やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。

簡単な設定ですが20☓☓年10月頭現在
美神令子23歳
横島忠夫19歳
氷室絹 17歳高校3年生
比企谷八幡17歳高校2年生

GSは原作終了の2年後ぐらいを設定(この人達は何年もループしてるからよくわかりませんがw)
時間軸は俺ガイルを基準
アルバイトは1年前の4月後半から……約1年5ヶ月間
その他設定はあやふや(ギャグがしたくて勢いで作ったから)


③今日も妖怪退治

そんなこんなで、俺は美神さん所に厄介になることになったのだ。

しかし、それはなかなかハードな展開だった。

俺の霊障体質の改善にかかる費用は5000万と言っていたが、横島師匠が俺の世話をすることで、1000万に減額になった。………それでも1000万円だぞ。

そんな金は俺はもちろんのこと、比企谷家にあろうはずもない。

そこで、守銭奴美神さんの提案で、俺は美神令子除霊事務所でアルバイトすることになったのだ。

アルバイト料から返済していく事になる。

しかし、ゴーストスイーパー事務所にアルバイトとなると色々と制約があるのだ。

本人の意思だけでなく、未成年である俺は親の許可が要るし、各種役所にも届け出もおこなわないといけないのだ。

もちろん親はその案を喜んで受けた。ただ……小町だけは不満そうだった。

 

因みに俺の今の時給は1800円だ。その内の1000円が返済に消えていく。

結構良い金額と思ってる連中がいたら殴りたい。

ゴーストスイーパーのアルバイトは過酷だ。命が幾つ有っても足りないと思えるほどだ。

幽霊、妖怪、悪霊なんでもござれだ………

この金額はGS登録業者の最低賃金らしい。過去に不当な賃金でGSやGS見習いを雇っていた業者や、正当な報酬を受けずにタダ同然でGS依頼を受けていた業者がいたために、法改定がなされた結果なのだそうだ。

因みに、不当な賃金で雇っていた業者とは……美神さんの事だそうだ。しかも雇われていた人は横島師匠。………時給250円だそうだ。GS云々の前に東京の最低賃金余裕で割っているのだが……まさしく守銭奴。まあ、雇われる方も雇われる方だと思うのだが………どうせろくな理由じゃないことは分かりきっている。

さらに、正当な報酬を受けずにという業者は美神さんの師匠なのだそうだ。俺も数度会ったことがあるが、頭と一緒で幸薄そうな顔をしてたな。

 

俺は霊障体質の改善とアルバイトのために美神令子除霊事務所に通うことになるのだが………

その霊障体質の改善は結構難しいらしい。

一番なのは、自らの霊力をコントロールし抑えることなのだそうだ。

俺は事故により後天的に霊能力が開花し、霊障体質になってしまったようなのだ。

これは、後天的に霊能力が開花した時に霊気・霊力量が多いと、稀になる症状だそうなのだ。

霊力のコントロールがろくすっぽ出来ないのに、多量に霊力を生み出すものだからダダ漏れになり、それに惹かれて、雑霊が集まってくるらしい。最悪悪霊や悪魔を呼び寄せてしまうとのこと……

そうなる前に、美神さん達に出会ったのはラッキーだったとも言える。

 

というわけで俺は、霊障体質を改善すべく霊力コントロールを物にするために横島師匠から教えを受けることになったのだ。

これが、俺と横島師匠が師弟関係となったきっかけだ。

 

俺はこの事務所のアルバイターとなって1年経ったある日、キヌさんに聞いてみた。

よくよく考えるとあの守銭奴の美神さんがあの場でよく俺を受け入れたんものだと……アルバイトの提案等をしてくれ親身に対応してくれたのには、疑問があったのだ。

なぜ?受けいれてくれたのか?…………

簡単な話であった。元々俺を受け入れるつもりだったのだ。……意地っ張りな美神さんはあんな言い方しかできない。それで、わざわざキヌさんと横島師匠がああ言ってなだめ、渋々という形に持っていったのだ。………いわゆる儀式みたいなものだ。

でも、なぜ元々俺をという疑問が残る。

仕事前に美神さんは必ずタロットカードによる占いをする。その予知はほぼ確実。

それで、出た予知は……その日に出会った困ってる人を助け、友好関係を結ばないと将来大きな金を失い破滅することになると出たそうだ。その予知が出た時の美神さんはこの世の終わりの様な顔をしていたんだと…………

美神さんらしいと言えば、美神さんらしい…………

まあ、そのおかげで俺はこうして、今は霊障に悩まされずに生活ができているのだから………ありがたいことだ。

 

それよりも、キヌさんは気になることを言っていた。

あの横島さんが男性の比企谷くんの面倒を見ることに、あまり文句を言わなかったと………

確かにそうだ。

あのスケベが服を着ているような男が何で俺をすんなり弟子にしてくれたんだ?

