赤いベーシストはバンドもしたいけど恋もしたい! 作:倉崎あるちゅ
どうかお許しを……:(´◦ω◦`):
遅れた理由としては、私、先週に声優の柿原徹也さんのライブに行きまして……。それが初めての声優のライブでして、凄くテンション上がっちゃったんですよ……。帰ったらテンション上がり過ぎで気付いたら布団の中にいました(目逸らし)
そんなこんなで遅れました申し訳ありません、許してください、なんでも(ry
ライブ当日。午前五時。
微かな朝日が路面を照らし、小鳥の囀りが聴こえてくる。日課であるランニングを少し時間を繰り上げて、終わった後は速攻でシャワーを済ませた俺はリサの家と、その隣の友希那の家まで歩いて向かっていた。
「楽しみだなー。どんなバンドなのか気になってたし」
それにしても、海か……。一応水着持ってきたから泳げるっちゃあ泳げるけど、きっと人が多くてそれどころじゃないんだろうな。
そう考えて歩いていると、いつの間にかリサと友希那の家の前に辿り着いた。
携帯で時間を確認すると時間も余裕のある三十分前だ。
時間を確認し終えたと同時に、ガチャ、と扉を開ける音が聞こえた。
「それじゃ母さん、行ってくるねー♪」
「気をつけて行くのよ──ってリサ!」
扉を開けたリサが中にいる母親であろう人物に手を振って出てきた。何か言いかけてた気がするんだが、良いのだろうか。
「あ、ショウ! おはよー♪」
「おはよ、リサ」
手を挙げて挨拶を交わす。すると、リサの家からまた扉を開ける音が聴こえてきた。
「リサ後ろの髪、はねてるわよー!」
「えっ!? 嘘!?」
リサの母親が顔を出して言うと、リサは慌てたように髪を押さえながらバタバタと家に戻っていってしまった。
その五分後、顔を真っ赤にして俯くリサが出てきた。
「……お待たせ」
「まだ集合時間より早いし、ゆっくりで大丈夫だぞ?」
「大丈夫、ちゃんとセットしてきたから」
そっか、と相槌を打つ。チラリと隣のリサを見ると、確かにしっかりと髪をセットしてきたようだ。いつも見る、ふわふわなウェーブがかかった綺麗な栗色の髪だ。
そんなふうに彼女の事を見ていると、急にリサがあれ? と声を上げる。
「ナウちゃん? なんでいるの?」
「え……」
バッ、と下を見ると、俺の足と足の間にちょこんとお座りしている黒猫がいた。まて、何故お前がいる。置いてきたはずなのだが。
「ショウったら連れてきたのー? ほらナウちゃんおいで♪」
みゃぁ、と可愛らしく鳴いてリサに飛び付いた。腕の中で場所を整え、すりすりと顔をリサの頬に擦り付ける。
「あははっ、本当に人懐っこいねー♪ 可愛いやつめ〜」
うりうり〜と、リサは楽しげにナウを撫で回す。
何故ここにナウがいるのだろう。確かに置いてきたはずなのだが。もしかして、いつもなら玄関まで見送ってくれるのに今日来なかったのは、もう既に俺の足元にいたから……?小さいから余計にわからないよな。
一旦家に帰って置いていくか。いや、それだと時間がかかるし。連れてくしかないか……リサと友希那もいるし、逃げて何処かに行く事もないだろう。俺の家とリサと友希那の家が近いとはいえ、ここまでついてきたくらいだし。
家に置いていく事を諦め、十分くらいリサと一緒にナウを構っているとリサの家の隣の家から扉を開ける音が聴こえた。
「二人共おはよう。朝から元気ね」
ナウと遊ぶ俺達を見て、家から出てきた友希那が苦笑いを浮かべながらこちらへ歩いてくる。
リサに抱かれてゴロゴロ喉を鳴らすナウの目の前に来るとで頭を優しく一撫でした。
「それでリサ、ライブ会場まではどうやって行くのかしら? 何も聞いていないのだけれど」
「うん、それは大丈夫♪ そろそろ着くと思うから」
何が、と言いかけた瞬間、路肩に高級メーカーの乗用車が停められた。運転席の窓が開かれ、そこから顔を出したのは見慣れた大学生くらいの青年だった。
軽く手を挙げ、うぃーす、と軽薄に挨拶される。
「雨河さん? どうして」
「いやー、雨河さんがどうしてもライブ行きたいって言うから、じゃあ足になってほしーなーって言ったらなってくれたよ♪」
「蘭とかモカに散々文句言われたけど行きたいもんは行きたいやん?」
この人、後輩達より自分の欲望を優先したか。まぁいいか、おかげで移動出来るし。
