時空の先導者 〜創生の竜と終末の騎士〜   作:ティア

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今回から本編に突入します。あらすじに出ていた彼女も登場し、ファイトも行いますので、楽しんで見てください。

後、つながりと同時に投稿したので、そっちもよろしくお願いします。この小説では、比較的新しい(?)カードを扱っているので、そう言ったカードでのファイトを見たい人はぜひ。

完全に勢いだけで、まだどうなるかわかりません。話の構成とか、全然決めてなくて……。二人の少年少女がどのような物語を繰り広げるのか、応援してもらえると嬉しいです。


turn1 少女の願いが実る時

「はぁ……」

 

「どうしたの?ため息ついてたら、幸せが逃げるよ?」

 

「そう言われてもね……」

 

友人に忠告されながらも、つい最近高校生になったばかりの彼女――清水ホノカは、憂鬱な様子で窓の外に目を向けていた。普段は明るい性格だが、今は気分が優れていない。

 

「何?彼氏に振られたとか?」

 

「そうじゃないし、彼女いないし……。ちょっと、考え事をね」

 

「考え事なんて、やっぱり恋愛関係じゃないの?」

 

「違うって!」

 

ホノカのことをからかうのは、彼女のクラスメイト――堀口アカリ。誰とでも積極的に関わる性格で、ホノカとはすぐに気があった。

 

「じゃあ何よ?気になる人でもいるの?」

 

「そうじゃない。……ヴァンガードのことだよ」

 

「あーなるほど」

 

『カードファイト!!ヴァンガード』。今、世界で一番注目されているカードゲームだ。

ヴァンガードをしている人は既に数億人を超え、日常の中に当たり前のように存在するほどだ。

 

知らない人はまずいない。それほどの認知度、のはずのなのだが……、

 

「このクラスには、ヴァンガードしてる人がいないからね〜。もっと言えば、この高校にもか」

 

「はぁ……」

 

何故か、この高校ではヴァンガードの話を聞かない。クラスメイトにも話をしたが、やっている人はいなかった。

と言うより、他のクラスの人についても、ヴァンガードの話をしているところを見たことがない。

 

人気があるという理由でヴァンガードを始めたホノカは、すぐにその魅力に取りつかれた。

そんなホノカにとって、同じヴァンガードを通じた仲間がいないことを残念に思っている、ということだ。

 

「アカリがヴァンガード始めるなら、この悩みは解決するんだけどね」

 

「無理無理。何か難しそうだし、私にはできないって」

 

「そんな……。一人でもいいからヴァンガード仲間がほしいのに……」

 

「ごめんね。力になれそうになくて」

 

「そう思うなら、ヴァンガードしようよ……」

 

手を合わせて謝るアカリを見て、ホノカはまたため息をつく。それほど、ホノカにとってはダメージの大きい事実だった。

 

「じゃあ、今日も今から一人でショップ行くの?」

 

「アカリが一緒に行ってくれる可能性は……ないよね」

 

「私は部活があるからね。そろそろ遅れそうだから、また明日!」

 

「あ……うん」

 

急ぎ足で教室を出るアカリを見送り、ホノカは重い腰を持ち上げる。

 

「さて……行こうかな」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

カードショップ『ミルキーウェイ』。ホノカの行きつけのショップで、常連客として名を連ねている。

 

「こんにちは、店長!」

 

「いらっしゃいホノカちゃん。今日も来てくれたんだね」

 

「はい。お世話になってます!」

 

ホノカと親しげに話すこの人は、ミルキーウェイの店長をしている野島タカシ。20代後半で、人当たりがいい。

 

「今日はお客さんが少ないですね……。誰かとファイトしたかったんですけど」

 

「やっぱり、学校にはヴァンガードをやってる人はいないのかい?」

 

「はい……」

 

本当は、ヴァンガード仲間と一緒に、放課後にショップでワイワイすることを夢見ていた。そんな淡い期待を抱きながら、ホノカは高校に進学した。

 

