(;つд⊂)ゴシゴシ
( ゚д゚) 夢じゃなかった
ヤッタ━ヽ(*´Д`*)ノ━ァ!!
「…あ、入る前に脱がないといけないわね。」
新しい温泉へはいろうとしたパチュリーはそう思い寝巻き代わりの緩めの服を脱いでいった。袖から腕を引き抜いて残りは脱ぐだけ…といったことろで一旦、霞の方を見る。…が、こちら等眼中に無くどうやら初めての寝風呂に興味津々の様だった。
( これ、言い出したのは私なんだけど…裸で男の隣に寝るなんて、レベルが高すぎないかしら…ッ!?)
パチュリーの視線の先では、ベッドサイズの大きさの湯に霞が寝転がっていた。パチュリーのベッドはそれなりに大きく、2人程度なら肩を合わせれば寝られる程度の大きさはあった。
…だからといって、恥ずかしいものは恥ずかしい。
( 霞が浸かっている間は癒す効果が上がってるってフランや霞も言ってたんだし…私だって治療してもらう身なんだから、覚悟を決めるしかないわね…)
パチュリーは手にかけていた服を、一息の間に脱いだ。そして下着もその勢いで脱ぎ、洋服で身体を隠しながらも平静を装いながら霞の元へと向かった。
「霞…?隣、いいかしら?」
「あぁ、すまない…新しい温泉に少し浮かれていたみたいだ…パチュリーも、緩りと身体の疲れを癒してくれて構わないよ?」
そういって起き上がった霞の横へとうつ伏せになって寝転がる…と、羽衣を枕代わりとして霞が差し出してくれた。羽衣は水に浮いていて、更にキメ細やかでふんわりとしていた…とても心地良い。
「どうかな?寝転がってみると半身だけが暖まる感じになってるけど…」
「ええ、気持ちいいわよ…?なんだか体の芯からじんわりと温められる感じがして…これ、とても心地いいわ…」
「それなら良かったよ…近々私のために温泉宿が作られるんだけど、温泉の数は多い方が良いと思っていてね…?
ふむ、おいおいこの事にも、考えておかないと…」
「あら?昨日は温泉宿の経営なんてやらないって私の提案を断ったのに、一体どういう風の吹き回しかしら?」
「…今朝、いきなり紅魔館へ昔の友人が来てね?それでかなり、怒られたんだよ。ちゃんと帰ってくる場所を作って下さいってね…」
「へぇ…それは随分と愛されてるわね…その人、口調からして女性よね?一体どんな人なのかしら?」
すると霞は少し考え込み、何かを思い出しながら答えた。
「うーん…まぁ、傍から見ればけっこう変わってる妖怪だと思うよ。紫に存在自体が非常識なんて言われてたしね。けど、実際は思いやりもちゃんと持っているし、他人の孤独に気づいて癒せる…そんな鬼の女の子だよ。
…あ、鬼子母神って言えば分かるかい?」
(…鬼子母神…?確か、何かの本で読んだわね………って、確か、鬼子母神って鬼のトップじゃない…!?何で霞はそんな妖怪と、知り合い以上の関係なのよ!?)
「ちょっと、待ってくれないかしら…どういう経緯があったら、そんな妖怪がここにくるのよ…?」
「…こんな私に、わざわざ会いに来てくれたんだよ。それで殴って、締めて、許して…カスミンとやらを補給した後、こんな私の為に宿を作りに行ったよ。
本当に、頭が上がら無いね…」
何故か急に声のトーンが落ちた霞を見て、パチュリーは質問せずには居られなかった。
「あの…ちょっと待って?え、カスミンって、何?」
「ああ、やっぱり気になるかい?…私にも、詳しい事はわからないけれど…紬が言っていたのは
『え?カスミンとは何かって?カスミンはねー…霞ちゃんから流れてる、第6の栄養素なんだよ!!それを摂取すると辛い時や悲しい時なんかにふと、霞ちゃんの顔を思い出すんだよー?そしたら胸がぽかぽかして暖かくなって…幸せな気分になれるんだー…
そんな、霞ちゃんの事が大好きな人にとっては嬉しい、幻の栄養素の事なんだよー?』…だとさ?」
あまりにも突飛な発言で言葉が出てこない。しかし聞き逃さない単語があったため、パチュリーはそこを詳しく聞こうとする…
「ええ、何となく察したわ…けれど、本当にそんな物質があるの?にわかには信じられないんだけど…」
パチュリーはうつ伏せの、状態のまま、自分の胸に手を当てて触れる…そこにはむにゅんとしたサイズの果実があるのだが、重要なのはそこではない。今、パチュリーは温泉に入っている以外の要因によって……胸の奥がじんわりと温められていたのだった。
(…まさか、これがカスミン?の効果なのかしら…?昨日からずっと胸の辺りがポカポカとしてるし…発作も起きない。
…これは研究者として、確かめないとね…!!)
