あなただけを   作:taitan

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優しさ、それは幸せへの道
依存、それは絶望のための希望



私だけを見て

初めて人を好きになった。

彼女は、少しおっとりとした無口な娘だ。

とても可愛らしいと思う。

今までのどんなものよりも大きな感情が芽生えた。

自分だけの物にしたい、他の誰にも譲りたくない。そう思える程の激情だった。

 

俺はすぐに告白をした。

理由なんか、一目惚れとしか言いようがない。

その結果としては、俺の告白は失敗に終わってしまった。

だが、たかがそんな事では諦める理由にはなり得ない。

俺はその後も告白を辞める気はなかった。

 

3回目で、彼女は折れた。

俺の事を受け入れてくれたのだ。

嬉しかった。その時はただただ嬉しかった、のだ。

 

 

そんな出来事から2日後、初めてのデートに行くことに。

 

現在、彼女を待ち合わせの喫茶店で待っている。

今日はどんなところに行って、どんな物を食べようか、

そんな事を考えていると彼女がやって来た。

「待たせちゃってごめんね?部屋の掃除し忘れてた」

彼女は黒の半袖の上に灰色の袖無しパーカーに黒の膝下まであるスカートに黒のリュックという全体的に落ち着いた印象の服だった。

彼女の雰囲気に合っていてとても綺麗だった。

「凄く、綺麗です」

「ありがとう」

互いに頬を赤くして恥ずかしがってはいたが、それでもとても心地が良かった。

 

今日のデートの行き先を相談しようとした時、彼女から

「今日、私の家に来ない?」

と、衝撃発言を頂いた。

 

え?初デートがお家デートってどうなの?え?この娘って結構積極的なタイプなの?

彼女の新たな一面に慌てる俺。

そして、その新たな一面にときめいてる俺がいた。

「喜んで行かせてもらいます」

世間話をしながら彼女の家へと向かった。

 

家に入ってすぐに、

「私、一人暮らしなんだよ」

いや、3日目でそれは早すぎる。

考えすぎか?長きに渡る間守ってきた息子を解放する可能性に期待値が爆上がりしているだけか?

そんな事を家に入ってから言うなんて、小悪魔タイプってやつか、可愛いな…。

だが、最初から体の関係なんてのはナンセンス過ぎる。

もっとデートとかの思い出を作ってからじゃないとすぐに別れるとかどっかの誰かが言ってた。

 

 

 

 

 

 

そんな風に、少し期待しながらも特にそうゆう雰囲気にはなったりしなかった。少し残念である。

 

「じゃあ、そろそろ帰るね?今日はありがとう、楽しかったよ」

「何で?」

 

え?

 

「私が好きで告白してきたんでしょ?私は君が幸せに過ごしている時の君が好きだから、私であなたを汚さないように断ったのに、それでもあなたは私に告白してきたんだよ?なら、そういうことだよね?

だから、さ?

もうずっと一緒でしょ?

もう私以外を見ないで。私以外に触れないで。

 

私以外を、感じないで?」

 

恐怖と歓喜が電流のように全身を駆け巡った。

相反する、初めての感情だった。

 

驚き慄いていると、彼女が近寄ってくる。

そして、俺の首にペット用の首輪をつけリードをベッドの足に固定してしまう。

 

「もう君はどこにも行かせないし、逃さないよ?

今から君のいるべき場所はここなんだから。」

 

そう言って、結束バンドで手足を縛られ俺はまともに動けなくなってしまった。

「ちょっと待っててね、準備があるんだ。」

そう言って、彼女は部屋を出て行ってしまった。

 

 

凄く慌てたし、動揺したが、顔から笑みが離れない。

なんか、凄い嬉しい。ヤンデレか…良いな。

そんなのんきな考えも、彼女が部屋に入ってきた瞬間にぶっ飛んだ。

だって、あからさまにヤバいガスボンベとノコギリ、あと色んな物が入ってそうなカバンを携えて近っいてきてるんだもん。どこ切られんの?どこ焼かれんの?俺のナニは大丈夫ですか?

えげつない程の恐怖が身を襲う。

さっきから色々感情豊かすぎるだろ俺。

とか考えながらも半泣きな自分。

 

「怯えてる君、とっても可愛いよ?

その涙で潤んでる瞳で、小動物のような態度で、

もっと私を見て」

と、彼女は満面の笑みで近づいてくる。

可愛い、あと怖い。めっちゃクソ怖い。

怖いと声が出ないって言うけど、あれって本当だったんだね。

「痛くないようにするから、ちょっとだけ寝ててね?」

カバンから取り出したスタンガンを俺の首に当てながら言う。

あ、終わった…

 

バチィッ! 

 

その音を聞きながら、俺の意識はどっかに飛んでった。

 

 

 

上腕二頭筋の辺りを縛り、できるだけ出血量を減らす。

先に鏝を熱くしておこうか。

バーナーで熱する。

熱い。そして暑い。汗が出てきた。

さあ、切ろうか。

 

グチュ

 

「あああああああああああああああっっ!!!!!いたい!

あああっ、やめっ!!いっ、あああああああっっ!!!!」

 

激痛で意識が戻る。

痛い、熱い、寒い!

でも、動けない。ガッチガチに拘束されてるようだった。

戻った意識がまたすぐに飛びそうになる。

 

肉を切るというより、抉るって方が的確な気がする。

ちょっとだけ気持ち悪いかも。

いやいや、これは私達二人にとって必要な事だもんね!

「…………………」

あ、切りやすくなった。

やっと分かってくれたね!嬉しい!

あ、早く焼かないと死んじゃうか…

 

ジュッ

 

「っ!?あっつぁ!!!⁉

ああああああああああ!!!やめて!頼む!おねがっ!!」

「すごい!よく我慢したね。

いい子いい子してあげるね。」

 

頭を撫でられた。

壮絶な痛みの中、泣きながらもそこに深い優しさ、愛を感じた。

とても優しい手付きで、自然と甘えたくなるようで、とても安らかな気分になれた。

 

「血が戻るまで待って、それからは、

あと三本だね。頑張ろうか?」

 

え?あと、3回も…?

深い深い、底が見えないような恐怖と絶望が襲う。

でも、1つだけ、たった1つだけ希望があった。

それは絶対にすがってはいけない希望だったが、それ以外に俺に選択肢は1つたりとも残っていなかった。

彼女への依存。

それだけが自分のもつただ唯一の希望。

 

 

 

あれ?お漏らししてる?赤ちゃんみたいで可愛いかも。

それよりも、床にこんなに彼がある。早く集めて私だけの物にしないと!

この手はどうしようか?飾ろうか?食べようか!?それとも永久保存かな!!

ああ、幸せだな…

彼が私だけを見てくれるようになるんだから。

 

 

 

 

 

この時点で、もうまともな感性とは言えない。

たが、彼女の行動の原動力はただただ肥大した、

彼への《愛》ただそれだけ。




何書いてるんだろうなって。
まだまだガキなんで、リアリティなんて求めないでくださいごめんなさい。
あと、半分ぐらい厨二に憧れがあります。
とりあえず、切断はしてるけどそんなにリアルじゃないからR14ってことで許してつかぁさい。



ところで、傷湯さんっていうTwitterをやってる人知ってますか?
あの人の絵すごい良いですよね。
これ書いてる時のモチベとインスピレーションは八割方傷湯さんの絵ですね。あの人神絵師だわ。うん。

taitanでした!龍ヶ嬢七々々の埋蔵金知ってる人いたら自分が書いたの読んでみてね!

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