いや、本当にありがとうございます!しかも2件も頂けるとは!いつ止まるかわからないレベルの小説なのに……。
でも、構成は少しずつ固まってきたので、止まるんじゃねぇぞ……。(どっかの鉄血ネタを今さら感ありまくりで関係なくぶちこんでみる)
話を戻して、今回はファイトなしです。この物語の全国大会についての説明回ですね。が、それだけでは終わらないという。
かなり前置き長くなりましたが、これからもよろしくお願いします!では、どうぞ。
昼休み。俺はホノカさんのクラスの教室で一緒に昼御飯を食べていた。他愛のない話をしている俺は、何時にもなく気分がいい。
「上機嫌だね?カズキ君」
「そりゃ、ネクステージが手に入って、本当の力を発揮できるようになったからな!誰でもいいからファイトしたいぜ!」
机の上に並べられた4枚のネクステージ。俺の気分がいいのは、これが理由だ。
「新しいデッキも組んだことだしね。最初のデッキに比べたら、かなりまとまったデッキになったよ」
「何と言うか……統一感ができたよな」
これまでは、ユニットの種類もバラバラに入れていたが、ホノカさんにも手伝ってもらい、使いたいユニットを絞り込んだ。
スキルやコンボにも考慮し、勝ち筋を見出だす。ユニットが決まったら、デッキとしての形に仕上げていくだけだ。
と、そんな感じで組んだ俺のデッキは、ホノカさんの目から見ても悪くないみたいだった。
「デッキの話もいいんだけど……昨日の話、覚えてる?」
「ミルキーウェイでの話か?」
「そうそう。その話」
俺の脳裏に、昨日の出来事が甦る。それは、ユウキとのファイトに勝利し、ネクステージを受け取ってからのことだった……。
***
「はい、どうぞ。約束通り、このカードはあなたの物です」
「や……やった!本当にありがとうございます!」
俺に手渡される3枚のネクステージ。本当に、俺の物になるんだ……!
「喜んでくれたなら何よりです」
「ふぇ〜太っ腹ですね、店長」
「……断腸の思いですけど」
何か申し訳ないな……。
「くっそ〜!負けた!!あんな土壇場でミステリーフレアのスキル決めるか普通!?」
「カズキ君の運がよかっただけじゃない?」
「何だよホノカさん。それだと、俺がまぐれ勝ちしたみたいに聞こえるな」
「あれ?そうじゃないの?」
「これでも頭使って頑張ったんだけどな……」
後半は博打だったけどな。特にミステリーフレアのスキルは、信じてカードを捲ることしかしていない。
「カズキ君はよく頑張りましたよ。そうだ。カズキ君は、大会には出る気はありますか?」
「ショップ大会ってことですか?」
「あっ、そういうことじゃないんですよ。これから5ヶ月、もう11月ですから4ヶ月後ですか……3月にある大会があるんですよ」
3月?まだまだ先の話だな。
「あ……そうだった。ヴァンガードの全国大会『ウェルテクスカップ』が開催されるんだったね」
「何だよホノカちゃん。まさか、忘れてたってことないだろ?」
「えっと……正直言うと、忘れてました……。チームメイトとかいないし、私にとっては無縁なものだったから」
チームメイト……ってことは、その大会は団体戦なのか。
「あ……カズキ君が話についていけてないよね。ごめん」
「いや、大丈夫だよ。でも、とりあえずその……ウェルテクスカップ?について説明してほしいんだけど」
初耳だから全くわからない。かなり大規模な大会みたいだし、どんなものなのか知っておきたい。
