東方湯煙録   作:鯖人間

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手直し自体は早めに終わってましたけど
ヒロアカ観てたらそっちの小説読みたくなって…
別ジャンルも書いてみたいけど
戦闘描写とかオリキャラ設定とか難しスギィ!!


あ、書くとしても湯煙録優先ですね。


天狗と作業と健全なグループ

「凄かったねーお姉様!!天狗の足ってあんなとこにまで曲がるんだねー?」

「そうね…あれはもう、芸術品みたいなオブジェと言っても過言じゃ無かったし…

にしてもキレた鬼子母神はえげつないわね…」

 

「…これは記事に出来ないわね。発禁ものだわ」

 

数十分続いた『お仕置き』を終えて、紬は一足先に現場へと帰っていった。

しかし上機嫌なレミリアとフランは直ぐに皆の場所へ戻らずに…少し、余韻に浸ってから戻ってきたのだった。そして逆に少し顔を青くしいるはたて。

3人とも愚かな大天狗の最期を見届け、建設中の宿の周辺まで戻ってくると…

 

 

 

 

 

 

『お前らァッ!!作業遅れは許さんからなッ!!!ここに居る全員、粉微塵になるまで働き続けろッ!この作業が終わった時ッ…我々は求めていた地位を手に入れる事が出来るんだッ!!全員気合い入れてけェッ!!!』

 

 

『『『 イエッサー!隊長ッ!!!』』』

 

 

 

 

 

 

大広間で、精力的に天狗たちが働いているのが目に入ってきた。それも来た時とは比べ物にならない程にテキパキと働き、時に笑顔まで零していた。

 

 

 

…なんだろう、このブラック寄りなホワイト企業の雰囲気は?さっきフランさんの握ったおにぎりは食べたから、心身の疲れが癒された皆の気持ちは分かるけど…

 

 

 

 

これ、皆変わりすぎてない?

 

 

 

「ちょ…これ、一体どうなって…?さっきまで皆もっと死にかけてた筈じゃ…?」

「咲夜ー!美鈴ー!どこにいるのよーッ!?」

 

 

あまりの変貌振りに驚きに眼を剥いてしまったはたて。そして従者の2人を探すレミリア…

 

 

「あ、お姉様!天狗さん!あそこ見てよ!何だか凄いことになってるよー!?」

 

 

そんな中、突然フランが驚きながらも指さした。

 

 

 

「ど、どうしたの?って、は…?」

「フラン?その方向に何が………え?」

 

 

その方向にレミリアとはたてが振り向くと…

 

 

 

 

『よぉし!この作業はこれでお終いだッ!!よくやった!!これにより、我々は鬼子母神様の許可を取った完全なる組織である…

『吸血鬼姉妹を眺め隊』を結成するッ!!入隊希望の同士となる者は…今から屋根瓦の設置だッ!!直ぐに集まれッ!!!』

 

 

『『『 おおおおおおおッ!!!!! 』』』

 

 

着ていた服を、余っていたペンキで紅色に染めた大勢の天狗達が…一斉に残っていた屋根作りの作業場へと移動していった。

 

 

 

すると、反対側にいた大勢の天狗達も同じように動き始める…

 

 

 

 

『私たちの作業も終わったわね?ならば、ここに居る全員聞きなさいッ!!!

これより『メイド長を讃え隊』を結成するわッ!!同士となるものは…各自。山道の整備に取り掛かるわよッ!!全員、完璧にやり遂げなさいッ!!!』

 

 

『『『 了解しましたぁぁぁッ!!!! 』』』

 

 

若干、女子の天狗が多めなグループは…整った動きで各自の作業場へと飛んで行った。

 

 

 

…全員がメイド服を着て。

 

 

 

 

 

「「 …何コレ?」」

 

 

はたてとレミリアの心が重なった瞬間だった。受け止めきれない衝撃的過ぎる現実に…脳が処理することを拒んでいる。

 

 

その中で、はたての目には…知り合いの姿が飛び込んできた。はたては急いでその天狗へと話しかけるために追いかけた。

 

 

「ちょ、ちょっと!貴方ってば一体どうしたのよ!?一体何をー…」

 

 

はたての数少ない知り合いの天狗が『メイド長を讃え隊』の隊長をしていた為、状況把握をしようと呼び止めた。するとその天狗は振り返ると…はたてへニッコリと、良い笑顔を向けながら笑いかけてきた。

 

 

 

「…え?」

 

普段と違った反応に、はたての動きが固まる。

 

 

「あ、はたてじゃない!どうしたの?そんなに必死な顔して…あ!分かったわ!!貴方も『メイド長を讃え隊』に入隊したいのよね?うんうん勿論良いに決まってるわよ!私が許可するわ…やはり、貴方もジャーナリストの端くれだもの。あの咲夜様の素晴らしさに気づく慧眼を持っていたようね…

あ、でも守ってもらわないといけないルールがあるのよ。これを守らないとこの組織自体が鬼子母神様によって潰されちゃうからね?最低限のルールはあるの。それさえ守ってくれたらこの隊に居る以上、どう咲夜様を讃えても構わないからね?それじゃあまずは会員として必須のメイド服に着替えて貰うからサイズを測りに行きましょう?大丈夫よ?急ごしらえの更衣室だけど、覗きなんて起こらないように鬼子母神の近くに設置しているらしいから!!

