時空の先導者 〜創生の竜と終末の騎士〜   作:ティア

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こっちの小説は久し振りです。まだ投稿して1ヶ月近くですが、お気に入り7件も追加していただきありがとうございます。正直、見向きもしてくれないと思ってた。

さて、今回は長い。前回のファイト……覚えてるかわからないけど、あれを完結させます。普通に書いたはずが、気づけば10000字を越えてたと言う。

ある意味懐かしいユニットも出てくるので、よろしくお願いします。あ、つながりの方も見てくれると嬉しいです。


turn4 逆転への一手

「おかしいな……?いくら電話してもつながらない……」

 

日直の仕事を終えてミルキーウェイに向かうホノカは、カズキに電話をかけていた。だが、何回かけても出ない。返答もなしだ。

 

「ファイトでもしてるのかな……?」

 

いや、デッキを調整しないでファイトしているとは思えない。とすると、単純に気づいていないだけなのか。それとも。

 

「着いた着いた。どっちにしても、今からわかることだしね」

 

自動ドアが開き、私を中に引き入れる。いつもと変わらない店内が、私を安心させる。

 

「いらっしゃい!あ、ホノカちゃん!」

 

「どうもです、店長!あの、カズキ君います?あっ、昨日私とファイトしてた男の子なんですけど……」

 

「ええ、いますよ。今、このカードを賭けて、ユウキ君とファイトしているところです」

 

「このカードって……」

 

そこに置かれていたのは、クロノドラゴン・ネクステージ。それも3枚。

 

「彼が勝てば、このカードをあげると約束したんですよ」

 

「ええっ!?そ、そんなのいいんですか!?」

 

「もちろん。ユウキ君も事情をわかってファイトしてますから、そう簡単には負けないでしょう」

 

「ユウキ君なら、カズキ君よりも実力は上だし……。いや、それよりも!」

 

ファイトしているということは、今のカズキ君が使っているのは、昨日ファイトした時から変わらないあのデッキ……。

 

「カズキ君のデッキ知ってます?勝ち筋が全くイメージされてない単調なデッキなんですよ?あんまり言いたくないですけど、正直寄せ集めのデッキです」

 

「ホノカちゃんも、なかなか辛辣なコメントするね……」

 

「ネクステージ欲しさにファイトしたカズキ君の気持ちはわかりますけど……今のデッキで、勝てるかどうか……」

 

「大丈夫です。彼のデッキがどのようなものかはわかってませんが、気合いは十分でした。自信はあまりなかったようですが、一度ファイトが始まれば、後からついてくるでしょう」

 

とは言っても、本当に大丈夫かな……?

 

「……ちょっと、観戦してきます」

 

「邪魔にならないようにね」

 

「わかってます。当然、アドバイスもするつもりないですから」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「時空の鼓動を呼び覚まし、未来へ羽ばたく翼となれ!ライド!クロノジェット・ドラゴン!!(11000)」

 

ネクステージを賭けたファイトは、俺がグレード3にライドしたところから再開する。

 

「ジェネレーションゾーン解放!憧れを翼に変え、未来をこの手に!ストライドジェネレーション!!」

 

この前のようにネクステージにはストライドしない。その代わりに俺がストライドするのは……。

 

「時空竜 フェイトライダー・ドラゴン!!(26000)」

 

「フェイトライダー……なかなかいいユニットだな」

 

「確かここで……クロノジェットのストライドスキルを発動!CB1で、チャトゥラをデッキの下に戻す!」

 

単体でパワー11000になり、おまけにドローできるスキルを持つチャトゥラは厄介だ。消すことができて助かった。

 

「続けて、フェイトライダーのスキル!ラッキーポットをデッキに戻し、デッキからラッキーポットのグレードプラス1のカードを……スペリオルコール?だったな」

 

ラッキーポットはグレード0。つまり、グレード1のカードがコール可能だ。

 

「グレード1なら……こいつだ。スチームスカラー ジジ(5000)をスペリオルコール!ジジのスキルで、SB1して1枚ドロー!」

 

「ソウルの損失だけで、手札を増やしてきたか……」

 

「さらにアップストリーム・ドラゴン(9000)をコール!そのままアタック!GB発動で、パワープラス4000する!(13000)」

 

