やはり俺がゴーストスイーパーの弟子になったのは間違っていた。 作:ローファイト
誤字脱字報告ありがとうございます。
このシリーズまだ、始まったばかりなのです。
徐々に色々な設定や、キャラを小出しにする予定なので、しばしお待ちを………
特に横島くん関係は………
というわけで、今回はモブ子さんと勝負です。
要するにつなぎ回です……はい……
俺は二次試験三回戦、四回戦と、あっさり勝利した。
これで晴れてGS資格が得られたのだが……釈然としない。
今までの、試合の相手があまりにも手応えがなさすぎる。
俺はラッキーだったのか?
『Dグループ決勝、336番、355番前に』
俺はそんな疑問を持ちながらDグループ決勝へと駒を進める。
これに勝てばベスト4だ。
『Dグループ決勝、336番、美神令子霊能事務所所属、比企谷八幡 対、モッフル霊機㈱所属、安藤安美』
とうとう女性と当たってしまったか……怪我させないようにしないとな。降参してもらえるようにするしかないか……
「っておい!審判の人!あれなんなんすか!?」
俺は対面に現れた。安藤安美なる女性ではなく………いや、ネズミか犬かわからん2、3頭身の着ぐるみがショットガンを構えながらポムポム歩いてきたのだ!場違いにも程がある!
「ん?なんだね君、構えなさい」
「ええ?ちょ、あれおかしくないっすか?」
「あの着ているもののことかね。霊装だからOKだ」
霊装って……あんなファンシーな霊装なんてあるのかよ!なんか駆動音みたいなのがするし!
「いや、なんか機械が動く音がしますよ?ロボットじゃ………それに手に持ってるの思いっきり銃じゃないですか!」
「……正式に霊装の許可証があるからOKだ。あの銃は霊符が練り込まれた弾を発射する銃だからあれもOKだ」
なにそれ、許可があれば何でもいいのか?霊符が練り込まれた弾だといっても、銃は銃じゃねーか!
「まじ?」
『試合開始!』
ドゴーン!
「うお!?………」
俺はそのわけがわからん着ぐるみロボットから発射されたショットガンの弾をかろうじて避けたんだが…………避けた先の床には複数の弾がめり込んでいる。
「モノホンの銃じゃねーか?そんなんありかよ!?」
「あは!?避けたらダメ。避けたら試験にならないじゃん!」
着ぐるみロボットから可愛らしい女の子のような声がスピーカー越しのように聞こえてくる。
しかも何言ってんだ?頭のネジがふっ飛んでるんじゃないか?
「そんなもん避けるわ!」
思わず横島師匠ばりのツッコミを入れながら、次々にショットガンをぶっ放してくるのを尻目に、俺は横島師匠のように思いっきり走って逃げる。
まあ、横島師匠の走り方までは流石に真似できないが……俺は普通に走って逃げる。
「すばしっこーい!これならどう!?やっちゃんファイヤーー!!あは!?」
今度は口からなんか出てきたぞ!?
おい!火炎放射器じゃねーーか!
「し、審判!あれ反則!!」
俺は審判にアピールするが……
「あれは火炎石を核に使った霊的構造を伴った兵器だからOK」
何?この審判、この着ぐるみロボットの回し者?なんでそんなことまで知ってるんだよ!?
「あちっ!」
俺はそれでも、走って避ける避ける避ける。
「あたらなーーい!これならどうだ!!やっちゃんボム(手投弾)!!あは!?」
着ぐるみロボットは手投弾をポイポイ投げてきた。
「おい!審判!!明らかに反則だぞ!実弾兵器だ!!」
「元が起爆符だからOK」
何だそりゃ?………くそっ、確かに霊気が通ってやがる。
効果は普通の手投弾と同じだけどな!
霊的素材や術式がありゃ、なんでも良いってことか!!
俺は手投弾の軌道を読みながら、横島師匠バリに縦横無尽に避けきる。
但し、横島師匠のような奇っ怪な避け方は出来ない……というか、師匠は何であんな訳わからない避け方が成立するんだ?普通に避けた方が効率がいい様に思うのだが……
「ムーー、当たらない!もう、怒ったぞ!!やっちゃんマシンガン!!あは!?」
着ぐるみロボットの頭がパカっと開いてマシンガンが飛び出し乱射してくる。
「おい審判!流石にあれは銃刀法違反だよな!」
「銀の弾とザンスカール製のマシンガンだからOK」
おい!?なにそれ、銀の弾ってだけでOKってどういうこと?何、この取って付けたような説明は!?この審判絶対回し者だ!!
