取り敢えず受験が終わったので
また書いていこうと思います。
心機一転して頑張るぞー\(^o^)/
『迷いの竹林』
…その名の通り、先程から霞たちの目に入っている光景は…単調な風景が延々と続いた竹林だった。
昼間でさえ薄暗く、見渡す限り一面が竹である為か、とても地形が覚えづらい。生い茂った竹の葉によって日光が遮られている事によって昼間にも関わらず、それなりの強さを持つ危険な妖怪達が屯する姿が目撃されているのがこの竹林の特徴だ。
幻想郷にて危険地域となっているこの迷いの竹林には普段から人など寄り付かず、専門の案内役を連れずに竹林に入る事なんてものはある種の自殺行為だったりする。人里に住む人間達は不気味で怪しい竹林と行って『滅多な事では』近づかない。
そして、そんな竹林の中を2人の妖怪が歩いていた。
ひとたび迷うと余程の運がない限りは出られないと言われる迷いの竹林。
しかし、そんな事など気にせずに。慣れた様子で歩き回る2人を包む空気は、この竹林の空気のように重かった。
「…なぁ、妹紅?今朝の射命丸が言ったことなんだけれど……私が悪かったよ。心からすまないと思っている。私自身、射命丸の流れに乗せられて色々とやり過ぎてしまったと思っているし……年頃の妹紅に対しても気が回らなかったと反省してるよ。
…そろそろ許して欲しいんだけど…駄目かな?」
「………プイ」
妹紅はそっぽを向いたまま、霞の事を無視し続けていた。やはり先刻行われた射命丸のちょっとした挑発に対して、まだ完全には怒りが冷めてはいないらしい。
未だに妹紅の頭の中では、霞にベタベタと触れ続ける射命丸の言葉が反響し、それが癪に触って仕方ないのだろう。
そして更に、これから昨日の発言通り。自ら霞を連れてイライラする現場に行かないといけないのだから…朝から妹紅の調子は狂いっぱなしである。
(…霞の馬鹿。何であんな事があったのに直ぐに出かけようなんて言うのさ。)
あの騒ぎの後、妹紅がフリーズしている間に霞は手馴れた動作で身支度を整えると…妹紅へ輝夜のいる永遠亭への案内を頼んでいた
大方、霞は自分が羞恥に悶える程に恥ずかしい…どさくさ紛れにやった行為など、全く気づいていなかったのだろう。
もう既にかれこれ1時間程、この鬱屈とした微妙に居心地の悪い状態が続いていた。自分に非がある事を認めている霞は妹紅がへそを曲げる事をやめて、また昨日のように仲良く話をしてみたいと思っているのだが……妹紅はずっと、霞を無視し続けていた。
…年頃の娘の機嫌はすぐに変わると言うけれど、こうなると霞はもう、お手上げにならざるを得なくなってしまう。乙女心にとても疎い霞は頭を困らせ始めていた。
今なお続く陰鬱とした状況を作ってしまった原因の半分は自分にあり、今、霞のいる迷いの竹林を越える為には妹紅の案内が必要不可欠。
だからこそ、霞と共にこの空気を作り出した原因のもう半分であり、今この場には居ない……射命丸の事を少しだけ恨んでしまうのも、霞としては仕方のないことだろう。
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数刻前のこと。
『霞ィっ!!!!今のどういう事だよこンの野郎ッ!!!!何で私を置いてこのゴシップ天狗と二人っきりで裸のお付き合いなんてやってんだよこらァ!?!?』
『…………』
『おいこらなんとか言えよぉおおおおおお!!!!』
『…こ……くる…し…』
『そんなちっさい声じゃあ聞こえんわこらあああああああああっ!!!!』
射命丸の言葉によるあまりにも大きな衝撃によって、妹紅の感情を司るメーターの針は勢いよく振り切ってしまっていた。妹紅は霞の上へと馬乗りになったまま胸元を掴み、ガクガクと揺さぶりながら問い詰める。
「…ふふっ」
そんな中、しばらくその光景を眺めていた射命丸が突然2人の仲裁に入ってきた。
『あのー…そろそろストップした方がいいと思いますよ、妹紅さん?それ以上は霞さんが苦しそうなので…取り敢えず落ち着きましょうか。
そ、れ、に………霞さんにご飯を食べさせてあげたいのなら、そんな風に掴みかかる前にきちんと口で言っていれば済んだと思いますけどね?
そうすれば霞さんだって、大切に思っている妹紅さんのお願いをわざわざ無下にすることは絶対にしないでしょうから。妹紅さんが実はこっそり内心でやりたがってた「あーん」だって、喜んで受けてくれた筈だと思ってたんですけどねぇ…?』
『………へ?』
先程まで荒れ狂っていた空間が、突然静寂によって包み込まれる。妹紅が思ってもみなかった射命丸の問いかけにより、妹紅の顔を一瞬で熱が覆い始める。
射命丸はそんな茹でダコのように顔を真っ赤に染め上げた妹紅を見て、一瞬だけ不敵にニヤリと笑うと…そのまま妹紅へと話を続け始めた。
『全くですね…バレてないとでも思っていたんですか?甘いです。甘々です!!!