それじゃあ行くわよ直ぐに着替えてはたても今から同士の一部になるのよあははははは!」

 

 

「え、ちょ、ち、違ッ!?は、離してえええええええええッ!?!?!?」

 

 

そのままはたては熱心な天狗によって、いつの間に作ったのか分からない更衣室とやらに連れていかれてしまった。

 

 

一連の流れを見ていたレミリアの頬に、嫌な汗が流れ始める。

 

 

( こ、これ…ここに居ても大丈夫なのかしら…?)

 

 

そんな中、フランは目の前で起こった不思議な光景を見て目を輝かせていた。

…この子の純粋な気持ちが痛い。

 

 

 

「 わー…あっちの天狗さんは服が真っ赤だねー…?それに今の天狗さんは皆メイド服だったけど、何処から持ってきたんだろう?

ねぇねぇお姉様?どうして男の天狗もメイド服を着てたの?執事服は着ないの?」

 

「フラン。そんな事は気にしなくていいわ…早く咲夜を探しましょう?ええ。そうするべきだわ。というか私、この空間にもう居たくないから帰ってもいいかしら?」

 

 

レミリアはフランの質問を一刀両断した。メイド服を着ている大量の男天狗というだけで既に頭が痛くなっているのに…その理由なんて、考えたくもない。

 

 

もう、早く帰って寝たいわね…なんて考えていると

 

 

「お嬢様。お耳に入れたい情報がありまして…」

「ッピィ!?」

 

突然背後に現れた咲夜によって、思わず変な声が出てしまったレミリア。

フランがそれを見てケラケラと笑っている…

 

 

「な、なんでいきなり背後に立つのよッ!?びっくりして腰が抜けちゃったじゃない!」

「それは失礼しました……どうも鬼子母神様の真似をしてみたくなってしまいまして…」

「それだけはやめなさいッ!?」

 

 

十六夜咲夜はこう見えても近しい存在には、少し抜けた一面を見せることがある。そこがまた可愛いのだが…レミリアにとって、自分の大事な従者が紬によって毒されていくと思うと…それに対しては絶対に認められなかった。

 

 

「まぁ、今その事はは置いておきますが…『置いちゃうの!?』はい。実は先程、鬼子母神様が天狗たちにある宣言をされたんです…」

 

「宣言…?」

 

 

何だろう。嫌な予感しかしない…

レミリアは、来るべき紬の言葉に備えて。静かに呼吸を整え始めた。

 

 

「はい。当時の状況を説明していきますと…」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『だからレミリア様が最強なんだよ認めろって!』

『いーやここはフラン様だね!!俺はあの時一瞬見えた金髪と紅い目の姿が…もう、頭と網膜に焼き付いてやまねぇんだよッ!!』

『それは俺のセリフだよッ!?お前も見ただろあの美少女!紅魔館の主としての厳かな気風がビシビシ感じられただろ!?』

 

 

『咲夜ちゃん…このおにぎりは、咲夜ちゃんがぼ、僕のために…フヒッ…フヒヒヒッ…』

『何言ってんだよそんな訳ねぇだろッ!これは俺の為に作ってくれたに決まってんだろ!?テメェみたいなやつに作るおにぎりなんかあるわけねぇだろ!』

『…なッ!?そ、それこそ有り得ないぞッ!!!…お、お前みたいな奴に…僕の咲夜ちゃんがおにぎりを作るもんか!!』

『ああ?…テメェ、やんのかコラッ!!』

『フヒィッ!?』

 

 

『…なぁ、本当にこれ…手で握ったのかな?』

『 …?何言ってんだよ…当然だろ?手の平以外なんて…それならどこで握るんだよ?』

『そうだぞ?お前、いったい何を言ってー…』

 

 

『…脇とか、谷間で握った可能性が微レ存…?』

 

 

『…ッな!?』

『お、お前…天才かよ!?』

 

 

 

 

 

おにぎりの配給を終えた咲夜と美鈴は…今現在。目の前で起こっている光景が信じられなかった。

 

