よぉ。
オレの名前はロビン・クリスティファー。
大学に通う、多分平凡な男だ。
人間関係はまぁまぁ、自分で言うのもなんだが多才だが……仲間からは『才能の無駄遣い』って言われてるな
ぶっちゃそれの何が悪いんだって話なんだが
「ロビーン!」
「!あぁ、アリス」
声のした方へ視線を動かす。
こっちへ走ってくるのは、オレの婚約者のアリス。
金髪で、出てるとこは出てるやつ。
アリスはどっかの会社だったかの社長で、オレはその会社の課長だったかの息子。
いわゆる……いわゆる………まぁいいや別に
とにかく、オレはこいつの婚約者。ちょっと違う所は………
「今日もちっちゃいですね」
「お前がデカいだけだ巨人女」
180cmくらいあることくらいか
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その日の夜。
オレは、近くの廃れた工場跡へ足を運ぶ。
工場内の、小さな部屋。
そこには、様々な機材にゴツいパソコンがある。
そして、最も目を引くものがあった。
「………ヒーロースーツ、インベンシブ」
紫色の、ヒロイックなデザインのスーツ。
細身の鎧を連想させるスーツから目をそらし、オレはスーツのコードに繋がれている腕輪をみやる。
「………もう少しだ、もう少しなんだ」
オレは、絶対にアイツを守る
………今度こそ、失ってしまわない為に
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「………ん、くあぁ…」
オレは大学に続く道を歩く。
いつもの道……では、あるがいつもの奴がいない。
あのデカいうちの婚約者は何処へ…………?
「……お、いた。おーい……?」
………なんだ?なんか……足、引きずって…?
「………!!」
オレは、アリスに向かって走り出した。
「アリス!!」
「ご、ごめんなさ、ロ、ロビ、ン」
ごふっ、と。アリスは赤黒い血を吐き出す。
オレの仲間のジャン・ルーウィグが駆け寄ってくる。
アメフト部のエース候補であり、ジュニアハイスクールからの仲だ。
「お、おい!」
「……っ、救急車呼んでくれ。早く!」
「あぁ、わ、わかった」
何故だ?昨日は家まで送ったはず。
そこでこんな大怪我をするなんて、とてもじゃないが考えられない………
それにこいつは力もかなり強い。この前なんて自動販売機持ち上げてたぞチクショウ!
……だと、すれば……
「…ヴィラン?」
オレがその言葉を呟いた時、周りの人達が再び困惑のどよめきを漏らしていた。
「……ろ、ロビン」
「!アリス、気付いたのか…?」
「にげ、て」
「残念だな、どうやら君たちは死ぬ事になったらしい」
凛々しい男の声が聞こえたと思えば、近くのオッサンの携帯が、顔ごと真っ二つになった。
「……っ……!?」
「ふむ。狙いが逸れてしまったか」
「だ、誰、なんだよ……お前!?」
汗が吹き出す。なんだコイツは?
まるで、蛇のような真っ白な流線型の姿。
指の先には鋭いブレードがついている。
大きさはオレと同じくらい、か?
「……ロ、ロビン。どうすんだよ、こいつ……!」
「…ジャン。アリスを頼む」
「んなっ、ロビンは……」
「コイツを頼んだぞ」
オレはアリスをジャンに押し付ける。
ジャンはその立派な体格を震わせて、オレを見る。
「ロビン」
「……………」
「……頼むから、死なないでくれよ。お前の墓に立つなんて、まっぴらごめんだ」
そう言ってジャンはアリスを運ぶ。
「……さて、死ぬ用意は出来たか」
「残念ながらできてねぇんだよ…!!」
叫ぶが早いか、オレはゴミ箱を相手に投げつける。
あのクソッタレはそのゴミ箱を瞬時に両断、オレの懐に容赦なくタックルを仕掛ける
「ごはッ…!?」
数メートル吹っ飛ぶ。
オレは鞄を抱えて背中から地面に落ちた。
「カハッ…げほっ」
「……威勢はいいが、それで終わりか」
ヤベェ、死ぬ。
息できねぇ。背中もイテェ。これ、折れてねぇか?
「………………つまらん」
ヤッベェ…!
あの攻撃が来ることを直感的に予感する。
「消えろ」
「…っっっ!!」
ミンチになる事を覚悟したが、ある言葉を思い出す。
つい先日亡くなった、祖父の言葉。
『いいか、ロビン』
『男はな?惚れて、一緒になった女は無理を通してでも護んなきゃいけねぇ。』
『お前は、俺の孫だ。俺にも、バカ息子にも出来るんだからよ。お前がやれねぇ事はねぇ』
だから、ロビン。自分の嫁残して死ぬんじゃねぇぞ?
「うおぉぉぉっ!?」
オレは間一髪その攻撃を避ける。
「…………」
「ア、あっぶねぇ……」
そう言いつつ、オレは立ち上がり、ヤツを見据える。
「……仕留められると思ったんだが」
「残念だったな、カマキリ野郎。まだ死にたくねぇんだよオレ」
「…………」
「ついでに、反撃開始だ」
「…なに?」
オレがそう言い放つと、オレの周りに様々な電子的なエフェクトが現れた。
『ロビン・クリスティファー。インベンシブを起動させる鍵となる問答を』
『何故、貴方は戦うのですか?』
「愛する者を、守るため」
アイツが傷ついたのに、守るだなんて偉そうに
『何故、貴方は救うのですか?』
「自分自身の、償いの為」
こんな事で償える訳がない。
『その力で、救えるの?』
「例え、救えなくたって。俺にできる事はある」
でも。それでも、オレはそうしたい、そうありたい。
多数決の多数意見とか少数意見とかはどうでもいい。
オレは、正義を楯にした理不尽と、オレの嫁とか、友達を傷付けたヤツは許せないだけだ。
『インベンシブを起動させる、音声メッセージを』
「わかった」
さぁ、叫べ。自分自身を変える為に。
さぁ、倒せ。目の前の敵を。
さぁ、
自身の
「チェンジ・アップ!!」
紫の衝撃波が怪人を怯ませる。
目を、開けた先には…………
「スーパーヒーロー、インベンシブ!ただいま参上ってな!!」
自身の敵を刈り取ろうと翼を広げる、