……いくら考えてもわからん。そのうち聞き出すか。

 

 

俺は出会った頃の事を思い出しながら、二階の廊下掃除を終わらせる。

 

 

 

掃除を終えた俺は美神さんに事務所に呼ばれる。

美神さんは何時もの所長席に座り、その横でキヌさんが紅茶を入れていた。

 

因みに俺が下の名前で女性を呼ぶのは小町以外では、キヌさんが初めてだ。

彼女は俺にキヌ(絹)の名前で呼んでほしいと言っていたのだが、俺は氷室さんで通していたのだ。

気恥ずかしい上に、勘違いしそうになるだろ?

そのうち、「比企谷くんと仲良くしたいのに」と涙目で訴えられ……俺は折れるしか無かった。

………聖母の涙、悪い事をしていないのに、こちらが100パー悪い気がしてくるのだ。

 

床の上で、簀巻きになった横島師匠が涙を滝のように流しながら転がっていた。

 

「シクシクシク、仕方がなかったんやーー」

何時もの事だ。

 

「まだ言うか!!」

美神さんは横島師匠をゲシゲシと踏みつける。

 

 

 

「まあ、いいわ。今日の仕事だけど、こっちの案件は私とおキヌちゃんとで行って来るから、比企谷くんは横島くんとそっちに行ってきて」

一通り制裁を行い気が済んだ美神さんは床に簀巻きで転がる横島師匠をよそに、俺に机越しに話を進める。

 

「ちょ、師匠と二人っきりですか?」

 

「そうよ。横島くんが問題起こさないように見張ってね」

 

「まじですか……」

横島師匠と2人で行くとろくな目に遭わない。

 

「君のバイト代だってバカにならないのよ!厚生労働省かなんだか知らないけど!かってにGS(ゴーストスイーパー)登録業者の最低賃金なんか決めて!!従わないと業務停止とか、ありえないわ!!保険料だってバカにならないってのに!!」

美神さんは徐々にエキサイトする。

 

 

時給1800円でも割に合わないと思うのは俺だけ?……もう1年以上経ったからもうちょっと上げて貰ってもいいんじゃないでしょうか?

 

 

そんなこんなで、俺は簀巻きにされた横島師匠を開放し……除霊の準備をする。

俺は美神さんから転送された依頼書ファイルをタブレット端末で確認。

「プールに居座っている妖怪の退治か…………ランクDまあ、楽な仕事かな?」

 

「プーーーール!?そ、それは何処だ~!!」

 

師匠は先程までぐったりしていたが、急に元気になって、俺からタブレットをふんだくる。

 

「水着の姉ちゃん達が僕を待ってくれてる!?水着見放題のナンパし放題!?なんて素晴らしい依頼なんだ!!」

 

「ちょ、師匠それ…………」

 

「八幡~先に行ってるぞ~」

そう言って横島師匠は脱兎のごとく走り去ってしまった。

 

「………車で行くんじゃなかったのかよ………まあ、あの人、スケベが絡むと車より速く走れるからな…まったく人間かよ……って俺はどうする?………チャリか………まあ、どうせ現場いったらやる気なくなってそのへんで茶でも飲んでんだろ」

きっとやる気無くなってへこたれてる師匠が目に浮かぶ。

今は既に10月だ。屋外プールは既に閉鎖されているしな……水着の女性など居るはずもない。

 

俺は登山用のザックに準備した除霊道具を一杯に詰め、社用車のチャリで現場に急行する。

 

案の定、プールの入口付近でやる気なさそうに座って、缶コーヒーを飲んでる師匠が居た。

 

「八幡!俺をだましたな!?水着のねーちゃんなんて何処にもいないやないか!」

なぜか、涙をちょちょ切らせながら俺に抗議する横島師匠。

 

「普通分かるでしょう………」

俺は呆れた様に言う。

 

「屋内プールかもしれないだろ?」

 

「だとしても、依頼をこなすのは、閉園してからでしょ普通は………」

 

「はぁ~一気にやる気無くなった。そうだ。八幡が退治しちゃえば、俺は見てるし………」

 

「俺1人すか?」

 

「Dランクだろ?今までだって、何体かは退治してるし、1人でも行けるだろ」

 

「まあ、そうですが……」

 

「今回の依頼は1200万だから、400万以上の札を使うなよ。怒られるのは俺なんだからな」

 

「わかってますって………依頼者には既にコンタクト済みで、勝手にプール園内に入ってよしと………ああなんか居んな」

タブレットで再度依頼内容を確認しながら、俺はプール園内の方を目を凝らして見る。

するとぼんやりと負のエネルギーのようなものが、プールの中に沈んでいるのが見える。

師匠によれば俺は目がいいらしい。霊視ゴーグル無しに同じ精度の霊視が可能だとか。

って言っても、全く実感がない。そもそも師匠自身が霊視ゴーグルなんて使ったのを見たことがない。

 

俺はプール敷地フェンスに結界ロープを張り巡らせ、奴さんを逃げられない様にする。

飽く迄も俺は基本に忠実にだ。美神さんや横島師匠ぐらいになるとDランク程度は、そんな物をすっ飛ばして、一撃で倒してしまうからな。

 