これは流石に避けきれず霊力を片手に集中させ、霊気で編み出した六角型の盾、サイキックソーサーを展開し何とか防ぐが………
弾数が多いぞ!流石にきつい!
と……思ったら、急に銃声が止んだ。
「ん!?どうした」
「ムーー!ムーーーー!!」
着ぐるみはマシンガンを発射させてるポーズのまま、固まって、微動だにしない。
何やら着ぐるみの中の人が何やら唸っている。
まさか…………いや、間違いない霊気が切れたな。
そりゃそうだよな。いくら兵器だからって、霊的構造物や術式を介しているんだ。そりゃ霊力を食うだろ。しかも、あんだけ無尽蔵に弾やら何やらを使ったら、霊力が持つわけがない。
「ふーー、勝負あったんじゃないか?」
俺はゆっくり近づく………
「ムーーー………自爆!!」
着ぐるみロボットはその場で自爆しようとする。
しかし、試合場の物理攻撃を無効化する結界に阻まれる。どうやら自爆装置は霊気関係無しの通常仕様だったらしい。着ぐるみロボットは爆発せずにパーツがポロポロと落下していき………崩れ落ちる。
「………ムーーー。負けっちった」
着ぐるみロボットが崩れ落ち、そこに現れた中の人は負けを認める。
『……しょ、勝者。336番』
俺の勝利がコールされるが……
………中の女の子は何故か…素っ裸だった。
「………なんで、裸なんだよ」
まあ、なんだ。裸だが、なんにも感じない。どう見ても小学生位の子だ。
これで感じてしまうほど、業は深くない。
「当然アレが服だからだよ。あは!?……君強いね。今度ウチのラボに来て、実験台にならない?」
「いかんし、ならん。……いいから。なんか着ろよ」
これが、大人の美女だったら、横島師匠が乱入してきただろうな………それってもしかしてやばくないか?身内が試合中に乱入なんてことになると、反則負けになるんじゃ………よかった。横島師匠の食指が動かないほどの、小さな女の子で……
そんなこんなで、俺はDグループで決勝を勝利し。ベスト4入りする事ができた。
因みに、後で知ったのだが………着ぐるみロボットの中の人……あの人、結構有名な霊的兵器開発者らしい。なんでもドクター・カオスに憧れて開発者になったとか……しかもあれで30前なんだそうだ。
30分の休憩を挟んで準決勝だ。
もちろん。雪ノ下陽乃さん、いや、土御門陽乃さんもAグループをぶっちぎりで勝ち抜いている。
まあ、そうだろうな……霊能力者としての力は他の受験生を圧倒している。
というか、最後のアレは別にして、大した受験生は居ないしな。みんなDランク妖怪より弱いし………
俺は関係者観覧席の横島師匠の元に戻ろうとするが……案の定、陽乃さんが声を掛けてくる。
「比ー企谷くん。お姉さんと話しでもしましょ。さっきの話のつ・づ・き」
「……何もないですよ。さっき話した通りですが」
「つまんない。あるでしょ経緯とか、そこを聞かせてよ」
陽乃さんは人懐っこい笑顔を向けながら俺の頬を突っついてくる。
「本当にそれだ…………」
俺はさっとその指を避けながらムッとした態度をするのだが……陽乃さんと俺の間に突如として人影が入る。
「そこの!!式服が超似合う。超絶美人のお姉さん!!!!僕、横島!!!!あっちの喫茶店でお茶しませんか!!!!」
その人影は陽乃さんの両手を握りしめ、スケベそうなニヤケ顔で、とんでもないナンパをしだした。
というか………横島師匠なんだが……うん。やると思った。
「え?…えーっと」
この突然のナンパにさすがの陽乃さんも驚きを隠せないでいた。
おお、陽乃さんのこんな姿を見られるとは、流石は横島師匠!
