東方湯煙録   作:鯖人間

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4年ぶりですね。お久しぶりです…いやほんとに。


過去とイマと永遠の宿敵

鈍色の光が、輝夜へと降り注ぐ。そこから感じる熱によって、浮上していた輝夜の意識は覚醒へと導かれていた。

 

『霞…貴方は今、この世界の何処にいるの…?』

 

それでもまだ、白くぼやけた世界の中で、輝夜は微睡みに浸って居た。その胸に秘めた思いは時間の流れに逆らうように、輝夜の心の芯として、あの忌まわしき別れの日を乗り越えた輝夜をなんとか支えていた。

 

『霞ぃ…逢いたいなぁ……』

 

だけどやはり、少しばかりセンチメンタルな気分になってしまう時もある。

あの時、初めて恋する乙女になった輝夜にとって…霞という男は特別だった。成り行きで出会ったものの、煤けた心も気づけなかった養父母の優しさも。そして命すらも救われた身として、もしここに彼がいれば……本当なら、何もかも捧げても良いと思える程に。

だから今だって、ここでなら……願うだけならば、許して貰える。夢の中ならば、何度だって彼と出会う事だって出来る。もう以前よりも少しばかりぼやけてしまった輪郭が悲しいけれど、それでも………

 

だからまだ、私は…

 

 

…この微睡みから、目覚めたく無いの。

 

『ん?どうして私のことも一緒に思い出してくれないんですかー?』

 

そんな自分を見て、ニッコリと笑顔を浮かべる少女の姿…って…

 

もう!ちょっとアンタは黙っててよ!?いきなり乙女の夢にまで勝手に出てくんじゃ無いわよ危ないじゃないですかこんのバカァっ!!

 

 

『あはは!ごめんなさーい?うふふ…けど、もうそろそろ起きないとー…かぐやちゃんってば、この後は大変なことになっちゃうかもねぇー……?』

 

…………え?

それって、一体何のこ『それじゃあねーっ!!!』って

勝手に出て来て意味深な言葉残して帰るんじゃないわよこのおバカーっ!!

 

そんな白い夢の世界へ、明かりのような日差しが差し込み始める。

 

 

夢はもう、醒めるのだろう。

 

 

…かぐや姫の負った紬という存在へのトラウマは…霞への想いのように、何百年経とうと変わらないらしい。

 

 

 

 

 

 

「…ちょっと霞。それ、本当なの…?」

 

 

霞の口から、ありのままの話を聞いた妹紅の顔は、硬直していた。霞が語った内容を聞く限り…輝夜の生い立ちも中々に厄介であり、不憫な目にあっていたらしい。

 

そこで霞は話を切り上げ、視線を手前に向け始めた。

 

「うん。取り敢えず話せるのはここまでかな。まぁ、輝夜と過ごした日々はそんな所だと思うよ。その後だって、まぁあれだけ暴れたのだから、都は後にしないといけなかったからね。

紬と一緒に、一旦妖怪の山へと帰ったけど、その後また永遠亭に行ってから、輝夜と色々と一悶着あったんだけどね…いや、それはまた今度話すとしよう。どうやら妹紅のおかげで、無事に着いたらしい…」

 

 

その建物を見た霞は……

 

 

「…うん。懐かしいなぁ…ここに来るのは、いつ振りだろう…?』

 

 

「…………………………」

 

「……ん?どうしたんだ、妹紅?」

 

そんな霞の問いかけに、妹紅からの返答は無かった。

 

目の前にあるのは1つの屋敷。

その屋敷を妹紅が認識した瞬間、身体を覆っていた硬直は消え去った。

今の妹紅の心にあるのは、たった1つの思いだけ…

 

 

「………ゃ……す……!」

「…妹紅?」

「……ぐや……ろす…ッ!!!」

「…あー…おい、妹紅?」

 

メラメラと身体が燃える程、体温が上昇しているのが分かる。実際、白い髪の毛が逆立っており、自分の周りへと火柱が上がり始めている。

 

……つまり、妹紅はこれ以上ない程に『怒っていた』

 

胸を焦がすこの思いが、どうにも抑えきれない。

 