「じゃあここは真島ユウキ様が、ウェルテクスカップについてざっくり説明してやるよ!」
「お前が説明するのかよ」
「それくらい別にいいだろ!ウェルテクスカップってのは、年に2回開催される全国大会のことだな」
へぇ……。全国大会か。スポーツみたいに、ヴァンガードにもそういうのがあるんだな。
「3人1組のチームを組んで参加することが条件だ。性別とか年齢は関係ないな。で、大会は3日間あって、1日目に参加チーム総当たりの予選。2日目に予選を勝ち上がったチームでトーナメント。3日目に上位チームで決勝トーナメントを行うってとこだ」
「なるほど……」
「チームの勝敗については、1日目と2日目以降で違ってくるんだが、それは今はどうでもいいな。とにかく、3人でチームを組んで全国のファイターと戦う。それがウェルテクスカップだぜ!」
特に複雑なルールもないし、わかりやすいな。ウェルテクスカップ……参加してみたい。
「それで、さっきの話に戻りますけど……参加する気はありますか?」
「話聞いてて、ちょっと興味持ったかもしれないです。俺、参加したいです!」
「だったら、私とチーム組まない?私、そういった知り合いとかいなかったから、出てみたいって思ってたんだ。喜んでチームに入るよ!」
「えっ、本当か?」
「うん!チームとして、これから改めてよろしくね!」
ホノカさんがチームに入ってくれた。残るは後1人だ。その候補は、目の前にいる。
「ユウキ。お前も一緒にチームに入ってくれないか?」
「パスだ。俺はチームに入るつもりなんてねぇよ」
「え。ダメなのか?」
「俺は自分のチームをもう組んでんだよ。悪いけど、お前とチームは組めないぜ」
そういうことかよ……。それなら仕方ないか。
「後は頑張りな。まだ時間はあるし、3人目のチームメイトを見つけることだな。んじゃ店長、俺は帰ります」
「ありがとうね、ユウキ君。またのご来店をお待ちしてますよ」
軽く手を振って店を出るユウキ。これが、昨日の出来事だ。
新しく出来た目標。そのために必要な、もう1人のチームメイト。俺たちは一緒に戦ってくれる誰かを探し出さなくてはいけなかった。
***
「で、チームメイトをどうするかなんだけど」
「だよな……。でも、この学校にヴァンガードしてる奴なんて他にいるのか?」
「一応、知り合いに声はかけてみたんだけど、ダメだったよ。ヴァンガードしないかって話も持ちかけてみたけどね……」
収穫なしか。これは困ったな。
「俺の方もダメだった。となると……ショップで地道に声かけるのが無難か?」
「う〜ん……。確実だけど、遊び半分で参加する人とかいるかも。カズキ君だって、やるからには本気で勝ちにいきたいでしょ?」
「確かに……」
手詰まりだ。まだ時間があるとは言っても、このペースで大丈夫だとは思えない。
「一応、放課後にショップに行ってみようか。何かしらの発見があるかもしれないし」
「そうだな。そろそろ時間みたいだし、俺戻るよ」
「うん。また放課後にね」
机に広げていたネクステージをデッキケースにしまい、カズキ君は教室を出ていった。
「…………」
カズキ君の気持ちに乗ってチームに参加したのはいいけど、上手く見つかるかな?カズキ君との出会いだって、偶然みたいなものだったし……。
「男子と2人でお弁当なんて、羨ましいですな〜ホノカ?」
「うわっ!?アカリ!?」
いつの間に……。さっきまで、他の女の子とおしゃべりしてなかったっけ?