「疑心暗鬼のジンでガード!悪いけど、そんなアタックは通さねぇぜ」

 

「くっ……でも、アップストリームのスキル!パワーを増やしてアタックした時、このカードをデッキに戻して、グレード1のカード、頂に立つギアウルフ(7000)をスペリオルコール!」

 

まるで、パワーを増やした代償に力を失って退化したみたいだ。

 

「ガンナーギアのブースト、フェイトライダーでアタック!行っけー!(31000)」

 

「ここだ!ノーガード!高いパワーのユニットのアタックは、ノーガードで切り抜ける方が遥かに楽だからな!」

 

だから、序盤であまりダメージを受けなかったのか……。俺のダメージは4。もうノーガードできる余裕がほとんどない。

 

「やっぱり、奥が深いな……ヴァンガードは」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「何でもないよ。トリプルドライブ!1枚目、スモークギア・ドラゴン。2枚目、ニキシーナンバー・ドラゴン。3枚目、スチームメイデン ウルル。ヒールトリガー!」

 

よし、助かった。これで何とかダメージに余裕を持たせることができる。

 

「ダメージを1枚回復し、パワーをカリブムへ!(13000)」

 

「でも、与えるダメージは結局1。同じ1なら、こんな風にダメージを受けて、手札の消費を抑えるのも一つの手だぜ」

 

「なるほどな……」

 

「で、俺のダメージは、ジャギーショット・ドラグーンか」

 

トリガーじゃない、グレード3のユニット。俺はさらに追撃をかける。

 

「ジジのブースト、カリブムでアタック!(18000)」

 

「パワーが甘いな!プラズマダンス・ドラゴンでガード!」

 

「1ダメージだけかよ……。ターンエ━━」

 

「カズキ君!」

 

やることもなくターンの終了を宣言しようとした時、聞き覚えのある声が聞こえる。ホノカさんだ。

 

「遅かったな、ホノカさん。今、ネクステージを賭けてファイトしてるところなんだ」

 

「それはさっき店長から聞いたけど……さっきから電話してるのに出ないから心配してたんだよ?」

 

「……あっ、本当だ」

 

バイブになってたから気づいてなかった……。

 

「よう、ホノカちゃん。こいつと知り合いなの?」

 

「あっ、ユウキ君。同じ高校なんだけど、知り合ったのは昨日偶然ね。たまたまファイトすることになって……」

 

「へぇ?偶然出会って、まだ間もない男子のことを心配ねぇ?」

 

「そ、そういうのじゃないよ?特に何の関係もないし」

 

「なら、知らない間に意識しちゃってるってことかな?ホノカちゃん?」

 

「ち、違うって!からかうのはよくないよ!///」

 

何で顔赤くなってるんだ?ホノカさんは。

 

「そんなことは放っておいて……カズキ君」

 

「ん?」

 

「デッキ調整も何もしてないのに、よくファイトする気になったよね?私がレクチャーするって約束も無視して」

 

「ま、まぁそれは悪かったよ、あはは……」

 

「笑ってごまかさないの」

 

「はい……」

 

俺はホノカさんを待とうとした。それだけは弁明しておく。

 

「仕方ないね。始まったファイトを止めるわけにもいかないから、こうなったら頑張って勝つしかないよ!カズキ君!」

 

「当たり前だって。最初からそのつもりだ」

 

「言ったな!?そう簡単には勝たせねぇぞ!何せ、ネクステージがかかってんだしな!」

 

「だから負けられないんだよ。ターンエンド!」

 

 

カズキ:ダメージ3 ユウキ:ダメージ2

 

 

「俺のターン!スタンドアンドドロー!行くぜ、ジェネレーションゾーン解放!」

 

マイティボルトをコストに、眠れるGユニットを解き放つ。

 

「迸る稲妻が、未来を呼ぶ!ストライドジェネレーション!!雷龍騎士 ゾラス!!(26000)」

 

向こうもGユニットにストライドしてきたか……。どんなスキルを持ってるんだ?

