やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

……先に言っておきます。
八幡が八幡が……少し壊れちゃいます。


【五章】妙神山修行編
㊺ドラゴンへの道、その1


俺は今、東北山中の険しい山々をひたすら登っていた。

 

前日の夜半、横島師匠に地図を渡され、修行場がある妙神山と呼ばれる山へ行くように言われたのだ。

途中までGPSが使えたのだが、急に霧が立ち込めGPSが使えなくなる。

どうやら、人が無闇に近づかないようにする人払いの結界のようだ。

俺は自分の霊感のみを信じ突き進む。

 

 

前日の12月25日昼間

奉仕部でのプチクリスマス会に強制参加

場所は雪ノ下の家だ。

一応俺はクリスマスプレゼントを用意し二人に渡したのだが……不評だった。

俺が二人にプレゼントしたのはタロットカードだ。もちろんプロ用の本物だ。

女子は占いとか好きだしな。小町も言ってた。

しかも、2人の前でタロット占いを行ったときはかなり興味津々に食いついて来たのに、何が不満なんだ?

 

理由はこうだ。

 

本当に当たる占いは怖いから嫌なんだそうだ。

 

なにそれ?

占いが当たったらお前ら喜ぶだろ?

なんで、高確率で当たるタロットカードはダメなんだ。

霊能者の素質がない雪ノ下と由比ヶ浜がやったところで、普通のタロットカードよりほんの少し確率が上がる程度なんだが……

 

釈然としない。

一応受け取ってはくれたがな。

 

 

12月25日夕方

比企谷家ではクリスマスを祝う。別に比企谷家はキリスト教でも何でもないが、まあ、何となく世間に合わせてだな。そういう事になってる。

 

12月25日夜

美神令子除霊事務所に行く。すでにクリスマス会が行われており。

どんちゃん騒ぎだ。

美神美智恵さんにひのめちゃん。オカGの西条さん。夜半には唐巣神父も登場。その他いろんな人や人じゃない方も現れる始末。

 

 

そういえば、クリスマス会当日の夕方、俺の家に雪ノ下さんが急に来て、デートに行こうと騒ぎだす。………マジで疲れてる俺は、同時多発霊災に関わった経緯を言って断るが、どうも雪ノ下さんもそれに出動していたらしくて、お互い様だと言い出す始末。

次にクリスマスイブは家で過ごすのが比企谷家の習わしだと言ったら……何故か雪ノ下さんもうちの夕飯に混ざる事に、しかもこの人、小町とすでに仲が良いようで、一緒に晩飯まで作る始末。

……やばい、このままだと、強制的に高校卒業と共に土御門家の婿に……

 

 

 

そんな回想をしてる間に、俺は山を随分と上へと登っていた。

少し開けた場所に出ると、大きな木造建築物が見えてくる。

山門をくぐり、建物と大きな門構えが見えてくる。門構えの木看板に妙神山とかかれていた。

ここだな……修行場というのは。

 

さっきから気になってたんだが……遠目で見えてた門構えの左右の門扉、両方ともに大きな鬼の顔が付いてるんだが……しかも結構な霊気を感じるんですけど。しかも質感が生々しい。もしかして、この門生きてる?

 

周りには誰も居なさそうだな……

とりあえず、門扉についてる鬼の顔に聞いてみるか……多分生きてる門だ。

 

俺は門扉についてる大きな鬼の顔に話しかけようと近づく。

 

「「貴様、何者だ!!ここをどこだと……」」

急に左右の門扉についてる鬼の顔の目がぎょろりと俺に向き、一斉に怒鳴ってきた。

やはりな生きた門だったな。だが、俺はこんなことぐらいではもはや驚かない。1年と9か月の間にいろいろな目に合って来たからな。

 

「……左の…もしや」

「……右の…間違いない」

左右の門扉の鬼顔は俺をまじまじと見てから、お互いの目を合わせ何やら小声で確認しあってる。

どうやら、俺がここに来ることが事前に知らされていたようだな……

 

「し……失礼しました。まさかあなた様がこのような所に来て下さるとは」

右の門扉の鬼顔が俺に向かって謝り、丁寧な対応をしてくる。……何かおかしい?

 

「どのような、ご用向きでしょうか、一言主様」

左の門扉の鬼顔は、俺の知らない名前を出す。

……やっぱり思いっきり誰かと勘違いしてるぞ。

 

「あのー、俺、そんな名前じゃないんですが、誰かと間違ってるんじゃないんですか?俺はひきが……」

 

「ご冗談を、まごうことなく、あなた様は、一言主様です。嫌ですな、はっはっはーーー!」

「そうです。その濁った瞳に、どこ見ているのかわからない視線。やる気のなさそうな双眸。八百万いらっしゃる日ノ本の神々の中で、一言主様だけです。間違えるわけがありません。はっはっはーーー!」

 

「………」

思いっきり間違ってるんだよ!!この目か!また目の事か!!何それ!!一言主って神様?神様が目が腐ってるのかよ!?しかも何気に神様を笑いながらディスってないかこの鬼たち!!

 

「しかし、左の……一言主様、ちょっと小さくなられたのではないか?」

「うーむ。この頃、日ノ本も空気が悪くなったと言うしな」

 

「……一言主様じゃないんですが、比企谷八幡って言います。ここに修行に来たんですけど。横島忠夫が先に来てると思うんですが?」

俺はこの鬼共のペースに乗らず、一度深呼吸をしてから、再度名乗る。

もう、このパターンは飽きたんだよ!

