時空の先導者 〜創生の竜と終末の騎士〜   作:ティア

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はい、お久しぶりです!4ヶ月も経ちましたが、何とか投稿できました!あ、でもつながりも同じくらい間が空いた時があったし、別に気にする程でもなかったのか……?(止めろ)

今回は、ようやくあのキャラのクランが判明します。もったいぶる必要があったかどうかは知りません(おい) かなり長くなっているので、楽しんでもらえたら……嬉しいかな……(ちょっと不安)

さぁ、行きましょうか。


turn8 目覚める真価

スターリープロミス。私たちのチーム名が、この名前に決まった次の日。私はいつも通りにミルキーウェイに来ていた。

 

「おはようございまーす!」

 

「いらっしゃい、ホノカちゃん。昨日は来なかったみたいだけど、何してたの?」

 

「ちょっと遊びに行ってました。私たちのチーム、スターリープロミスのみんなで!」

 

「おっ、チーム名が決まったんだね?なかなかいい名前だよ。誰が決めたの?」

 

「カズキ君です。みんなで星空を見て、その時に!」

 

ショッピングモールからの帰り道。展望台から眺めた景色を見たカズキ君が、突然その名前を口にした。

やっぱり、昨日みんなで遊びに行ったことは間違いじゃなかったな。カズキ君とも一緒にいられたし……って、いや、そういうことじゃなくて!///

 

「あれ?顔が赤いですよ?」

 

「気にしないで下さい!えっと、今日は誰か来てます?」

 

「そうだね……ユウキ君はチームのみんなと何やら特訓するみたいでしたよ?カズキ君は、見てないですね」

 

ユウキ君たちはいいとしても……カズキ君、来てないんだ。

 

「あ、でもマオさんは来てますよ?そこのテーブルに座ってるの、彼女ですよね?」

 

「本当だ。お〜い、マオちゃん!」

 

向こうも気づいてくれたみたいで、手を振ってくれた。

 

「おはよう、ホノカさん。カズキ君は一緒じゃないんですね?」

 

「うん。今日は来てないみたいなんだ」

 

「そうですか……。何か用事があるんでしょうか?」

 

「どうなんだろ……」

 

ちょっと残念だな……。カズキ君とファイトしたかったのに。

 

「ホノカさん」

 

「何?マオちゃん」

 

「カズキ君がいないと、寂しそうですね?目に見えてわかりますよ?」

 

「はっ!?う……えぇ、その……///」

 

もう、マオちゃんは鋭いな……。女の感って事なのかな?

 

「可愛いですよ、ホノカさん。羨ましいです」

 

「いきなりからかわれるなんて……」

 

普段は私がカズキ君をからかっているのに〜……。

 

「……ところでホノカさん」

 

「うっ、今度は何?まだ何か表情に出ていた?」

 

「そう言うわけではないんですけど……」

 

そう言えば……と、マオは今更ながら気になっていたことを話し出す。

 

「ホノカさんがファイトしているところって、見たことないです」

 

私は、カズキ君がファイトをしているところは何回か見たことがある。けど、ホノカさんのファイトは全く知らない。

どんなクランを使うのか、私には見当もついていなかった。

 

「あれ?そうだっけ」

 

「そうですよ。もしかして、隠しているんですか?」

 

「いやいや、そんなつもりないよ。たまたまだって」

 

「あっ、そう言えばカズキ君が、ホノカさんはデッキを忘れるドジっ子で有名だって――」

 

「……マオちゃん、その話詳しく聞かせてもらってもいい?」

 

こ、怖いですよホノカさん……。

 

「じ、冗談ですって。それより、私はホノカさんのファイトを見たことがありません。だからどうでしょう?ファイトしませんか?」

 

「ファイト?いいよ。私も、マオちゃんとはファイトしたことなかったからね」

 

私はデッキを取り出し、ファイトの準備を始める。ホノカさんも、デッキを取り出してシャッフルする。

 

カズキ君は、ホノカさんのクランを知ってるんでしょうか?私よりは、ホノカさんとの付き合いが長いみたいですけど……。

 

「言われてみれば、マオちゃんの言うとおりだね。私、カズキ君にもこのデッキ見せたことないかも」

 