「…あンの野郎…ッ…輝夜、絶対に殺ーーーすッ!!!!!さっきから話を聞いてりゃアイツコラ何で私に事故だからって霞のほっぺにキスした事、今まで黙ってやがったんだあンの野郎おおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!」

 

そう言って、妹紅は目の前に聳える永遠亭目掛けて走り出した。今もあの屋敷の中でアホ面晒して眠りこける輝夜の姿を想像するだけで…腸が煮えくり返って仕方ない。

 

いつも弾幕勝負で決着を付けていたが、今回はホントに燃やしてもいいんじゃないかな?…なんてことを少しだけ冷静な自分さえも思っていた。

 

加速し始めた妹紅の足は、止まらない。

胸を突き動かす激情が、輝夜の行為を許さなかった。

 

 

取り敢えず…あの恋敵を、一発殴ってやるまでは。

 

 

永遠亭。

 

そこで働く鈴仙は今日もまた、師匠である永琳が作った薬を手に取り、人里へと売りに行く為に準備を進めていた所だった。

 

「今日もいい天気だし、元気に師匠からのお使いをがんばらなきゃ!さーて、そろそろ姫様を起こしてから、人里にでも───」

「ごめんくださ死ねぇぇぇぇッ!!!?!」

 

ドガシャァアアアアンッ!!!

 

「え、ええええええぇえぇええ!?!?!?」

 

凄まじい轟音と共に、目の前にあった玄関の扉が此方へと吹っ飛ばされてきた事に焦り、咄嗟に鈴仙はしゃがんでそれを避ける。

 

危ない、とても危なかった。もう少し判断が遅かったら……って、これは一体何事なの!?

 

 

「ちょっと!!!いきなり危ないじゃないですか!!!こんなの誰が……って妹紅さんってば何してんですか!!!扉壊すなんてそんなの私が師匠に怒られちゃうじゃないで」「今ちょっとお前に構ってらんないからそこどいて鈴仙ッ!!!」「ヒイッ!?」

 

 

目の前にいたのはちょくちょく此処へ遊び……とは軽々は言えない行為をこの永遠亭の姫である輝夜と何度も繰り返してきた、物語の宿敵のような存在である…藤原妹紅、その人だった。

 

いつもならこの永遠亭の周りを囲っている竹林に住む、てゐによって引き起こされた悪戯……というにはかなり凝った作りの罠にかかった時以外、比較的に理性的な妹紅は普通に玄関を開け、そして鈴仙や師匠である永琳と軽い雑談を零した後。だいたいいつも自室へ籠っている輝夜の元へと進むはず……だった。

 

 

…しかし、今日はそんな余裕すら一切感じない。そこに居るのは純粋に何かによって怒髪天を突いたかのような、ブチ切れた妹紅の姿。

そのあまりの勢いに思わず輝夜の部屋へと続く廊下への道を譲ってしまった結果、妹紅は一直線にそこへと走り出して行く。

 

「ちょ、妹紅さんってば!?ホントどうしたんですか!」

 

鈴仙の制止など聞かず、駆け出す妹紅。それを追いかけようとした鈴仙の後ろから、突然声をかける存在が居た。

 

「失礼。少しいいかな?…あぁ、妹紅がすまないね…とりあえず、ここが永遠亭であってるかい?」

 

「え、なななんですか急にというか誰ですか貴方!?ここは永遠亭ですけど……えと、貴方は…もしかしてお客さんですか?」

 

そこに居たのは、見慣れない姿をした男の…多分、妖怪だった。一見、その男は鈴仙には人に見えたものの、そこから感じるのは…大方は抑えているであろう微弱な妖力の存在と、首周りを自由に動く羽衣だった。

 

多分…この妖怪は強い。

ある程度の実力がわかる鈴仙の評価はそんな所だった。

 

 

 

「まぁ、そんなものだね。ちょっと状況が忙しいけれど、とりあえずお邪魔させてもらっても良いかな?」

 

「は、はぁ……??」

 

…なんだろう、このマイペースな人……??」

 

 

訝しんでいたものの、あっけらかんとした男の言動と纏った木漏れ日のような安心感のある雰囲気により、実際はよく分からなかった。

 

 

し、師匠ならこういう時、どうしたんだろう…?

