あなただけを   作:taitan

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この物語は、ある一夏の物語小さな愛の物語


成長する愛

とある年の夏休み、父方の実家に俺達家族は帰省していた。

「こっちにくるのも久しぶりだなぁ。」

本当に久しぶりに来た祖父母の家。

俺は高校生活を大学入試のための勉強に全てを捧げたのでこの家にはしばらく来れておらず、受験の鬱憤を晴らすべく大学始めの一年間を遊びまくった事により去年も来れていなかった。

そうだったのだが、合格の報せを本人からも聴きたいというおばあちゃんパワーにより、バイトを休んでそこそこど田舎なここまで来たのである。

 

「ただいまー!」

親父のバカでかい声が家中に響く。すると、廊下の奥の方にある部屋から同じようにバカでかい返事が返って来た。

「毎年毎年うるせーぞ!もっと静かにしやがれこの馬鹿息子が!」

ああ、そういえばこんな感じだったなぁ…

数年前まで毎年の出来事だったのを思い出す。てゆーか、マジで毎年やってるのか…学習しないなうちの親父は。

そんなバカ親父のことは置いといて家に足を踏み入れる。

「お邪魔しまーす。」

「おお、久しぶりだな。元気にしてたか?」

「元気過ぎるぐらいに元気だよ。彼女もいないくせに。」

孫には優しいお祖父ちゃん。元気そうでなによりです。

余計な事を言うバカ親父。テメェはちょっと黙ってろ。

「まあ、元気にやってるよ。ところで、ばあちゃんってどこにいんの?」

当初の目的であったおばあちゃんへの合格の報告。

さっさと済ませていつもでは味わえない安らかなひと時を堪能したい。

「ばあちゃんなら台所で昼作ってるぞ。」

「りょーかい。伝える事伝えてくるね。」

そう言って靴を脱いでいると背中からかなり強めの衝撃が襲ってきた。具体的に言うと小学生の頃に喧嘩でよく受けていた飛び蹴り程度の威力。

突然の衝撃により一瞬息を吸えなかったせいか、ついえずいてしまった。

うぉえぇ、キッツいなオイ…

後ろを向いてみるとその衝撃の正体が分かった。

「おにーちゃんだ!遊んで!」

元気いっぱいに尋ねてきたこの幼女はいったい誰だ?全く知らない娘が急に突っ込んでくるってどうなの?

世間知らずで猪突猛進なところがどことなくどうにも我が父親に似ている気がしてならないんだが…

「おお、カナコか久しぶりだな。こいつが前に言ってた俊太だ。

仲良くしてやってくれよー。」

「親父、この子誰だ?隠し子?」

「ふざけた事を言うんじゃない。分かってんのか?もし母さんにそんな事聞かれてみろ、自宅がスプラッター映画の舞台になるぞ?」

そう。俺の母親は少々愛が重いのだ。

まあ、浮気してた場合親父が全責任を負い親父が死ぬだけだし。

特に問題はないかな。

「はあ…この娘はじいちゃんの兄の娘さんだ。

夏場は忙しいらしくてな、兄と兄嫁が死んじまって、小学生になったって事で夏場はここにいるんだと。

泣かすなよ?泣かしたら俺が働けない状態になるからな?」

どうやら親父の従兄弟は相当の親バカらしい。

それにしても親父の立場弱すぎないか?家では母さんに尻に敷かれ、実家では兄弟に口が出せず…

親父の遺伝子を継いでいる事にここまでの危機感を覚えたのは初めてかもしれない。

「お兄ちゃん!かなと遊んで!」

すると、後ろからまた元気な声が飛んできた。

(遊ばないとなの?)

(どうだ?可愛い娘だろ?)