「えっ、そうなんですか?」

 

「カズキ君とファイトしたの、最初に会ったときだけだからね。あの頃のカズキ君のデッキ、散々だったから」

 

「散々って……」

 

「本当なんだよ?デッキ作りに付き合って、ファイトどころじゃなかったから。グレードもトリガーも、配分バラバラ。あれなら、マオちゃんも勝てるよ、絶対」

 

そこまで言い切れるデッキなんて……逆に興味ありますね……。

 

「けど……私は強いよ。自分で言っちゃうのも何だけどね」

 

「お手柔らかにお願いしますよ」

 

「どうかな?私、ファイトだけは誰にも負けたくないから」

 

互いにファーストヴァンガードに手をかけ、勝負を始める掛け声を放つ。

 

「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」

 

「私は、革の戒め レージング!(5000)」

 

自分の実力を豪語するホノカさん。そんなホノカさんが使うクランは……。

 

「……ネオンメサイア!(5000)」

 

このユニットは、リンクジョーカーに属しているユニット。ロックと呼ばれる特殊能力を駆使するクランだ。

 

けど、意外。もっと華やかなクランを使っていると思ったのに。このクランは確か……元々は侵略者の集団だったはず。

 

「リンクジョーカーを使うんですね」

 

「女の子っぽくないって、初めてファイトする人からは言われるけどね」

 

私も思ってましたからね。もっと可愛らしいクランを使っているのかと……。

 

「でも、このクランには思い入れがあるから。何を言われても、私はリンク一筋だよ」

 

「思い入れですか……。そう言うの、何だか羨ましいです」

 

「そう?じゃあ、私のターンから行くよー!ドロー、ダークメタル・カメレオン(7000)にライド!」

 

さて……どんなファイトをするのか、見物ですね。

 

「ネオンメサイアは先駆で後ろに移動。ターンエンドだよ」

 

「私のターン。ドロー、神界獣 スコル(7000)にライドします!レージングは後ろに移動して、2体の力でアタックです!(12000)」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック、神界獣 フェンリル」

 

よし、キーカードを引くことができました。これなら、上手くファイトを進められそうですね。

 

「ダメージチェック、アローザル・メサイア」

 

「ターンエンドです」

 

 

マオ:ダメージ0 ホノカ:ダメージ1

 

 

「私のターン、ドロー。それにしても、何とかチームとして形になったな〜」

 

「そうですね。私も、まさかチームに誘ってもらえるなんて思ってませんでしたよ」

 

「マオちゃん強いのに、スカウトの声かかってもおかしくないんだけどね」

 

「私はその……あまり表に出ない性格ですから。それに、ヴァンガードの腕もまだまだです」

 

そんな私の強さを買ってもらって、一緒にチームを組むことになって。学校でもショップでも、目立たないから一人だったけど……カズキ君やホノカさんのおかげで、仲間ができた。

 

二人にとっては、何気ない話だったのかもしれません。でも、私にとっては……。

 

「私、本当に嬉しいです。二人と一緒にいると、楽しくて仕方ないんです」

 

「私もだよ、マオちゃん。カズキ君がウェルテクスカップに参加するのを決めて、チームに誘ってくれたこと、嬉しかった。学校にも、ヴァンガードをやってる仲間はいなかったから」

 

「ホノカさん……」

 

「大げさだけど、カズキ君がいなかったら、今の私はなかったよ。本当に感謝してる」

 

それは私もですよ、ホノカさん。

 

「本人がいたら、とても恥ずかしくて言えませんね」

 

「そ、それは……いないから言えるんだよ!/// はい、ファイト再開!重力井戸のレディバトラー(9000)にライド!」

 

あっ、照れ隠し。ホノカさん、可愛いですね。

 

「落日の刀身 ダスクブレード(9000)と、デスティニー・ディーラー(7000)をコール!ディーラーのスキルで、手札の中性子星のレディガンナーを公開!」

 

「と言うことは……」

 

「デッキから、オルターエゴ・メサイアを手札に。公開したレディガンナーは捨てるよ」

 

私の使っているスコルと同じようなスキルだ。あのカードをデッキに入れているなら、私同様、ストライドを主軸としたデッキですね。

 

