東方湯煙録   作:鯖人間

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鬼とお酒と思い出話

霊夢と魔理沙の弾幕ごっこが 佳境に入って来た頃。

神社の屋根の上から1人の少女が境内へと着地し、手に持った瓢箪に入った酒を呑みながら、霞のいる温泉の方へ歩いて来る。

 

 

「…っぷはぁ!お〜い霊夢?さっきからドンパチドンパチ、一体何をやって…ってあれ?霞じゃないか!久しぶりだねぇ!」

 

頭の上に天に向かって反り立つ二本の角を持った小さな少女は、霞を見つけた瞬間。酔いのせいで赤く染まった顔を一気に笑顔に変え、そしてかなり酒を呑んでいるのかフラフラとし千鳥足ながらも小走りで、霞目掛けて近寄って来た。

 

 

その少女こと、伊吹萃香。昔、人々から恐れられていたかの『酒呑童子』であり、この強者多き幻想郷の中でも最高峰の実力を持っている鬼の少女である。「密と疎を操る程度の能力」を持っており、かつて妖怪の山で恐れられていた「山の四天王」の内の1人でもあった。伊吹瓢と言う酒が無限に湧き出す瓢箪を肌身離さず持っている所が特徴と言われており、酔っていながらも堂々とした姿をしている。

 

「ここで会うとは奇遇だねぇ!会えて嬉しいよ?」

 

そんな風に、昔と全く変わらない萃香を見て、霞は懐かしげな表情を浮かべつつも萃香を温泉の方へと招き寄せる。

 

「あぁ…久しぶりだね萃香。私の方こそ、会えて嬉しいよ。けどお前、まだ昼間なのに呑んでるのかい?お前の酒好きは相変わらずだねぇ…?」

 

「当たり前じゃないか!私と言ったら酒。酒と言ったら私の事だよ!それに霞だって年がら年中温泉に入ってるじゃないか?

…というかずるいよ霞!1人でそんな風に温泉入ってるなんて…えぇい!その湯、私にも入らせろーッ!」

 

 

そう言うと萃香は着ていた服をパサリと一瞬にして脱ぎ去ると…温泉の中で座っている、霞の隣目掛けてそのまま飛び込んできた。

 

 

…当然隣にいる霞はその飛沫をもろに顔に被ってしまう事になってしまう。

 

…これはデジャヴ、というヤツなのだろうか?

 

 

「萃香…お前も紫と同じ事をするんだな…?この温泉は逃げたりしないんだから、もう少し静かに入れないのかい?」

 

ポタポタと頭から雫を滴らせる霞が責めるような目で萃香を見つめるが…萃香は全く詫びれた様子を見せずにからからと笑った。

 

「あっははは!やっぱり紫も飛び込んだのかい?そりゃそうなるだろうさ!だって久しぶりに会えたもんだから…早く触れ合いたくって嬉しくなっちゃって、ついつい飛び込んじゃうってのが友人ってもんだろう?」

 

萃香はそう言って、心底愉快そうに笑う。

嘘を嫌う萃香の偽りのない言葉は、決して揺るがない『私たちの仲だろう?』といった自信に満ち溢れていた。

 

「いやー…私も目の前に霞と霞の温泉があるんもんだから、つい舞い上がってしまったよ…霞ってばにくいねェ?

にしても霞、見た目があんまり変わってないじゃないか。あれから結構時間経ってるのに…私より年上の奴なんて、ここじゃ早々いないもんだよ?」

 

「そうかい?まぁ見た目のことならお前のその姿も、私は大概だと思うけどね…」

 

「なーにィ〜?それよか霞だって隣に女の裸があるってのに、相変わらずの無反応だもんねぇ…その調子じゃあまだまだ紫も苦労してるんだろう?

