名探偵の事件簿(ケース・ファイル) -コナンVS金田一少年-   作:ワニ夫くん

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10:『休息』

 

 

 

○不動総合病院・ロビー

 

 コナンと金田一が、蘭たちのもとに現れる。

 

蘭「あ、コナンくん! 遅いじゃない」

 

美雪「はじめちゃん、何かあったの?」

 

コナン「あ、いや……ちょっと金田一さんと二人で話してたんだ!」

 

金田一「そうそう、二人で積もる話もあったしな!」

 

蘭&美雪「???」

 

佐木「なーんか怪しいですね。七瀬先輩の噂話でもしてたんじゃないですか?」

 

金田一「んなワケねーだろ。なんでこんなガキに」

 

コナン「新一兄ちゃんや小五郎のおじさんの活躍を話してたんだよ! ほら、金田一お兄ちゃんも、探偵だから気になると思ったんだぁー」

 

金田一「……」

 

美雪「どうしたのよ、はじめちゃん。なんだか鳥肌凄いわよ」

 

金田一「な、なんでもねえよ!」

 

金田一(……な、なあ、おまえ、その金田一お兄ちゃんってのやめてくれねえか? だいたい、お前いつもそんな口調なのかよ!)

 

コナン(仕方ねえだろ! 小学一年生になっちまったんだから!)

 

 ふと、コナンが周りを見る。小五郎がいないのだ。

 

コナン「あれ? 小五郎のおじさんは?」

 

美雪「それが……」

 

蘭「あ、ダメよ! コナンくんに言ったら、また……」

 

美雪「あ、いけない」

 

コナン「まさか……事件?」

 

蘭「ダーメ。教えない」

 

コナン「えー! 教えて教えて教えてよー!」

 

金田一「……なあ、美雪。俺だけにちょっと聞かせてくれよ」

 

美雪「あ、うん。それがね……」

 

美雪(小声)「なんでも、三人目の被害者が出たらしいの。それでコーヒー飲んだらすぐに行っちゃって」

 

金田一「なんだって!?」

 

美雪「あ、でもはじめちゃんもダメよ! 大人しくしてないと!」

 

蘭「そうよ、金田一さん! もし……美雪ちゃんを泣かせるような事があったら……ハァー……(構える)」

 

金田一「は、ははは……大丈夫、大丈夫」

 

金田一(この姉ちゃん、空手の腕前がすさまじいんだった……)

 

コナン(悪ぃ事は言わねえから、何があっても今日一日は大人しくしといた方がいいみたいだぜ、金田一)

 

 金田一が一度ため息をつく。

 

金田一「……まっ。とにかく疑いは晴れたんだし。事件は明智警視たちに任せて、俺たちは大人しくしてますよっと」

 

コナン「そうだね! わーい、金田一お兄ちゃん! そうだ、阿笠博士のところでゲームしようよ、ゲーム!」

 

金田一「え? 阿笠博士のところへ、今から?」

 

コナン「少年探偵団のみんなと泊まって、新しいゲームを見せてもらう予定だったんだー。ねえ、金田一さんも行こうよー」

 

蘭「すっかり金田一さんと仲良くなっちゃったのね、コナンくん」

 

金田一「へ、へへへ……(ひきつった笑い)。お、おにいちゃんはなー、ゲームでは負けねえんだぞー!」

 

コナン「わぁい、金田一さんとゲームだゲームだ! やったー! 阿笠博士の車に乗って! 阿笠博士のところに行こうよ!」

 

金田一「よ、よーし、俺も泊まってゲーム三昧させてもらうか~っ!」

 

美雪「なんか変ねぇ……」

 

蘭「っていうか、金田一さん、鳥肌凄いわよ!」

 

哀「……まったく、先が思いやられるわね」

 

 

 

 

 

 

○不動山市・犬神湖公園・犬神湖畔

 

 小五郎たちが捜査官たちのところに来ている。

 

小五郎「あー、どいたどいた! 警察の許可は貰ってる!」

 

 小五郎の行く先には目暮と剣持。

 

剣持「お? これはこれは、待ってましたよ。毛利くん」

 

小五郎「はっ! これはもしや、剣持警部殿! お久しぶりです!」

 

