
ライラ「そりゃあ、好意から言ってくれてることだとは思うんだけど…」
…そっか。何の肉かも分からなかったら食べていいかわからんよね。
少しだけ離れたところに向かい、あるものを持って(咥えて)戻る。彼らの手前にそれを落とすと、それを拾った彼らの顔に驚きが広がる。
ライラ「これって…」
ランス「どう見ても火竜の鱗だよな」
双剣「そういえば、ギルドでも話題になってたっけ?」
ランス「いや、流石にデマだと思っていたんだが…」
驚いているらしいハンター'sから鱗を取り上げて肉の前に置きなおす。
そこでやっと意図が分かったのか、リオレウスの肉か聞いてくるので頷いて返す。さっき感情は伝わるって言って、そうして確かに俺の好意も伝わったみたいだけど、やっぱり喋れないのはきついなぁ。
双剣「おいおい、火竜の肉って言ったら俺らのランクじゃあ手が届かないような高級品だぞ…」
ランス「普通は輸送中に腐るからな…」
ライラ「…この肉、普通に燻製処理がしてあるんだけど??」
双剣&ランス「クックェ…」
なぜそのネタがこっちにある…
それは置いておいて、近くに置いてあった簡単に岩を組み合わせた燻製機もどき(岩と岩の間にある隙間に、小さな間隔を開けながら木の板を置いたもの)とくちばしで木を叩きまくって作ったチップを発見すると、こっちを呆れたように見てきた。
別にいいじゃない。おいしい肉を時間を気にせず食べれるようにしたかったんだもの。
ライラ「モンスターが私たちよりいいもの食べてるだなんて、ちょっと癪よね」
ランス「まあまあ、味付けとか何もできないんだから多少いいもん食ってもあんま変わらんだろ」
ランスよ、甘いぞ?この丘を越えて少し行ったところに海があるんで、大きな岩の中心をぶっ叩いて桶みたいにして、木の中心をちょっとだけくり抜いた木のコップを作り、その木のコップに海水を入れて岩の桶の中に入れる。ブレスで一気に岩を熱して海水を蒸発させる。そうすりゃほら、塩の出来上がり。燻製にする前に肉を塩漬けしたからね。自然の塩と高級な肉。完全クリーンな煙で作った燻製は、そこらの料理よりもぶっちぎりでうまいと思う。
(さあ、早く食して驚くがいい!)
んなことを考えていると、意を決したのか双剣が肉を手に取って、端っこを少しだけ齧った。
…………どうだ??
双剣は固まったまま動かない。そうして数秒の時が流れ、おもむろにもう一度、今度は大きく齧り付いた。
双剣「うーまーいーぞー!!」
それだけ言って、瞬く間に肉を食い切った。その間、一言もしゃべらず、周りを一切見なかった。そうして食べ終わった後、はっとしたように手の中をみて、ひどく残念そうな顔を浮かべた。
ライラ「…そんなにおいしいの??」
双剣「こ、これは…」
ランス「し、知っているのか!ポルナ!」
だからなんでそのネタg(ry
それにしても、また一人名前が分かったな。双剣のポルナか…ランスのほうはレフだったりして…
ポルナ「し、知っている。知っているぞレファン…これは、自然の味を追求したものだ。ただの一度も市場には下りず、山奥の村でひっそりと作られその村の中でのみ消費されているといわれている、伝説の味だ…」
ネタは最後までやれよ!!そして名前惜しい!!レフじゃなくてレファンだった!でも二人合わせるとポルナレフ’sだ!
この世界に来て過去最高テンションになった俺は、この3人だけは忘れられそうにないと、何の根拠もなく悟ってしまった。
ライラ「そ、そんなに美味しいのなら食べてみようかしら…」
レファン「ああ、唯肉を焼いただけでポルナがああなるとは思えないしな」
そういって、2人はおもむろに肉を食べ、どこかで見た光景が繰り返されるのであった。
うん、おいしいお肉は世界を救うよね!!
ちなみに、レウス肉の燻製だが、今日で無くなった。また何か作らないとなぁ…
そんなことを考えていた俺の耳に、ドシン、ドシンと、重量感のある足音が聞こえた。その音は一直線にこの巣を目指しており、だんだんと大きくなっていった。
やれやれ、またひと騒動ありそうだなぁ…ま、別に平穏を求めてるでもなし、どうでもいいか。
ハンター's side
ポルナ
知ってるか?普通のイャンクックって鱗はピンク色に近いんだぜ?