「結構いい感じの子じゃん。馴れ初めはどんな感じだったの?ん〜?」
「ちっ、違うから!アカリが思ってるような関係じゃないよ!」
「思ってるって……ホノカはどんな関係だと思ってるわけ?」
「そ……それは……///」
絶対からかってる。私の口から『恋人』だとか『カップル』だとか、そんな意味合いの言葉を言わせたいだけだ。
「とにかく違う!ただのチームメイトだよ」
「チームって……ヴァンガードの?」
「そうだよ。私からお願いしたんだ」
「積極的なアプローチですな?」
「だから、違う!」
本当に違うのに……。別に、私はカズキ君のことをそんな風に見ているわけじゃないのに……。
「……でも、よかったねホノカ」
「え?」
「仲間できたじゃん。ヴァンガードの」
「……ありがとう」
ずっと言い続けてきたからね。きっと、見ている方にも心配だとかさせたかもしれない。だからこそ、今のような言葉が出たと思う。
「で、告白はいつするの?」
「……っ!だから!」
***
休み時間の終わるチャイムが鳴る。確か、次はホームルームだったはずだ。俺は自分の席に座り、担任の先生が来るのを待つ。
程なくして、教室に先生が入ってくる。その手に1枚のカードを持って。
(あれって……ヴァンガードのカード?Gユニットみたいだけど……)
何のユニットかはわからない。それに、先生がカードを持っている理由もわからない。
「早速ホームルームを始める。が、その前に……このカードを落とした奴はいないか?この学年の廊下に落ちていたらしいが」
なるほど、そういうことか。カードは……破壊神獣 ヴァナルガンド?見たことないユニットだ。
「はっ、はい。私の……です」
(あの子って……)
おどおどしながら手を挙げたのは、あまり前に出ない内気な少女。立ち上がり、前に出てくる彼女の名前は……
「そうか、西野のカードだったか。よかったな。これからは気をつけろよ?」
「はい……。あ、ありがとうございます」
西野マオ。俺の後ろの席だから、名前は覚えている。けど、話したことは全然ない。
って言うかあの子、ヴァンガードしてたんだ。大事そうにカードをもらい、自分の席に戻っていく。
「では連絡事項を伝えるぞ。まずは、授業変更についてだが……」
ん?待てよ。この子、ヴァンガードしてるんだよな……?
「それと、英語の授業の補足プリントがあるみたいだから、英語係の人は後で職員室に行くように」
もしかしたら、彼女が俺たちのチームに入ってくれるかもしれない……。ホームルームが終わったら、話をしてみるか。
「以上でホームルームは終わりだ。各自、次の授業の準備をしておくこと」
担任の先生が教室から出ていく。教室にはざわめきが戻り出す。話すなら、今がチャンスだ。
俺は後ろの西野さんの席に首を向ける。静かに教科書を鞄から出しているところだ。
「あの……西野さん。ちょっといいかな?」
「……え?私、ですか?」
自分が話しかけられたことに一瞬気づいていないようだった。軽く無視されたのかと思った。
「あ、ごめん。いきなり声かけたから驚いたよな。実は、少し聞きたいことがあってさ」
「あ、はい。何でしょうか?」
「さっきのカード、ヴァンガードのだよな?」
「はい。これですよね?」
破壊神獣 ヴァナルガンド。間違いない。さっき見たカードと一緒だ。
「気づいた時には無くしてしまって、焦ってたんですよ。それで、このカードがどうかしたんですか?」
「いや、西野さんもヴァンガードしてたんだって思ってさ。俺も、ヴァンガードしてるんだ」
「えっ!?戸坂君、ヴァンガードしてるんですか!?」
興奮で大声を上げ、ガタリと音を立てて立ち上がる。今までこんなに感情を表にした西野さんを見たことがなかったから、俺は驚いている。それは、周りもそうだった。
「あ……」
「えと、西野さん。一旦座ろうか……」
「は、はい。すみません……///」
顔を真っ赤にして座り込む西野さん。物珍しそうに向けられる視線に耐えられないのだろう。
「ご、ごめんなさい。つい興奮して……」
「いや、わかるよその気持ち。この学校って、あまりヴァンガードしている人いないしさ」
「そうですよね。世間では有名なのに、この学校ではカードを見ることもないですよね」