 

「ヴァンキッシャーのストライドスキル!CB1でカリブムを退却!そのカードをバインドだ!」

 

「リアガードが……!」

 

「ボルテージホーンの後ろにライジング・フェニックス(5000)をコール!スキルでSB2して1ドロー!」

 

俺の使ったジジと同じようなスキルのユニットか……。

 

「ゾラスで、ヴァンガードにアタック!(26000)」

 

「まだダメージは3だし……行けるか。ノーガード!」

 

「トリガー出ても知らねぇぞ!トリプルドライブ!1枚目、魔竜戦鬼 チャトゥラ。2枚目、ドラゴンダンサー アナスタシア。3枚目、ヒートブレード・ドラグーン」

 

「出てないじゃん」

 

「出てないね」

 

「うっ、うるせぇな!二人揃ってそういうこと言うな!仲良しかよ!そういうこともあるだろうが!」

 

一回でよくしゃべるな……。

 

「わかったから。ダメージチェック……お、スチームナイト シュ・シン。ドロートリガー!1枚ドローして、パワーをクロノジェットに与える!(16000)」

 

「ここでトリガー引くなよ……。けどな、ゾラスのスキル!アタックがヒットしたから、お前は自分のリアガードを1体選んで退却しろ!」

 

「何!?く……ジジを退却!」

 

「その後、俺はお前のドロップゾーンから2枚選んでバインドする!選ぶのはジジとギアラビット!」

 

退却と同時にバインドまで行うのかよ……。なかなか強いな。

 

「ハーブリンガーがいれば、一気にパワーアップできたのによ……。そしたら、ボルテージホーンもパワーが足りたのにな……」

 

ボルテージホーンはブーストを含めてもパワー14000。クロノジェットは、トリガーの効果で16000になっている。アタックしてもヒットはしない。

 

が、ハーブリンガーがまだこの場にいたなら話は違う。ハーブリンガー・ドラゴキッドは、カードがバインドされる度にパワープラス3000する。

このターン、計3枚のカードがバインドされ、パワーは9000プラスしていたはずだ。それがどれほど強力かはわかるだろう。

 

「まぁ仕方ない。ターンエンド!」

 

 

カズキ:ダメージ4 ユウキ:ダメージ2(裏1)

 

 

「よし、俺のターン。スタンドアンドドロー!」

 

さて……このターンは何にストライドしようか?ラグナクロックは使えないみたいだし、かと言ってネクステージも……。

 

「…………」

 

いや、決めた。

 

「ジェネレーションゾーン解放!憧れを翼に変え、未来をこの手に!!ストライドジェネレーション!!」

 

グダグダ迷うくらいなら、こいつで……行く!!

 

「……クロノドラゴン・ネクステージ!!(26000)」

 

スキルがどうとか、関係ない。俺が使いたいと思うユニットを使うだけだ。

 

「カズキ君……ここでネクステージにストライドするの……?」

 

「ネクステージ!?おま、持ってないんじゃねぇのかよ!?」

 

「誰がそんなこと言ったんだよ」

 

(やべぇな……。このタイミングでネクステージなら、一気に押しきられるぞ)

 

思わぬネクステージの登場にユウキは焦り、ホノカは困惑する。もっとも、ホノカはカズキのデッキを知っているからこその考えだが。

 

「ストライドスキル!CB1で、ボルテージホーンをデッキの下に戻す!さらに、ギアウルフのスキルで、リアガードがデッキに戻ったとき、パワープラス3000!(10000)」

 

「くそ……ただでさえリアガードが少ないのによ!」

 

「ギアウルフの前にスチームナイト プズル・イリ(9000)をコール!さらにラッキーポット・ドラゴキッド(4000)をコールし、スキルで自身をソウルに入れてプズル・イリにパワープラス3000!(12000)」

 

(プズル・イリ!?そんなカードを入れてるのかよ……。デッキ弄っただけと思ったら、不意討ちで強力なカード出てくるし……初心者のデッキは、よくわからねぇな……)

 

プズル・イリは、強力なガード制限のあるユニット。そこにネクステージが加わることで、ユウキは悩み始める。

 

「ガンナーギアのGB。CB1し、自身をソウルに入れてデッキのスチームファイター バリフを手札に加える」

 

「次のストライドのコストを確保したんだね……。さ、どうなるかな?」

 

「行くぞ!ネクステージで、ヴァンガードにアタック!(26000)」

 

「く……」

 