あ、知ってる?ごめん。でもな、俺の目の前にいるイャンクック、どう見ても…赤いんだ。
そりゃあもう、鮮やかに。…そうだな、テオ・テスカトルって古龍知ってるか?あいつの鱗みたいに赤いんだ。なんていうか、神々しさを感じたね。
んでだ。俺らの会話を聞いて起きたらしいそのイャンクックは、俺らを見ても威嚇行動はとってこなかった。なんていうか、困惑??そんな感じの表情だったんだ。
んで、さらに驚くことに、こっちの言っていることを理解しているのか、頷いたり首を横に振ったりとコミュニケーションがとれたんだ。もう、この時点でモンスターって考えはなくなったね。
さて、こっちが感謝の意を伝えると、かすかに笑ったような感じがした後、俺たちに背を向けた。そして、少し離れた岩場の近くで、立ち止まって俺たちを呼んだんだ。これから本当にリオレウスに勝ってたのが分かったりいろいろあったんだけど、この一言に尽きるね。
マジ、肉うまい。
レファン
なんだこれ、なんだこれ…マジ、肉うまい。
持ち帰り用に残ってた分全部もらったし、やばい、マジやばい。あのクック先生は…紳士だ…
ライラ
肉うまい。
ハンター’s side out
ギルド本部への通達
件のイャンクックと接触報告が上がってきました。
接触したハンターは、当イャンクックと初めて接触したグループと同一のグループで、戦闘は起こらず、こちらの言葉を理解していたそうです。そして、非常に気になる報告で、鱗の色が桃色から緋色に変わっていたそうです。言葉を理解していた証明として、当件のイャンクックがくれたという肉を持ち帰ってきました。
なお、当件のグループが持ち帰ってきた肉ですが、以前報告したリオレウスの肉のようです。腐敗はなく、驚いたことに燻製処理がなされていました。当件のグループによりますと、簡単な仕組みではありますが、燻製機のようなものが作られていたようです。人が通った痕跡も全く見つからず、本当に件のイャンクックが制作したようです。
なお、この肉は食せることが分かっており、当ギルドで職員とハンターに振る舞った所、大好評になり、酒場の営業利益は過去最高を達成しました。
私個人としての感想ですが、「肉うまい。」以上です。
ギルドポッケ支部への通達
件のイャンクックはこれより他のイャンクックとの差別化を図り「善性イャンクック」と呼称し善性イャンクックにたいして、ハンター側からの敵対の禁止とする。
尚、報告ではイャンクック自身が燻製機らしきものを作ったとあるが、当ギルドはその可能性は非常に低いと判断。善性イャンクックと交流を持つ人間がいることを疑い、善性イャンクックの調査依頼は取り下げ、以下の文面で新規クエストを発行する。
調査クエスト
森丘の紳士と付き人の影
依頼主:ハンターズギルド
依頼内容:
赤い鱗のイャンクックの巣に簡易
燻製機のような物が発見された。
これの製作者は不明だが、おそらく
善性イャンクック以外の何者かが
作っていると思われる。その何者
かを調査してほしい。尚赤い鱗の
イャンクックは、以降善性イャン
クックと呼称する。
報酬金 : 8000z
契約金 : 1500Z
指定地 : 森丘
指定モンスター:
なし
特殊条件
善性イャンクックに対する
攻撃の禁止
受注可能ランクはHR3から。なお、善性イャンクックと接触しているハンター3人を再度ドンドルマへと招集する。
後、通達とはあまり関係がないのですが、ギルド長より伝言があります。「その肉ってまだある??すごい食べてみたいんだけど…」
感想でイャンクック希少種が出ればいいのにとか言われて心底焦った。
名前普通に希少種にしようとしてたからな…
まあ、感想がいただけるのは非常に嬉しいですからあまり関係ありませんが。
なお、燻製云々やギルドの会話、塩作りなど、この作品の8割5分は適当でできております。ご了承ください。
それでは読了ありがとうございました。
肉、うまい。