…まぁ、そこが霞の良いとこでもあるんだけどねぇ…なんというか、視線ってのは他の男にあっても鬱陶しいだけなんだけど、無いならないで残念なものがあるよねェ…」

 

萃香はぺたりと霞へともたれかかり、身体を寄せながらそう言った。霞の肌に触れる萃香の肌の感触は柔らかいが…若干、角が頬に刺さって痛い。

 

 

「…こら萃香、男にそう易々とひっつくもんじゃないよ。…私はもう、長く生きて来たから…そこら辺の事情に疎いだけだよ。

…それに萃香達と別れた後も色々な人と一緒に湯に入ったんだけどね、つい先程、人を怒らせてしまったばかりでなんだ。やっぱり女心は難しいね…?」

 

それを聞いた萃香は興味深そうな目をして霞の方へと向き直った。そのせいか、色々と見えてしまっているけれど…萃香はそんな事等全く気にすることはなく、霞の話に食い付いていた。

…何故に、隠そうとしないんだろうか?

 

「へぇ?あの誰とでも仲良くなれる霞がかい?珍しいねェ…一体誰を怒らせ……あ、分かった。大方やらかしたのは霊夢だね?さっき大声がここから聞こえたからさ…あの霊夢をあんだけ怒らせるなんて、一体何をしたってのさ?」

 

 

正確に言うとその大声は多分、賽銭を受け取った時の大声だと思うのだけれど…まぁ、そんなのはどうでもいいことだろう。

 

 

「私は今日、この幻想郷に来たばかりで知らないことが多くてね…霊夢には弾幕ごっこというものを教えてもらったんだよ。それで、良いことを教えてくれたお礼として、いつものように温泉に入らないか?といった風に誘ってみたんだが…

…初対面でかつ、年頃の人間は一緒に風呂に入る事が恥ずかしいってことをすっかり忘れてしまっていてね?まぁ、散々な言われようだったよ」

 

「ふーん…なるほどねェ…それで、あの二人はなんであんなに怒り狂った表情で弾幕ごっこなんてやってるんだい?」

 

萃香は上空に視線を向けて観察してみたところ2人とも普段よりも弾幕にキレがあった。

…というか多分、キレていた。

 

「まぁ、ちょっとした出来心でね…?負けた方が私と温泉に入る。そう持ちかけてみたんだけど、意外なことに魔理沙が乗ってくれたんだよ。それで魔理沙が霊夢を挑発して霊夢も魔理沙を煽って…で、今に至るわけだよ」

 

 

「はぁー…霞の温泉はこんなに気持ちいいのに。勿体無いことするねェあの二人は…

だって温泉に入れて霞とも話せるんだよ?これこそ一石二鳥じゃないか!たかが裸なんて安いもんだよ。

…まぁ私だって、そこら辺にいる男になんざ裸見せるなんてのは真っ平御免だけどね?けど霞だったら別にいいかって思えるのは…ま霞が今までに積んできた、人徳の賜物だと私は思ってるよ。

…それと色欲的な部分が枯れてるのもあると思うし…まぁそれは仕方ない事だと思ってるけどね?霞がこうなった原因に、私だって噛んでる事になるし…

…あ。そうだ霞!せっかくだから思い出話に花を咲かせつつ、呑まないかい?酒ならここにあるからさ!」

 

そういうと萃香はさっきまで自分が呑んでいた瓢箪を霞の前へと差し出すと、ニヤリと口元を歪ませる…

霞自身、酒なんて呑むのは数百年ぶりだった。

 

「ふむ、確かにそれも良さそうだね…有難く頂戴するとするよ。けど萃香?…これ、回し飲みになるけどいいのかい?お前、瓢箪は昔から離さなかったろう?」

 

「…ふふん。そんなの大丈夫に決まってるじゃないか!私たちの仲だろう?そんな年頃の女子みたいな事言ってないで気にせず飲め飲めーッ!

