今週はなるたけ毎日投稿するので
が、頑張るぞー(小並感
「お姉様!さっきはひどい事言ってごめんなさい!私、さっきはあんなこと言ってちゃったけど…お姉様の考えたこの紅魔館、大好きだよ!」
レミリアの部屋の前でフランは謝った。誠心誠意、心を込めて…すると、いきなり扉が開くと
「ごめんなさいフラァン!!私も悪いのよ…私も、さっき咲夜に言われた事を反省していたの。私も今まで自分で我儘を言ったのに…廊下が長い、なんて思っちゃった事があったから…」
レミリアは、咲夜の言葉によって。自分の浅はかな部分が浮き彫りになった…そして、自分がそんな幼稚な我儘を言うような存在だった事が…誇り高い吸血鬼のレミリアには耐えられなかった。
「私もまだまだ子供だったのよ……だから、私とフラン。2人で一緒に成長できるようになりましょう?」
「…うん!そうだよねお姉様!一緒に…だよね!」
そう言った2人は、また抱擁を交わす…
それを見ていた霞と咲夜はお互いに顔を見合わせると、ふふっ…と。つい、こみ上げて来てしまった笑いを零しあった。
「じゃあ、今日はお姉様のベッドで寝てもいい?」
「勿論いいにに決まってるじゃない!」
「じゃあ咲夜も一緒に寝てもいい?」
「大丈夫よ!私のベッドは大きいんだから!」
「なら霞だって一緒に寝れちゃうんだよね?」
「当たり前じゃない!霞だって一緒に寝れ……え?」
レミリアの目に映った最愛のフランの顔は…口角をニンマリと挙げた、とても良い笑顔だった。
そしてポカンとしたレミリアをよそに、大声で
「だってさ咲夜!霞!お姉様の許可が降りたから…みんなで一緒に寝られるよ!私、霞の上で寝たーいっ!!!」
そう言って、霞と咲夜の手を握ったフラン。強引に2人をレミリアの部屋まで連れてきたのだった。
「ちょ、ちょっと待ちなさいフラン!?い、今のはちょっとした間違いで…」
「…え?レミリアお姉様は誇り高い吸血鬼だから、一度口にしたことは絶対守る…そんな、カッコイイ吸血鬼だと思ってたのに……?
…ウソ、ついちゃうんだ…?」
ウルウルと涙目でそう語ったフランを見てしまうと、もう、嘘というかさっきのナシなんて言えるような雰囲気では…無くなってしまっていた。
( い、今の…絶対にわざとよね…?ふ、フラン…ッ…貴方、恐ろしい子ッ!?)
「…し、仕方ないわね…こ、今回だけ特別よ!霞も、私のベッドで寝ることを許可してあげる…けど、に、匂いとか嗅いだら叩き落とすからね!?」
逃げ道を潰されたレミリアはそう強がることしかできなかった。そこへ顔を真っ赤に染めた咲夜が慌てて口を挟む…
「フランお嬢様!?わ、私も霞様と寝るのですか!?流石にその…は、恥ずかしいのですが…?」
「えー?咲夜も霞のこと知りたいでしょ?好きな食べ物とかー…飲み物とかー…好きな人とか色々と教えてもらおうよー?」
「…フラン!?今なんか不穏なもの混ぜなかった!?今のってお姉ちゃんの聞き間違いかしら!?」
「もー!とりあえずみんな部屋に入ってさ、話はそこでしようよー!」
その一言によって、とうとう全員がレミリアの部屋へと入ってしまった。
フラン…強くなったね…
霞はぼんやりと、そんな事を考えながら…フランに手を引かれながらもベッドへと腰掛けた。
「確かに広いけど…これだと3人が横になったら、4人目のスペースがないんじゃないか?」
「私に任せて!大丈夫だから…まず咲夜が奥に行って?」
「わ、わかりました…これでいいですか?」
咲夜は奥へ寝転がるとカチコチに固まってしまう…
「うん!それじゃあ真ん中に霞が寝て頂戴?」
「分かったよ…咲夜、隣だけどすまないね?」
「は、はい!大丈夫ですはい!」
緊張でガチガチじゃないの…他人事のように、そんな事を思っていたレミリアへ…フランは嬉嬉として爆弾を落とす。
「じゃあ私はやっぱり腕にひっつくからー…お姉様は、霞の上で寝てね?」
「ブフーッ」ゲッホゲッホ
思わず咳き込むレミリアを
微笑ましいものを見るような目で見つめるフラン。
「ど、どうしてこれ、私のベッドなのに…私が霞の上で寝なくっちゃいけないのよ!?」
「…?だってお姉様って、霞の味方なんでしょう?淑女として、お世話になった人を労うのは当然だって言ってたじゃない?」
「これは労うとはまた、意味が違うわよ!」
そんな風に、仲の良い言い争いを始める事10数分…
「なら霞に直接聞けばいいじゃない!ねぇ霞からも…って霞と咲夜はどうしてもう、目を瞑って寝る体勢に入ってるの!?」
「…ん?ようやく終わったのかい?意外と早いね…それと…ほら。少しだけ静かにして欲しいな?」
いつの間にかもう寝る体勢に入っていた霞。そう言われたレミリアとフランは、霞の奥にいるはずの咲夜の様子を覗いてみると…
「わぁ…咲夜寝ちゃってる…かーわいー!!」
「というか咲夜はいつの間に着替えたのよ…なんだか、怒るのも馬鹿らしくなっちゃったわ…」
咲夜は、既に眠っていた。
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少し前から、霞の隣で緊張していた咲夜を見て…霞が自分に何か出来ることは無いかと考えた結果。
スカーレット姉妹が言い争ってる間に1人、ガチガチに緊張していた咲夜の頭をゆっくりと撫でながら…緊張を解していた。
「あ、あの…霞様…?これは一体…?」
「随分と、緊張しているようだからね…そんな風に固まっていると眠れないだろう?