そういや、友希那と雨河さんは会ったことあるのだろうか。そう思って彼女の方を見ると誰だこの人、といったような目で雨河さんを見ていた。
「リサ、この人は……?」
「バイトの先輩だよー。大学一年だって」
「雨河怜士でーす! 君の事は今井ちゃんやCiRCLEのライブで聞いたり見たりしてたでー」
「ライブにも……。ありがとう、ございます」
雨河さんがCiRCLEに来るようになったのはつい最近、厳密には俺がそこでバイトをしていると聞いてから来るようになった。
雨河さんはサングラスをかけ、さて! と声を上げる。
「車に乗れ乗れー! このれいにぃさんの華麗なハンドルさばき、魅せたるでー!」
「「あ、そういうのいらないです」」
「なんでや!?」
知り合ってから、いつもやっている雨河さんいじり。
彼の反応が面白くて毎回毎回リサとこうして、相談もなしにやっている。リサとも短い間しか付き合ってないが大体考えてる事がお互いわかるようになってきた。
彼女と一緒になって笑っていると、友希那が俺達三人を見て困ったように小さく、僅かに笑った。
「本当、朝から元気ね」
「みゃあぁ」
♪ ♭ ♪ ♭
しばらく一般道を走り続けて現在高速道路を走行中。
車の中では雨河さんが鼻歌を歌いながら楽しそうに車を運転している。後部座席に隣合って座るリサと友希那楽しそうに会話をしている。主にリサが一方的に喋って友希那が相槌を打つ形だが。
「にしても、その猫めっちゃ大人しいやん。オレにくれへん?」
「嫌です。というより、多分こいつ行かないっすよ」
「せやろな、そんなにべったりやとなぁ」
助手席に座った俺の膝の上で丸くなるナウをチラリと見て、雨河さんは頬を緩める。この人もまた猫好きのようで、乗る時にこいつも良いですか、と訊いたら凄くいい笑顔で、もちろんやで! 乗せろ乗せろ! と言ってきたほどだ。
「つーか、隣は女の子が良かったなぁ……」
「どーもすみませんねー、男で。けど、仕方ないでしょリサが嫌がったんだから」
最初、雨河さんが助手席は女の子がいいー! と言っていたのだが、リサが却下した。理由は彼女自身が雨河さんは嫌だ、という事と友希那はまだ会って間もない事から俺が助手席に座る形になった。
「雨河さんの隣なんて何されるかわかんないからさー」
「しないと思うんだけどな……」
「しーまーせーんー! オレはそんな事せえへん!」
「どーかなー? うとうとしてる時に脚触られるかも……」
「せえへん!! 絶対せえへん!」
しっかり前を見ながら小さく首を振る。雨河さんの目にキラリと光るものが見えた気がしたが、彼の名誉の為にも気のせいにしておこう。
そんなこんなでライブ会場である、新しく作られたビーチに到着。
俺と雨河さんは更衣室で水着に着替え終え、リサと友希那の着替えを待っていた。
「いやぁ、二人の水着楽しみやな、ショウくん!」
「そーっすね」
「なんや、興味無さそうに言いおって。本当は興味ありありなんやろ? このムッツリめ」
「……」
黙秘権を行使しよう。沈黙は肯定と取られるかもしれないが、黙る。そろそろ二人共来るだろうし、もし仮に興味があると言って丁度良く二人が来たらいたたまれない。
もちろん、二人の水着は興味ある。男だし。
「おまたせー♪」
「着替え終わったわよ」
ほら、着替え終わってこっちに来た。言ってたら聞かれてたかもしれないな。良かった、恥ずかしい思いしなくて。
後ろを振り向いてリサと友希那の方に体を向けると、
「──っ」
「おおー! いいやんいいやん!」
そこには、それぞれ水着を身にまとう二人の姿があった。
友希那はその髪の色や肌の色と同じ白色で統一したビキニタイプ。腰にはパレオが巻かれていてスレンダーな彼女に似合った水着だ。
そしてリサは──
「ね、似合ってる? いい感じ?」
瞳を揺らし、少し不安そうに彼女は訊いてきた。
普段はハーフアップにしている髪をポニーテールにしてまとめている。水着はオレンジ色のフレアフリルビキニで、四月あたりの休日に着ていた肩出しの洋服のように綺麗な鎖骨や肩を惜しみなく出している。
友希那もそうだが、リサは十分魅力的で可愛らしい少女だ。そんな彼女達が水着を着て見せてくれている事が凄く嬉しい……のだが、女の子の水着なんて見慣れていない故、結構気恥ずかしくなる。
