やはり俺が魔法科高校に通うのは間違っている。   作:ガタオガタ

4 / 11
入学編(4)

「はぁはぁ……きっつ」

 

平塚先生の訓練と評した自己満足は、約1時間で終了した。たった1時間だと思うだろうが、俺にとってはかなり濃密な1時間だった。おかげで明日は筋肉痛だろう。そんな疲れきった俺とは対照的に、平塚先生は肌を艶々と輝かせ、実にいい表情をしている。ほんとムカつくぜ、材木座。

 

「よく頑張ったではないか、比企谷」

 

「はぁありがとうございます」

 

「なんだなんだ、全然覇気を感じられないな」

 

「いやほんとキツいっす。先生の訓練まじで地獄なんで」

 

俺が言ったように平塚先生の訓練は本当に地獄の様なんだよなー。筋トレを続けて20分したら10分かん連続で組手、それが2セット。言葉にすると簡単そうなんだが、これはやった事がある人にしか分からないきつさだと思う。

 

「まぁよく頑張ったではないか。先程から材木座がこちらを見ているから、機械鎧の交換でもしてきたまえ」

 

平塚先生はそういうと指をこの部屋の入口へと向けた。俺はその指を追うようにして見てみると、確かにそこには材木座がいた。一体、いつからいたのだろうか?まったく気が付かなかった。

 

「分かりました。今日の訓練は理不尽な理由で始まりましたけど、ありがとうございました」

 

俺は今できる最大限の反抗をしてみせたが、平塚先生は材木座の所へと向かう俺を笑顔で見送っていた。これが、大人と子供の差なのだろうか……恥ずかしい!!

 

「おい、材木座!なんで指定した時間に居なかったんだよ。おかげでお前の分まで訓練したぞ」

 

材木座の所に来た俺は、開口一番に文句を言ってやった。こいつにはまじでムカついてるんだ!

 

「わっ我は悪くないぞ!昨日ちゃんと材料の事話そうとしたのに、勝手に通話をきる方が悪いのではないか!八幡!」

 

材木座は慌てながらも俺の目をしっかりと見ながらそう伝えてきた。明らかに嘘は言ってないようだが……これはまさか……俺の自業自得?そんな馬鹿な……

 

「昨日は小町に呼ばれたんだよ。小町とお前どっちを優勢するかなんて考えるまでもないだろ?」

 

「それは貴様の都合ではないか!それに我はあの後ちゃんとメールで伝えてある!」

 

材木座がそう言うので俺は携帯を確認してみた。まぁ残念なことにしっかりと材木座からメールが届いていて、機械鎧の材料の調達に行く事が、無駄に事細かに書いてあった。今回の事は完全に俺の自業自得なようだ。だが、自分の無実が証明出来たからか、ドヤ顔のこいつがただ単にムカつくから後でしっかりとシバいておこう。

 

「まぁとりあえず機械鎧の交換をよろしく頼む」

 

「相分かった!我に任せよ!因みに希望とかある?」

 

「特にないな。普段通りに生活ができればそれでいい」

 

「了解したなり〜」

 

材木座はきもい事を言いながら研究所の地下へと向かっていった。あれを小町が言ったら可愛いんだろうが……まぁ小町は何をしても可愛いからな。流石俺の妹、俺の天使。そんな風に小町のことを考えながら、俺も材木座の後に続いて行った。

 

 

 

 

材木座にしっかりと機械鎧を交換してもらい、支障が無いかのチェックの為に材木座を叩きのめした俺は、自宅へと帰り、愛しの小町との食事を終わらせ、こんな時間がずっと続いたらいいなぁとか思いつつも、しっかりと学校へと向かっていた。俺の家から第一高校へはそこまで遠くない。しかし、近くも無いため電車通学だ。俺は駅に着くと、停車中の小型の車両へと乗り込んだ。「満員電車」という言葉は現在死語となっている。何十人、何百人もの人を乗せる電車は極小数になり、キャビネットと呼ばれる2人乗り、又は4人乗りのリニア式小型車両が主流になっている。まぁだいたいの制御を交通機関が担っている様で、少数車両になった為、痴漢も減り、事故による死者も大幅に減ったらしい。他にも友達との待ち合わせには不便になったらしいが、ぼっちの俺には関係の無い事だった。むしろ、1人で乗る時の快適感は実に最高だ。この車両には乗る際にチケット、パスから行き先を読み込んで、発車する為、乗り過ごす事はない。俺はそのシステムに感謝して、する事もないので眠りについた。

 

 

学校へと着いた俺は直ぐにE組への教室へと向かった。そして教室に着いたはいいが、1年E組の教室は雑然とした雰囲気に包まれていた。多分どこの教室もこんなものだろう。そう思い俺は静かに教室へと入り、入口で教室内を見渡してみると、昨日のホームルームの内に仲良くなったのか、友達との会話に花を咲かせているグループがいくつもあった。その中には勿論、昨日連絡先を交換した司波達がいた。しかも残念な事に、俺の席は、司波の席の二個右斜め後ろの席だった。割と近くて悲しい……悲しんでいても仕方が無いので、俺は司波達にバレないように最大限気配を消して、自分の席へと向かった。

 

 

「すっげぇー!」

 

突如聞こえた大きな声に俺は驚きながらも視線を向けた。そこには司波のキーボードに目を向けながら驚きの表情を浮かべた生徒がいた。あいつも司波達の友達か?ほんとにコミュニケーション能力高いなぁおい!少しは俺にも分けろよ!しかし関わるとろくな事にならなさそうだと思い、俺は直ぐに自分の端末にIDカードをセットして、インフォメーションのチェックを開始する。因みに俺はキーボードオンリーだ!昔タイピングの早い人に憧れて練習したらかなり早くなってしまったんだ。