「…自分としてはオススメはしないよ?これは椿…あ、天魔と鬼子母神が協力して創り出した、架空の物質らしいからね…」
「…?それってどういう事?それに天魔と鬼子母神の協力って…」
「まぁ…簡単に言うと、天魔の『力を霧散させる程度の能力』を使って、私の能力を永続的に私の周りへと散りばめるんだよ。そこに鬼子母神の『取り込む程度の能力』を応用して、私の能力の残滓を身体へと流れ込むようにした…
まぁ、2人の能力の応用で合作した自然界には存在しない…私特有の物質ってことになるのかな?」
パチュリーは思考をフル回転させながら考え始めた。説明を聞く限り、パチュリーには何でそんな事が出来るのかが理解できなかったからだ。
対象から霧散させた能力を更に操り、それを別の対象が取り込めるようにするなんて…難易度が馬鹿げている。霧散した能力を全て意のままに操る程の繊細な技術が無ければ、到底出来ない神業だった。
「嘘でしょ…?そんな事、一体どれだけの労力が必要なのよ…?」
「…うん。私自身、満面の笑みを浮かべた紬から
『霞ちゃん!長年の研究が実って遂に、完成したんだよー?どう?これ、カスミンが自動で作れる万能浴衣!!
…まぁ本物のカスミンよりかは少し効能が落ちちゃうんだけどね?どうぞ着てみてよ!多分成功してるから…あ、代わりに今着ている浴衣は私が貰っとくねー?』
そんな事を言われたんだけど…あの時は苦笑いする事しか出来なかったなぁ…」
「…その浴衣、そんな効果があったのね…成程。こあが言っていた貴方から発せられる癒される空気の正体は、貴方の癒しの能力が霧散され、空気中で周りへと流れていたから…そういう事なのね?
…というより、その言葉で紬って人がどんな妖怪なのかが理解できたわ…」
紬という妖怪は酷く、霞にご執心らしい…それにそのカスミンとやらを発生させる浴衣なんて、世界一無駄な研究じゃないの…?
そんな事を思う反面、やはり魔法の研究をしている身としては今の発言には大いに興味があった。未知の物質を創り出し、さらにそれを使った道具まで作ってしまうなんて…パチュリーはその事に、とても心を惹かれていた。
「カスミン…それって私も摂取出来るのかしら?」
そうパチュリーが問いかけた時、霞は若干驚いた目をしていた。まさか、自分が直接カスミンとやらを摂取したいと言い出すとは思ってなかったのだろう…
「まぁ…流そうと思えば流せるけど……パチュリー?これ、本当に受けてみたいのかい?オススメはしないって言っただろう…?」
「ええ…けれど私も一端の魔女として、実に興味があるの。…お願い出来ないかしら…?」
「…そこまで言うなら…まぁ、仕方ないね。じゃあ今から流していくから…私の前へ座って、胸を私の腕へと密着させてくれないかい?」
「えぇ分かってー……胸?」
パチュリーの動きが固まった。じわじわと顔が赤く染まって行く中、霞は口を開くと
「『カスミンはねー?霞ちゃんの腕からこう、直接胸の中へと吸収される仕組みになっているんだよー?これなら私は霞ちゃんに触れられて幸せ。そして胸を触られることで更に幸せ倍増だね!