でも、現実はそこまで甘くはなかった。認知度を鵜呑みにして、高望みした結果がこれだ。

実際、ヴァンガードが特別であって、カードゲーム自体がそこまでメジャーに取り上げられているわけではない。

 

「まぁ、ゆっくりしていってよ」

 

「ありがとうございます、店長。誰かとファイトして、気を紛らわしますよ」

 

ミルキーウェイの造りは、至ってシンプル。店に入ってすぐ手前にレジ。その近くにブースターなどが売っている。

壁際にはショーケースが並べられ、店の奥がファイトスペースとなっている。

 

そこには、人数は少ないものの、確かに何人かがカードゲームをしている。どれも、ヴァンガードだ。

とりあえず、誰かにファイトの相手をしてもらおう。そう思った時だった。ファイトスペースとは別の場所、ブースターが売られているスペースに、気になる人物を見つけた。

 

「…………」

 

右手にはブースターパック、左手には財布を持った男子だった。つまるところ、自分の懐と相談しているわけだろう。だが、ホノカが気になったのは、そんなところではなかった。

 

(あの人、私と同じ高校の制服を着てる!)

 

ヴァンガードをしている人が、全くいなかったわけじゃない。それがホノカには、とにかく嬉しかった。

 

「あの……ちょっといいですか?」

 

と、ホノカに気づいた彼が、先に声をかけていた。手には変わらずブースターパックを持っている。

 

「何かな?」

 

「俺、今あんまりお金がないんですけど……ギアクロニクルのカードが入ったオススメのパックってないですか?」

 

優しそうな、好印象を与える少年だった。身長はホノカより少し高め。男子にしては低身長だ。

 

「お金がないんだよね?だったら、時空超越とかどうかな?収録されているギアクロニクルの種類も多いし、オススメだと思うけど」

 

「時空超越か……ありがとうございます。参考になりました」

 

そう言うと、時空超越のブースターパックを取りに行く。

ちなみに、彼が手に持っていたのは、討神魂撃。そのパックにもギアクロニクルは収録されているが、種類が少ないため、カードを手に入れられないかもしれないと思ったからだ。

 

「ところで君、私と同じ高校だよね?ほら、制服一緒だし」

 

「あ……言われてみれば。全然気づかずに声かけてました。たまたま近くにいたので」

 

「そうなんだ。ところで、君もヴァンガードしてる?私もしてるんだけど、これからどうかな?」

 

自然な流れで、彼をファイトに誘う。ギアクロニクルのカードを探しているということは、ヴァンガードファイターのはずだ。

 

「本当ですか?俺でよかったら、相手になりますよ」

 

「よかった!私、高校でヴァンガード仲間を作りたいって思ってたから、一緒にヴァンガードしてくれるなら、とても嬉しいよ!」

 

上手くファイトに誘うことができたようで、ホノカは一安心する。

 

「そう言えば、自己紹介がまだだったよね。私は清水ホノカ。1年生です」

 

「1年……何だ、同級生だったんだ。俺は戸坂カズキ。よろしくな」

 

さっきまでの丁寧な口調が砕け、親しげに話し出す。同じ1年生なら、ホノカにとっても接しやすい。

 

「こちらこそよろしく!戸坂君!」

 

「そんな畏まらなくても、下の名前でいいって。俺は、ホノカさん……だよな?そう呼ばせてもらうよ」

 

「なら、私もカズキ君って呼ぶことにするよ」

 

こうして、ホノカとカズキのファイトが、ミルキーウェイの一角で始まろうとしていた。

 

「そう言えば私、これでもこのショップの上位クラスのファイターなんだよね。ここ何日か負け無しかな」

 

「凄いな……有名ってことか?」

 

「そういうこと!私に勝つのは、簡単じゃないよ?」

 

実は、ホノカはかなりの実力者。このショップはもちろん、いくつかのショップの大会で優勝する実績があるほどだ。

 

「へぇ……。でも、そっちの方が楽しそうだ!」

 

「そう言う人、私大好きだよ!さぁ、刮目せよ!これが、このショップに名を連ねるファイターのデッキ……あれ?」

 