剣持「いやあ、すっかりご無沙汰だったね」

 

目暮「なんだね、二人は知り合いかね」

 

小五郎「ええ、実は、私が警視庁にいた頃、剣持警部とは柔道で組手をやらされた事がありまして。いやあ、なかなかに手ごわい相手でした。その後も何度か飲みに連れて行ってもらったもんですよ」

 

剣持「懐かしいなぁ……私が会った中でも柔道の達人といえば、毛利くんを置いて他にはいないほどです。今も探偵として活躍しとるようだし、さぞ優秀な警察官だったんでしょう!」

 

小五郎「はっはっは……剣持警部殿もなかなか」

 

剣持「いやぁ、しかし、こうして俺たちが揃ったからには、もう安心だ!」

 

小五郎「ええ、いくつもの事件を解決に導いてきた名探偵が二人、しかも柔道の腕は最高級。これでもう、犯人が地面に投げ飛ばされるのは確実ですな!」

 

剣持・小五郎「だーっはっはっはっはっ……!!」

 

目暮「本当に大丈夫なのかね……彼らは」

 

小五郎「……で、剣持警部、目暮警部。被害者は?」

 

剣持「むっ。今回の被害者は、半年前に亡くなった王剛の元部下だった亀田五郎。つい先月まで警官だったんだが……残念ながらボウガンで体を何度も刺されている。おそらく、一発目で前から仕留められなかったから、二発目、三発目を背後から発射したんだろう。近くには、外した矢も落ちていたようだ」

 

小五郎「へぇ~元警官ゴロシとは、そりゃあなかなか大胆な事を」

 

剣持「……ガイシャは全員、半年前に死んだ王や黒須宗男の関係者だ。おそらく、私怨による計画的な犯行だな。事務員に、検察官に、元警官。彼の足もどうやら鉄砲で撃たれちまってるらしい」

 

小五郎「一体、なんで殺してから足を狙ったんでしょうな?」

 

目暮「一件目は頭だったんだが……果たしてこの行為にどんな意味があるのかは、我々も調査中だ」

 

剣持「うむ。しかし……こうなると、本格的に半年前の事件の犯人やその周囲を洗ってみる必要がありそうだ」

 

小五郎「うーん。やはり、あの地獄の傀儡師とかいうイカレ犯罪者が犯人という事はないですかな? 今日、コナンとあの金田一を怪我させたとか……」

 

目暮「彼の事も含めて、現在調査中だよ」

 

剣持「だが、奴は基本的に他人の犯罪にトリックを提供し、犯罪を行うよう扇動する手口を使う……おそらく、そうだとしても別に犯人がいると見て間違いないでしょう」

 

目暮「とにかく、毛利くん。雪割荘ミステリーツアー事件に関わった人間には、あす米花町内のホテルに集まってもらう手配はした。この事件の犯人は一刻も早く見つけんといかん! これ以上被害者を出す前に!」

 

小五郎「はっ! わかりました、目暮警部殿! 剣持警部殿!」

 

 

 

 

 

 

○阿笠博士の車

 

 阿笠、コナン、少年探偵団、金田一が搭乗している。

 

阿笠「コナンくん、明日はマガデーゲームスの本社に向かえばいいんじゃな?」

 

コナン「ああ、マガデーゲームスが『バーチャバトラー』に使ったフォントの出どころがわかれば、何か手がかりがつかめるかもしれねえ」

 

金田一「それに、明智警視から送られてきた捜査資料によれば、最初の被害者の戸塚さんはマガデーゲームスで事務員をやっていたらしいんだ。その事も調べておきたい」

 

阿笠「なるほどのう」

 

光彦「それにしても、金田一さんがあの金田一耕助のお孫さんだったとは驚きです。獄門島殺人事件や八つ墓村殺人事件など、数々の事件による功績で、戦後最高の名探偵と呼ばれた方なんですよね!」

 

金田一「お、詳しいな」

 

元太「なんだそれ、工藤新一や服部の兄ちゃんより凄ぇのか?」

 

光彦「勿論! 僕は断然、金田一耕助派です! 戦後、ほとんど日本の探偵術が確立されていなかった時代に数多くの難事件を解決した功績は計り知れませんからね! 彼の親友・横溝正史が書き残した伝記の本もぜーんぶ読んでますから!」