「公衆の面前で恥をさらすな!!この変態!!」
「グボべ!?」
美神さんが絶賛ナンパ中の横島師匠に強烈な肘打ちを食らわせダウンさせる。
横島師匠の暴走を一撃で止めるとは!流石は美神さん!
「オホホホホッ、ごめんなさいね。こいつにはよーく言い聞かせるから」
美神さんはわざとらしい愛想笑いをしながら。ぐったりした横島師匠の首根っこを引っぱりながら、この場を立ち去ろうとする。
「貴方はあのゴーストスイーパー美神令子さんですね。始めまして私は土御門一門衆、土御門陽乃です」
陽乃さんは気を取り直し、美神さんに自己紹介をする。
「オホホホホッ、セクハラじゃないのよ。こいつの挨拶みたいなものだから……」
「SランクGSの美神さんにお会いできるなんて光栄です。その若さでSランクGSなんて憧れます」
陽乃さんは、なんか普通に美神さんに話しかけていた。
俺はホッとする。
ここでも面白がって、挑発めいた事を言うかもしれないと内心焦っていたが、どうやらいらぬ心配だったようだ。
性格が魔王な陽乃さん。骨の髄まで魔王を地で行く美神さん。衝突したらシャレにならん。
巻き込まれるのは必須だ。
まあ、何だかんだとあの人は、人を見て、仕掛けてくるからな。
流石にSランクにケンカ売るような真似はしないか……
「そう?あなたも頑張りなさい」
美神さんにそう言って横島師匠を引きずりながら、会場の裏側に消えていった。
「あれが美神令子……噂では相当くせのある性格で傍若無人な人物と聞いていたのだけど……意外と普通ね」
陽乃さんは美神さんが去っていった方を見据えながら、誰となしにこんなことを言う。
…その噂は本当です。今は、美神さんのかーちゃんの美智恵さんがこの会場にいるし、一応外聞は気にしているようなので、抑えているだけです。
「でも、横島忠夫って、噂通りのとんでもないセクハラ野郎のようね。比企谷くん、よくあんなのの弟子をしているわね」
「い、意外といいところもあるんですよ」
…そう、噂の通りです。でも、結構優しいし所もあるし、面倒見もいいんですよ。ただ、ドスケベで、バカで、変態なだけで…… いい面がすべて隠れるぐらいの、マイナスになってるだけで……
「へー。あの比企谷くんが認めてるんだ。……で、横島忠夫はGSの腕はどうなの?」
「強いです」
これだけははっきり言える。
横島師匠は強い。俺じゃ全く歯が立たない。
「ふーん。ぜんぜんそうは見えないけど……そうだ。これが終わったらお姉さんとデートしようか」
「お断りします」
俺は即答する。
デートという甘い言葉をそのまま取ってはいけない。この人の場合必ず裏がある。
今回は差し詰め、デートと言う名の尋問だろう。それ以外にも愉快犯的に何か面倒ごとを持ってきそうだが……
「ほんと、そう言うところはぶれないわね。じゃあこうしましょう。この後の試合で私が勝ったらデートね」
「雪ノ下さんと俺が当たるとはまだ決まってないでしょう」
まだ、準決勝と決勝がある。組み合わせ発表は試合直前でコールされるため、準決勝で当たらなければ、負けて、当たらない可能性もあるのだ。
「あたるわよ。わたしは負けないし、比企谷くん意外と強いし、私以外の受験生に負けるはずないしねーーー、比企谷くん今までの試合、全然本気じゃないし。まだ、何か隠してそうだしね」
だからこの人苦手なんだ。その笑顔の奥に怪しく光る眼で人を見透かしたように観察し、答えを導き出してくる。それが大体あってるから厄介なんだ。
まあ、大体であって、正確ではないが……
「はぁ、その賭け、俺には何のメリットも無いんですか」
「うーん。私が負けたら。そうね。比企谷くんの言うことをなんでも聞いてあげる」
…なんでも?……いやいやいや、騙されてはいかんのだ。これは明らかに罠だ。
「お断り………」
「そういうわけだから、比企谷くんまた後でね」
陽乃さんは俺が断りを入れる前に、そう言って俺の肩をポンと叩き、足早に去っていってしまった。
「……いつものパターンか。はぁ」
次は準決勝……GS資格取ったし、陽乃さんと当たらなかったら、わざと負けてやろうか……