「どうした?」

 

「デッキがない!家に忘れて来ちゃった!?」

 

「は!?」

 

どこを探しても、ホノカのデッキが見当たらない。学校に忘れたとは思えないため、家に置いてきた可能性が高い。

 

「……ホノカさんって、おっちょこちょいなんだな」

 

「うっ、うるさいよ!誰だって、うっかりすることはあるよ!///」

 

ホノカは、顔を真っ赤にして反論するが、その慌てようが面白く、カズキは笑いを漏らす。

 

「うう……さっきの名乗りを思い出したら、恥ずかしくなってきた……」

 

「ホノカさんの抜け癖はいいけど、ファイトはどうするんだよ?デッキがないなら、ファイトできなくない?」

 

「抜け癖言うな!こうなったら……仕方ないか。ちょっと待ってて」

 

そう言うと、ホノカさんはレジに向かう。何やら店長らしい人と話をしているようだ。

 

「何してるんだ……?」

 

待っている間、カズキは自作のデッキを取り出してカードを眺める。順番に見ていく中、ある1枚のところで目が止まった。

 

「……やっぱ、格好いいな」

 

ヴァンガードを始めようと思うきっかけとなった1枚……クロノドラゴン・ネクステージ。

 

テレビに映る竜の姿に釘付けになった俺は、すぐにヴァンガードのことについて調べた。ルールを覚え、一からデッキを組んだ。

 

「竜に一目惚れってのも、変な話だけどな」

 

その店長の笑い声がこっちまで聞こえてくる。それに対して、またホノカさんが真っ赤になって言い返しているものだから面白い。

 

「清水ホノカさん……か。あんな人がいたなんてな」

 

正直、俺もヴァンガード仲間を探していた。ヴァンガードをしている人が、同じクラスには誰もいなかった。

そこに現れたのが、ホノカさんだった。男子じゃなかったのは残念だが、なかなか面白い人だ。これからも、仲良くやっていけそうだ。

 

「ごめん、お待たせ!」

 

ホノカさんが戻ってきた。その手には、一つのデッキを持っている。

 

「あれ?そのデッキは?」

 

「お店のお試しデッキだよ……」

 

「なるほど。これは上位クラスのファイターさんのハンデということですかな?」

 

「うーっ、人のこと散々馬鹿にして!こうなったら、このデッキで徹底的に打ち負かしてあげるから!」

 

「それは楽しみだな。さっきとは別の意味で」

 

「うぬぬ……!」

 

うん、これはもう確信した。この人、普通に面白い。いじるの超楽しい。

 

「さ、デッキを出して!ファイトするよ!」

 

「色々あったけど、ようやくか……!あぁ!しようぜ、ファイト!」

 

自作のデッキを構え、俺はファイトの準備を始める。このショップには、各テーブルにヴァンガードのプレイシートが常設されているので、ファイトしやすくて助かる。

 

「このデッキの最初のヴァンガードは、と……。あ、これか」

 

「慣れないデッキなんだし、ちゃんと確認しておけよ?」

 

「言われなくてもやってますー!」

 

ヴァンガードは、地球によく似た惑星『クレイ』に存在するユニットを従えて、自身が先導者――ヴァンガード――となって戦うカードゲームだ。

そのために、自身が戦う力を得る必要がある。それが、『ライド』。その準備が、さっき行ったグレード0のカードを伏せる行為だ。

 

そのグレード0のカードを、ヴァンガードの盤面の

 

R V R

 

R R R

 

Vの部分に置く。Rの部分には、共に戦うユニットを呼ぶための場所だが、今は関係ない。ファイトが始まってから、この場所は使っていく。

 

「それじゃ、デッキシャッフル頼む」

 

「わかったよ。そっちのデッキも貸して?」

 

互いにデッキをシャッフルし、5枚のカードを引いて最初の手札とする。ここで1度だけ、手札を引き直す行為『マリガン』を行い、不要な手札を入れ換える。

 

「準備はいいかな?カズキ君?」

 