(ネクステージには、ハーツ状態のクロノジェット・ドラゴンをスタンドして再アタックできるスキルがある。しかも、クロノジェット・ドラゴンのスキルを考えると……)

 

クロノジェットには、アタックした時にGB2を満たすことでパワーを5000上げ、さらにグレード1以上のカードを手札からガードに使えなくする。

ガードにはグレード0のみしか使えなくなり、おまけにツインドライブもある。ネクステージと合わせて5回のドライブチェックができるため、トリガーを引き、そのままゲームエンドまで押しきることも可能だ。

 

が、ユウキが悩むのはプズル・イリがいるから。プズル・イリはアタック時、SB2することでグレード0のガードを封じる。

クロノジェットと合わせて、二重のガード制限が待っている。

 

(ここは……クロノジェットのアタックを放棄する!ガードするのは、プズル・イリかネクステージ……)

 

ユウキは慎重に手札と相談し、決断を下した。だが、ユウキはミスをした。と言うより、そもそもの前提条件をユウキは知らない。

 

カズキがネクステージのスキルを使えることなど、100%あり得ないことを。

 

「ドラゴンダンサー アナスタシアで完全ガード!コストは愛の神 カーマ!」

 

「……あっ」

 

「ん?どしたの、ホノカちゃん?」

 

「あ、いや何でもなーい。カズキ君、ドライブチェックして?」

 

ホノカはユウキの狙いに気がついたが、口出しはしない。カズキのデッキを知るからこそ、この選択が間違いだとわかっているから。

 

ただ、カズキは気づいていなかったが。

 

「よし、トリプルドライブ!1枚目、ドキドキ・ワーカー。クリティカルトリガー!効果はプズル・イリ!(17000 ☆2) 2枚目、万里を駆けるギアホース。3枚目、クロノジェット・ドラゴン」

 

「ち……クリティカルをプズル・イリに乗せたかよ。けどな、それを見越してここをガードしたんだ!今ダメージを受けて後2回、それもガード制限付きのアタックをガードできる自信なんてないからな!」

 

それがユウキの狙い。追撃をノーガードすることを選んだ。

 

だが……当然のように、カズキはすっとんきょうな反応を見せる。

 

「後2回?プズル・イリしかいないけど」

 

「……は?ネクステージのスキルを使って、クロノジェットを再アタックできるようにすれば、後2回じゃねぇかよ」

 

「あっ……あー、えっと……俺、ネクステージ1枚しか持ってないんですよね……」

 

「……え?」

 

ここで、二人が今の状況に気づく。カズキは、ユウキがネクステージのスキルを使うと見越してガードしたことに。ユウキは、自分の勘違いで不要なガードをしてしまったことに。

 

「あーあ。カズキ君がネクステージ出すから、変な勘違いしちゃったじゃん」

 

「この流れは完全にネクステージのスキル使う感じだろ!?それが、持ってないですだって!?何を紛らわしいことしてんだよ!」

 

「誰がスキル使えるだけ持ってるって言ったんだよ。それに、だったらどうして俺はネクステージ賭けてファイトしてるんだよ」

 

「……言われて見ればそうじゃねぇかぁ!何やってんだよ俺は!」

 

「あはは……御愁傷様。カズキ君も、ここでネクステージ使わなくてもよかったのに」

 

「使いたいカードを使っただけなんですけど……何で責められないといけないんですかね?」

 

と、とにかくラッキーだった……ってことかな?

 

「ち、ちくしょう!無駄にシールド消費してしまったじゃねぇかよ!」

 

「でも、こういう勘違いがあるように、何が起こるかわからないのがヴァンガードだよね」

 

「ホノカちゃん、綺麗にまとめなくてもいいんだけど!」

 

「勘違いするユウキ君もユウキ君だよね」

 

「あくまでもこいつの肩を持つのかよ……。いいとこ見せようとしやがって!」

 

「い、いや違うからね!?」

 

そこまで否定されると、何だか悲しいんだけど。でも、いいとこってどういうことだ?