…昔から、こうすると皆。自然と寝てしまってね…幾分マシになるんじゃないかと思ってね?」
確かに、男の人に頭を触られているのに全然嫌じゃない…というよりも凄く落ち着いた。
たまに、髪を梳くような感覚があって、こそばゆい感じがして…これ…病みつきになりそう。今日、1度廊下で撫でられてはいたけれど…その時とは比べ物にならない程に、心地よい気分を咲夜は感じていた。
そこで咲夜は気づく。今の自分の状態に…
「あの、霞様…少しお願いがありまして…」
「…ん?どうしたのかな?」
「私はまだメイド服を着ていますので…このまま寝ると、服が皺くちゃになってしまいます。…だ、だからその…申し訳無いのですが、今から寝巻きに着替えてまいりますので…お手を…」
「あぁ、確かにそうだね…すまないね。私が気が回らなかったから…すっかり咲夜の事情を加味していなかったよ」
「い、いえ!大丈夫です!それでは…」
霞が咲夜の頭から手を離した瞬間。
…そこには、淡い水色の寝間着を身につけた…咲夜が隣に寝転んでいた。
あまりの早業に、霞も感嘆の声を上げてしまった。
「…おぉ。時を止めるのは本当に便利だね……ん?もしかして身体を拭いてきたのかい?それに髪も解いているし…何だかもう、このまま眠っても良さそうだね…?」
咲夜はそれを聞いて顔を真っ赤にしてしまった。
…咲夜もまだ、年頃の乙女な為…風呂に入っていない状態で、男性の隣に寝ることは…かなり、抵抗があった。
日中メイドとしての業務で動き回っている為…汗臭い女なんて思われたら心が砕け散ってしまう。だからこそ、能力を使って時間を止めている間に…濡らしたタオルで、身体くまなく拭いてきたのだった。
時を止めているのでシャワーの湯は流れないため、湯船のお湯だけですべてを賄ったのは…まぁ、過去の経験の賜物だろう。
そして今、咲夜の着ている寝巻きのパジャマは…薄い水色がとても綺麗だったため、人里の服屋でこっそりと買っておいた新品のパジャマだった。気に入っていたため、いつ着ようか…なんて悩んでいた代物だったけれど…今着るべきだと、何か予感のようなものを感じていた。
同時に、髪も解いていたのは寝る時に楽なのと…そして、少しの希望をもっているからだった。
「あの二人はまだまだ仲のいい喧嘩をしているけど…咲夜は、これからどうして欲しいのかな?」
そう聞いてきた霞の言葉に、咲夜は顔を赤く染めたまま…おずおずと、頭を差し出した。咲夜の要求をすべてを察したのか、霞はクスリと微笑むと
「……ッ!!」
ゆったりとした手つきで咲夜の頭を撫で始めた。
「咲夜。今日の食事は美味しかったよ。私はここに突然来た来客なのに…快く食事へ混ぜてくれて、ありがとう」
霞のひと撫でひと撫でに篭った感謝の気持ちが、咲夜の心へと伝わってくる…何だか暖かく、そして心地よい感覚に…次第に、咲夜の意識はそちらへと流れていった。
レミリアとフランの喧嘩が終わる頃には無意識に、霞の腕を抱きしめながら…咲夜は夢の世界へと旅立ってしまっていた。
★
「という事なんだ…だから今日はもう、私も眠りたいんだけど…2人は日中寝ていたらしいけれど、眠れるのかい?」
「えっとね…うん!なんだか私、こうやって霞の腕を抱きしめてると…なんだか心が安心して、ぽかぽかしてくるの!なんでだろ?…添い寝って楽しいんだね!」
「それは多分、私の着ているこの浴衣にも…多少の温泉の癒す効能が染み付いているんだと思うよ?あれから直って良かったよ。
…あと、これじゃあ両腕が使えないんだけど…」
「へぇー…そんな理由があったんだねー!それとこの腕は私が貰いまーす!おやすみなさい!」
そう言ってフランは笑顔のまま目を閉じる…と、直ぐに規則正しい寝息が聞こえ始めてきた。
霞の腕はがっちりと抱きしめられていて…腕力には欠ける霞には抜け出すことはできなかった。