ということでさぁ!ドンと来ても大丈夫だよー?』
…流石に恥ずかしいだろう?私自身、これは進んでやる事じゃ無いと思ってるぐらいだしね……やっぱり止めておくかい?」
そんな霞を見て、パチュリーは深呼吸をする……そして色々と決意した目をしながら霞の前へと起き上がった。
そんな事をすれば全身を見られてしまうが……パチュリーは生まれた時から生粋の魔法使いだ。その為に今まで読書と研究に興味と熱を注ぎ込んで、お洒落や美容など。色々な物を棄ててきたのだ……だから、今更だ。恥くらい、潔く棄ててしまおう。
「私は大丈夫だから…どうぞ触って、カスミン…流して頂戴?別に、胸に触られるだけならレミィに
『どうしてパチェは私より大きいのよ!ずるいっ!咲夜も美鈴も私より大きいし…どうしてなのよーッ!!』
なんて言って揉まれたことだってあるし……それに、これは実験。
そう、実験だから何も問題なんて無いでしょう?」
顔を赤く染めながらもそう言ったパチュリーを見て、遂に霞の方が折れたのだった。
「…分かったよ。それじゃあ触るけど……紬や天魔曰く、取り込みすぎると身体が大変なことになるらしいから………気をつけるんだよ?」
「…?それって一体…ッひゃ!?」
霞の手がパチュリーの胸の間へと触れられる…レミリアとは全く違う大きい手の感触を感じたその瞬間、パチュリーの胸の中へと暖かい何かが流れ込んできた。それは胸から全身へと流れ込んで…身体に甘い快感と心地よさを与えていった。
「…!?ちょ…ッ…待っ!…こ、こんなの…知らない…ッ…ひゃ、あ、ああっ!も、もう…そ、それ以上は、だ、ダメッ……ひゃああッ!?」
口から、自分が今までに出したことも無いような声が漏れる…顔を真っ赤に染めながら身体をよじるパチュリーを見た霞は、何かを察して胸から手を離した。するとパチュリーはそのまま崩れ落ち、湯船へと仰向けに倒れ込んでしまう…
「…パチュリー、大丈夫かい?」
「え、えぇ…………大丈夫…よ……」
息も絶え絶えにそう言ったパチュリーから、霞は目を逸らした。そして温泉から上がってパチュリーを持ち上げるとベッドへと寝かせた。
(こ、これって本に書いてたお姫様抱っこってやつかしら…?)
若干鼓動を早くしながらもそんな事を考えていたパチュリーに対して、霞は…
「うーん…どうやら少し、休憩した方が良さそうだね?ああ、この温泉は残しておくから…後々、使い続けた感想を貰えるとありがたいよ」
「そ、そうして頂戴……ちょ、ちょっと。今の私は見ないで…」
「ああ、分かってるから…タオルは準備してるみたいだし、羽衣は必要無さそうだね。それじゃあ…また次の機会は、普通に入ってくれるとありがたいかな…?」
「ええ…そうさせてもらうわ…また会いましょう…?」
そう言って霞は手を振りながらパチュリーの部屋を出ていった。パチュリーは力の入らない身体に鞭を打って起き上がると素早く身体を拭く……そしてベッドへと倒れ込んだ。
暫く横になっていても身体の火照りは中々収まらなかった。そんな中ふと、最後の瞬間。霞が自分の身体から目を離したことを思い出した。
「そう言えばあの時…私、腰が抜けそうになってそのまま後ろへ倒れ込んじゃったけど……もう、色々と見られちゃったわね……」
最早弁明など出来ないほどに、ガッツリと自分の身体は隅から隅まで見られてしまったに違いないだろう……パチュリーは先程までの考えを改めると
「やっぱり…乙女として、恥は重要だったわね……けど、恥ずかしいハズなのに、そんなに不快感は無かったのよね……ダメね、これ。重症だわ…」
自分の浅はかな行動を後悔しつつも、胸の奥からパチュリーの心を温め続ける存在に気づいてしまった。それは喘息持ちで体力の無いパチュリーの身体を癒し続けているのか、永続的に胸を温め続ける…そしてその心地よさから段々と眠くなってきたパチュリー…