 

 

 

 

────────────────────

 

そして同時刻。輝夜の部屋を見つけた妹紅がまず行ったのは…スペルカードを1枚取り出すと、勢い良く輝夜へ向かってお見舞いする事だった。

 

 

「オラァ見敵必殺ッ!!フジヤマ…ヴォルケイノォオッ!!!」

「みぎゃああああああああああッ!!!??」

 

轟音と熱気により、輝夜が寝ていたであろう布団へと弾幕の嵐が巻き起こる。

勢い良く弾幕を放った所為か、布団は跡形もなく消えさっており、その場に残ったのは……煤けてボロボロになった服を着た、チリチリと身体から煙を噴き出す少女の姿だった。

 

 

「……はーっ、はーっ…ふぅ。うん。結構スッキリしたなー…」

 

 

そんな風貌のなかなか見れない輝夜の光景を尻目にして。まるで先程まで燻っていた胸のつっかえが取れたような、晴れやかな気分が妹紅に訪れる。

さっきまでのイライラが嘘のように消え去っており、このまま霞の温泉に入ればもう今日はなんにもしなくてもいいや…なんて考える程に、今。妹紅は満ち足りていた。

 

 

「ふー…私がやっといてなんだけど、アンタ生きてる?」

 

…まぁ、私の宿敵がこんな簡単な遊びで死ぬ筈はだけれども。

 

「な、に、が、スッキリよこんのバカァ!!!どこの世界にこんな起こし方をするバカが居んのよおたんこなす!!いきなり何!?まさかだけど、ついに頭がおかしくなったのかしら!?」

 

いきなり寝込みを襲われて少し半泣きになった輝夜が、激昂して妹紅へと詰め寄ってきた。普段は澄ました顔をしてる癖に、ボロボロになって喚いているのを見るとさらに楽しくなってくる。

 

「いや別に……お互いどーせ死なないんだからさ。全力で殴ったって別にいいでしょ?て事でとりあえずさっさと着替えてくれると助かるし、その後でアンタに会って欲しい人が居るんだけど」

 

「はァ!??だからって突然来ておいてなんなのよ今日のアンタは!!喧嘩売ってるのなら上等よ!それならこっちだってスペルカードで勝負…って、何よ突然?アンタの口から私に会わせたい人って…誰の事よ?」

 

未だにキーキーと怒っているものの、どうやら話を聞いてくれると判断した妹紅はそんな輝夜を見て1つ、悪戯を思いついた。

 

どうせなら、突然霞に会わせてやろう。

そうすればコイツは…どんな反応をするのだろうか。

 

…いつもここの兎にしてやられてるから、ちょっとした意趣返しの意味もあるのだけれども。

 

「まぁ玄関に来れば全部わかるからさ。私は何も言わないけどね?その前に1つ……いや、結構あるなぁ。着替えながらでいいから質問いい?」

 

「今日のアンタ、いつもよりペース狂わされるわね……もう、髪が煤けてるじゃない。で?何が聞きたいのよ…今日の私、結構誰とも会いたくない気分だったんだけど…?」

 

「まぁ色々あってね。で、突然だけど霞って知ってる?」

 

 

 

「…え?」

 

その言葉を聞いて、着物の帯を締める輝夜の手が止まった。

信じられないものを見るような目を妹紅へと向ける輝夜の姿を見て、霞の言っていたことが事実だったことを妹紅は悟った。

 

「そう。それに付け加えると…どうやらアンタみたいな腹黒性悪女がさ、ほっぺにキスまでしてる…そんなとっても変な妖怪らしいんだけど?」

 

そして、それを聞いた輝夜顔が突然真っ赤な林檎のように赤く染まる。

 

「は、ちょ、え、っはァァあぁあぁあッ!?!?なんでアンタが霞を知っ、知って…ってなんでそれを!?誰にも言ってなんか無いのに!?え!?ま、まさか永琳…いや違う、言ってない!!てことは紬…アイツかぁああぁあぁっ!!!!!」

 

先程までとは違って混乱して騒ぐ宿敵を見て、妹紅はニヤリと口角が上がるのを我慢できなかった。

ケラケラとひとしきり笑ってから、さらに輝夜へと話を続けて行く。

 

「いや、それは本人から聞いたんだけど」

 

「…え?」

 

「姫様ーっ!!何だか変な妖怪が、姫様に会いたいって言ってるんですが、連れてきても構いませんかねー……??」

 

