東方湯煙録   作:鯖人間

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魔女と小悪魔と大図書館

………今のは?

 

大図書館にある自室で魔法の研究をしていたパチュリー・ノーレッジは

図書館から誰かの絶叫が聞こえたような気がして何度か辺りを見渡してみる…色鮮やかな弾幕が目に入った瞬間、十中八九あの魔導書泥棒が来たのだろうと大方の予想がついた。あの泥棒には今までに何度も大図書館の魔導書を盗まれているので、パチュリーは煮詰まっていた魔法の研究を一旦止め、今盗人と戦っているであろう小悪魔を思い出してはため息を零した。

 

 

「 …はぁ。今日こそ盗んだ本を返してもらわないとね…例え奮闘したとしても、こあはそろそろ負けるだろうし、急がなくっちゃ…もう…!!毎度毎度、アレは不必要な手間をかけさせるんだから…ッ!」

 

小悪魔が負けるのは時間の問題なので、パチュリーは急いで自室から図書館へと向かったのだった。

 

 

 

そんな中図書館では小悪魔が霞達に詰め寄っていた。

 

 

「そこの君…図書館で大声を出してはダメだろう?」

 

「あなた達こそ何やってるんですか!?この図書館での不埒な行為は

司書であるこの私が許しませんよ!!さぁ!しんみょーにお縄につきなさい!」

 

そう言って霞にスペルカードを向けて怒っている小悪魔に対して、待ってましたと言わんばかりの笑顔を向けながら魔理沙もスペルカードを出して相手を挑発し始める…

 

「ならお得意の弾幕ごっこで勝負といこうじゃないか!まぁ、小悪魔如きにこの私が負けるハズがないけどな?いつものように適度にボコって私が勝ちを頂くとするぜ!!」

 

「ムカッ!い、言いましたね魔理沙さん!今日の私を普段の私の様に舐めてかかると後悔しますよ!?なんといったって今日の私はーーー」

「上等!先手必勝マスタースパァァァァァァク!!!」

「って最後まで聞いて下さいよーーーッ!?」

 

 

そう言って2人は図書館の天井近くまで飛び上がると…色鮮やかな弾幕を周囲に繰り出し、弾幕ごっこを始めたのだった。

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

「…うん。完全に蚊帳の外になってしまった様だね…とりあえず、倒れた本棚を元に戻した方が良さそうかな…?」

 

 

霞は倒れている大きな本棚を1人で起こすと、羽衣を使って本を片付けてゆく。やはりその大きさに見合う分、重量はそこそこあるようだが…許容範囲だった。

 

確か…ここの本棚は著者名から並べればいい筈だ。

 

 

 

 

そうやって暫くの間本を片付けていると…コツコツと足音を鳴らしながら、霞の後ろへと1人の少女が現れた。

 

その少女は掛けていた眼鏡を外し、霞へ訝しんだ視線を向けながらもそのまま話しかけてきた。

 

 

「ねぇ、そこの貴方…この辺じゃ見かけない妖怪ね?一体この大図書館に何の御用かしら…?きちんと返却して貰えるのなら本の貸出はしてるわよ?

…ええ。きちんと返却してくれるならね…?」

 

 

突然声を掛けてきた少女は、知性を感じる話し方をする紫色の長い髪の少女だった。頭には三日月の飾りをつけている、ふわふわとした独特な帽子を被っていて、寝巻きのような薄い紫色の緩い服を身に纏っているのに対し…片手に持っている魔導書からは、洗練された強い魔力を霞は感じていた。

 

 

…ああ、とても興味深い。

 

 

「ん…私の名前は霞。ただの温泉好きな妖怪だよ?」

 

霞はニコリと微笑みながらそう名乗ると、取り敢えずどうしてここに来たかの経緯を話しておくことにした。

 

 

「 そんなに警戒しなくて大丈夫だよ?ここに来た理由のとして、ただ吸血鬼を一目見たいと思ってね…けれど生憎、時間の問題でそれが叶わなかったんだよ。

それで諦めて帰ろうかと思ったんだけど…そこで門番さんから代わりにここを薦められてね?私も知識欲はそれなりにあるから…何分、大図書館というものにも興味があったんだよ」

 

「へぇ…そう。レミィに会いたいなんて貴方は随分と変わり者のようね…?