「フランは寝るのが早いんだね…寝付きの良さが凄いなぁ…なら、レミリアも早く来なさい?恥ずかしいのは今だけだから…それに、私だって少しはこの状況に思うところもあるんだからね?」
「わ、分かってるわよ……すぅ…はぁ……えい。」
それを聞いたレミリアは、意を決して霞の胸元へと…ぴょこりと、飛び乗った。
( …大きい胸板…私が乗ってもまだ余裕があるし…それに、暖かくてぽかぽかしてて…心臓の、ドクドクって音が聴こえる…)
レミリアは霞の心臓へと耳をくっつける…そこから聴こえる規則正しい音の響きに、なんだか気分がぽわぽわとしてくる…なんだろう?この安心感は…
「どうかなレミリア?不快だったりはしないかい?」
「い、いえ…そんな事ないわ。それに、なんだか落ち着くの……暖かくて、懐かしい。そんな風に思えて…」
遠い昔の日々。父親に抱かれた事や母に寄り添ったこと…今は無き、暖かかった過去を思い出してしまったレミリア。
「…貴方は、まるで私の両親のよう…父のような強くて硬い肉体と、母のような暖かくて柔らかい空気を纏っている…っもう…こんなの思い出させてくれちゃって…私がこのまま弱くなっちゃったら、どうしてくれるのよ…って!?」
すると霞は意外にとても柔軟な両足を器用に使って、レミリアを挟み込んでぐぐっと前に持ち出した。そして、そのままレミリアの顔を自分の目と鼻の先まで近づけると…ニッコリと微笑んだ。
「 そうかな?私は紅魔館は今日、生まれ変わったんだと思うよ?だから、もう大丈夫だろう。ここに住む皆の関係は、より強くなった筈だし…
それに、私はレミリアの数倍生きている妖怪だからね?過去に色んな人や妖怪に出会ったと言ったと思うけど…中には、辛い思いをしていた者も沢山いたよ。だけど皆、辛いことがあっても前を向いて生きていたんだ…
レミリア。君は決して独りなんかじゃない。君には今、守り、愛すべき家族がちゃんといる…そうだろ?レミリア?」
その言葉は、レミリアの心の中へとストンと落ちた。
( あぁ…何だか心が軽い…フランの言ってた通りね…)
「そう言われたら……もう。貴方って人は……ええ。もう泣き言なんて言わないわ…私はこれからもこの紅魔館の皆と、フランに、咲夜。パチェに美鈴に小悪魔…皆でずっと!幸せに過ごしてみせるんだから!」
それを聞いた霞は…今までの全てが報われたような、幸せな表情をレミリアへと向けた。
「…うん。私はずっと、その言葉が聞きたかったんだよ。やっぱり、いいものだね…それはいつの時代でも絶対に変わる事がない。
…誰かを本気で愛する者の言葉というものはね?私にとっては金銭なんかとは比べられない程に尊く、価値があるものなんだよ………
そう思い続けながら、今まで、私は過ごしてきたんだ」
レミリアの目に入った霞の顔は…万感の想いの篭った、まるで今までの出会いの全てを大切にし、そしてその全てに畏敬を払っているような…清々しく、晴れやかな笑みだった。
霞はレミリアを挟み込んでいた足を解くと、そのままゆっくりと目を閉じる…
「何だか今宵はとても素敵な夢が見られそうだよ…感謝するよ、レミリア。本当にありがとう…」
そう言うと、ゆっくりと霞の呼吸は整っていった。数分も経たないうちに…霞は本当に寝てしまった。
「本当に、常識外れの妖怪なんだから…というよりも、こんな可愛い女の子に囲まれてるんだから、普通にいい夢なんて見れるでしょうに…」
そんな事を思いながら何度か頬をつついてみるものの…反応は無い。眠った霞の顔を見つめるレミリアは、さっきの言い争いでフランの言っていた言葉を思い出した。
『だってお姉様…霞の味方なんでしょう?淑女として、お世話になった人を労うのは当然だって言ってたじゃない?』
そう言われて、今。自分に出来るであろう最大の感謝と労いについて考える…
