転生クックは人が好き   作:桜日紅葉雪

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大変遅れました。申し訳ありません。


第5話

目が覚めた。

何故かわからないが体中から違和感を感じた。ボーっとした頭で現在の状況を確認する。

まず、体中が痛い。身じろぎをしただけで激痛が走る。まあずっと寝ころんでいるわけにもいかない。本当、どうしてこうなったんだっけ?えっと、昨日ハンター'sを送り出して、夜になんか足音が聞こえてきて…そうっ!マ王が来たんだった!!

いや、本当にイャンクックの身でよく生き残ったよな俺。今日起きることが出来たってことは何とかなったってことなんだろう。でも実際あいつの咆哮喰らってからの記憶がほとんど無いんだよな。体がこんなになるまで何やってたんだか?

痛みを堪えて立ち上がろうとして失敗する。起き上がりかけていた体が地面へ落下して非常に痛い。けど、立たないとしっかりと状況判断もできやしない。一瞬見えたけど出血はしてないみたいだから体力の消耗も必要以上になることはないはずだ。頑張ろう。

 

 

~~~~10分後~~~~

 

 

 

(もうヤダ。寝る。)

 

諦めました。ごめん無理。てか、爪も割れてんのね。

どうりで足に力が入らないわけだ。てか…痛い。

 

 

 

~~~~怪鳥睡眠中~~~~

 

 

 

さて、ひと眠りしたわけだが…非常にやばい。腹が減ってきた。

生物は喉の潤いと満腹感があればどんな時でも体力を回復することができる。…って、コナミの人が言ってた。あれ、大雨の外だろうと水分と満腹感があったら座っただけで体力を回復できるって理不尽仕様だからなぁ…

まあ、眠っただけで俺もある程度は回復できたようだし、この体はやっぱり便利だね。これ以上寝れる気はしないけど。

フラフラとしながら起き上がる。足の痛みがかなり酷いが、なんとか耐えれた。食欲は痛覚に勝ることが証明された瞬間である。が、さすがに空を飛ぶことはできなさそうだ。まったく、誰だよ「別に平穏を求めてるでもなし」なんて言ったの!俺だったよ…

確かに平穏はそこそこでいいが、何もこんなに痛い目にあいたくはなかった。てか、今更ながら理不尽だよな。森丘にマ王が現れるだなんて…いや、この考え方の方が理不尽か。あいつらも俺も現実として生きているわけだし。

さて、そうこう考えているうちにやっと一歩動けた。…うん、今一歩だけなんだ。すごい痛い。幸運なことにマ王様も水瓶(例のごとく岩に嘴で穴をあけたもの)までは壊されなかったのでとりあえず水を飲もう。頑張れ!あともう5歩!

 

4…3…2…1…

 

着いた!かつてこれほどまで一歩一歩に全力を込めて歩いたことはないだろう。本当俺、頑張った。自画自賛だがもうそれでもいいや。誰も褒めてくれないし。じゃあ、いっただっきまーす!!

 

…………………

 

…………

 

 

(……………オー・アール・ゼット)

 

むっちゃくちゃ痛い。ただでさえ砕けて皹だらけの嘴に水がしみるのに、喉が更に酷い。冷水を飲んだはずなのに、焼けるように熱い。これ…爛れてんのか?本当に何やったんだよ…

とりあえず、満身創痍なのは理解したが、体外体内問わずとは本当に恐れ入る。無茶やったんだなぁ…それだけやらないと生き残れない相手になぜ逃げなかったのかと小一時間問い詰めたい。

にしても、水だけじゃあ腹が膨れたりはしないよなぁ…でも外に出るのも億劫だし。

洞窟を見渡す。何もないなぁ。しょうがない、あそこに落ちてる尻尾でも…

 

尻尾!?

 

飲んでた水を噴出した。…喉痛い。

しかし、何度見ても尻尾だ。先端にハンマーのついている尻尾。

どう見てもディアブロスの尻尾です。本当に(ry

しかも、根元から落ちちゃってる。何があったし…

いや、たぶん俺がやったんだろうな。それしか考えられないし。これだけ無理をして戦果無しは悲しい、ありがたく頂こう。おなかも膨れるだろうしね。

…尻尾のとこまで歩くのは辛そうだけど。背に腹は代えられない。ファイト、俺。

 

歩いていると逃げたのであろうマ王が掘った穴に落ちました。野郎、絶対にぶっ殺して…ごめん嘘。もう二度と会いたくない。

痛みと闘いながら何とか抜けてたどり着く。さあ、頂きます!!

 

ガツッ!!

 

はい、なんとなくこうなる事はわかってた。表面硬すぎて食えない。根元のへんがちょっと肉出てるし、そこだけ食べるか…

 

 

 