「ネオンメサイアのブースト、重力井戸のレディバトラーでアタック!(14000)」

 

「ノーガードします」

 

「ドライブチェック……アステロイド・ウルフ。クリティカルトリガーだね!パワーはダスクブレード(14000) クリティカルは重力井戸!(14000 ☆2)」

 

もうこのタイミングからクリティカルを引きますか……。ダメージは、クレイマー・ハリーと黄昏の神器 ヘスペリスでした。

 

「デスティニー・ディーラーのブースト、ダスクブレードでアタック!(21000)」

 

「う……ここもノーガードです!ダメージチェック、衰微の女神 ヘル」

 

「よーし、いい感じ!ターンエンドだよ!」

 

 

マオ:ダメージ3 ホノカ:ダメージ1

 

 

「私のターンです。スタンドアンドドロー!」

 

ガードする暇もなく、3ダメージ受けてしまった。ここは少しでも追いついておきたいな……。

 

「ライド!神界蛇 ヨルムンガンド!(9000)」

 

「気合い入ってるね〜」

 

「簡単に負けるつもりはありませんから。もう1体、神界蛇 ヨルムンガンド(9000)をコール!そのままアタック!(9000)」

 

「おっと、超絃理論の愛し子でガード!」

 

ガードのための手札は持ってましたか……。

 

「レージングのブースト、ヨルムンガンドでアタックです!(14000) ドライブチェック、ドリーミング・ドラゴン。スタンドトリガー!」

 

「いいタイミングでトリガーを……!」

 

「効果はリアガードのヨルムンガンド!(14000) これで後2回アタックできますよ!」

 

「やるねぇ。ダメージチェック、真空に咲く花 コスモリース」

 

完全ガードがダメージに入りましたね。ヴァナルガンドを使う以上、相手に完全ガードを持たせてはプレッシャーを与えられませんからね。

 

「スタンドしたヨルムンガンドで、もう1度アタック!(14000)」

 

「アステロイド・ウルフでガード!」

 

「くっ……。ターンエンドです」

 

 

マオ:ダメージ3 ホノカ:ダメージ2

 

 

「私のターン、スタンドアンドドロー!」

 

結局、1ダメージしか与えられなかった。まだリードを保っているのは、ホノカさんだ。それに、このターンからは……。

 

「行くよ……!儚き世界に舞い降りる、変革の救世主!ライド!オルターエゴ・メサイア!!(11000)」

 

「おぉ……!」

 

グレード3にライドされる。先にツインドライブを使われ、次のターンからもストライドが使われてしまう。

 

「何もコールしないで、ネオンメサイアのブースト、オルターエゴのアタック!(16000)」

 

ダメージは3……。Gユニットの事も考えると、ここでノーガードはしなくないですけど……。

 

「……ノーガードです!」

 

手札に恵まれていない。ここは、ノーガードで乗りきるしかありませんね。

 

「ツインドライブ!1枚目、デスティニー・ディーラー。2枚目、綻びた世界のレディヒーラー。ゲット!ヒールトリガー!」

 

「っ!?で、でも回復はできない……」

 

「あちゃ〜……。なら、パワーはダスクブレード!(14000)」

 

少し焦ってしまいました……。

 

「ダメージチェック、青春の女神 ヘーベー。よし、ヒールトリガー!私はダメージを回復できます!パワーはヴァンガード!(14000)」

 

「まだまだ追撃!デスティニー・ディーラーのブースト、ダスクブレードでアタック!(21000)」

 

「バンピング・バッファローでガードします!」

 

「ヒールは予想外だったな。ターンエンド!」

 

 

マオ:ダメージ3 ホノカ:ダメージ2

 

 

「私のターンです。スタンドアンドドロー!」

 

これで私もグレード3。それに、お互いのヴァンガードがグレード3以上になるから……!

