改稿とかも同時進行で進めてるから
ちゃちゃっと終わらせたい(切実
「ええっ!?霞さんレミリアお嬢様達とこ、混浴したんですか!?」
食事がもうそろそろ終わる…かと思っていた時。笑顔のままで話を続けていたフランの言葉に美鈴から驚きの声が上がった…当の本人は全く気にしていないのだが
「うん!霞の湧かせた温泉ってとっても気持ちよくって癒されるんだよ?そのおかげで私も救ってくれたし…ねー霞!」
隣に座っている霞にぎゅっと抱きついて満面の笑顔のフランを見た美鈴はそれにも驚いて思わず霞の方を見てしまう…がそこにあったのは初対面の時に見た時と変わらず和やかに微笑んでいた。
「確かに入ったしフランの狂気を抑える為には何かと湯に浸かっていた方が都合が良くってね。それに、一応レミリアから許可も貰ってたんだよ?」
霞がそう言った瞬間、美鈴や先程から自分が入っていた時の醜態を思い出して顔を赤くする小悪魔は驚きのあまりギョッとした目でレミリアの方へと視線を向けてしまった。
(…あのシスコンのレミィが命より大事とも言える妹のフランに男との混浴を許可した上で更に自分も一緒に入ったっていうのかしら?)
昔のレミリアはいきなりパチュリーの自室へと押しかけてくるやいなや
『パチェ!男はやっぱりケダモノなのよ!見てこの本!二人きりになった瞬間に急に襲いかかってくるなんて…しかも見てよこのシーン!女の子が抵抗してるのにむ、無理やりキスなんてしてるのよ!?男なんてこれだから信用出来ないのよ…!フランも咲夜も変な男に引っかかったりしないわよね…?いや、むしろ絶対させないんだから!』
そう言ってレミリアは図書館にあったラブロマンスの本や少女漫画をパチュリーへと返して何か決意を固めた様子で部屋へと帰っていった。
後日、咲夜の貞操観念が数倍硬くなっていた事にパチュリーは頭を少し悩ませることになるのだが…
(そんなこと言ってたのに本人がこれなんだから…全く、女として警戒心の足りないおマセな幼女サマなんだかー…)
普段、警戒心とプライドの高いはずの親友が初対面の男の能力を信じて肌を晒したことにかなり呆れを覚えた瞬間。
……あ、私も肌晒してるじゃない。
自分のことを棚に上げていた事に気づいてしまった。…そして当のレミリアは若干、あたふたとしながら
「な、何よ皆して私を見て…そんなに意外かしら?別にいいじゃない、霞なんだし…だって初対面の時から他の妖怪と雰囲気が全然違ってて何かと新鮮だったし…下心とか、全然感じなかったもの…あー!口に出したら恥ずかしくなってきたじゃない!それにパチェ達も入ったんでしょ?霞から聞いたわよ!」
全員から視線を向けられたレミリアは少し顔を赤くしながらもそう言って仕返しとばかりに矛先をパチュリーへと向けた。
「ええ。私とこあは一緒に入ったわよ。それにあれから身体が普段と比べて格段に楽なのよね…ねぇ霞?あの温泉をもっと有効活用したりしないのかしら?温泉宿とか作ったら繁盛するかもしれないわよ?」
パチュリーは一緒に入った事などサラリと流して霞の今後について聞き始めた。
「え!?霞の温泉にいつでも入れるの!?それすっごく楽しそうだよ!霞?」
「そうだねぇ…ても宿を開くとなると資金も場所も何も足らないからね…私はどちらかと言うと色々な所へ行って色々な種族と出会ってみたいんだよ。だから、まだ1箇所に留まる予定は無いかな?」
そう言った霞の目はまだ見ぬ出会いを楽しみにする子供のような純粋な目をしていた。
「そう、それは残念ね…なら偶には紅魔館に来てくれると嬉しいんだけどね?」
「そうだよ!それにずっとここに住んでもいいんだよ?私霞のこと好きだから一緒に居たいもん!ねぇねぇここで暮らそうよー!!」
「「「「「!?」」」」」
フランの突然な爆弾発言によって和やかな食事の席に稲妻が走った。
「ふ、ふふふふふふフラァン!?!?!?貴方、一体何を言ってるのよ!?!?!?いくら何でもそれはお姉ちゃん許さないわよ!?」
「そうですよお嬢様!幾ら霞様が低俗な男とは違った感性を持った大妖怪で紅魔館を救ってくれた恩人だからといってそれは…」