「あぁ。やるか、ホノカさん!」

 

「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」

 

伏せられていたカードが表になり、ファイトの開幕を告げる。

 

「私は、士官候補生 アンドレイ!(5000)」

 

「ようやくファイトできる……楽しみだ!俺は、ガンナーギア・ドラゴキッド!!(5000)」

 

ヴァンガードには、それぞれ『クラン』と呼ばれる集合体がある。カズキはギアクロニクル。ホノカはアクアフォースと呼ばれるクランだ。

 

「清“水“だから、“アクア“フォース?」

 

「そうじゃない!適当に選んだの!」

 

「じゃあ、そう言うことにしておくよ」

 

「く〜!軽口叩いて起こらせるとどうなるか、教えてあげるから!私のターン、ドロー!」

 

ターンの最初には、横向き(レスト)になったユニットを縦向き(スタンド)にする。

ユニットはレストすることで、アタックしたり能力を使うことになる。それをもう一度行動できるようにするための行程が『スタンド』。

 

続いて『ドロー』。デッキからカードを1枚引いて手札にする。今回は最初のターンのため、スタンドはせずにドローだけだ。

 

「ライド!ケルピーライダー ポロ!(8000)」

 

ヴァンガードは、ターンに1度だけグレード以上のユニットに成長できる。これが、『ライド』だ。ライドを繰り返して最終的にグレード3になることで、ヴァンガードは強力になる。

 

また、グレード3になると、ファイトを優位に進められる技が使えるようになる。ヴァンガードにおける1つの目標は、グレード3になることでもある。

 

「この時、アンドレイの『先駆』発動!ポロの後ろに、このカードを移動!」

 

ヴァンガードは、さっき説明したクランを統一してデッキを組む。複数のクランでデッキを組むこともできるが、統一することでメリットがある。

 

それが、今のアンドレイのスキル、先駆。限られたグレード0のユニットは、同じクランのユニットにライドされたとき、共に戦う仲間――リアガード――として、さっき説明した盤面の図のRの部分に移動する。

 

ヴァンガードは、リアガードと協力して戦うカードゲーム。序盤からリアガードを増やすことができるこの先駆は、非常に重宝する。

 

「先攻はアタックできないし、特にすることもないから、これで終わりだね。ターンエンド!」

 

「よし。今度は俺のターンだ。ドロー!」

 

俺は力強くドローし、手札を増やす。早速俺も、ライドしてヴァンガードを成長しようとするが……

 

「……ない」

 

「え?」

 

「グレード1のカードがない」

 

ヴァンガードのカードの左上にグレードは記されている。だが、6枚の手札全てを何度確認しても、グレード1のカードはどこにもない。

 

「もしかして、手札事故?」

 

「……みたいだ」

 

「調子に乗った罰が当たったんだよ」

 

「なわけあるか!とりあえず……Gアシストで」

 

ヴァンガードにおいて、もっとも恐れられているのが、手札事故だ。1ターンライドできないだけで、一気に不利になってしまう可能性を秘めているのも、ヴァンガードの特徴だ。その対処法が、『Gアシスト』。

 

「じゃあ、手札を確認するから、私にその事故っぷりを見せてよ」

 

「ムカつく言い方だな……」

 

「君の言い方を真似しただけだよ♪」

 

まずは手札を公開して、ライドできないかどうかを確認させる。その後、デッキの上から5枚見て、1つ上のグレードのカードを手札に加える。これが、Gアシストの流れだ。

 

「えっと……手札はどんな感じかな?」

 

カズキの手札は、こうなっていた。

 

 

G3:クロノジェット・ドラゴン

 

G3:フェイトホイール・ドラゴン

 

G2:スチームファイター プズル・イリ

 

G3:次元放逐の時空巨兵

 

G2:スモークギア・ドラゴン

 

G0:スチームメイデン ウルル

 

 

(クロノジェットか……。ギアクロニクルなら、安定のユニットだね。ストライドを中心としたデッキかな?)