 

「神喰らう獣を宿す、鎖の音色が響き合う!ライド!神界獣 フェンリル!!(11000)」

 

「……でも、それだけじゃないよね?」

 

「当然ですよ。竈の女神 ヘスティアをコストに、ジェネレーションゾーン解放!」

 

私はヘスティアをドロップゾーンに。そして、Gゾーンのカードを1枚掴む。

 

「示し出せ!彩られた未来の形を!ストライドジェネレーション!!天空の女神 ディオネ!!(26000)」

 

「今回はディオネか……」

 

前のカズキ君のファイトでは使っていないGユニット。状況を考えると、多分こっちの方がいい。

 

「フェンリルのストライドスキル!SC3、さらにスキルを与えます!」

 

「ソウルのカードがドロップゾーンに置かれた時、CB1でその中の1枚をリアガードとしてコールできるんだよね」

 

「そうです。ヨルムンガンドの後ろに、神界獣 ハティ(7000)をコール。レージングのブーストで、ディオネのアタック!(31000)」

 

ホノカさんのダメージはまだ2。ここは恐らくノーガードしてくるはず。

 

「……うん、ノーガード!」

 

やっぱり。それなら、ディオネのスキルを使うことができますね。

 

「トリプルドライブ!1枚目、戦巫女 ククリヒメ。クリティカルトリガー!パワーはヨルムンガンド(14000) クリティカルはディオネです!(31000 ☆2)」

 

「く……トリガーはやっぱり引くよね……!」

 

「2枚目、神界獣 スコル。3枚目、黄昏の神器 ヘスペリス」

 

でも、1枚だけですか……。スコルが引けたから、まだいいと思いたいですけど……。

 

「ダメージチェック。1枚目、落日の刀身 ダスクブレード。2枚目、中性子星のレディガンナー」

 

「アタックヒットで、ディオネのスキル発動です!SB3、デッキの上から3枚見て……衰微の女神 ヘルを手札に加えます」

 

「完全ガードが手札に……。守りは完璧って事だね」

 

これで次のターン、どんなアタックだとしても1回は守れます。リンクジョーカーには、ガード制限を持つユニットはいませんからね。

 

「確認した3枚のうち、残りの2枚はソウルに置きます。さらに、ヨルムンガンドとハティのスキル!ソウルからカードが捨てられるたび、パワープラス1000!3枚でプラス3000!(ヨル 17000)(ハティ 10000)」

 

「1列で6000もパワーアップか……」

 

「続けて、フェンリルのストライドスキルで得たスキル!CB1で、ドロップした貪り喰うもの グレイプニル(9000)をスペリオルコール!」

 

このグレイプニルは、さっきのストライドスキルでソウルに入ったもの。これで後2回のアタックが可能になる。

 

「グレイプニルで、ダスクブレードに!(9000)」

 

「貴重なアタッカーはやらせない!デスティニー・ディーラーでガード!」

 

「ハティのブースト、ヨルムンガンドでアタック!(27000)」

 

「こっちは……ノーガード!ダメージチェック、超絃理論の愛し子。ゲット!ドロートリガー!1枚ドローして、パワーはオルターエゴに!」

 

「でも、これで5ダメージですよ。ターンエンドです」

 

 

マオ:ダメージ3(裏1) ホノカ:ダメージ5

 

 

「私のターン、スタンドアンドドロー。やるね、マオちゃん。なかなか強いよ」

 

「まだまだです。ファイトは終わってないですよ」

 

「アハハ、そうだね。それじゃあ……オルターエゴをコストに、ジェネレーションゾーン解放!!」

 

このターンからホノカさんのストライドが来る。問題は、何を出してくるかですね。

 

「純白の剣で闇を払い、未来への道を切り開く!ストライドジェネレーション!!創世竜 アムネスティ・メサイア!!(26000)」

 

「アムネスティ……!」

 

「後はないからね。一気に行かせてもらうよ!ストライドスキル!」

 

ホノカさんがダメージを1枚裏返し、それに応じてネオンメサイアも裏返しになる。

 

ここに来て、ようやく使ってきた。リンクジョーカーにだけ許された、特殊なスキルを。

 

「CB1、私はネオンメサイアを“呪縛”して、ヨルムンガンドを“呪縛”!アムネスティにパワープラス5000!(31000)」

 

「あっ……!」

 

ヨルムンガンドも裏向きになり、リアガードサークルに置かれる。これが、リンクジョーカーのスキルである“呪縛”……ロックだ。

 