レミリアと咲夜が顔を驚愕に歪めてフランへと詰め寄る…
そんな2人を見てフランはコテンと首を傾げると
「え?じゃあ、お姉様と咲夜は霞のこと……………好きじゃないの??」
「「ッ…!?」」
顔に朱が混ざった2人を不思議そうに見つめたまま、フランはそう問いかけてきた。
「そ、それは…嫌いなはずないじゃない…私だって感謝してるし、その…流石に嫌いな人と一緒に温泉なんて入らないし…けど、その、まだそんな深い関係になったとかじゃ…」
「イエソウイウコトジャナクテスキカキライデイッタラモチロンスキデスケドワタシマダカスミサマニハダヲサラスコトナンテデキマセンシソレニワタシハメイドトシテソノヨウナコトニキョウミハナイシソレニエトアノ…」
レミリアはモゴモゴと口を窄めながらフランへと答えている間に咲夜も答えてはいるのだが…早口過ぎて何を言っているのかが全く聞き取れない。
フランが霞の方を見ると
「私もフランのことは好きだよ?…まぁレミリア達が考えているような好きとはちょっと違うと思うけどね…」
「えー?だって私は霞に抱きついた時の暖かさとか心が軽くなる感じがする匂いとかそーゆーの全部大好きだよ?」
「フラン?好きって感情はそれ以外にも色々なことを感じ取るらしいよ?私は今もしも自分に娘か孫がいたらこんな感じかな…なんて思ってはいるけれどね?…そう考えると、私たちはまだ出会ったばかりで
これから先にまた仲良くなれるんだと思うんだよ。それに、ちょっと世間体がマズいんじゃないかな?」
霞がそう言ってフランの頭をゆっくりと撫でるとフランも何か納得したのかにへらと笑って、頭の上に乗った大きな手のひらの感触を楽しみ始めた。
その光景を見ていた美鈴は
「うわぁ…あの二人って今日が初対面ですよね…?もう誰も間に入り込めないような仲睦まじい空気を作ってますよあれ…」
「…美鈴がそういうのなら本当なんでしょう。霞様なら間違いなど起こさないでしょうし…そろそろ、食事もお開きにしましょうか」
そう言って元に戻った咲夜が空になった食器をテーブルの上からどんどん撤去していくと皆、自分の部屋へと戻る準備を始めたのだった。
「それじゃあ霞様!失礼します!」
「また図書館にいらっしゃい?私は普段からは自分の部屋に居るから
また気が向いたら来てくれると嬉しいわ?」
「ありがとう…また行かせてもらうよ。…その時は、また入って行くかい?」
霞の提案にパチュリーは少し顔を赤く染めながら
「…ええ。喘息が完治しているかが分からないし…また、入らせてもらうわ……楽しみにしてるわよ?」
フフッと綺麗に笑うと大図書館へと戻っていった。それを見て、小悪魔も親指を立てながらサムズアップしていた。
「それじゃあ霞さん!私も仕事に戻りますけど私、まだ霞さんの温泉に入った事がないので次にお越しくださった時には是非入ってみたいんですけどいいですか!?」
心做しか目が輝いている美鈴はそう言ってグイグイと霞へと詰め寄る…どうやらフランが絶賛していた温泉に対して物凄く興味があるらしい…なんだか恥ずかしさとは無縁のようだった。
「それは私からも頼みたかった所だからそう言って貰えるのはありがたいね。門番の仕事や武術の修行の疲れなんかを癒せるのならこちらとしても嬉しいからね…」
「そうなんですよ!門番の仕事ってもう地味に大変なんですよー…いえ、仕事が嫌いなんじゃないですよ?寧ろこれは私にとっての誇りでもありますし。…けど、レミリアお嬢様の噂が広まると来客がかなり減ってしまいまして…ぶっちゃけ暇で…武術の鍛錬していると疲れて眠っちゃうので霞さんだったらいつ来てくれてもいい…ヒッ!?」
霞にちょっとした愚痴を零した美鈴の肩を咲夜の細い指先が食い込むほどに強く握られると美鈴から滝のように汗が流れだした…
「貴方…仕事サボって昼寝する癖に何が誇りよ…?その上お嬢様への不敬まで口に出すなんて…覚悟、出来てるわよね?」
