やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。 作:ローファイト
誤字脱字報告ありがとうございます。
再開です。
ガイルイベント、一色いろは登場
㉓生徒会立候補者問題
シロとタマモの訪問を受けた翌日。
俺は普通に学校に向かうために家をでる。
「一度、八幡殿の学校に行ってみたいでござる」
などと言って、シロの奴は付いてこようとしたが、丁重にお断りした。
明日、土曜日で休みだから、好きなところに連れてってやると約束して納得させただけの話だが………
因みに俺も霊的構造が回復がまだなため、美神令子除霊事務所のアルバイトは来週末まで休みをもらっている。GS免許試験、京都の茨木童子との戦いで、立て続けに大きなダメージを喰らっているためだ。ゆっくり休養をとることが大事らしい。
美神さんは普段はめちゃくちゃ無茶を言うが、こういう時は無理は言わない。その辺は流石に一流のプロだと言ったところか……はたまた、大事な丁稚(戦力)を使い物にならないようにしないための予防処置なのかもしれないが。
放課後、部活に顔を出すが、やはり今日も由比ヶ浜の距離感がおかしい。
昨日から、やたらと近いのだ。
……まあ、目の前で俺があんな怪我したからな。優しいあいつの事だ。その辺を心配しているのだろう。
そこに、この学校の生徒会長城廻めぐり先輩がこの奉仕部に久々の依頼者を連れてきた。
「一色いろはです」
その依頼者は一年生の女子、美少女といっていい顔立ちだ。
口調は城廻めぐり先輩のように、ほんわかとした口調だが……たぶんこいつは狙ってわざとその口調にしている。時々俺の方をチラチラ見るところから、多分男受けするためにそんな事をしているのだろう。
因みに由比ヶ浜とは面識があるらしい、現在葉山や戸部が所属してるサッカー部のマネージャーだとか。
依頼はこうだ。
一色いろはを次の生徒会長選に当選させないようにしてほしいと………
なぜ、そんな事をと思うが、一色いろはは自ら立候補したわけではない。誰かが推薦人を勝手に20人募って、本人の意志とは関係なく一色を生徒会長立候補者として祭り上げたのだ。
どうやら、一色の話しぶりから、嫌がらせのようだ。一色は男受けをするが、同性には嫌われるタイプのようだ。そんな一色を苦々しく思っているクラスメイトやら同学年の女子がこんな事をしでかしたそうだ。
本人はその意志がないと、そんな物を無効にすればいいようなものだが……。
無碍に断ることが出来ないとのこと。立候補推薦を取り下げると、推薦者からの糾弾や一色にあらぬ悪評が立ちかねないのだそうだ。
それを見込んでのこの立候補者推薦なのだろう。なにそれ?女子の世界って怖くない?
しかし、これを考えたやつはなかなか頭が切れる奴のようだな。こんな事に頭使うんならもっと別な事に使えよな。世界平和的なアレとか……
一色は困って、生徒会長の城廻めぐり先輩に相談し、その城廻先輩も一色がダメージをくらわないという条件の解決方法を思いつくことが出来ず、奉仕部に相談に来たのだ。
そして………
一色のイメージにダメージを受けずに風評被害などを受けない解決方法として考えられるは…強力な立候補者に敗れる事だ。これならば、一年生の一色がダメージを喰らうことはない。
………その前にそんな奇特な立候補者は見つかるのだろうか?