ロックされたカードは、アタックやスキルの使用、同列での位置交換、上書きコールによる退却。その一切ができなくなる。

持ち主のターンが終われば、“解呪”……アンロックされ、ロックされたカードは表向きになる。ただし、それ以外にもスキルによってアンロックできる例は存在する。

 

「重力井戸のレディバトラー(9000)と、アローザル・メサイア(9000)をコール!重力井戸のGB1で、アローザルをロックしてパワープラス4000!(13000)」

 

味方をロックする代わりに、パワーを4000プラスできるGB。一見すると、コストに合っていないようにも見えるけど、これは下準備でしかありません。

 

何故なら、ホノカさんのストライドしたアムネスティには……。

 

「デスティニー・ディーラーのブースト、ダスクブレードでアタック!この時、ブーストを受けていることで、ダスクブレードのGB1!CB1で、グレイプニルをロック!(16000)」

 

「またリアガードを……」

 

これで私の前列には、動けるリアガードがいなくなってしまいました。

 

「でも、アタックは防ぎます!ククリヒメのガード!」

 

「ここからが本番!アムネスティでアタック!スキル発動するよ!」

 

「来ましたか……」

 

「CB1、ロックカードを好きな枚数選択して、それらをアンロックするよ。私は、ネオンメサイアとアローザル、グレイプニルをアンロック!」

 

これがさっき話した、スキルによるアンロック。アンロックしたユニットはスタンド状態になるため、バトルフェイズ中に行えば、連続アタックが可能になる。

 

けど、わざわざ相手のカードまでアンロックする必要はないはず。それには、ある理由があった。

 

「アンロックしたカード1枚につき、パワープラス3000!さらに、アンロックしたカードが3枚以上あるから、クリティカルプラス1!(40000 ☆2)」

 

「くっ……」

 

「さらにネオンメサイアのGB1で、アンロックされた時に自身をソウルに。デッキからメサイアのグレード3を手札に加えて、デッキをシャッフルするよ」

 

該当するのは、オルターエゴ・メサイア。次のストライドのコストも確保されてしまいました。

 

「まだまだ!アローザルのGB1!アンロックされた時、他のリアガード、私はダスクブレードをスタンドして、パワープラス2000!(11000)」

 

敵だけでなく味方をもアンロックする事で、強力な効果を発揮する。少し前までのリンクジョーカーにはなかった戦い方ですが、より盤面を柔軟に操作できるようになったと言えますね。

 

「でも、マオちゃんの手札には、あのユニットがいる……」

 

「そうです。衰微の女神 ヘルで完全ガード!コストはヘスペリス!」

 

「だったらトリプルドライブ!1枚目、ダークメタル・カメレオン。2枚目、超絃理論の愛し子。ゲット!ドロートリガー!1ドローして、パワーをダスクブレード!(16000) 3枚目、震脚のバルスモンク。ゲット!クリティカルトリガー!効果をダスクブレードへ!(21000 ☆2)」

 

この土壇場で、2枚もトリガーを引いてみせるなんて……。

 

「重力井戸で、グレイプニルに!(13000)」

 

「クレイマー・ハリーでガード!」

 

「ダスクブレードは、ヴァンガードを攻撃するよ!(21000 ☆2)」

 

「……ノーガードです」

 

ダメージは、竈の女神 ヘスティアと神界獣 ハティが入る。これで、私も5ダメージ……。

 

「ターンエンド!」

 

 

マオ:ダメージ5(裏1) ホノカ:ダメージ5(裏2)

 

 

「私のターン、スタンドアンドドローです!」

 

もう後はないですけど……向こうだってそれは同じ。なら、ここで決めるしかない!

 

「スコルをコストに……ジェネレーションゾーン解放!示し出せ!彩られた未来の形を!ストライドジェネレーション!破壊神獣 ヴァナルガンド!!(26000)」

 

「前にカズキ君を追い詰めた、ヴァナルガンドか……」

 

「フェンリルのストライドスキル!SC3、ソウルからドロップされたカードを、CB1で1枚だけコールできるスキルを獲得します!」

 

ソウルは十分にたまりました。これでヴァナルガンドのスキルは問題なく使える。

 

「レージングのGB1!ソウルに入れることで、ヴァナルガンドにスキルを与えます!」

 

「決める気満々ってところかな……?」

 