「さ、咲夜さん!?いやちょ、ちょっと違う!?違うんですってば!その、なんと言いますか昼間は人があまり通らないしぽかぽかしていて疲労感がそのままつい眠気に…って危なッ!?ナイフは止めましょうってひぃん!?」
ゆっくりと後ろを振り向いた美鈴は案の定、怒りモードに入った咲夜を確認した後すぐ弁明…もとい言い訳を口に出してみたもののいつものようにナイフが帽子を掠めていった。
それを見ていた霞は喧嘩しているように見えるけどもなんだかんだ言って仲の良い2人を見て微笑むと
「こらこら、食事したばっかりなんだからそんなに動き回るものじゃないよ?」
「…っは、はい。了解しました霞様…美鈴。今回は霞様に免じてこれくらいにしておくけど今度そんなことを言った暁には…どうなるかわかっているわよね?」
「ふぁ!ふぁい!すみませんでした!えっと…それじゃあ失礼します!また、いつでもいらしてくださいね!」
美鈴は冷や汗を流しながらも、そそくさと身じろぎを直して霞へ手を振ると持ち場へと戻っていった。
それを見送った霞はさっきから地味にテーブルへと項垂れていたレミリアへと目を向ける…
「…で、レミリア。いつまでショックを受けてるんだ?流石に仕方ないと思うけどね…この館は見た目だけならこの森とは色彩が異質過ぎてあまり人が寄り付きたくはないだろうし…」
「ちょっと!そんなにハッキリと言わないでよ!?紅って素敵な色じゃない!うう…どうしてパチェも美鈴もこの良さを理解してくれないのかしら…?フランだって紅好きよね?そうよね?」
「うーん…お姉様の感性って絶対ズレてると思うよ?妹の私だってアクシュミだと思ってるもの」
「フラアァァァァァァンッ!?!?!?」
最愛の妹の純粋で強烈な言葉のストレートがレミリアの心を粉砕した。
「うわぁぁぁぁぁぁぁん咲夜ぁぁぁぁ!!!霞とフランが私を虐めるぅぅぅぅ!!!」
「お、お嬢様!?大丈夫ですよ!その、私はとても個性的かつ独創的でいい屋敷だと思ってますよ!ええ!」
「ほ、本当に…?」
「本当です!…まぁ廊下が広すぎて掃除するのが大変なのはちょっと不便だとは思いますけど…」
「………」ピシッ
「あ、す、すいませんお嬢様!?今のはその、ちょっとした本音が零れてしまっただけであってそんな」
「………」ビキビキッ
無自覚な本音の拳がまたまたレミリアのひび割れたガラスの心へ打ち込まれた。瀕死の心にトドメを刺されたレミリアは俯いたままゆっくりと立ち上がると
「……ぃ…ぃ………」
「お、お嬢様…?」「レミリア?」「お姉様…?」
「もういいって言ってるのよバカァァァァァッ!!!」
「お嬢様ーッ!?!?!?」
いきなり顔を上げてそう叫んで泣きながら自室へと走り去ってしまった。咲夜が慌ててそれを追いかけていくのを見たフランは
「わー…すごい涙の量…うーん…お姉様、泣いちゃったけど…ねぇ霞?私、お姉様にきちんと謝ったら許してくれるかな…?嫌われちゃったのかな…?」
離れ離れだったことを思い出したのか、フランの顔には暗い影が指しこんでいた。
…それを見た霞はゆっくりと席を立って、フランの手を取って握るとそのまま歩き出した。
「なら、試してみないかい?…フラン達は姉妹なんだ。つまり家族なんだよ?だから、こんな言い争いなんかは日常茶飯事な筈なんだ……現に、紫は多分、毎日藍に怒られていると思うけれど…絶対に離れたりはしないだろうしね……まずはきちんと謝って、その後に一緒にお昼寝しないかと誘ってみるといい。レミリアは絶対にフランの願いを叶えてくれるさ…なんてったって、たった1人のフランのお姉さんだからね?」
そう言って霞はフランへと微笑んでくれる…その笑顔を見たおかげでまた、心が軽くなったフランは握られた手に霞より力を込めて歩き出した。
「じゃあ私は霞ともお昼寝しないといけないみたい!それにお姉様とはこれから喧嘩だって何回もすると思うから…ちゃんと、謝れる子にならないといけないよね?」
そう言って霞を引っ張るフランは先程はまでとは違って、楽しげに。それはもう、誰もが見惚れるほどの太陽のような笑顔を浮かべ、2人はレミリアの部屋へと歩いていった…