今日は私達が再会した記念日でもあり、霞が幻想郷に来た記念日でもあるんだからね!いわゆる無礼講ってやつだよ!」

 

萃香はそう言って、霞が呑んだ伊吹瓢を受け取ると…そのまま一気に酒を煽っては飲み干して行く。

無限に湧き続けるため、飲み干すことはないけれど…やはり、無限に酒が湧くとか最高すぎる。

そう、萃香は心から思っていた。

 

 

「あぁ〜やっぱり霞の温泉に入りながら呑む酒は格別に美味いねぇ!五臓六腑に染みわたるよ!」

「それは光栄なんだが…やはり鬼が呑む酒は、少々私には辛口すぎるなぁ…萃香はよくこれを一気飲み出来るね?鬼ってのは皆、酒に強くて驚いてしまうよ…」

 

ドがつく程の酒好きである鬼たちが飲む酒はほとんどが超辛口であるため、人間や並大抵の妖怪の口には合わないことが多い。だからこそ、鬼たちはいい酒を作ることに対しての情熱は非常に高かった。

それ故に。それに付き合うには、自身も相当のザルでなければならない。

 

 

「んー?けどそんな事言ったって…私、霞が酔ったところなんて見たことないんだけど?どんなに飲んでも気づけばケロッとしてる癖によく言うじゃないか……それじゃあ、もし霞が酔ったらどうなっちまうんだろうね?」

「うーん…私自身、深酔いした事が無いから分からないけれど…まぁ、そういう体質なんだろうさ。私自身が常に二日酔いなんかにも効く温泉に毎日浸かってるからね…自然とそうなったのかも知れないな。

まぁ、酒は程々に楽しむのが私は好きなんだよ」

 

 

「そうかいそうかい、まぁとにかく飲みなって!私も霞が一体どうして幻想郷に来たのか気になるしね…詳しく話しておくれよ?……お、ありがたいねぇ…んぐ」

 

昔から変わらない笑顔を見せる萃香や他人には触らせる事の無い宝物を預けてくれることを嬉しく思った霞は、伊吹瓢を受け取って萃香の口へと酒を注いでいった。

どうしてこんな事をしたのか分からないけれど…

何だか、荒んでいた心が少し救われた気がした。

 

 

「… あれ?霞から始めるなんて、珍しいね?」

 

「…どうやら私も少し、酔っているのかもしれないね…普段ならこんな事を自分からはしないんだけど…あぁ、そういえば私がここに来たのは…」

 

 

懐かしい友人に出会えた事からか、霞は普段よりも酒を呑んだおかげで饒舌に萃香にここにきた経緯を話し始める。二人の会話はそのまま過去の思い出話にまで発展していくのだが…その間、萃香の頭をゆっくりと撫でていた霞は。普段よりも表情が緩んでいた。

 

 

鬼の少女に出会ったのは、一体いつ振りだろうか…?

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

それからしばらく経った頃。

 

「ちくしょう…あと少しで勝てたと思うんだがなぁ…悔しいったらないぜ」

 

「ふん。私に勝とうなんざ100年早いわよ。さぁ魔理沙?罰ゲームの準備はいいかしら?」

 

 

結局勝負は霊夢が勝ったようだ。負けた魔理沙は渋い顔をしつつも覚悟を決めたのか、服に手をかけながらも霞の方へ振り返る。

 

「はぁ…ここで逃げたら女が廃るってもんだぜ!おい霞!せっかくこの魔理沙ちゃんが一緒に入ってやるんだから感謝するんだ…」

 

腹を括った魔理沙が、霞の方を向いた瞬間…そのまま固まってしまった。

 

それを見た霊夢が何事かと思い、霞の方を見ると

 

 

…萃香と霞が仲良く一緒に温泉に入っていた。

 

 

 

 

 

 

「何やってんのよアンタ達はぁぁぁぁあ!?!?!」

 

 

霊夢の絶叫が博麗神社に轟いた。

 

 