 

「あの……続けても大丈夫です?」

 

「お、そうだったな。早いとこ残りのアタック済ませろよ」

 

「ギアウルフのブースト、プズル・イリでアタック!プズル・イリのスキル、SB2で、このアタックはグレード0でガードできなくする!(27000 ☆2)」

 

「ノーガードだよ!ダメージチェック、1枚目、愛の神 カーマ。ちっ、ヒールトリガーかよ。回復できねぇし、パワーだけヴァンキッシャーに。2枚目、プラズマダンス・ドラゴン。ちょ、ここでトリガー引くなよ!」

 

よし!トリガーを2枚使わせた!それも、1枚はヒールトリガーだ。さっき完全ガードのコストに捨てたカーマと合わせて2枚。残りのヒールトリガーは後2枚か。

 

「俺はこれでターンエンド!」

 

 

カズキ:ダメージ4(裏2) ユウキ:ダメージ4(裏1)

 

 

「俺のターン、スタンドアンドドロー!ジェネレーションゾーン解放だ!」

 

ヴァンキッシャーが手札から捨てられる。次は一体、何で来る?

 

「迸る稲妻が、未来を呼ぶ!ストライドジェネレーション!!征天覇竜 コンクエスト・ドラゴン!!(26000)」

 

「ここでコンクエストか……。カズキ君、ちょっとピンチかも?」

 

「さっきは痛い目見せてくれたな!これで決めてやるぜ!ヴァンキッシャーのストライドスキル!CB1でプズル・イリを退却してバインド!」

 

またリアガードが退却された。残っているのは、後列のギアウルフしかいない……。

 

「一気にコールするぜ!魔竜戦鬼 チャトゥラ(8000)とヒートブレード・ドラグーン(9000)、ワイバーンストライク ピグルマ(7000)!」

 

「本気で決めるつもりなんだな……」

 

「コンクエストのスキル!Gゾーンの同名のカードを1枚表にして、相手の前列のリアガードを1体退却!」

 

くそ……また退却かよ。って、あれ?

 

「俺の前列にリアガードいないけど」

 

「そんなのわかってんだよ!この効果発揮後、ユニットのいない相手の前列のリアガードサークル1つにつき、俺の前列のユニットのパワープラス5000!」

 

「何!?ってことは、俺の前列にはリアガードがいないから……」

 

「2つで合計パワープラス10000だ!(コン 36000)(チャ 18000)(ヒート 19000)」

 

マジかよ……!退却とパワーアップを同時に行えるなんてな……。

 

「行くぜ!コンクエスト・ドラゴンでアタック!こいつで終わらせてやるよ!初心者!!(36000)」

 

俺は手札を見る。シールドは十分だが、全てを防ぐには足りない。ダメージは4だし、1つはノーガードで通せる。

 

だとすると、どこをノーガードするか。このアタックは36000。ドライブチェックまであるとなると、必要なシールドは計り知れない。

 

他のアタックはパワーは低めだ。……いや、コンクエストに比べたらってだけで、火力としてはかなり高い。

 

だったら……。

 

「ノーガードだ!!」

 

「いいのか?お前のダメージは4。もし俺がここでクリティカルトリガーを引けば……」

 

「わかってる。その上でノーガードしたんだ」

 

「初心者のくせにいい度胸じゃねぇか。トリプルドライブ!1枚目、ジャギーショット・ドラグーン。2枚目、マイティボルト・ドラグーン」

 

ここまではトリガーなし。次で出なかったら、このターンは耐えられる。

 

「うぉい!トリガー出ろよ!千載一遇のチャンスだろ!?」

 

「初心者だからって甘く見たツケが今来たな」

 

「関係ねぇよ!初心者に変わりないだろ!」

 

「言えてるかも。プレイングは少し改善されてるけど」

 

「2人揃って同じ事を言うなよ……」

 

でも、ホノカさんに褒めてもらった。進歩はしているみたいだ。

 

「とにかく、これでラストだ!3枚目!」

 

勢いよくドライブチェックを行う。勝敗を大きく左右するそのカードは……。

 

「……毒心のジン。クリティカルトリガー!」

 

「くっ……!」

 

「パワーはチャトゥラ(23000) クリティカルはコンクエストだ!!(36000 ☆2)」

 

これで2ダメージが確定。ダメージ4の俺は、このダメージを受けてしまうと敗北が決まる。

 

唯一免れる方法は、ヒールトリガーを引くこと。ユウキのダメージは4。どちらかのダメージチェックで引くしかない。

 