 

「え?え?ウソ、そ、それってまさか……」

 

そこにやってきた鈴仙が、ボロボロになった部屋を見てある程度の事情を察した後。部屋の主である輝夜へと近づいてくるのが分かった。

 

…そして、そんな鈴仙の後ろから。輝夜にとっては聞き覚えのある。ゆっくりとした静かな足音だった。

 

…ああ。どうして。

あんなにも夢の中で願い続けていたのに…

 

 

そこに居たのは、夢で出会った時のように。あの時と変わらない…白い浴衣に羽衣を纏う、静かな微笑みを浮かべている本人が、輝夜の目の前に佇んでいた。

 

 

────────────────────

 

「……やぁ、久しぶりだね。輝夜…」

 

「え……??」

「…ぅえ、え、えっ……ぅぅぅぅッ!!!」

 

「──がぁすぅぅんみぃいいいいいいっ!!!!」

「ゲフッ……!!」

 

 

「ひ、姫様ーっ!?」

 

その姿を確認した瞬間。目にも止まらぬ速さで輝夜が行ったのは……腹部への強烈な飛び付きだった。

 

…尚、そのまま2人は床へと吹き飛んで行くのだが。

 

「おー、飛んだ飛んだ…というかいくらなんてくっつき過ぎじゃない?けどまぁ……私もやったしなぁ。今回だけは許してやるかねぇ…」

「え?ちょ、妹紅さんもやったって……え?これをですか?」

「ん。私は感極まって本気で膝蹴り」

 

「えぇっ!?そ、そんなことしたら…あの人、死んじゃうんじゃないの…??」

 

「いやいや、それは勝手に私を置いてった霞が悪いから。個人的にだけど、ちょっとはこれで懲りれば良いと思うんだよねぇ」

 

「ぅうーん……情報が多過ぎて、もう私じゃあ状況があんまり呑み込めないんですけどぉ…?し、師匠にこれ、私…話してくるべきなんですか!?」

「ま、永琳だって話したいと思ってるんじゃないかな。ここはアタシが見とくから、鈴仙は永琳呼んできなよ?」

 

「えっと…そ、それじゃあお言葉に甘えますけど…うぅ、玄関の扉は弁償してくれないと困りますよぉ?」

 

「うげ…ははは。それはまぁ、霞によろしくっ!!」

 

「そんな殺生なぁ…っ……うぅ、もう。こんなにも天気がいいのに、胃が重いわ…」

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

倒れ込んでから数分が経って尚、霞は起き上がることが出来ないでいた。

 

「…はは、痛いよ輝夜。これでも割と、歳を食ってるんだから、もうちょっと労わって貰えると助かるんだけどなぁ……?」

 

「かすみかすみかすみかすみかすみかすみかすみかすみ本当の、かすみ、、、う、うええええええええぇぇえんっ!!」

 

 

床に倒れ込んだ霞の上へとしがみつきながら、そこに居る霞の存在を輝夜は離さず、寧ろもう離さないと決め込んだように、腕に回る力は増すばかりだった。

 

輝夜の黒い真珠のような眼からは滂沱の如く、とめどなく涙が止まらない。

1000年を超える時間の果てに出会った想い人に対して…まるで堰を切ったように、涙は雄弁に輝夜の悲しみと最下位の嬉しさを表してくれていた。

 

 

「ほら、そんなに泣いたら綺麗な顔が台無しだろう?それに、積もる話もあるんだから…そうさな。また昔みたいに、湯にでも浸からないか…?」

 

「ふぐぅ…っ、う、うぅ……こんな時なのに、アンタはまた、そんなこと…っ…ぅぅ、は、入るに決まってるじゃないのぉっ…!!」

 

本当に、自分が出せる誘い文句の少なさに毎度の事ながら辟易してしまう霞なれど。

その言葉は輝夜にとって…何よりも大切な思い出の言葉であり、その言葉をこの長い無限の時間の中で待ち焦がれて居たのだから。

 

 

「ちゃんと、もぅ、あれから何があったのか…一切合切ちゃーーんと、聞かせてもらうん……だからね?」

 

涙を自分の来ていた服の袖で拭おうとした時、ふいに霞は自分の羽衣をに手をかけて輝夜の顔へと宛がった。

 