よし……この季節にプールの中に入るのは勘弁してほしいから、彼奴をおびき出すか………

 

俺はプールサイドから、札を取り出す。電撃が封印されている30万札だ。

その札に霊気を送って、プールの水面に叩きつける。

「出てこいよ!」

 

プールに電撃が走り放電する。

 

『ぐわーーー、なんだお前は?…………ん?なんだお仲間じゃねえか』

2m程度のメチャクチャブサイクな妖怪が電撃を受けて水中から現れる。

由比ヶ浜だったらこいつ見たらきっと「きっもー」って言うだろな。

というか何?俺が仲間に見えるってどういう事だ?俺もキモいってこと?

 

「誰がお前の仲間だ!」

 

『その目……ゾンビじゃないのか?』

 

「誰がゾンビだ!……覚悟しろ」

なに、俺の目ってそんなにゾンビに似ているの?くそっ、お前だけには言われたくない。このブサイク妖怪!

俺は心の中でブサイク妖怪を罵りながら再度、電撃の30万円札を水面に叩きつける。

 

『ぐわわわわーーー、何するんだよ~、おいらが何したっていうんだ?』

 

「お前がそこにいる時点で不法侵入なんだよ!」

 

『せっかく静かに過ごせると思ったのに!!夏はこの姿を見た女の子に蔑まれるわ、罵られるわ!ブサイクに生まれたくて生まれたんじゃないんだーーー!!』

 

「………なんかいたたまれない気分になるのだが」

 

『くっそーーーーーお前ももっとブサイクにしてやるーーーーーー!!』

ブサイク妖怪はそう言って口から水鉄砲のように、なんか汚い液を吐いてきた。

 

「うわっ!」

俺はそれをかろうじて避けたんだが………その汚い液が触れた床が溶け出す。

 

「げっ」

 

『ふっはっはーーーー恐れ入ったか』

 

「くそ、器物損壊したら、依頼料が減額されて、美神さんに怒られるじゃねーーか!」

俺は右手に意識を集中させ、六角型の霊気の盾を生み出し、ブサイク妖怪に投げつける。

横島師匠から最初に教わった霊術サイキックソーサーだ。霊気量が比較的多い俺にピッタリの技だ。

 

サイキックソーサーは高速回転しながらブサイク妖怪の頭に深く突き刺さる。

『ぐわわわわわーーーーー』

ブサイク妖怪は相当ダメージを食らったようだ。

 

「チャンスか」

俺は100万円の封印札を取り出す。

 

「悪霊吸引!」

札に霊気を送ると、対象にしたブサイク妖怪が札に吸い込まれる。

指を齧り、自分の血を札の術式に付着させ封印を施す。

大分俺もこの仕事、板についてきたな………

 

 

「ふう~、師匠終わりましたが………あれ?」

 

 

さっきまでそこに居た師匠が居ない………俺は近くにあるコンビニに行く。

横島師匠の行動パターンなど丸わかりだ。

 

横島師匠はやはりエロ本コーナーでエロ本を目をギンギンにして無心に読んでいた。

 

俺は、コンビニの外から、エロ本コーナーの前のガラスを叩く。

 

「うげっ……」

 

師匠は慌ててコンビニから出てきて……

「よくやった八幡。流石は俺の弟子だ」

 

「…………あんた。見てなかっただろ」

 

「あははっ、あれ?そんな事無いぞ…見事だった」

うん、これ絶対見てないだろ……目が泳いでるしな…………

 

「はぁ…ちゃんと封印しましたんで………損害箇所は10万程度、使用資材は消耗品入れて170万。合計180万ってとこです」

俺はため息をついた後に。師匠に結果を報告する。

 

「1200万の依頼で180万の経費か……八幡1人でやったことにすれば、これなら、金一封は出そうだな……まあ、借金の返済に消えるんだけどな………今日は速く終わったし、ラーメンでも食って千葉の自宅に帰るか?」

 

「いや、せっかくだし、師匠、訓練付けてください」

 

「え~~、折角の花金なのに~」

 

 

バカでスケベだが横島師匠は優しい……この依頼をオレ一人でやらせたのも、借金返済の足しになるだろうと思ったからだろう。

それに、なんだかんだと、訓練やらを面倒くさそうにするが、ちゃんと付けてくれる。

 

 

「八幡~~、金一封出るし~お姉ちゃんのいる店行かない?」

 

「……………」

優しい…はずだよな…きっと……




八幡の現在の能力
霊気量:多め
霊視:得意
各種霊具の扱い:○
術サイキック・ソーサー
その他不明

因みに横島の今の所
八幡を教えられるぐらいの霊能力の知識(多分美神ゆずり:総合的にレベルアップしていると思われる)
車より走るのが早い。
車の免許を持っている(多分)
スケベ(変わっていない)
バカ(変わっていない)
回復力:化物(ギャグ補正)


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