「ダメージチェック……1枚目、スチームメイデン ウルル。ヒールトリガー!ダメージを1枚回復し、パワーをクロノジェットへ!(16000)」

 

「ちっ、運のいい奴だな!」

 

「2枚目、スチームメイデン アルリム。トリガーはなし」

 

危ねぇ……。首の皮1枚で繋がった。

 

「ふん!けど、こっちにはまだアタックが残ってるんだよ!ピグルマのブースト、ヒートブレードでアタック!ヒートブレードのGBで、パワープラス3000!(29000)」

 

「まだだ!ウルルとギアホースでガード!」

 

「ライジング・フェニックスのブースト、チャトゥラでアタック!チャトゥラのスキルでパワープラス3000!スキルも得る!(31000)」

 

「邯鄲の夢のギアキャット2体でガード!」

 

「トリガーのパワーアップが響いたか……ターンエンド!」

 

 

カズキ:ダメージ5(裏1) ユウキ:ダメージ4(裏2)

 

 

「俺のターン!スタンドアンドドロー!」

 

さて……どうするか。ネクステージは使ったし、残りのGユニットを考えると、決め手になりそうなのがいない気が……。

 

(……ん?待てよ?)

 

俺は盤面を確認する。ダメージの枚数、ドロップゾーンにバインドゾーン。そして……互いの手札の枚数。

 

(あいつのスキルって、上手くいけば使えるんじゃないか?)

 

最初はよくわかっていなかったが、今ならわかる。あのユニットに秘められた可能性を。

 

「バリフをコストに……ジェネレーションゾーン解放!憧れを翼に変え、未来をこの手に!ストライドジェネレーション!!」

 

この状況だからこそ、活かせるかもしれない一手。それを今、解き放つ。

 

「時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン!!(26000)」

 

「ここでそいつかよ……!」

 

「でも、ミステリーフレアのスキルって……」

 

ミステリーフレアには、他には類を見ない強力なスキルを持っている。決まれば絶大の威力を誇るが、発動条件が厳しい。

 

けど、俺はこいつに賭ける。他に有効な選択肢がないなら、少しでも可能性のある方に進むだけだ!

 

「ギアウルフの前にクロノジェット・ドラゴン(11000)、空いている列にスモークギア・ドラゴン(10000)とドキドキ・ワーカー(4000)をコール!」

 

「ちっ、一気にコールしてきたな……」

 

「ドキドキ・ワーカーのブースト、スモークギアでチャトゥラにアタック!(14000)」

 

「……ノーガード!」

 

インターセプトは潰せた。ミステリーフレアのスキルを狙うには、必要な下準備だ。

 

「ミステリーフレアでアタック!ドキドキ・ワーカーのスキルで、名前にクロノジェットを含むグレード3以上のヴァンガードがアタックした時、自身をソウルに入れて1枚ドロー!ミステリーフレアにパワープラス5000!(31000)」

 

「ジン!マイティボルト!サンダーシャウトでガード!ヒートブレードでインターセプトするぜ!」

 

向こうのシールド値は、これで25000。ヴァンキッシャーのパワーと合わせると36000。

 

「トリガー1枚で突破か……。さっきの状況と少し似てるね」

 

「このアタックだけは、通すわけにはいかねぇからな!万が一って事もある!」

 

その万が一を信じて……トリガーを引く!

 

「トリプルドライブ!1枚目、フェイトホイール・ドラゴン。2枚目、スチームナイト プズル・イリ。3枚目、スチームナイト シュ・シン。ドロートリガー!1枚ドローし、パワーはミステリーフレアへ!(36000)」

 

よし、アタックヒット!これで第一条件クリアだ。

 

「ちっくしょう……。ダメージチェック、疑心暗鬼のジン。ドロートリガー!こっちも1枚ドローして、ヴァンキッシャーにパワーだ!(16000)」

 

「ミステリーフレアのスキル!アタックがヒットした時、デッキの上から4枚を公開!それらのカードが全て異なるグレードなら、追加のターンを得る!」

 

つまり、グレード0から3のカードを、被ることなく引かなくてはいけない。かなりの博打だが、それに見合うだけの結果は待っている。

 