 

金田一「マジかよ……俺もほとんど読んでねえのに」

 

歩美「えー、でも多分新一さんの方が凄いよ。だって、高校生なのにたくさんの事件を解決してるんだよ?」

 

金田一「ムッ。……あのね、歩美ちゃん。俺のジッチャンは、光彦の言う通り戦後最高の名探偵なんだぜ、工藤新一よりずっと凄いんだよ。ジッチャンがいま生まれてたら絶対、工藤新一なんかより有名になってたね!」

 

歩美「えー……」

 

哀「大人げないわよ、金田一くん。小さい子の夢を壊すなんて」

 

金田一「うっ……でも、さすがに工藤新一とジッチャンだったら、ジッチャンの方が凄いと思うけどな。……あ、それじゃあジッチャン譲りの手品でも見せようか」

 

歩美「手品?」

 

元太「おめえのじいちゃん手品師だったのかよ」

 

光彦「いや、だから元太くん。名探偵だったって、言ってるでしょう? 手品はきっと、彼の特技の一つですよ」

 

金田一「いいか? 良く見てろよ、ほら!」

 

 金田一、何か凄い手品をやる。

 

歩美「あーすっごーい」

 

元太「ほんとだ、すっげー!」

 

光彦「どうやったんですか!?」

 

金田一「へへーん」

 

コナン「おいおい……おまえ子供並かよ」

 

金田一「……うるせーな」

 

哀「案外、これで、どっかの誰かよりも大人だったりしてね」

 

コナン「はは……んなわけねーだろ」

 

金田一「やっぱやなやつ……」

 

阿笠「これ、喧嘩はいかんぞ。……おっと、もうワシの家に着くぞい。今日はワシの作ったゲーム、明日はマガデーゲームスに社会科見学じゃ!」

 

少年探偵団「はーい!」

 

金田一「うーし! 今日も泊めてくれるんだよな、博士!」

 

阿笠「あ、ああ……それはそうじゃが。まさか、本当に金田一くんがワシのゲームをやりに来るとは……」

 

金田一「へへっ、じゃあ夜まで博士の新作ゲームで遊ぼうぜ。はじめお兄ちゃんがお前らに見本を見せてやるよ!」

 

コナン(オイオイ、灰原。……俺はホントにコイツ以下か?)

 

 

 

 

○阿笠邸

 

 探偵同士が戦うヘンテコな格闘ゲームに興じる金田一とコナン。

 阿笠博士が作ったテレビゲームらしい。

 画面はコナンの劣勢。

 

コナン「あああああ!! クソッ!!」

 

金田一「コナン、お前……ゲーム下手だな! 隙だらけだぜ!」

 

コナン「うっせバーロー! このっ、このっ! ホームズは負けねえんだっ!」

 

金田一「よっしゃ、これでトドメ! ジッチャンの勝ち!」

 

コナン「くそっ! もう一回だ!」

 

コナン(にしても、なんでホームズや金田一耕助が格闘技で戦うんだ? このゲーム。……まあ、阿笠博士の作ったもんだししゃあねえか……)

 

元太「おいコナン……いつまでゲームやってんだよ……もう飽きちまったぜ……」

 

歩美「もう寝ちゃうよー」

 

光彦「だいたいこんな時間までお風呂にも入らずにゲームばっかりして……子供じゃないんですから。明日、寝坊しますよ」

 

哀「放っておきなさい。二人とも子供なのよ。あの調子だと誰の言葉も耳に入ってないわよ」

光彦「そうですね……。すっかり夢中みたいですし、邪魔するのも悪いですし」

 

阿笠「やれやれ……もう十時だというのに」

 

金田一「あれ? もう十時か。コナン、そろそろ切り上げて一回風呂入るぞ」

 

コナン「おい、まだ勝負は終わって……!」

 

金田一「当たり前だよ、ゲーマー金田一にはこのくらい朝みたいなもんだって。風呂あがったらもう一勝負だ、コナン!」

 

コナン「ったく、後悔すんじゃねえぞ……」

 

阿笠「まだやる気なのか……この二人は」

 

 

 

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