「取り敢えず…取り込みすぎると大変なことになるのは実感出来たし……これからは、気をつけ…ないと…………すぅ……」
そのまま眠ってしまったパチュリー。紅茶を部屋に持ってきた小悪魔がパチュリーの部屋に入った際、裸で寝ている所を見られてその後盛大にいじられてしまうのだが……そんな事は今、気にしていられなかった。
★
霞は大図書館へと戻って小悪魔に幻想郷の土地の本の場所を聞いていた。すると本と共に、幻想郷で起きたことを纏めている新聞をオススメされていた。
「これ、結構わかりやすく書いてあってですねー…幻想郷中のいろんな出来事を書いてますから、面白いですよ?」
「へぇ…それは良さそうだね。ちょっと見せて貰えるかい?」
「はい、これです!どうぞどうぞ!」」
霞がその新聞を受け取った瞬間。突然大きな音を立てて大図書館の窓を誰かがぶち破ってきた。慌ててそちらを振り向くと、それは箒に跨る1人の魔法使いの少女だった。
「おーいパチュリーいるかー?せっかく全部持ってきてやったんだからさっさと出てこーー…お、霞じゃないか!」
「ああ、昨日ぶりだね…魔理沙。けど窓を割って入って来るのはいけないことなんじゃないか?」
「そんな事言うなって!なにせ量が多いもんだから持ってくるの大変だったんだぜ?」
魔理沙の箒には大量の本が積まれていた。それはよくこんなにも盗んでいったものだと逆に霞は感心してしまう程だった。
「ほら小悪魔?折角本が返してもらえたんだ……ポカンとしてないで、さっさと元の場所に戻してこないとね?」
「ええっ!?それって私の仕事多すぎませんか!?ひーん…けど、今日の私は昨日の温泉のおかげで身体が軽いですからね!やってやろうじゃありませんかッ!」
やる気になった小悪魔を見ていた魔理沙が驚いた様子で小悪魔へと問いかけた。
「え?お前…霞と一緒に風呂はいったのかよ?」
「え?えぇ…パチュリー様と一緒に入りましたけど…?それがどうしたんですか?」
「お、お前昨日散々私のこといかがわしいとか言ってたくせに自分はもっといかがわしい事してんじゃねーかッ!?ハッ!こいつはとんだ助平が身近に居たもんだなぁ!?」
「ち、違いますよッ!他の男の人となんて一緒に風呂になんて入るわけないでしょうッ!?か、霞さんだから特別なんです!例外なんです!霞さんだから良いんですよッ!!!」
顔を真っ赤にしてそう言った小悪魔を見た魔理沙は心底驚いていた。
実は昨日、気晴らしに博麗神社へ行った際に霊夢に聞いてみたのだが……既に、霞と風呂に入っていた。
(ど、どうなってんだ!?これは流石におかしいだろ!?)
混乱していた魔理沙へ霞はゆったりとした声で
「小悪魔?その言葉はありがたいんだけど…図書館では静かにね?一旦、冷静になった方がいいんじゃないか?…それに、魔理沙も小悪魔の仕事を手伝っていくといい……何、反省の証って事にすればいいさ」
「そ、そうですね…冷静に…冷静に…そ、それじゃあ魔理沙さん?今から本を戻しますので…ついて来てくださいね?」
「わ、わかったんだぜ…おい霞!後で詳しく聞かせてもらうからな!?」
「分かってるから…頑張っておいで?」
そう言って2人は本の片付けへと向かった。
それを見届けた霞は手に取っていた新聞に目を通す…その新聞は小悪魔の言っていた通りで中々の完成度のようで、ネタは新しく、内容も面白い……まぁ、ちょっとゴシップ記事が多い気もするけれど
「天狗が新聞を作っていたのは聞いたことがあったけれど…中々レベルが高いんだねぇ…これは誰が書いたんだろうか…?」
霞が新聞の名前を確認してみると、そこには「文々。新聞」と書かれていた。著者名は…『清く正しい射命丸』
…懐かしい名前だ。
そんな事を思いながら、霞は小悪魔と魔理沙が全ての本を戻し終えてヘロヘロになって戻ってくるまでの間。ゆっくりと読書に勤しんだのだった。
これから頑張って書いていこうと思う反面
気温差と睡眠不足で体調崩してしまいました…
更新遅れるかもしれないッス