優しく、丁寧に涙を拭ってくれる安心感によって、少しばかり輝夜の心も落ち着き始めてきたのか…今は何も言うことなく、その羽衣越しの霞から感じる温もりに心を委ねていた。

 

……そんな様子の輝夜を見て、霞自身も昔はよく、紬によって泣かされた輝夜をこうやって、宥めていたっけなぁ……なんて。懐かしい感覚を取り戻したことに、気が付くのだった。

 

 

「うーん……もっと早く、ここに来るべきだったかもしれないねぇ。ああ、誰も彼もあの時と変わらないんだ。私も個人的な思いを優先するんじゃあなかった。ここに来て、更にそう思ったよ…」

 

「…霞のバカ。本当に、こっちの気持ちも知らないで…」

「…うん。私が悪かったよ。こっちに来てから紬にも怒られてしまったからね……今は少し、償いがてら挨拶回りをしている所だったんだけど…本当にすまなかったね。」

 

「…うん。辛かったんだから…けど、もう、許すわ。こうやって、また逢いに来てくれたんだから。もう……何だかなぁ…あんなに怒って、悲しんで、許さないって思ってたのに……これが紬が言ってた、惚れた弱みってやつなのかなぁ…?」

 

全く。今日、夢に出てきた紬を思い出すと…確かに自分はもう、怒る気力も無くなってしまっている。それだけ嬉しさが溢れているんだから……紬の言うことに賛成するのは多少癪なれど、理解してしまう。

 

 

 

 

 

「…なぁ、そろそろ私抜きでイチャイチャすんのもやめてくれない?」

 

 

そこで、今まで口を差さなかった妹紅が2人の空間へと切り込んだ事により、溶けそうな程に甘い(自称)空間は霧散してしまう。

 

「あぁ。すまないな妹紅…」

 

「はぁ!?べ、別にイチャイチャなんて…というかなんで霞とアンタが知り合いなの?私、アンタからそんなこと聞いた事ないんだけど」

 

「それ、こっちのセリフだから。それにさっきの質問、アンタ答えてないでしょ?」

 

 

突然さっきまでの話を掘り返されてテンパる輝夜を他所に、妹紅はこめかみに青筋を立てながら笑顔で輝夜へと話しかけてくる。

 

それはまるで、あまりにも仲良しな自分と霞を見て…

 

 

 

 

…あぁ。そうか…成程ね?

 

それを見た輝夜は、一気に落ち着いた表情を顔へと貼り付けると…今も尚離さない霞を両腕で抱きしめ、そんな妹紅へと向き直る。

 

 

「さっきの、って、あー…うん。そうよ?うん。私の……『初めて』の相手。それがここに居る霞。というワケで、私たち今から再開の証としてちょっと2人きりになりたいから…もうアンタ帰ったら?」

 

 

…コイツ、完全に私に嫉妬してるじゃない!!

 

 

勝ち誇った顔をを見せる輝夜を見て…

ブチっと、妹紅から音が鳴った。

 

 

 

 

「…よし。さっきので頭が冷えたかと思ってたけど結局こうなるんだって改めて再確認したわ。」

「…へぇ?」

 

 

 

燃えるような凄惨な妖力を纏い始めた妹紅を見て、輝夜もまた、朝からお見舞いされた一撃を思い返しては盛大に妖力を解放し始めた。

 

 

そうだ。やっぱりどうせお互い不老不死なんだ。ならばやることだって1つしかない。

 

 

 

 

「「表出ろォ!!」」

 

 

 

駆け抜ける轟音と爆発音により、2人は空へと飛び出した。

色鮮やかな弾幕の海が、永遠亭の空を彩り始める。

 

 

「…うん。どうやら二人とも、この世界でも元気に過ごしてる様で…良かったよ」

 

光り輝く閃光と燃え上がる火の鳥がぶつかり合う庭を眺めながら…霞は呑気にそう零すと、とりあえず3人がのんびりと入れるサイズの温泉を創る為、自分もそこへと足を進めていった。




色々とあった4年ですけど、またゆっくり更新していけるように頑張ります…あと、読み返して文章と構成を直さないとと思ったのですが、まずは続きを書けって感じですね。いやはや難しい…
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