「あ、でも違うクラスにヴァンガードをやってる奴はいるぞ。って言っても、女子1人だけなんだけど……」
「女の子がやっているんですか!?」
また気持ちが先走り、興奮して俺の席に身を乗り出してくる。そのことがきっかけで、収まりかけていた注目をまた集めてしまう。
「だから、落ち着こう」
「は、はい……///」
この様子だと、西野さんもホノカさんみたいに一人でヴァンガードしてたんだろうな。そこに現れた同じヴァンガード仲間。喜ばないわけにはいかない。
「そうだ。もしよかったら、放課後に一緒にショップに来ないか?ミルキーウェイってところなんだけどさ、その女子と約束してるんだ」
「えっ、私も行っていいんですか?」
「あぁ。そいつも歓迎するよ。それに、西野さんとファイトしてみたいしな」
「本当ですか!ありがとうございます!」
また注目を浴びてしまっているが、本人は深々と頭を下げているので、視線には気づいていない。
その代わり、西野さんの前にいる俺に注目が集まってしまい、俺が恥ずかしい。
まぁ、いいか。新しいヴァンガード仲間にも出会えたことだし、こうしてファイトの約束も取りつけたわけだし。
チームのことについて話を切り出すのは、清水さんと合流してからでも遅くはない。まずは、せっかく出会えたヴァンガード仲間と仲良くなることから始めたいしな。
***
「へ〜え。カズキ君のクラスに、こんな子がいたんだ」
「そうなんだ。知ったのは偶然なんだけどさ」
そして放課後。俺は西野さんを連れてミルキーウェイに向かう。その途中、俺たちはヴァンガードの話や学校の話について色々話した。
普段は静かなだけで、話すと案外面白い人なんだとわかった。話は振ってくれるし、相槌は打ってくれるし。
で、今はホノカさんに西野さんを紹介している。
「は、初めまして。西野マオです」
「そんな畏まらなくてもいいよ。私は清水ホノカ!女の子のヴァンガード仲間ができて嬉しいよ!これからよろしくね!」
「は、はい!よろしく、清水さん!」
「ホノカでいいよ。私もマオちゃんって呼ぶから」
「じゃあ……よろしく、ホノカさん!」
この二人も仲良くなったみたいだ。よかったな、女の子の仲間ができて。
「ところでカズキ君。ちょっといい?」
「うん?何だ?」
俺はホノカさんに手招きされて、西野さんからは聞こえないように小声で話し出す。てか、顔近いな。
「カズキ君があの子を連れてきたのは……チームの3人目のメンバーのため?」
「それもあるけど、今日は西野さんをホノカさんに紹介したかったんだ。まだ時間もあるし、まずは仲良くなってからでも遅くないだろ?」
「うん。あの子とは仲良くなれそうだし、一緒にチームになりたいかも」
知らない人に声かけてくよりは、同じ学校の奴とチームを組む方がいい。その方が、楽しいチームになるだろうし。
俺への確認を終えたホノカさんは、西野さんにある提案を持ちかけた。
「あ、そうだ!せっかくだから、私とヴァンガードしない?どんなファイトするのか、見てみたいし」
「今日はデッキ持ってるんだな?」
「私が毎日デッキを忘れる訳じゃないんだよ!?」
むきになるなよ。少しからかっただけじゃないか。
「はい!でも、その前にカズキ君とファイトの約束をしていて……」
「そうなの?」
「あぁ。新しいデッキを試してみたくてさ」
俺にとっては初めてのまともなデッキだ。使い勝手がどこまで違ってくるのか、確かめてみたい。
それに、相手は今日仲良くなったばかりのクラスメイトだ。ファイトについては未知数。どれほどの実力なのか、知っておきたかった。
「わかった。私は、2人のファイトを観戦していようかな」
「オッケー。じゃあやるか、西野さん!」
「マオでいいですよ。えっと……カズキ君、ですよね?」
「あぁ。改めて……やるか、マオさん!」
ファーストヴァンガードを場に伏せ、デッキから5枚引く。
こうして手札を見ると、前とは全然違うな。見慣れないカードばかりだ。使い方とか、ちゃんと覚えていかないとな。
「準備はいいですか?」
「いつでも大丈夫。行くぞ?」
「はい!」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」