「それでね霞…そこで勇儀がうおっ!?な、なんだい!?って、あ、霊夢じゃないか。急に大声なんか出してどうしたんだい?」

 

 

いつの間にか。霞の膝の間に座っていた萃香はキョトンとした顔を霊夢に向けて話しかけてきた。

 

さも、今の状況は至って普通の事だと言わんばかりの笑顔で…

 

 

「す、萃香…あんた、どうして霞と一緒に風呂入ってんのよ!?しかもそんな所に座るなんて…は、恥ずかしくないわけ!?」

 

 

目の前にいる萃香はもちろん裸である。もともと身体が小さい上、どう見ても子供のようなつるぺた体型をしているが……女は女。萃香は霞の膝の上に座ったまま、満足気に酒を飲み干していた。

 

 

「ん?ねぇ霊夢…今なんか失礼なこと考えなかった?」

 

萃香が何かを察し、訝しんだ目を霊夢に向けるも霊夢はそれをスルーした。

 

…何があったらそんな状況になんのよ!?というかこんな事されてるのにどうして霞は気にもしていないわけ!?

 

自分の膝の間にいる萃香と和やかに談笑している霞は特に気にしたようなこともなく

 

 

「ん?あぁ、私と萃香は古い友人でね…昔からよく私の温泉に入りに来てたんだよ 」

 

微笑みながらそう言った。

 

「そうだよ?むしろ霊夢は何で入らないのさ?こんなに気持ちいいのにねぇ…もったいないよ?」

「……え?」

 

何がおかしいんだと言わんばかりに霞に同調する萃香を見ていると…霊夢が今まで深く関わってきた紫や萃香が平気な顔をして男と風呂に入るような奴だと思ってしまい、霊夢の中の何かが音を立てて崩れていった。

 

 

「…ッハ!?なんか凄い光景を見た気がするんだぜ…ってどうなってるんだこれ!?おい霊夢!ちょっと説明して…霊夢?」

 

復活した魔理沙など目もくれずに霊夢は呟いた。

 

 

「私、疲れたからもう帰るわ…」

 

フラフラと歩きながら神社の中へ戻る霊夢。なんだか普通の様子じゃ無かったので魔理沙は声をかけることを躊躇ってしまった。

 

 

 

…どうやら魔理沙の理解できない世界がまだこの世界には広がっているらしい。

 

 

 

「…うーん…じゃあ私も帰るとすっかな…」

 

何だか自分が浸かれる雰囲気じゃないと察した魔理沙がそう言って箒に跨った時。後から霞に声を掛けられた。

 

 

「もうこんな時間か…気をつけて帰るんだよ。またどこかで会えるといいな…さようなら?」

 

「お、おう。そんじゃあ邪魔したな…さいならだぜー!」

 

魔理沙は空へと飛び上がり魔法の森を目指して進み始めると、少し気になって霞たちの方を振り返って見ると

 

 

霞はまだ、手を振りながら微笑んでいた。…が、次の瞬間、構って欲しい萃香に無理やり瓢箪を口に突っ込まれながら酒を呑まされていた。

 

 

「なんか不思議なやつだったな…」

 

実際色々考えていたのが馬鹿らしくなるほどの変な男だった。しかしあんなに楽しそうに笑う萃香を魔理沙は今まで見たことがなかった。今でも正直驚いているし、それに最初は怪しい雰囲気を纏っていたけれど、最後に見た顔は純粋な微笑みだったのが妙に印象深い…。でも萃香もあんな顔をしていたんだから…悪いヤツじゃあ無さそうだった。

 

 

 

「今度は温泉、入ってもいいかもしれんなぁ……あ!香霖に話してみるか!」

 

そう、思ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういや霞はこの後はどこに行く予定なんだい?」

 

萃香にそう聞かれると霞は

 

「そうだねぇ…今日はもう少し付近を散策しようかと思ってたんだけど…こう暗くなってくると何処にも行きようがないね。少し早いけど紫の家に行こうかと思ってるところだよ?」