傍から見てるとそんな風に喧嘩をするのって、何だか羨ましいですねぇ……私も正直な所、少しジェラシー感じちゃいますよ?
それにしても妹紅さんってば食べかけの魚を口に咥えさせるなんて…そんなの、並大抵の人には出来ませんよね?………と、いうことはぁ……?
妹紅さんってやっぱり、とぉーっても霞さんの事を信頼してるんですねぇ?』
『…は、はぁ!?何言ってんだお前!?』
『私、もしかすると妹紅さんの事を誤解していたかも知れません。ジャーナリストとして、とんだ失態をお見せしてしまいたしたね!
妹紅さんってば私が霞さんと二人っきりでお風呂に入った事に嫉妬して怒ったのをいい事に…本当は今も尚、霞さんにくっついて甘えてるんじゃ無いですか?』
『んなっ!?』
慌てて霞の浴衣から手を離した妹紅。そしてそれを見てニヤニヤと笑う射命丸の言葉を受け、更に狼狽える妹紅。
ここに来てようやく自身が射命丸の洞察力を甘く見ていたことに気がついたけれど、もう時既に遅し。
射命丸の追求は止まらない。
『…っ!?な、何言って…ち、違うに決まってんだろ!?そ、そんなんじゃ…』
『でも妹紅さん、まだ霞さんの上に馬乗りになってますし?それって私が霞さんに馬乗りになったのがズルいと思ったからなんじゃないですか?
そしてわざと怒る振りをして、さりげなく霞さんへと間接キスを繰り出し、そのまま密着まで果たすなんて…正直、予想以上の結果でしたよ。あ、記念に1枚いいですか?』
『だからそんなんじゃないって言っ「パシャ」……
だから撮ってんじゃねぇよこの腹黒天狗がぁあああ!!!!!!!!』
慌てて取り繕ってもボロを出すだけに終わり、羞恥に悶えた妹紅は射命丸目掛けて飛びかかった。
…しかし、それを見た射命丸は自分の方へと飛びかかってくる妹紅をひらりと上空へ飛翔する事によって躱し、優雅な動作でそのまま玄関へと着地した。
『あやや?これ以上は妹紅さんを怒らせるだけになりそうなので、そろそろ辞めておきましょう。もうそろそろ潮時ですし、これはいいネタを拾えましたねぇ…
…それじゃあ霞さんに妹紅さん?私、これから昨日から見つけていた新鮮なネタ達を急いで新聞にしないといけなくなったので、そろそろお暇させて貰いますね!
…あ、そうです。霞さんの家なら明日の夜には出来上がると思いますから、妹紅さんも『永遠亭に居るお友達を誘って』是非来てみては?
大方、明日の夕方頃には霞さんの元に誰かしらの迎えが来ると思いますので…
それではまた明日ですね、さようなら!』
そう言って、射命丸は風のように飛び立って慧音の家を後にした。
…涙目でぷるぷると震える妹紅と、口に焼き魚を咥えたまま倒れ込んでいる霞を残したままで。
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そして時は戻る。
「にしても一面竹ばかりだねぇ…けど、懐かしい雰囲気があるのは気の所為じゃ無いんだろうなぁ」
「そう言えば、輝夜は竹から生まれた事になってるんだったかな?あのお転婆なお姫様の事だから、さぞかし竹のように元気に成長しているんだろうなぁ」
「妹紅がいて、助かったよ。私一人じゃこの竹林を抜けて、『永遠亭』とやらに住んでいる輝夜達に会うことは難しいだろうからね…」
そんな風に、周りの景色を懐かしむように、隣を歩く妹紅へと語りかけるながら、一歩一歩楽しそうに歩く霞をチラリと覗き見た妹紅は、ふと、気になることを見つけた。
(…霞、さっきから私にずっと話しかけてる。…それに何だか歩くのがいつもより遅い…これって…?)