「神界獣 ハティ(7000)をグレイプニルの後ろ、ドリーミング・ドラゴン(4000)をヴァナルガンドの後ろにコール!ハティのブースト、グレイプニルでアタック!グレイプニルのGB1で、ブーストされているなら、CB1でSC3!」

 

「またソウルを貯めてくるか……。ガード!綻びた世界のレディヒーラー!」

 

「でも、これならどうですか?ドリーミング・ドラゴンのブースト、ヴァナルガンドでアタック!(30000)」

 

ヨルムンガンドがロックされているから、このままではヴァナルガンドのアタックで終わってしまう。

 

けど……。

 

「ヴァナルガンドのGB2!SB6、Gゾーンから裏のヴァナルガンドを表にします!」

 

「これでヴァナルガンドは、スキルを獲得した……」

 

「それだけじゃないですよ。フェンリルのストライドスキル!CB1で、ソウルからドロップした神界獣 フェンリル(11000)をスペリオルコール!」

 

私はグレイプニルに上書きコールする。これで、アタッカーは確保できた。

 

「続けてレージングの与えたスキル!ソウルからドロップした神界獣 スコル(7000)をスペリオルコール!コールするのは、フェンリルの後ろです!」

 

「ヨルムンガンドをロックしてなかったら、ちょっと危なかったね。このアタックは真空に咲く花 コスモリースで完全ガード!コストはダークメタル・カメレオン!」

 

持っていたんですか……!でも、ヴァナルガンドの真価が発揮されるのは、ここからだ。

 

「ヴァナルガンドのスキル!デッキの上から4枚確認して、その中のカードを好きな枚数デッキの上に戻して、残りをデッキの下に置きます」

 

「う……」

 

「私は……2枚を上に。2枚を下に。そして、トリプルドライブ!」

 

「まぁ、2枚はトリガーで決まりって事だよね……」

 

「1枚目、戦巫女 ククリヒメ。クリティカルトリガー!効果はフェンリル!(16000 ☆2) 2枚目、戦巫女 ククリヒメ。同じくクリティカルトリガー!効果はフェンリル!(21000 ☆3)」

 

ここまでは私が操作したもの。後は、運に委ねるだけ。

 

「3枚目……青春の女神 ヘーベー。ヒールトリガーです!ダメージを1枚回復して、パワーはフェンリル!(26000 ☆3)」

 

「このタイミングでトリプルトリガー……!?」

 

よし、これなら行けます!

 

「スコルのブースト、フェンリルでアタック!(33000 ☆3)」

 

「く……まだまだだよ!バルスモンク、超絃理論、レディヒーラーでガード!」

 

「ガードできるだけのシールドを用意してたなんて……。ターンエンド。ドリーミング・ドラゴンのGB1で、このカードとドロップゾーンのカードを全て戻し、10枚以上戻したことで1ドローします」

 

ヨルムンガンドもアンロックされ、リアガードとして戻ってきた。これでターンは終了だ。

 

 

マオ:ダメージ5(裏2) ホノカ:ダメージ5(裏1)

 

 

「私のターン、スタンドアンドドロー」

 

決めきれなかったけど、ホノカさんの手札はかなり削れた。次のターンまで回れば……。

 

「いいアタックだったね。けど、そう簡単に負けるほど、私は甘くないよ?」

 

「私だって、まだ負けるつもりはないですよ」

 

「だよね。でも……勝つのは私だよ!ジェネレーションゾーン解放!」

 

オルターエゴがコストとして捨てられ、未来への扉を開く。

 

「純白の剣で闇を払い、未来への道を切り開く!ストライドジェネレーション!創世竜 アムネスティ・メサイア!!(26000)」

 

「また……!」

 

「オルターエゴのストライドスキル!CB1、アローザルをロックして、フェンリルをロック!アムネスティにパワープラス5000するよ!(31000)」

 

さっきのターンと同じなら、まだロックは続くはず……。

 

「2体目のアローザル・メサイア(9000)をコールして、重力井戸のGB1!今コールしたアローザルをロックし、パワープラス4000!(13000)」

 

「く……」

 

「デスティニー・ディーラーのブースト、ダスクブレードでアタック!ダスクブレードのGB1!ブーストされているので、CB1でヨルムンガンドをロック!(16000)」

 