 

だが、ホノカは妙に気になる点があった。

 

(でも、プズル・イリを入れている……。と言うことは、双闘を織り混ぜたデッキってことだよね?それなら、クロノジェットの相方は、ルインディスポーザル・ドラゴンのはずなんだけど……)

 

今確認した手札の中に、そのようなユニットはいない。フェイトホイール・ドラゴン、次元放逐の時空巨兵。どれも、双闘とは関係ない。

 

(まぁ、いっか。スキルを考えたら、採用していてもおかしくないか)

 

ホノカはそう結論づけて、ファイトに戻る。

 

「確認したよ」

 

「じゃ、5枚確認して……あったな。こいつを手札に加える」

 

「加えたね。なら、手札2枚とGゾーン2枚を除外してね」

 

Gアシストは便利なルールだが、言わば最後の手段。代償として、計4枚のカードを除外、このファイト中は一切使えなくしなくてはいけない。

 

カズキは一瞬迷った後、カードを除外する。手札からは、次元放逐の時空巨兵と、プズル・イリを除外した。そして、Gゾーンからは……

 

「……ん?」

 

「え?何か間違ってた?」

 

「あ、いや。何でもないよ!」

 

Gゾーンから除外したカードを見て、ホノカは経験者としての観点から、自然と疑問の声が漏れていた。カズキが除外したカードは、この2枚だ。

 

 

時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン

 

時空竜 ラグナクロック・ドラゴン

 

 

(ミステリーフレアを入れてるんだ……。でも、ラグナクロックを除外するなんて、ちょっともったいないな)

 

ラグナクロック・ドラゴンは、スキルを使うのに同じカードがもう1枚必要なカード。元から奇数枚入れてるならわかるが、偶数枚の採用だと、スキルが使えない場合がある。

 

(さっきからからかってくるし、気づいてないなら放っとこっと)

 

「じゃあ続けるぞ。ライド!メーザーギア・ドラゴン!(8000) ガンナーギアは先駆で、後ろへ移動!」

 

無事にライド成功。Gアシストに失敗したら、どうなることだったか。

 

「カズキ君。言うまでもないと思うけど、ちゃんと勝ち筋をイメージしようね?」

 

「わかってるって。このゲームは、イメージすることが重要だろ?」

 

ユニットの行動や、相手の心理に至るまで、イメージしてファイトできた人が勝利できる。先の先まで展開を読み、相手の先を行く。それが、ヴァンガードだ。

 

「じゃあ早速……ガンナーギアの『ブースト』、メーザーギアで『アタック』!(13000)」

 

ヴァンガードにおけるアタックは、前列のユニットが行うことができる。前列とは、さっきも示した盤面の

 

R V R

 

R R R

 

Vとその両隣のユニットのことを言い、基本的にはリアガードが揃えば最大で3回アタックできる。

 

また、グレードが0と1のユニットは、前のユニットがアタックした時、つまり後列にいる時、自身をレストしてパワーをアタックしているユニットに与えることができる。

 

今回は、前列にいるヴァンガードのメーザーギア・ドラゴンが、その後ろにいるガンナーギア・ドラゴキッドのブーストを受けて、アタックした。

 

「まだ序盤だし、ここはノーガードでいいね」

 

「だったら、ドライブチェック……スチームバトラー マシュダ。クリティカルトリガー!」

 

クランを統一する理由は、さっきの先駆以外にもある。それが、今発動したトリガーだ。

トリガーは、同じクランのユニットがいないと発動できない。トリガーはどれも強力で、使いこなすことで、ファイトを上手く進められる。

 

トリガーは4種類あり、与えるダメージを1つ増やすクリティカル、デッキから1枚引くドロー、リアガードをスタンドさせるスタンド、ダメージが相手以上のときに自分のダメージを1枚回復できるヒールがある。

 

また、トリガーには共通してパワー5000を好きなユニットに与える効果があり、この要素がファイトを大きく左右する。

 

「効果は全てメーザーギア!(18000 ☆2) 早速2ダメージ……受けてもらう!」

 