妹紅の気持ちは、初めは射命丸と同じ行為を行ったのに、自分が全く女として見てもらえなかった事による怒りが強かった。射命丸と話している時の霞は何だか普段と違って、普段以上に射命丸の行動を受け入れていた様に見えていた。
しかし、今の霞は絶え間なく話を続け、自分より歩幅の狭い妹紅の為に歩くペースを合わせ、何度も見当違いな謝罪を繰り返している。
そんな、男の姿を見ていると…
(…何で、たったあれしきのことで怒っちゃったんだろう。私だって霞の迷惑になるような事、沢山やってるってのに…)
自分が行っていた、独りよがりな行動を妹紅は思い返した。確かに嫉妬したのは事実だったけれど、わざわざあんな風に怒らくても良かった筈だった。寧ろ、他にやりようはいくらでもあった筈だったのに、真っ先に手が出る自分こそが間違っていたのでは無いだろうか。
…そこまで考えると、実際の所。今まで怒っていた自分こそ、1番悪いんじゃないかと思えてくる。
(…あー…これってやっぱり馬鹿なのは私の方だったんだ。霞はずっと、私に謝ってくれてるのに…私が意地張ってこんな風にしてるから霞まで傷つけてる。
…こんなのは、良くない)
そう思った妹紅は俯いていた顔を上げると、霞の浴衣をそっと摘んだ。
「…ねぇ、霞」
「…ん?妹紅。どうしたのかな?」
こうして2人で歩いている時間が経つ事に、隣を歩く霞の気遣いに気づいた妹紅は…自ら沈黙を破り、話し始める。
「…さっきの事、許すよ。そんで、私もごめんなさい。私だって霞の都合なんて考えずに行動して、勝手に怒って霞を困らせて…
私は霞の優しさに甘えてただけだった。本当に馬鹿なのは私の方だった。
…ねぇ霞、こんな私だけど…
また、いつもみたいに接して良いかな?」
誠意込めて、そう霞へと謝った妹紅。
そして、それを見た霞はいつもの様に…いや、いつも以上の微笑み顔を浮かべると、大きな手でゆっくりと妹紅の頭を撫でる。
「…こちらこそね。案内、助かってるよ」
「…うん!」
その言葉を聞いて、妹紅の顔には笑顔が咲いた。
仲直りを済ませた2人はいつもの様に、仲良く会話をしながら道を進み始める。
妹紅は先程までとはまるっと変わった様子で霞の腕を抱きしめながら、疑問に思っていた話を続けた。
「ねぇ霞ってさ。アイツ……輝夜と出会った時って、どんな感じだったの?」
「…輝夜の事かい?」
その言葉を聞いて、霞はどうやら妹紅からその質問が出ることが意外だったのか。珍しくきょとんと呆けた顔をしていた。
しかし直ぐにいつもの微笑み顔へと戻ると、ぐしぐしと妹紅の頭を撫でながら語り始める。
「ふむ。そう言えば妹紅には輝夜の事は話してなかったからね…永遠亭とやらに着くまでだし、少し大雑把に話すけど…それでも構わないかな?」
「う、うん。構わないよ。けどさ…」
「ん?どうしたんだ?」
霞は妹紅を撫でる手を止めず、頭に疑問符を浮かべている。それを見た妹紅は聞きたかった事を問いかけた。
「…あのね?私がさっき怒ったのって、霞のこーゆーだらしない所なんだからね?昨日も思ってたんだけど、スキンシップ激しくなってない?さっき謝ってたけど、ほんとに反省してるの?」
「ん、あぁ…すまないね。何だか最近良くせがまれていたから、つい、ね。掌が勝手に撫でてしまうようになってしまったんだよ。
…妹紅も昔はよく撫でろとねだっていたからやってみたんだけど、もしかして嫌だったりするのかい?それなら仕方ないし、やめておこうか……うん?」
そう言って霞の手は妹紅の頭から離れようとした…が。それを止めるかのように、その上から2つの手が霞の掌を押さえつけた。
「…嫌とは、言ってないだろ…」
「…ん。そうか。それなら良かったよ」
「…霞」
「どうした?」
「ありがと」
「…そうか。それなら良かったよ。
…それじゃあ、妹紅はどこから聞きたいのかな?」
「んー…それじゃあ、霞が輝夜に出会った時の事とかかな?アイツ、昔から霞のこと知ってたっぽいし…
…どうせ私が聞いてもしっちゃかめっちゃか騒いで、あいつの性格上頑なに教えてくれないと思うんだよ。
『は?なんでそんな事、あんたなんかに教えないといけないのよ?』とか言うだろうし。
…何がそんなに恥ずかしいのかね?それがわっかんないんだよなー…」
「あー…」
妹紅の言葉を聞いて、霞は思い出を懐かしむかのように少しだけ、目を細める。そして、少し悩みながらもその時の事を妹紅へと語り始めた。
「そうだね…あれは確か、連れ添った友人と一緒に私はいつもの様に人を求めて旅をして居たんだけどね?途中、当時栄えていた人間達の住む都へと立ち寄った時の事だったかな。
…私は、輝夜の為に月と戦争をする事になったんだよ」
「…は?」
思わずそんな声が出た妹紅に向かい、霞はその時のことを雄弁に語りだした。
永夜抄メンバーのターン…
キャラを掴むのが難しいorz