すぐさま親父とアイコンタクトで相談をし、小遣いをもらえる事に。ならば断る必要はない。元々断る気は無かったが、試してみて良かった。本当におじさんが怖いんだなぁ…

実は全く通じていないアイコンタクトを済ませ、カナコちゃんに問いかける。

「じゃあ、遊ぼうか。何して遊びたい?」

「公園で友達と遊ぶの!一緒に行こ!」

カナコちゃんのリクエストにより公園に決定。

「カナコちゃんは今何歳なの?」

公園へと向かう途中の短い道を歩きながらふと思いつき質問してみる

「3年生なの!」

3年生、つまりは9歳か…ロリだな。

「9歳なのに1人でお泊まりなんてすごいね。」

「おじいちゃんとおばあちゃんがいるから全然寂しくなかったもん!」

偉いなこの娘。俺がこの娘ぐらいの時は夏休み中ずっと家にいたし、友達の家でゲームしまくってたなぁ。

そんな事を考えたり話したりしながら歩いていると、公園の入り口でカナコちゃんと同じ程度の年頃の女の子たちがこちらを向いて笑顔で

手を振っている。

こんなに暑いのにみんな元気そうで、俺もこの子達ぐらいの元気が欲しいわ…

「はいタッチ!逃げろー!」

突然に始まった鬼ごっこ。

大学に入ってからめっきり運動をしなくなった俺では惜しいところまでいってもすぐに逃げられてしまう。

「お兄ちゃん遅いよー!」

上の方から声が聞こえて振り返ると、ジャングルジムに登っている友達ちゃんが笑顔で手を振っている姿が見えた。

そのまま頭から落ちていく姿も目に入った。

ついでにパンツも見えた。ピンクか、なるほど。

真上だったのが幸いしてパンツを見る程度の余裕を持って友達ちゃんをお姫様抱っこ。キャッチした瞬間冷や汗がドバッと流れた。

なんでパンツ見てんだよもっと先にするべきことがあるだろぉ!?

「お兄ちゃんありがと!あたしがお嫁さんになってあげる!」

突然の告白。まあ、ロリからの告白なんて本気にしちゃいけないしする気もない。だが、大切な想いを壊すのはやめてあげよう。

「君がもっと大人になったらね。」

「うん!」

こんなに笑顔でも、新学期に入りクラスの男の子を見れば俺のことなんか即座に忘れてしまうのだろう。ああ、悲しいねぇ…。

「お兄ちゃんのお嫁さんは私なの!」

突然怒り出すカナコちゃん。

って、この娘もか…

この娘、割とマジで怒ってるんだけど…母さんと同じ雰囲気を感じる…

「お兄ちゃんのお嫁さんは私なの!」

突然の絶叫。

ヒステリックと見紛う程険しい顔で怒鳴る姿に友達ちゃん達が普通に怖がってる。

「わ、私達帰るね?またね?」

強張った笑顔で帰っていく友達ちゃんたち。

「なんか、ごめんな?俺たちも帰ろうか?あと、後でしっかりと謝っとくんだぞ?大切な友達なんだから。」

「うん!」

さっきまでの険しさは何処へやら、天使と見紛うが如くの満面の笑み。もうこの娘怖いよ。

「お兄ちゃん、いつか私とけっこんして!」

とりあえずはぐらかしておけば忘れてくれるはず。ていうか、忘れてくれないと将来俺は親父と同じ境遇になってしまうかもしれない。

それはマジで嫌だ!親父は刺される心配がない程女性と縁がないから生きているのであって、俺はまだマシな方なんだぞ!

「大きくなって、思わずOKしちゃうぐらいの美人さんになってたらね。」

「絶対、だからね?」

満面の笑みのはずなのに目が全く笑ってない不思議。

これは、墓穴を掘ったという事で間違いない感じかな?

じいちゃんの家へと向かいながら頭を悩ませる俺。

満面の笑みで手を握ってくるカナコちゃん。

 

 

 

俺とカナコちゃんが結婚し、幸せと恐怖がないまぜになった日常を過ごすのはまた別のお話




どうもみなさん、taitanです。
今回のお話はグロなしだとどんなもんなのかな?と思って書いてみた感じです。
物足りない、なんかつまんなくね?と思ったそこのあなた!
ご安心を!
次回は高校生の考えられる範囲で最高にグロくする予定です!
その後はPV数を鑑みてグロを大量にぶち込むかこのまま平和な感じにするかを決めます!
変な感じな終わり方になりますが、どうぞよろしくお願いします!
ではまたバイにゃら!

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