ユニット同士のバトルは、パワーの高い方が勝つ。メーザーギアは、合計18000。対してポロは8000。メーザーギアの勝ちのため、ダメージを与えられる。

 

「もうトリガーを引くなんて……。ダメージチェック!1枚目、レールガン・アサルト。2枚目、ガンダイバー・ドラゴキッド」

 

トリガーが発動するタイミングは、ヴァンガードがアタックした時のドライブチェックか、ダメージチェックの時だ。

今はトリガーが発動せずに、そのままダメージゾーンに置かれる。

 

このダメージゾーンに置かれたカードが、6枚になったファイターが負けとなる。

 

「俺はこれでターンエンド」

 

 

カズキ:ダメージ0 ホノカ:ダメージ2

 

 

「私のターン、ドロー!今度はこっちの番だよ!ケルピーライダー デニス(10000)にライド!」

 

グレードがまた1つ上がり、ヴァンガードが成長する。このグレードが上がることには、あるメリットがある。

 

「続けて『コール』するよ!戦場の歌姫 ローゼ!(9000) ケルピーライダー ポロ!(8000)」

 

ヴァンガードは、仲間であるリアガードを従えて戦うことができる。その仲間を呼ぶことが、コールだ。

コールできるのは、ヴァンガードのグレード以下のユニットだけ。グレードが高くなるほど、強力なユニットをコールできるようになる。

 

「アタック行くよ?ポロでメーザーギアにアタック!(8000)」

 

「ノーガード!ダメージチェック、ニキシーナンバー・ドラゴンだな」

 

(ニキシーナンバー?このユニットも双闘を持つけど、プズル・イリとは違うユニットが必要のはず……。どういうデッキ構成なんだろう?)

 

これまでに公開されたグレード3のユニットを見ても、かなりばらつきがある。ホノカには、カズキのデッキ構成が全く読めなかった。

 

(考えても仕方ない。デッキだって、そのうちわかるはず!)

「アンドレイのブースト、デニスでアタック!(15000) ドライブチェック、士官候補生 アレキボス。ゲット!スタンドトリガー!」

 

「く……スタンドトリガーか……!」

 

「ポロをスタンドして、パワーも与えるよ!(13000)」

 

これで、ホノカさんは後2回アタックできる……。それに、まだこのアタックのダメージチェックが残っている。

 

「ダメージチェック、万里を駆けるギアホース」

 

「ローゼも続けてアタック!(9000)」

 

「くそ……これもノーガード!ダメージチェック、スチームナイト シュ・シン。ドロートリガー!1枚ドローし、パワーはメーザーギアへ!(13000)」

 

これで、カズキのダメージは一気に3。トリガーを引いたが、まだポロのパワーはメーザーギアより低くない。同じパワーならアタックは通るため、このままでは4ダメージ目を受けてしまう。

 

だが、そう簡単に勝敗がつかないのがヴァンガード。ダメージを回避するための手段が、ヴァンガードにはある。

 

「まだまだ行くよ!ポロで2回目のアタック!(13000)」

 

「そうはさせない!邯鄲の夢のギアキャットで『ガード』!」

 

アタックは、ただ受け続けるだけじゃない。手札から、ヴァンガードのグレード以下のユニットをコールして、アタックを守ってもらうことができる。それが、ガード。

 

ガードの時には、カードの左側に記されたシールド値を足して計算する。今回は、ポロが13000。メーザーギアが、ギアキャットのシールド値10000を足して合計23000。防御側の勝ちだ。

 

防御側が勝った場合、アタックは通らない。ガードに使ったユニットは、すぐにドロップゾーンと置かれる場所に置かれる。

 

「トリガーに助けられたみたいだね……。ターンエンド!」

 

 

カズキ:ダメージ3 ホノカ:ダメージ2

 

 

「今度は俺の番だな。行くぜ!スタンドアンドドロー!」

 

レストしたユニットをスタンドし、俺は手札を増やす。そうして、俺は新たなユニットにライドするため、手札の1枚に手を伸ばした……。

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