霊能者にはゾンビに間違えられ、鬼や妖怪には、泥田坊に間違えられ……今度は一言主って。

 

「横島!?」

「右の!!こやつ、よく見ると人間だぞ!!」

「なにーーーー!!本当だ人間だぞ!!左の!!」

「貴様!!一言主様を騙るとは、不届き千万!!そこに直れ!!」

 

「……あんた達が勝手に間違えたんでしょ?俺は比企谷八幡。ただの人間だ。横島忠夫の弟子で、ここに修行に来たんですよ!」

くそ、この鬼ども、勝手に間違えたくせに、なにそれ……

 

「横島の弟子だと!!……確かに聞いていたが、ここまで一言主様に似てるとは…まあいい。いくら横島の弟子だからとて、ここをただで通すわけにはいかんわ」

「ここを通りたくば、我ら鬼門を倒して見せい!!」

 

「倒せって、壊れちゃいますよ?」

倒せって門に顔が付いてるだけなのに?それ門ごと壊せって意味か?

 

「「生意気な!!壊して見せいと言っているのだ!!」」

鬼共が一斉そう言うと3mはあろうかという灰色の筋骨隆々な頭がない体が門の左右から2体現れた。

多分、これがこの門の鬼達の本体なのだろう。

結構強そうだ。

 

でもな、わざわざ、そんな強そうな肉体と戦うバカは居ない。

目の前の門に封印されているような顔の方を叩いた方がかなり楽だからだ。

 

俺は登山グッズの一つ、お湯を沸かすコンロにも使える多用途ガスバーナーで鬼の顔がある門を焼く。

 

「「あつッ!!こらーーーー!!何をするんだ小僧!!門が燃えたら小竜姫様に怒られるではないか!!」」

 

「え?……壊して良いって言ってなかった?」

 

「ぐぬ!!貴様屁理屈を!?」

「まるであの悪鬼美神令子のようだ!!」

「「とにかく燃やすのは禁止だ!!」」

門の鬼は左右別々に話し出す。そして口裏合わせたように、燃やすのを禁じてきた。

美神さんの事も知ってるようだが、鬼に悪鬼って呼ばれる美神さんって……いったい何をやらかしたんだ。

 

「じゃあ、これで」

俺はガスバーナー放り投げ、神通棍を取り出し、左の門扉の鬼顔の鼻の穴にぶっ刺し、霊力を送り放電させる。

 

「あががががががが!!」

「ひ、左の!!貴様!!何をする!!正々堂々と戦わんか!!」

 

「え?正々堂々戦ってますが?」

俺は左の門扉の鬼顔の鼻にぶっ刺した神通棍を抜く。

 

どうやら門扉の左の鬼顔の体にも俺の霊力が届いたのか、放電しながら巨体が地響きと共に地面に倒れる。

先ずは一体。

 

「ひ、左のーーーーー!!貴様!!我らの体と戦えと言っているのだ!!」

 

「なら、最初からそう言ってください」

なんか、勝手な鬼だな、ルールなんて最初に説明してなかったよな。ただ倒せとしか言ってないぞ。

 

「後悔するがいい!!数千年の時を経て、この妙神山を守護した鬼の力を!!」

右の門扉の鬼の本体の体の霊力が一気に上がる。

………流石は鬼だな。かなりの霊力だ。茨木童子に比べれば、大分落ちるが……

だからといって、真面に正面から戦ったら厳しい相手だ。

 

俺は神通棍を構えながら、霊気を解放し、霊力を高め、身体能力を上げるとともに、霊視空間把握能力を発動させ、攻撃態勢に入る。

 

が………

 

バタン!

 

門構えの、右の門扉が内側から勢いよく開け放たれた。

右の門扉の鬼の顔は、思いっきり柱に打ち付けられ……その痛みで本体の体は地面にのたうち回る。

 

 

しかし……俺はそれどころじゃなかった。

 

 

「あなたが横島さんのお弟子さんですね。ようこそ、妙神山へ」

開け放たれた扉から現れた少女がニコっと可憐な笑顔を俺に向けたのだ。

 

俺はカミナリを全身に受けたような衝撃を受ける。

……めちゃくちゃかわいい子だ!!

なにこれ!!その燃えるような赤い髪に竜の角のようなアクセサリ!大きな瞳に健康そうな笑顔!鈴の音のような可愛らしい声!

そして、凛とした佇まいに、華奢そうな体を包む古風な東洋ファンタジー風の服装!腰には刀ではなく剣を差す!……完璧だ!!

 

確かに、美人美少女は今まで見てきた。美神さんやキヌさん。雪ノ下に雪ノ下さん、由比ヶ浜も美少女といっていいだろう!!しかーーし!!

 

これは他を圧倒する!!

 

なにこれ!!俺が中二病を患っていたあの頃に夢想したファンタジー世界の理想のヒロインそのものじゃねーーーかーーーーー!! (ねーーーかーーーー!!ねーーーかーーーー!!)

 

 

「あの…」

俺はあまりの感動にプルプルと震えていた。

 

 

「どうしましたか?」

 

 

「……ひ、比企谷はちみゃん……比企谷八幡と申します」

やばい……舌がもつれる………はずい

 

 

「はい、存じ上げてます」

笑顔が眩しい!

 

生きててよかった!!

横島師匠に今迄頑張ってついてきてよかった!!

 

俺は今、横島忠夫の弟子であった事を心から感謝したのだった。




小竜姫様登場!!


今の八幡のスペック
CランクGS
実力はBランクの魔獣ガルムを単独で倒せるぐらいのレベルに成長。

戦闘タイプ
美神さんよりのオールラウンダー
呪符や術式を得意としてる。
霊視ゴーグル並みの霊視能力がある。
神通棍

横島譲りの術儀
サイキックソーサー
霊波刀 但し40秒が限界……GS試験前は20秒
体術??

オリジナル術儀
霊視空間把握能力

……タロット占いは美神さん並みに得意なようだ。本人に自覚はない。
(霊感が鋭い)



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