…いや、信じたく無かったと言うべきなんだろう。

 

 

 

『咲夜さん……天狗って、こんなのでしたっけ?』

『…いいえ、これは私の知ってる天狗じゃないわ。…こんなの、ただの変態が屯してるだけじゃない…』

 

 

 

目の前にいる天狗は皆、変態ばかり。咲夜が教育に宜しくないと考え、割と真剣に今すぐここからレミリア達を連れて立ち去ろうかと考えていた時。

 

 

 

『 …これは、一体…何事かなー?』

 

 

 

その声を聞いた瞬間。広場で騒いでいた天狗たちが一斉に静まりかえってしまった。

その『天狗さんは一々面倒事を起こさないと死んじゃう病にでもかかってるのかなー?』

といった感情を乗せた声を出したのは…勿論、鬼子母神である紬だった。

 

 

 

『『『き、鬼子母神様ッ!?』』』

 

 

突然現れた紬は天狗たちの目の前に立つと…騒いでいた天狗全員に向けて、その重圧的な妖力を振り撒き始めた。

 

 

『うーん…勘違いしないように一つだけ言っておくけどー…紅魔館の人達を褒めたり愛でたり崇めたりするのは構わないよ?

…けど『咲夜ちゃんは自分のモノ』とか言ったり『レミリアちゃんは俺の嫁』とか言ってる天狗は…

 

…あんまり調子に乗らないでね?』

 

 

『『 ヒイッ!?』』

 

 

その言葉によって、大多数の天狗が怯えたことが咲夜と美鈴には分かった。

有無を言わさず周りの存在を屈服させる紬の姿は…第三者視点で見ていると何だか凄く、妖怪の長の様にも見えていた。

地底の荒くれ者達を束ねる実力は、凄まじいと言っても過言では無いのだろう…

 

 

そして殆どの天狗が怯える中。…紬は、今度は明るい声で笑いながら天狗に宣言する。

 

 

『 それじゃあそれぞれでリーダー決めるなら、内容が好意的なグループは作ってもいいよ?

そのグループを作ったら、思う存分好きな存在とか憧れの存在について語り合ってくれていいからさー…』

 

 

その言葉を聞いて、多くの天狗が顔を上げた。それと同時に仲間を募ろうと周りをキョロキョロと見渡し始める…が。

 

 

しかし、それを紬は窘めた。

 

 

『 …けど、今はダメだよ?だって働き者の天狗は今も働いて居るのに…仕事サボって喧嘩してる天狗がそんな物に参加出来るはずが無いんだからねー…

やることやった天狗だけ、作っていいよ?』

 

 

騒いでいた天狗はこの時に気がついた様だが、既にやる気を再燃させて宿作りに戻った天狗も多くいる。そんな天狗を無視して自分達だけでグループを作るのは…許されないだろう。

 

 

 

『鬼子母神様っ!質問宜しいでしょうか!』

『自分も!1つ質問が!』

 

 

『ん?いいよー?』

 

 

そんな中、2人の天狗が紬へ質問する為に手を挙げた。その目には多少の恐怖と…

燃え上がる様な欲望が迸っていた。

 

 

『 それでは今直ぐにこの庭を作る作業を終わらせれば…『吸血鬼姉妹を眺めた隊』を結成しても宜しいのですかッ!?』

 

『構わないよー?けど作るのなら持ち場の『野郎共ッ!!今すぐ持ち場に戻れェッ!!』作業…って、行っちゃったねー…』

 

 

了承を得た天狗はすぐ様持ち場へと戻っていった。そしてその後を大量の天狗が追いかけてゆく…

 

 

『気を取り直して次の方ー?』

 

『は、はい!そのグループに必要な物は…各自負担になるのでしょうか!?例えば、メイド服とかッ!?』

 

『あ、メイド服なら私…沢山持ってるよ?必要だったら支給するけ『皆ッ!!今すぐ鬼子母神様の為に宿を完成させなさいッ!!私達のするべき事を終わらせるわよッ!!』…うーん。こちらも早いねー…』

 

 

その女天狗も聞きたいことだけ聞いていくと持ち場めがけて飛び去っていった。また、それを追いかけて多数の女子天狗が飛び去ってゆく…

 

 

それを見ていた紬は残っていた天狗に1つ、言葉を言い残していった。

 

 

『もうなんかグループ出来そうだから先に言っておくけど…もしも自分の私利私欲の為に、紅魔館やその他の存在に迷惑をかける天狗が居たら…

 

 

この宿作りを邪魔しようとした3人の天狗のようになるから。ルールと節度を守った、健全なグループを作ってねー?』

 

 

 