…けれど、私には貴方がただの妖怪にはとても見えないのだけれど…?貴方から感じる妖力は、大妖怪レベルと言っても過言じゃないわよね。一体吸血鬼に出会って、何をする気なのかしら?」

 

 

遠くから霞の姿が見えた時、霞は並の妖怪では持ち上がりすらしない巨大な本棚を軽々と持ち上げていた。

それを見て、パチュリーは霞がかなりの力を持っている妖怪だと察することが出来た。

 

( 吸血鬼に会いたいなんて…この妖怪、相当腕に自信があるのかしら?レミィに報告するべきかしら…?でももう咲夜が向かってる筈よね…)

 

 

パチュリーは警戒を高める…が、しかしどうやらこの妖怪…これ以上ない程に温厚な部類に入るようで。考え込むパチュリーへと微笑むと

 

 

「…あぁ、それは私がこれまで長い時を生きてきたから勝手に妖力が増えていっただけなんだけどね…?私自身の腕っぷしなんてものは全然強くないさ。むしろ戦いなんてのは嫌いでね…昔は鬼によく勝負を挑まれては『反撃してこないからつまらない!』なんて言われてたよ。

それと1つ気になっていたんだけど…高位な魔導書を持っているということは。君は産まれながらの魔法使いなのかな?…何だか私の知っている魔法使いの魔力とは根本的に何かが違う雰囲気がしてるんだよな…それに、ここほど魔法の研究に適した場所も他には無いと思ってるんだけどね…?」

 

パチュリーはそれを聞いて、少しだけ霞の評価を改めた。この妖怪は自分の姿を見た時、自分が生粋の魔法使いだと朧気ながらも察していたのだろう。

…どうやらこの妖怪、頭の回転は悪くないようだ。

 

 

「そう…私の名前はパチュリー・ノーレッジ。お察しの通りの魔法使いで…この大図書館の管理人でもあるわ。

それでひとつ聞きたいんだけど…この辺りで金髪の盗人を見なかったかしら?」

 

 

『七曜の魔女』の異名を持つパチュリーは100年以上この大図書館に引きこもりながらずっと魔法の研究を続けている生粋の魔女だ。『火水木金土日月を操る程度の能力』を持っているため、様々な魔法を使いこなすことが出来る。だからこそ彼女の元には多種多様な魔導書があり、それを狙っていつも弾幕ごっこに興じる魔理沙には……ほとほと手を焼いていたのだ。

 

 

「 金髪………あぁ、うん。魔理沙ならさっきから向こうで小悪魔と弾幕ごっこをしているはずだけど……うん?魔理沙はここの本を勝手に盗んでいるのかい?」

 

「ええ、私が何度言っても止めること無く「私が死んだら返すぜ!」なんて毎回のたまってる始末なのよ…はぁ。思い出したらまたイライラしてきたわ…殴っていいかしら?」

 

あの魔法使いは自分が人間だからとそんな持論を勝手にほざいていた。一体なんなんだその偏屈ルールは、張り倒してやろうか…!!

 

憤るパチュリーを他所に、それを聞いた霞は少し考え込むと

 

 

「ふむ…なら私も止めるように言ってみるよ。彼女とは昨日、出会ったものでね……

…自分勝手な行動は、身を滅ぼすからね。」

 

 

「…?そう。それはありがたいわね…」

 

今、一瞬だけ目の前の男の言葉が重く感じたけれど…どうやらパチュリーの味方になってくれる様だった。

…と言っても昨日初めて出会ったような人物にはあまり期待なんて出来ないけど…何にせよ、あの盗人魔法使いに警告する人物が増えるならそれで好都合だから取り敢えずその協力を受けておこう。

 

 

そんな中、天井付近から大声が聞こえた。

 

 

「これでトドメだ!マスタースパアァァァァァァク!!!