 

~~~~怪鳥食事中~~~~

 

 

 

 

うん、普通にうまかった。けど何の処理もしてないからか肉の違いかかはわからないが、燻製肉ほどうまくはなかった。まあ、問題はないか。まずかったわけじゃあないし。

しかし、根元叩き割れたのが火事場の馬鹿力だとして、時間をかければ今の俺でもこの尻尾も食べれると思うんだ。どうせしばらく動けなくて暇だろうからいい暇つぶしになりそうだしね。

てか、これが食べれないと怪我が治るまで何にも食べられない。うん、餓死なんてしたくないし、頑張ろう。…なんか今日は頑張ってばっかりだな、俺こんなキャラじゃないはずなのに。

まあ、硬い物を食べてたらあごの力も強くなるでしょう。

 

カツ、カツ、カツ…

 

マ王の尻尾をかじりながら、することも無くなったし、これからの目標でも建てようと思う。今回の事でよくわかったが、草露日光のときもそうだったように俺はこの世界でも強さ的には平均、もしくはそれ以下だ。俺以下の奴らも当然いるが、それ以上に上を見上げたらきりが無い。積極的にやろうとも思わないし、自分のキャラじゃあないことも十分に分かっているが、死ぬわけにもいかないので少し自分を鍛えようと思う。意味があるのかはっきりとわかるわけじゃないが、せめて上位個体に認められるくらいには強くなりたい。ゲームの時の下位と上位の間の難易度の差を考えると非常に遠いようにも思えるが、これぐらいはできないと身の安全を守ることなんてできない。同時にハンター達に好印象を与えるために体が治ったらもっと見回りを増やそうと思う。ただ無害だというアピールをしたいだけだが、前のポルナレフ'sたちのいたパーティーみたいに誰かの命を救えたら嬉しいしね。それに、印象を上げておけば何かあった時に助けてもらえるかもしれない。まあ、頼られる可能性もあるわけだけどね。

今のところハンターにも近くの村にも手を出してないし、討伐依頼も出てないはずだ。

てか、出てたらシャレにならん。特に今の状態だとね。とりあえず、これくらいだろうか。

 

パリッ

 

おっ、いくつかの鱗にひびができたな。…爪があれば一枚一枚剥がせたんだけど、ないものねだりしてもしょうがないか。ああ、これからの事も考えちゃったし、暇だなぁ…あぁ、なんか、眠く…なって…き……

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

おはよう。昨日は気が付いたら寝てた。なんだかんだ言って体も休みを求めているんだと思う。

今日も、昨日より多少ましになったとはいえ歩くのがつらい状況に変わりはない。

喉が渇けば水を飲み、腹が減るのは仕方ないと尻尾にかぶりつく。ずっとやっていたからか、鱗はすでにすべて砕き終えている。

早いとか思うかもしれないけど、これでももう…正確な時間はわかんねぇや。少なくとも5時間はずっと噛んでいるわけだから、あんまり早くはないと思う。昨日から少しだけペースも上がってきているし、体は治ってきているんじゃないかと思う。

しかし、さっき水を飲んでる時に思ったんだが、足無理矢理に動かしてるけどどう考えても骨折れてるよな、これ。一日かけて多少落ち着きが戻ってやっと気づけるんだから、自分がどれだけやばい状態になってたのかがよくわかるね。まあ、動かないと状況はよくなったりしないからすまんが足の骨にはもう少しだけ無理してほしい。本当は水の近くで眠っておきたいのだが、地面が凸凹しすぎて横になれないのだ。まったくもって難儀なものだ。体が治ったら、これの位置を移動…は無理か。周りの整地をしようと思う。

 

???「おーい、クック?いるか―??」

 

ん?お客さん?てか、聞き取りにくい。まだ鼓膜が回復し切ってないみたいだ。洞窟はいられたことに気付けないのは致命的かもしんない。頑張って後ろを向いてみると、例のポルナレフ’sのパーティーがいた。てか、よくしょっちゅう来れるな。意外とここって人里に近いのか?俺が見たときは見当たらなかったんだけど…

 

レファン「お、おいおい、瀕死じゃねぇか!」

 

ライラ「え?ってほんとだ。まあ死んでないみたいだし大丈夫そうね」

 

ポルナ「いやいやいや、このクックをここまでできる奴が近くにいるかもしれないんだぞ」

 

相変わらず賑やかだな。まあ、こいつらに会うまで気付かなかったが、実は不安だったらしい俺は、彼らの存在がありがたいものに思えた。

 

ライラ「て…あのクック、ディアブロスの尻尾咥えてない??」

 

レファン「いや、さすがにそれはアルェ~??」

 

ポルナ「流石に予想の斜め上だった…」

 

いや、なんかごめん。ちなみにこの後ハンターの使う回復薬を飲ませてもらった。のどの痛みが引いてったから、効いたんだと思う。ほんと、なんなんだろうなこの薬。

 

 

 

 

 

ハンター’s side

 

 

ライラ

 

善性イャンクックがディアブロスの尻尾を食ってた。

体中傷だらけで近くにディアブロスの死体がなかったので多分尻尾を奪って追い払うだけで限界だったのだろう。ってことで、足元に落ちてたディアブロスの物と思われる鱗をいただいて帰った。回復薬の代金としてはもらいすぎだが、このクックが自力で手に入れられるわけではないだろうから勘弁してもらおう。

 

って思ってた時期が私にもありました。

いやね、ギルドでこの鱗を調べてもらったら「角竜の堅殻」らしい。正確には角竜の堅殻片。

上位モンスターを退ける下位イャンクックはおかしいと思って一緒に落ちてた鱗も見てもらった。「怪鳥の鱗」。どう考えても下位らしい。唖然としてたら、酒場にいたおじいちゃんが、善性イャンクックと闘っていたのは、かのマ王だという。

私はここで、思考を放棄した。うん、あのクックなら何やってもおかしくないよね。

 

 

 

ポルナ&レファン

 

マ王撃退。成し遂げたのは下位のイャンクックらしい。

いろいろおかしいが…とりあえず、クック先生と呼ばせてください!!

 

 

 

ギルド本部への通達

善性イャンクックって、回復薬受け付けるんですって。

 

 

ギルドポッケ支部への通達

相変わらずぶれませんね。

 




強制下校が近いんで最後かなり駆け足になってしまいました。
たぶん後で加筆します。

読了ありがとうございました。
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