気恥ずかしくなってきて、すすっ、と視線を逸らした。
「ねーショウ? どうかなー?」
そんな事など知らないリサは俺の視界に入るように目の前に立つ。どうやら雨河さんの言葉はスルーするようだ。
腕を広げ、これでもかと言う程見せてくる。
「……似合ってる」
「ホント? えへへ、ありがとー♪」
根負けした俺は気恥ずかしく思いながらもリサの水着をもう一度見て、次に彼女の眼を見てからそう言った。
リサは嬉しそうに笑って、友希那と俺の手をとる。
「ほら、早速海に入ろーよ!」
「ちょっとリサ……走らないで」
「コケるコケる! 急に走んなって!」
前につんのめりながら走る俺と友希那は、お互い苦笑いを浮かべてリサと一緒に人混みの中に走っていった。
♪ ♭ ♪ ♭
その後、雨河さんも含めて知らない人達がやっていたビーチバレーに参加させてもらったり、遠泳しよーぜ! と言ってきた雨河さんを海に沈めたり、ナンパしよーぜ! と言ってきた雨河さんを砂浜に頭から埋めたりと楽しく午前を過ごした。
……あれ、雨河さんの事沈めたり埋めたりしかしてないな。おかしいな。リサと友希那と遊ぶつもりだったのに。
「ライブは三時からだっけか?」
「うん、その前にね? こんなイベントがあるんだって〜」
パラソルの下で俺、リサ、友希那の順で座ってリサが取り出したチラシを俺と友希那が頭を寄せて覗き込む。その際にリサの膝の上で寝ていたナウが起き、俺によじ登って肩に乗った。
「「海の、歌うま大会……?」」
「そうそう♪ 優勝したらこのビーチの海の家でビッグパフェ食べられるんだってー!」
確か、そのビッグパフェって高級ってわけではないけど高めのフルーツ使ってるって聞いたな。
生クリームやバニラアイスも濃厚だと噂だ。
「やってみない? 友希那はあんまりこういうの好きじゃないかもしれないけどさ」
ライブハウスでよく歌う友希那だが、確かにこういう場所で歌う姿があまり想像出来ない。
断るのかと思った時、か細い声が聞こえた。
「……やるわ」
「「え?」」
「でるわよ、その大会」
その言葉で俺とリサは友希那の顔を凝視した。
「め、珍しい……あの友希那が」
「出ないと思ってた」
二人で信じられないといった表情を浮かべていると、友希那が俺の目を見て口を開く。
「ショウ、貴方も出なさい。耳もいいし歌も上手だという事はまりなさんから聞いてるわ」
「まりなさん今度覚えとけよ……!!」
「リサも、貴女だって歌が上手だし声もいいのだから、出るわよ」
「ええ!? ほ、本気?」
絶対まりなさんにはバイトの時に、事務所にある冷蔵庫の中にあるアイスやプリンを食ってやる。
それにしても、何故友希那は俺達まで出させようとしてるんだ……?
俺はそう思い、彼女の様子を伺う。すると、友希那はいつぞやの俺の家でクッキーを作った時のように目を輝かせていた。
「ちょい、リサ」
「え、なに?」
リサの肩をちょんちょんと突き、目を輝かす友希那から少し距離をとってリサに耳打ちをする。
「友希那、様子変だけどどうしたんだあれ」
「いやぁ……多分だけどパフェに釣られたんじゃないかな……?」
「え、パフェだけで?」
「友希那ってあぁ見えて甘いの好きだからさ。それでかも」
「あー……クッキーもそうだったけど、飴とか口に入れてたな」
「そうそう」
互いの顔を寄せ合って──ナウが間にいるが──ひそひそと話していると、友希那が立ち上がって俺達に声をかけてくる。
「リサ、ショウ。受付時間まで時間が無いわ。急ぐわよ」
「お、おー」
「おー!」
そこまで食べたいか、パフェ……。
普段じゃ考えられない友希那の姿に、俺は苦笑いを浮かべ、リサは穏やかな笑みを浮かべていた。
あけしゃんの卒業が発表され、凄く複雑な気持ちです。大好きなRoseliaがまた……と。
ですが、一番辛いのは声優さん本人で、一番涙流してるのはその人なのだと思うと、今回のあけしゃんの件は、ゆっくりと体の調子を戻して、いつの日かRoseliaのライブでキーボードをまた演奏してくれると信じて待とうと思います。
……この作品、りんりんほとんど出てませんけどね!!!!!
紗夜さんのさの字すら出てないけど!!!! ごめんなさい、あと少しで原作ストーリーに行くから!!! 待っててください!!!