「き、きゃああああああ!?!?」

 

煌びやかな光線が大図書館に迸ったかと思った瞬間。それが直撃してしまった小悪魔が堕ちて来る…

 

「やっぱりこあじゃ勝てないわね…って霞?」

 

霞は素早く小悪魔が堕ちて来る場所への移動する…服がボロボロになり、身体中すっかりと煤けている小悪魔を受け止めた。

 

 

「きゅぅ…」

「おっと…大丈夫かい?…おや。気絶してるようだね…」

 

小悪魔は目を回していたので取り敢えず近くにあったソファーに寝かしておく。

 

服がかなりボロボロになっているのが痛ましい。

 

 

そして上から魔理沙が降りてくると…

 

 

「お!見てたか霞?この勝負。華麗に魔理沙ちゃんの勝利なんだぜ!褒めてくれたっていいんだぞ?というか褒めろよ?ほらほら?」

 

平坦な胸を張りながらも、霞へと得意気な顔を向けてきたのだった。流れに乗って霞は仕方なくそんな魔理沙の頭を撫で始めると…

 

 

「ああ。おめでとう。魔理沙…マスタースパークだっけ?あれは凄かったね……にしてもお前も服が少し煤けてるじゃないか。それと…ここの魔導書を盗んでるのは一体どういうことなんだい?」

 

それを聞いた魔理沙は少し顔を顰めて

 

「げっ…どうしてそれを…あ!パチュリーに聞いたんだな!?おい!なんでよりによって霞にッ…」

 

「そうよ。そろそろいい加減に盗んだ魔導書を返してくれないかしら?」

 

さっきよりも不機嫌な顔になったパチュリーはジリジリと魔理沙へ詰め寄ってゆく。魔理沙が後ろへ下がろうとすると…トンと霞の背中に当たったので、魔理沙が振り返ると…微笑む霞の身体から、羽衣が魔理沙へと巻きついてきた。

 

「あ、霞!?ちょっ…何するんだよ!?…まさかお前はパチュリーの味方なのかッ!?畜生騙されたッ!は、離すんだぜーッ!!!」

 

霞はジタバタと暴れる魔理沙の前に立つと、ポンと肩に手を置いた。そしてそのまま優しい声音で、魔理沙へと話しかける。

 

 

「…魔理沙。まぁ、貸出が許可されてるからといって…勝手なルールを作って魔導書を持ち出すのは…私は良くないと思ってね。

他人に迷惑をかけるのは…辞めておいた方が良い。暫くしてから自分が後悔したって、もう遅いんだからね…」

 

 

そう諭された魔理沙は普段、自分に命令する人物達に返すようなぶっきらぼうな自分理論を語ろうと思ったのだが……何故か、じっと自分の事を見つめる霞の姿を見て。

今ここで、普段のように意地を張っても意味の無いような気がしてしまった。

 

というより、霞の言葉には…そんな事を経験したかのような。深い感情が宿っていた。

 

 

そして魔理沙観念したのか、そのまま魔導書を盗み続けていた理由を話し始めた。

 

 

 

「…だって…ここへ来たら魔導書もあるし、弾幕ごっこも出来るから…結構楽しかったんだよ。

…あーあ、せっかくの熱が冷めちゃったぜ…」

 

 

そんな風に顔をそっぽに向ける魔理沙を宥めつつ、霞は魔理沙を諭し続ける。

 

 

「そうだったのか…確かに、お前の弾幕ごっことやらは、綺麗だったよ。けど、自分が悪いことをしたら先に言うべき言葉があるだろう?