そして紬は何事もなかったかのようにその場から去っていったが…3名の天狗を知っている天狗は、全てを察して震えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「…とまぁ、このような事があったんです。あの後もう一度私に話しかけてくれたのですが…もう今日は帰っても大丈夫だそうですよ?明日の宴会の時間に紅魔館まで迎えに来てくれるらしいので…」

 

「それはまぁ、ありがたいわね……なんていうか、それで作業効率上がる天狗って一体なんなのよ…」

 

 

 

レミリアは自分を愛でるグループが出来上がっていることに複雑な感情を抱きながらも咲夜の話を聞いていた。どうやら自分たちの役割は果たせたようだし…そろそろ帰っても良さそうね。

 

 

 

しかしそんな中、フランだけは眼を輝かせていた。

 

「どうしたのよフラン?そんな嬉しそうな顔して…何かいい事でもあったの?」

 

「うん!何だか皆、とっても楽しそうなことしてるんだねー…ねぇねぇお姉様?私、『霞大好きー!』ってグループが作りたいなぁー!そしたら咲夜と美鈴も入らない?」

 

 

「「「 ブフッ!?」」」

 

 

無邪気なフランの何気ない言葉によって…3人全員が顔を赤くしてしまう。

レミリアと咲夜は夜中の事を思い出して真っ赤に…そして美鈴は突然言われた事に対して少し、照れてしまった。

 

 

「ふ、フランッ!?貴方ってばいきなり何を…ッ…どうして私がそんなグループに入らないといけないのよ!?」

 

「え?だってお姉様って霞の事好きでしょう?」

「なあッ!?」

 

「だってお姉様、昨日私が夜中に目を覚ました時。霞にべったりと抱きついたままとっても可愛い笑顔をしてたし…私、実は見ちゃってたんだよねー?お姉様ったらかーわいー!!」

 

「ふ、フラアアアアアアアンッ!?!?」

 

 

 

「そ、そうなんですか?お嬢様…?」

「わぁー…そんな事が!?素敵ですねぇ!」

 

フランによる暴露によって、咲夜や美鈴のレミリアに向ける視線が変わっていた。

 

 

「そ、そんなの違うわよ!?あれは、その…羽織る布団が無かったから!寒かったから引っ付いただけで…」

 

「布団はお姉様が蹴っ飛ばしたんだよ?意外とお姉様って寝相が悪いんだねー?」

 

 

 

「いやァァァァァァァァッ!!!」

 

 

 

止まらないフランによるレミリアの恥ずかしい暴露によって、レミリアは遂に半泣きになりながら…紅魔館目掛けて飛んでいってしまった。

 

 

「あれ?お姉様、帰っちゃった…」

 

「ふ、フランお嬢様…その話はその辺でお止めに」

「咲夜も霞の手を誰にも渡さないッ!!っていわんばかりに抱きしめてたよね?それに朝の食事も霞だけなんだかパンの量とか多かったし」

 

「そ、それは…ッ!?霞さんは男性故に、多く食べるかと思っただけで…」

 

 

咲夜もまた、恥ずかしさによって顔を真っ赤にしたまま弁明をするものの…フランの暴露は止まらなかった。

 

 

「紬ちゃんがあーんしてた時、実は咲夜も霞にあーんってしたかったんだよね?」

 

 

「ち、違うんですぅぅぅぅぅッ!!!!!」

 

 

咲夜もレミリアと同じように叫びながら…紅魔館目掛けて走り去ってしまった。

 

…咲夜としては、恩人に対して。お世話になった感謝の気持ちとして従者たるもの食べさせるお手伝いをするべきか悩んでいただけなのだ。

 

…その筈だったと、思う。

 

 

 

「咲夜もいっちゃったー…何でだろ?」

 

2人の心に甚大なダメージを与えた事に全く気づかないフラン。最後まで残った美鈴は2人に代わってフランに声をかけた。

 

 

「2人とも先に帰っちゃいましたし…それじゃあ私達も帰りましょうか?紅魔館で皆さん待ってますし…」

 

 

 

微笑みを浮かべながら手を差しだした美鈴を見て、フランはその手をぎゅっと握って駆け出した。

 

 

「…うん!じゃあ美鈴も今日は一緒に寝ようよ?今日は霞の代わりに美鈴が真ん中だよー?」

 

「えっ?わ、私もですか…ってフランお嬢様、足速っ!?ちょ、ま、待ってくださいぃぃぃい!?」

 

 

 

 

 

 

 

妖怪の山から紅魔館へ帰宅する最後の瞬間まで、フランは笑顔を浮かべていたのだった。

 

 




台風の被害が凄いですね…
自分のとこも大雨降ってましたけど
皆さんも気をつけて…(。>人<)
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