「ここは……ノーガード!」

 

アムネスティはまたクリティカルを増やすはず。ノーガードでは逃げられない。なら、逃げられる間に逃げないと。

 

「ダメージチェック、貪り喰うもの グレイプニル」

 

「これでどうかな?アムネスティでアタック!スキル発動!CB1で、2体のアローザルとフェンリルをアンロック!アンロックしたカードは3枚だから、パワープラス9000!クリティカルプラス1!(40000 ☆2)」

 

やっぱり、脅威的なパワーですね……。けど、ここだけはガードしておかないと……。

 

「2体のアローザルのGB1!ダスクブレードとデスティニー・ディーラーをスタンド!それぞれにパワープラス2000!(ダスク 11000)(デスティ 9000)」

 

生き残る可能性があるなら、スタンドした方をノーガードしてヒールトリガーを引くこと。クリティカルの増えたアムネスティでは、連続してヒールトリガーを引ける可能性は低い。

 

「ククリヒメ2体、ヘーベーでガードです!」

 

「トリガー1枚……なら、引くよ!トリプルドライブ!」

 

確実な突破法ではない。けど、可能性はゼロじゃない。私のターンまで回るかどうか、このドライブチェックにかかっている。

 

「1枚目、惑星鉱石のレディサーチャー。2枚目、落日刀身のダスクブレード。3枚目、震脚のバルスモンク。ゲット!クリティカルトリガー!効果は全てアムネスティへ!(45000 ☆3)」

 

決まった。さすがに3枚連続でヒールトリガーを引けるはずもなく……ダメージには神界獣 フェンリルが入り、私が負けてしまった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「よーし、私の勝ち!」

 

「強いですね、ホノカさん。もう少しだったんですけど……」

 

「いやいや、マオちゃんも強かったよ。危ない場面はあったからね」

 

それでも、勝ったのはホノカさんですからね。カズキ君もですけど、それ以上に強かった気がします。

 

「今日は負けましたけど、次は負けませんよ」

 

「次なんて言わないで、今からもう1回ファイトしようよ。たった1回で終わらせるなんて、ちょっともったいないし」

 

ホノカさんがデッキをシャッフルし始めるので、私もシャッフルを始める。第二ラウンドのスタートを控える中で、話はこの場にいないカズキ君のものに。

 

「でも、せっかくならカズキ君ともファイトしたいですね」

 

「だね。私もカズキ君ともファイトしたいな〜。このデッキも見せたいし、前のリベンジもしたいし」

 

「えっ?でもさっき、前のカズキ君のデッキは散々だって……」

 

「まぐれ勝ちだったんだよ。上手くトリガーを引かれてね……」

 

それは確かに悔しいですね……。酷評するくらいのデッキに、運とは言っても負けてしまったんですからね。

 

「明日にでもファイト挑もうかな。今日いたら、今からファイトしたかったのに」

 

「私も見たかったです。どっちが勝つのか気になりますから」

 

「マオちゃんも、カズキ君へのリベンジがあるからね」

 

「リベンジばかりで大変ですね。カズキ君も」

 

「アハハ、確かに。……カズキ君、今どこにいるんだろう……?」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「はぁ……っ、はぁ……」

 

「どうした?もう終わりなのか?」

 

「うるさい……!俺はまだ、終わってない……!」

 

目の前に浮かぶ台に手をつき、俺は息を切らしながら対戦相手を見据える。カードを持つ方の手にも力が入り、眼光も鋭く相手を刺す。

 

燃え盛る炎の中、浮かび上がる竜のシルエット。そしてその眼下には、対戦相手の男の姿が。

 

力なく腰をつく俺のユニットたち。1体、また1体と炎に焼かれ、塵と化して俺の前から消えていく。

 

無力だった。この男の前では、俺はあまりにも無力だった。唯一残った俺のヴァンガードも、風前の灯火。

 

「ならば見せてみろ、戸坂カズキ。お前の力を」

 

「上等だ……!俺のターン!スタンドアンドドロー!!」

 

俺のヴァンガード……クロノジェット・ドラゴンが立ち上がる。灼熱に身を焦がし、ターンは進んでいく……。


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