そして、1つの結論へと辿り着いたレミリアは
「これは…感謝の気持ちなんだから…そう。別にそれだけの事なんだから…!!」
ゆっくりと、真っ赤に染まった顔を霞へと近づける…自分から、顔を近づける事がとても恥ずかしくって、心臓がバクバクと鳴っているけれど…
今だけは、気にしない。
そして。
眠った霞の頬へ、自分の唇を触れさせた。
レミリアはプルプルと震えながらも息の続く限り、霞へ口付けを続けたのだった。
(これは感謝これは感謝これは感謝これは感謝これは感謝これは感謝これは感謝これは感謝これは感謝これは感謝これは…)
口付けを終えたレミリアは…真っ赤な顔を隠すかのように霞の胸へとうつ伏せになり、そこに顔を埋めた。
「じ、自分からしたの…は、初めてなんだからね…もぅ…」
そう零して、目を閉じたのだった。
★
その時、妖怪の山では…
「ん?今なんだか無性に嫌な予感がしたんだけど…」
「ええ、同感だわ。私もなんだかこう、誰かに何かを先に越された様な胸騒ぎが…」
「そ、そうですか?何だかちょっとだけ、私も変な感じがしたんですけど…何でしょうね?」
3人は揃って首を傾げるものの、結局思い当たる節が無いため…話を進める事にした。
「まぁ。それは置いといてもいいでしょ…取り敢えず話を纏めると、霞のために地底へ行く為の許可が必要で…それと天狗の恥とも言える存在の処分。うーん…なんかやる事多いわねぇ…面倒だわ…」
「そう言わないでよ…それに紬に会うのだって、貴方が手伝ってくれた方が話が早く纏まるから…それもお願いしたいんだけど?」
「えぇ…めんど…んー…でも私もここしばらく紬に会えてないしなぁ…地底って正直嫌いなんだけど、まぁ仕方ないか…」
地底は好きではないが、紬の事は嫌いじゃない。長年の友達に久しぶりに会うんだから…それは我慢するべきだろう。
「じゃあこれから地底に行くとしましょう?私たちはこれから地底へ行く訳だから…椛は何か、不満を同僚から情報を集めておいて頂戴?これからは天魔の館への入場を許可しておくから…」
「わ、分かりました!」
そう言って椛は急いで仲間の元へと飛び立った。霞の湯のおかげで普段よりも早く飛べるので、情報集めにそう時間はかからないだろう。文にでも頼めばすぐだろうし…
そして紫は天魔と共に、妖怪の森の最奥にある……地底まで通じている巨大な穴へと移動した。
「にしても意外よね?貴方が一端の白狼天狗に情なんてかけるなんてねぇ?」
「えぇ…私だって最初は全然興味なかったんだけど…けど、あの耳と尻尾はモフ度が最強だったの。私はもふもふに屈してしまったわ…
…それに、霞があの子を気に入ってるのよねぇ…」
「え?何それちょっと詳しく教えて!?」
…天魔がその話に食い付いた。
「ちょっと!!服が伸びちゃうから引っぱらないで頂戴!?えーっと…確か霞が幻想郷に来て最初に出会ったのがあの子だったから…霞も随分と人恋しかったらしくてね?一緒に温泉に入ってるあの子が霞の温泉に物凄く癒されてたのよ
…それで霞ったら、自分を必要としてくれる事が相当嬉しかったらしくて…それにあの時の目は、絶対あの子の耳と尻尾を狙ってたわ…」
「耳と尻尾…そう言えば昔、私のこの大きい翼も確か霞に撫でられたなぁ…うふふ…あれは最高の心地良さだったわ…
…というかね?私や紬なんかはもう、いつでも霞を必要としてる位なんだけど。むしろ霞と出会ってなかったらなんて考える事すら恐ろしいと思えるくらいなんだけど?」
無い胸を張りつつ、どやぁとでも言いたげな顔をしながら持ち前の巨大な翼を広げる天魔を華麗にスルーした紫は…そのまま地底へ続く穴へと足を進め始めた。
「それじゃあ覚悟決めて行きますか…紬に会いに…」
「あ、ちょっと私を無視して先に行くんじゃないわよ!ねぇってばぁ!!」
2人は地底へと向かう…
最強の鬼である鬼子母神こと、紬の元へ。