 

そう答えた。それを聞いた萃香が何かを考え込むとぱっと顔を上げて

 

「ふむ。紫の家か…ねぇ霞?それって私もついて行ってもいいかい?」

 

紫の古くからの友人である萃香は霞にそう問いかけた。

 

「ん?多分大丈夫だとは思うけど…?紫に渡された札の効果は私の周りにいるものも転移できるだろうし…」

 

「そいつはいいね!ならそろそろ上がろうじゃないか!まぁ、紫たちともう一度会うんだったらまた入り直す事になるんだろうけどね…?」

 

そう言って萃香は温泉から上がると少し風にあたって身体を冷ます。

夜風は少し冷たく、萃香の火照った身体を心地よく撫でていった

 

温泉から上がった霞が温泉に妖力を流し始めると、温泉が粒子状になって消えていく…

 

 

霞の身体は既に乾いていた。理由として、温泉妖怪である霞は常に薄い浴衣を着て温泉に入っているもののその服が濡れない特性を持っているからだった。

 

萃香はそれ便利だよなぁ…といつも思っている…

 

 

そして萃香も身体を乾かすために霞に向けて堂々と身体を晒す

 

霞は苦笑しつつも

 

「全く…拭くのは構わないんだが…毎回身体を見せつけるのはやめてくれないか…?信頼してくれているのは分かるから嬉しいんだけど、非常に絵面が悪くてね?…全く、いつからこうなってしまったんだか…」

 

「ふふん。霞が拭いてくれるのが気持ちいいのが悪いのさ!さぁ!何処からでも拭いてくれて構わないよ!」

 

そんな事を言う萃香に霞は羽衣を巻きつけていく。そのまま霞は放り出した自分の着替えを拾いに行ったようだが…腕に巻き付いた羽衣はそのまま萃香の身体全体を拭くように滑って行った。

…実はこの羽衣、サラサラとした感触とキメ細かい素材なため、とても肌触りが良い。

 

「んっ…やっぱりこれは良いねぇ…」

 

だから今、肌や胸に触れる羽衣によって…萃香が快感を感じているのも、当然のことなのだろう。

 

 

すべての水分をものの数分で吸い取った羽衣は自動的に霞の元へと戻ってゆく。

 

 

萃香の脱いだ服を持ってきた霞はほのかに顔を赤くした萃香を見て

 

 

「…ほら萃香。いつまでも裸でいると風邪を引くかもしれないから…

とりあえず服を着なさい。」

 

 

若干気まずそうにそう言った霞から服を受け取った萃香は…いそいそと、服を着始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ今から紫の家に行くけど…しっかり私に掴まってろよ?」

「任せときな!!掴まるのは得意だよ!お、やっぱり霞の胸板は堅いねぇ…」

 

 

そんな呟きが聞こえたような気がしたが霞はそれを無視して札に妖力を込め始める。

 

 

 

札から出た眩い光が霞と萃香を呑み込んだその瞬間

 

 

 

景色が急に変わったかと思ったら目の前に見えたのはとても大きな屋敷だった。

 

そして霞たちを迎えたのは

 

 

「ようこそ霞ーーーッ!!!私の家へ……って萃香!?どうしてここにいるのよ!?」

 

 

待ってましたと言わんばかりに飛び込んできた紫は霞へ抱きつこうと走り出したものの…

胸元に抱きついていた萃香とぶつかりそうになり、慌てて立ち止まってしまった。

 

 

「あ、紫じゃん。生憎ここは満席なんだけど?」

「ちょ、ちょっとずるいわよ萃香!!!…あーん…せっかく出会い頭に抱きつくために走ってきたのにぃ…こんな事ってぇぇぇ…」

 

 

 

どうやら紫の考えていた未来は何をすることもなく挫けてしまったらしい…

 

 

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