赤いベーシストはバンドもしたいけど恋もしたい! 作:倉崎あるちゅ
それと、戦闘無しの作品は初めてで慣れてないので文字数少なめです……。もっと増やせるようにします!
そして! 第一話早々お気に入り登録して頂いた皆様ありがとうございます。
派手な見た目だが、礼儀正しい少女と出会った翌日。
俺は高校を入学してからやり始めたバイトをしていた。
場所はライブハウス『CiRCLE』。そこで俺は雑用係的な事をしている。まだ始めて間も無いため仕方のない事だ。
今はバンドのライブで使用する器具のセットをスタジオに運んでいる。
……なのだが、どうも今運んでいる物をどこに置けばいいか解らない。訊くしかないか。
「まりなさーん? これどこに置けばいいですかー?」
「んー? あ、それこっちに持ってきてー!」
少し離れた所にいる、女性店員──
俺はまりなさんの下へセットを持って行き、指定された場所に置いた。
「ありがとうショウ君。次はライトの位置確認お願いしてもいいかなー?」
ショウ君、というのは俺の事だ。
親しい人は俺の事を将吾と呼ばずにショウ、と略して呼ぶ。逆に将吾と呼ばれると違和感がある。
「了解です。脚立取ってきますね」
「うん、お願いねー」
さっ、あと少しでライブ始まるし慌てず丁寧に、尚且つ迅速に準備してしまおう。その分休憩時間も増えるしな。
そう意気込み、着々とライブの準備を進めていった。
♪ ♭ ♪ ♭
何組かのバンドが演奏し終え、スタジオ内は熱気に包まれていた。
今日のまりなさんは何故か、この時間に休憩をくれた。いい機会だからライブ見ているといいよー、と朗らかに言って仕事に戻っていったが……何がいい機会なのだろう。
そう思っていた時、一際大きな歓声が上がった。
「
「すっごく歌が上手いんだってね! あー、楽しみっ!」
友希那? そういえば今日の予約リストにそんな名前があったような。
ステージに目を向けると、そこには色素の薄い白髪を長く伸ばした綺麗な少女が一人、スタンドマイクを手にして優雅に立っていた。
「……一人だけ?」
俺のその独り言は、彼女の凄まじい歌声に掻き消された。
さっき演奏していたバンドのボーカルより、遥かに上回る歌唱力と脳に焼き付くような歌声。
“孤高の歌姫“。
もし仮に、彼女が腕の立つリズム隊とバンドを組んでいたのなら、それはきっと、
俺は彼女が歌を終えた後、盛大な拍手喝采の会場から出てまりなさんの下へ向かった。
「まりなさん、すこしいいですか?」
「あれ? 休憩まだ少しあるけどいいの?」
質問をしたら質問で返されてしまった。
仕方なく俺は頷いて返事をし、それで、と話を繋げる。
「たった一人でライブをする女の子がいたんですが、何者なんですか? 明らかに周りとレベルが違い過ぎる」
俺のその言葉に、まりなさんはうんうんと頷いて笑顔を浮かべた。
「やっぱりそう思うよね。うちのお店の中でボーカルだと一二を争うくらいかなー? 名前は
「……歳の情報いらないんすけど」
「まぁまぁ! で、友希那ちゃんは今、バンドメンバー探しててね。いい感じの子をスカウトしてるんだって」
なるほど。あれほどの声量と綺麗な歌声なら、バンドを組んで挑戦してみたいよな。
ふと、さっきまで居たスタジオを見やる。
時間的にはそろそろ全バンドのライブが終了する頃合だ。
そう思った時にちょうど扉が開き、ぞろぞろとお客さん達が出てきた。
口々にあのバンドが良かった、ギターカッコイイし弾いてみたいな、などの思いを口している。
「大半が、さっきの人の話ばかりだな……」
「ふふっ、友希那ちゃんって凄いよねー!」
まったくだ。たった一人でこれなのだから、腕の立つ人達とバンドを組めばもっと話題になるのでは、と思う。
「ありがとうございましたー!」
店を出て行くお客さん達に挨拶をし、スタジオ内の掃除をしようかと体をそちらに向ける。
すると、湊友希那さんが残念そうに小さく溜息をついていた。
あの雰囲気の様子だと、めぼしい人はいなかったみたいだな。他人の事だけど、どうもああいう表情を見ると放っておけない。
俺の悪い癖だ。昔から困った人を手伝ってなんでもやってしまう。良くないって解っててもしてしまうので、もうこれはどうしようならない。
俺は彼女に近付き、どうも、と声をかける。一瞬ビクッと肩を震わせたが、小さく会釈をしてくれた。
「さっきのライブ、拝見しました。とても心に響く歌声でした」
「……ありがとうございます」
おお……。ライブの時はあんなに情熱的に歌っていたのに、会話になるとこうも差があるのか。クール系っていう第一印象通りだな。
「まりなさんから貴女の事を聞きました。バンドメンバーを探してるんだとか」
「えぇ、私はあの『フェス』──FUTURE WORLD FES. に出場するために探しているわ」
「──っ!」
FUTURE WORLD FES.
奇しくも俺が彼女の歌を聴き、出られるのではないか、と思った舞台だ。
フェスに出るコンテストでさえプロが落選するとされる、このジャンルにおける頂点に立つイベント。
そのための練習量とライブの場数はシャレにならないし、何よりもフェスに出るという覚悟と努力がなければ到底叶わないだろう。
……声をかけて正解だったかもしれない。
少し不謹慎かもしれないが、少しワクワクする。
「……俺で良ければそのメンバー探し、手伝わせてくれませんか?」
その言葉を聞いた湊さんは目を見開いて少し考えた後、その綺麗な唇から言葉を紡いだ。
ヒロインが出ていないって? 大丈夫です。すぐ出します( ΦωΦ )
……親戚にイベントのリサを引かれてショック受けてますが、何とか頑張ります(*´・ω・`*)グスン