俺的にはこんなドロドロした女の世界に関わりたくないんだが………生徒会の依頼となると断りにくい………
奉仕部は渋々といった形でこの依頼を受けることにしたのだ。
城廻先輩と一色が奉仕部の部室を出た後、雪ノ下はしばらく考え込んでいた。
「……私が生徒会長選挙に立候補する。…というのはどうかしら?」
「ゆきのんがなんで………」
確かに雪ノ下が立候補し、一色と選挙戦をすれば十中八九、雪ノ下が勝つだろう。……しかし。
「雪ノ下、生徒会長になりたいのか?」
「……私なら、一色さんに勝てるわ」
「いや、そこじゃない。雪ノ下が本当に生徒会長になりたいのかだ。……確かに雪ノ下が出れば、一色に勝つだろう。生徒会長もそつなくこなせると思う。しかし、そこに雪ノ下の意思があるのか?」
「……その方法が確実よ。…………私にはそれしか、……私にはその手しか考えられなかった」
雪ノ下はうつむき加減で、どこか自分を責めるかのような言い方をする。
「その案は却下だ」
俺は雪ノ下にハッキリと言う。
雪ノ下はこの案を提案はしたが、何か引っかかっている。それがなぜだかわかる。
もし、雪ノ下が立候補すれば、当選する。その後は生徒会長として、学校の生徒をまとめていくだろう。しかし……そこには既に奉仕部は存在しない。生徒会長と部活の両立は困難だからだ。
それは雪ノ下自身理解しているからこそのこの物言いなのだろう。
それだけではないようだが……自分を責めている?いや……苛立っているのか?焦っている?
「では、あなたは他の案があるというの!?」
雪ノ下は珍しく感情的だ。
「………今は、ない。……まだ、ちょっと時間がある。なにか皆で考えれば」
「私は考えたわ!考えてこれしかないと!」
「雪ノ下……何を焦ってる?」
「あ………ごめんなさい。声を荒げて……私にもわからない」
また、雪ノ下は俯いてしまった。
どうしたんだ?今日の雪ノ下は…らしくない。
「ゆきのん………」
由比ヶ浜はそんな雪ノ下を心配そうに声をかける。
「週明けにもう一度、意見を出し合うか」
「うん、ヒッキーあたしも考えてくる」
「……わかったわ」
今日は奉仕部を早めに切り上げる。
皆で、校門まで歩く。
由比ヶ浜は今日は、雪ノ下にピッタリとくっつく。
しかし………校門から人影が現れる。
「八幡殿!!待っていたでござる!!」
いきなり、そいつが飛びついてきた!
俺を押し倒す勢いだ!
「ちょ!ま、まて!!」
おいーーーーー!なんでここにいるんだこいつは!!
「ヒッキー?……その子だれ?」
何故かふくれっ面の由比ヶ浜。
「……誰かしら、その子は……随分親しそうね。スケベ谷くん」
冷たい視線を送り、何時もの様にディスる雪ノ下。………先ほどとは違い何時もの調子が戻ったようだ。これでこそ雪ノ下。
「散歩!散歩!散歩!!」
俺の顔を舐める勢いだ!
俺はそれを阻止するために、飛びついてきたシロの肩を掴み押しのける。
「なんで、来たんだよ!」
「じっと家で留守番するの性に合わないでござる!だから迎えに来たでござるよ!」
おい、タマモがいるだろ……まあ、シロと違ってタマモは結構インドア派だからな。小町の若者向け雑誌やら少女漫画やらを読んでくつろいでいるのだろう。
というか、言い方なんとかしろよ!それはあらぬ誤解を招くだろ!!
「家で留守番?迎えに来た?どういうことかしら?まさか!?」
「どういう事!ヒッキー!!」
「ちょ!シロ!離れろ……って、なんで、お前ら怒ってるんだよ」
「散歩!散歩!!」
「これはじっくり、話を聞く必要がありそうね」
「ヒッキー!!」
何これ?何だこれ?
俺は何もしてないのになんか修羅場みたいになっているのだがどうなってる?
修羅場とは、複数の女性と付き合って、それがバレて、責められる状況だよな。
俺は女性とも仲良くなった試しもないし、付き合った事もない。なんだこれは?
結局、この後すぐシロと雪ノ下と由比ヶ浜とサイゼに行くことになった。
この章は
ガイルイベント生徒会立候補者問題+クリスマスイベント+GS風イベントがMIX
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