…それは後できちんと謝るとして…どうするんだ、パチュリー。なにか魔理沙に頼むべきことがあるんじゃないか?」

 

 

そう言われてパチュリーは…あの魔理沙が素直に理由を話したことに驚きながらも、今まで心の底に溜まっていた鬱憤を全てぶつけようとしたのだが…

…何だか親に叱られていじけたような姿の魔理沙を見て、今の今まで溜まっていた毒気が抜かれてしまった。

 

もう、そんな気分では無くなってしまった。

 

 

「…はぁ、もういいわよ。これからは魔導書は貸してあげてもいいから…とにかく黙って持っていったのを返して頂戴。弾幕ごっこはまぁ…その日の私の体調によるから一概には言えないけど…偶には相手してあげるから」

 

「はぁー…ちぇ。分かったよ。今まで悪かったよ…これでいいな?魔導書は明日ここに全部持って来るから、それでいいんだろ?」

 

「ああ。それでいいと思うよ…だからこれからはもう、好きな時に思う存分借りに来ればいいさ」

「分かったよ…なら本を纏めて来るから、今日はもう帰らせてもらうぜ…それじゃあ、また今度なー!」

 

 

そう言って霧雨魔理沙は箒に跨った。そして大図書館の窓から外に出て…魔法の森へと帰っていった。

 

その光景を見ていたパチュリーの頭の中は複雑な魔法演算を考えているかの様にぐるぐると回転していた。

 

( ありえない…霧雨魔理沙という少女は、決してこんなに聞き分けがいい人間なんかじゃない。私が何度警告しても、あの反骨心の塊のような少女は1度として反省するどころか素直に話を聞くことさえしなかったはず…。

それなのに一体どうして…?…この男、一体何者なのかしら…?)

 

 

パチュリーが霞を訝しんだ目で霞をじっと見つめていると、当の霞がいきなりパチュリーへ問いかけてきた。

 

 

「なぁパチュリー…さっき言っていた日によって体調が悪いというのは…どういう事かな?」

 

 

さっきまでの温厚そうな顔と違って、霞の顔つきが少し変わっていた。疑問を持ちながらも、パチュリーは霞に自分の持病について答えた。

 

 

「私は生まれつき喘息を患っていて急に発作が起こったりするのよ…

まぁ、今は月から来た医者の薬のお陰でかなりマシになっているのだけれどね?昔は大変だったわ…」

 

身体の弱いパチュリーはよく発作を起こしてしまうため、昔はかなり苦労していた。しかしある時から幻想郷に現れた医者が作った喘息用の薬を服用し始めてから、症状が格段に楽になっていたのだった。

 

 

「そうか…月から来た人間…か。」

「で?それを聞いてどうするのよ?」

 

ふと、霞が何かを懐かしむような顔をしたのが気になったが…まず質問に答えてもらおう。そんなパチュリーへ霞は向き直って心底真面目な顔をしてこう言った。

 

 

 

 

 

「パチュリー……私と温泉に入らないか?」

 

 

 

( …何を言っているのかしら、この妖怪。魔法撃ってもいいのかしら?)

 

パチュリーの顔は今、凄く歪んでいるのだろう。

するとしまった。と言わんばかりの顔をした霞が言葉を訂正した

 

 

「あ、すまないね。少し言葉が足りなかったかな?…私は温泉を湧かせて、一緒に湯に浸った人を癒す程度の能力を持っているのだけれど…もしかしたら、その持病に役立てるかと思ってね…どうかな?」

 

 

「…!?」

 

パチュリーは今までに聞いたことのない能力に少し考え込んだ。

 

( 何よそれ…?一緒に入浴した相手を癒すなんて…そんなお伽噺みたいな事が実際にありえるのかしら?というかどうして女性に対してこんなに気軽に一緒に入ろうなんて誘えるの…?

…怪しいし、不埒な目的があるって線もあるし…イマイチ信用が出来ないけど…

本当なら、凄いことよね………あら?)