 

 

 

「いや、すまん!珍しいからつい見入っちまった」

 

「珍しいか?」

 

「珍しいと思うぜ?今時キーボードオンリーで入力するやつなんて、見るのは初めてだ」

 

「慣れればこっちの方が早いんだがな。それに俺以外にもいるようだし」

 

達也はそう言うと、比企谷へと指を指した。勿論それに釣られて、エリカ達も視線を向ける。急に多くの視線を向かられた八幡は、視線を辿って見返すと、達也達だと言うことに気が付き顔を顰めていた。

 

「おいおい、お前もキーボードオンリーなのかよ!」

 

「なっ何だお前、急に馴れ馴れしいなっ」

 

司波の前にいた茶髪の体格のいい生徒は、司波達を引き連れて何故か俺の席の方に来ると、背中を叩きながらそう言ってきた。しかし、キーボードオンリーなのはやはり珍しいのだろうか?ようやく自分の失敗に気づいた俺ガイル。

 

「おっわりぃわりぃ。キーボードオンリーなんて、今時してる奴見かけねぇからよ。おっとそう言えば自己紹介がまだだったな。西条レオンハルトだ。親父がハーフ、お袋がクォーターなせいで、外見は純日本風だが、名前は洋風、得意な術式は収束系の硬化魔法だ。志望コースは身体を動かす系の警察の機動隊とかだな。レオでいいぜ、よろしく」

 

 

……いやなげぇよ!確かに魔法師(卵、雛鳥)は能力、いや素質が進路と結びついてるから得意な術式を言うのはいいけど、名前の所別に聞いてない!もうとにかく長いから!そんな風に心の中で西条へと文句を言っていたら

 

「司波達也だ。俺の事も達也でいい」

 

勝手に自己紹介を始めやがった。自分達の席でやってくれませんかねぇー。俺は溜息をつき、作業を開始した。しかしその作業は司波達の視線に集中砲火されてる俺には続けることが出来なかった。多分西条の為に自己紹介をしろと言うことなんだろう。

 

「あー、比企谷八幡だ。俺は別に苗字でいいぞ」

 

「OK、達也に八幡だな。それで、得意魔法は何よ?」

 

まぁ俺も司波の得意魔法は気になる。こいつは立ち振る舞いから雰囲気がただの二科生とは思えないからな。

 

「実技は苦手でな、魔工技師を目指してる」

 

「なーる……頭良さそうだもんな、お前」

 

そういうと西条は俺に視線を向けて、俺にも同じ問をかけてきた。

 

「八幡の得意魔法は何よ?」

 

「あー俺も実技は苦手なんだが、強いていうなら自己強化系だな。硬化魔法も一応得意分野だ」

 

「へぇー。意外だな。なんか八幡はこう、遠くからちまちま攻撃してそうな感じだけど」

 

……こいつ、結構ずばずば言いやがる……しかも反論出来ないから悔しい。基本的に俺は接近戦だが、西条の言ったように遠くからちまちまと、援護する感覚で攻撃する場合も多々ある。西条の言葉にはムカついたが、こいつはそれだけ人を見る目があると言うことだろう。それに俺にはまだとっておきの技があるしな。言えるわけないが。そんな俺たちの会話を横で聞いていた千葉は、何故がハイテンションで会話に入ってきた。

 

「え?達也君って魔工師志望なの?」

 

「達也、こいつ誰?」

 

西条はいきなり会話に入ってきた千葉を指差しながらこいつ呼ばわり、あいつ死んだな……千葉の強気な性格は昨日で嫌という程知ったからな。

 

「うっわ!いきなりコイツ呼ばわり?しかも指差し?信じらんない!失礼なやつ!失礼なやつ!ほんっとモテない男はこれだから」

 

「なっ!失礼なのはテメーだろうがよ!少しくらいツラが良いからって、調子こいてんじゃねぇーぞっ!」

 

「ルックスは大事なのよ?だらしなさとワイルドさを履き違えてるようなむさ苦しい男には分からないだろうけど。少しは達也君と八幡を習ったら?」

 

 

「……エリカちゃんもうやめて」

 

「レオ、もうやめておけ。それに口では勝てないと思うぞ」

 

柴田と司波の注意で言い争っていた2人は物の見事に静まった。こりゃ司波が居ればこのグループは大丈夫そうだな。それにしても、知り合ったばかりでここまで言い争えるとは、このふたり実は相性いいんじゃないの?そんな風に達也も思っているとは知らずに、八幡は考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

一方クラスメイトの反応

 

「あの司波君ってかっこよくない?なんか見ためがって言うより、雰囲気とか色々込込で!」

 

「えぇー?私はあの比企谷って人の方がカッコイイと思う!キリッとした目に、バランスのいい顔立ち、ただ少し根暗そうな雰囲気が残念だけど!」

 

どうやら八幡は、自分が思い込んでいるだけで、周りからの評価は高いようだ。ここだけの話、八幡の見た目は相当レベルが高く、見た目だけなら司波達也をも凌駕している。ただ、その根暗そうな雰囲気と猫背、メガネが残念な印象を残しているようだ。因みに中学校には、八幡が知らないだけで、少人数ながらファンクラブが存在した。男子からは右手の手袋を厨二病だと馬鹿にされているらしいが、妬みが大きな理由だろう。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。