エクストラターン。相手の反撃を待つことなく、攻撃をやり直すことができるこのスキルは、どのようなゲームにおいても強力に違いない。

 

「でも、そんな事できるの……?カズキ君のデッキは元からグレードバランスがおかしいし、ファイトが進んでデッキのカードも少なくなってるし……」

 

「行くぞ。1枚目……スチームファイター アンバー」

 

グレードは2だ。

 

「2枚目……腹時計付きのギアラビット」

 

グレード0。ここから、難易度が一気に増していく。

 

「3枚目……メーザーギア・ドラゴン」

 

グレード1。後は……グレード3を引くことが出来れば、このスキルは成功する。

 

「まさか、本当に引いてしまうんじゃないだろうな……!?」

 

「カズキ君……!」

 

「4枚目……!」

 

祈りを込めて、カードを捲る。固唾を飲んで見守る中、表れたユニットは……。

 

「クロノジェット・ドラゴン。グレード3!」

 

「……何!?」

 

俺に幸運をもたらしてくれたのは、ネクステージの前身であるクロノジェット・ドラゴンだった。

 

「条件達成!スキル発動!CB4で、俺は追加のターンを得る!!」

 

「凄い……まさか、成功するなんて……」

 

「でも、まだ俺のターンは終わってない!ギアウルフのブースト、クロノジェット・ドラゴンでアタック!(18000)」

 

「追加ターンが決まってる上に、手札1枚じゃガードする気にならねぇよ!ノーガード!ダメージチェック、愛の神 カーマ」

 

あっ、あのユニットって……。

 

「何でヒールトリガーが出るんだよ!嫌でもエクストラターンに行きたいのか!?」

 

「スキル決まってなかったら、次のユウキのターンで負けてたな……。ターンエンド」

 

 

カズキ:ダメージ5(裏5) ユウキ:ダメージ5(裏1)

 

 

「でも、次はまた俺のターンだ」

 

「わかってんだよ!嫌味か!」

 

「へいへい。俺のターン!スタンドアンドドロー!フェイトホイール・ドラゴン(11000)と、スチームナイト シュ・シン(5000)をコール!」

 

追い討ちとばかりにリアガードをコールする。ユウキにとっては酷だ。

 

「とどめだ!クロノジェット・ドラゴンでアタック!GB2発動!アタックした時、パワープラス5000!このアタックはグレード1以上でガードできない!(16000)」

 

「そんなもん……ノーガードに決まってるだろお!?」

 

ドライブチェックを行うまでなく、ユウキはダメージチェックを始める。ドラゴニック・ヴァンキッシャー。トリガーではなかった。




必要なのかどうかわからないけど、どれだけカズキのデッキの構成がグチャグチャだったのかを見てもらうために、デッキレシピを上げてみます。

役に立つかはわからないです。ネタです。興味がある人はどうぞ。


Gユニット

クロノドラゴン・ネクステージ……1
時空竜 ラグナクロック・ドラゴン……1
時空竜 フェイトライダー・ドラゴン……2
時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン……4

デッキ

グレード3
クロノジェット・ドラゴン……4
スチームファイター バリフ……2
次元放逐の時空巨兵……1
スチームメイデン エルル……2
ニキシーナンバー・ドラゴン……2
フェイトホイール・ドラゴン……1

グレード2
スモークギア・ドラゴン……2
スチームファイター アンバー……2
グリマーブレス・ドラゴン……1
アップストリーム・ドラゴン……1
万里を駆けるギアホース……2
スチームファイター カリブム……2
スチームナイト プズル・イリ……2

グレード1
メーザーギア・ドラゴン……2
頂に立つギアウルフ……2
引っ込み思案のギアレイヴン……2
スチームメイデン アルリム……1
スチームスカラー ジジ……1
スチームファイター ウルニギン……1

グレード0
ガンナーギア・ドラゴキッド(FV)……1
スチームファイター ダダシグ(☆)……2
ドキドキ・ワーカー(☆)……1
スチームファイター マシュダ(☆)……2
ラッキーポット・ドラゴキッド(引)……2
スチームナイト シュ・シン(引)……1
腹時計付きのギアラビット(醒)……2
邯鄲の夢のギアキャット(醒)……2
スチームメイデン ウルル(治)……4

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