 

 

そう考えたパチュリーは辺りをを見渡すと…マスタースパークで擦り傷を負っている小悪魔の存在を見つけた。

 

それを見て、パチュリーはこあへと駆け寄ると

 

 

「…こあ、起きなさい?」

 

パチュリーが小悪魔を揺すり、ペシペシと頬を叩いてみるが…中々起きない。

 

 

 

もういっそなにか2~3発、魔法を打ち込んでやろうかと真剣に悩み始めた頃。ようやく小悪魔が目を覚ました。

 

 

「うーん…はっ!こ、ここは!?私は確か魔理沙さんとの弾幕ごっこに負けて…ってあ!パチュリー様ッ!?どうしてここに…?って、それに図書館内の風紀を乱す侵入者まで!そ、その男は危険ですよパチュリー様!その人はこの大図書館で…あの魔理沙さんといかがわしいことをしていたんです!破廉恥野郎なんですッ!!!」

 

 

捲し立てる小悪魔の言葉を聞いて、思わずパチュリーは霞を見ていた目を細める。

 

 

ま、魔理沙といかがわしいことって…それならあの魔理沙が、この妖怪の言うことを聞いてる事にも説明がつく…?

 

そんなことをする関係ならば言う事を聞くのかもしれないと判断したパチュリーは霞へ冷たい視線を向けようとする…が

 

 

霞は苦笑すると

 

「うーん…簡単に説明すると…弾幕を打つ音が聴こえたから私がそこへ近づいたんだよ。そしたら丁度そこに魔理沙が箒に乗ったまま突撃してきてね?だから小悪魔の言っているような事実は全く無いんだけど…信じてくれないかな?」

 

「…あ、そ、そうよね?どうせそんな事だと思ってたわ………本当よ?」

 

さっきまで考えていたことを一瞬で水に流したパチュリーは小悪魔へと恨みがましい視線を向けつつ、話しかけた。

 

 

「こあ?貴方ってば…物事をもっと冷静に見てから私に説明してくれないかしら?」

「で、ですけど…その人、魔理沙さんが自分の腰の上に跨ってたのに気にせず普通に会話してたので……つい、テンパってしまいました…」

 

 

しょんぼりとした小悪魔を見てパチュリーは今聞いたことにより、考えが結論に至った。

 

 

「ねぇ、こあ?貴方怪我をしてるわよね?…今、治療をするから…私の部屋へ来てくれないかしら?それと、霞も来て欲しいのだけど?」

「あ、はい!分かりました…ってこの妖怪も連れていくんですか!?」

「ええ、そうよ。この妖怪の能力を試したいの。すぐに来て頂戴?」

「の、能力ですか…?はい、分かりました…」

 

 

そう言ってパチュリーは霞と小悪魔を自分の部屋へと連れていく…

 

普段は魔法の『実験』に使っている部屋へ。

 

 

 

 

 

 

 

その時、咲夜は紅魔館の主であるレミリア・スカーレットへ客人の報告を行おうとしていた。

 

 

「失礼します、お嬢様。客人の報告に参りました…」

 

「…んぅ?ふぁ…どうしたのよ咲夜?こんな時間から来客?そんな予定私、知らないけど…誰かしら?」

 

レミリア・スカーレットは考える。紅魔館にわざわざに来る妖怪など

全く覚えが無かったのだから

 

「この辺りで見かけない妖怪なのですがかなりの妖力を感じたので大妖怪の類かもしれません。どうやら吸血鬼を一目見たいと言っている様で、今は大図書館にいると思われますが…」

 

 

「 …吸血鬼を見たい、ねぇ。ふーん…咲夜?少しその妖怪に興味が湧いたわ。今すぐその妖怪を私の元へ連れて来て頂戴?」

「はい。畏まりました…お嬢様。」

 

 

そう言って咲夜が部屋から出ていった後

 

紅魔館の主であるレミリア・スカーレットは大図書館の方を見つめながら…姿も名も知らない1人の妖怪のことを考える。

 

 

 

「 誰だか知らないけれど、来客も来たことだし…今夜は、愉しい夜になりそうね…?」

 

 

そう、呟きながら

 

 

 

 

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