その対魔忍、平凡につき   作:セキシキ

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ようやく書きあがったので投稿です。前話で予告した通り、今回の任務での裏話的なのとを書きました。そのため分量も短めですのでご了承を。

あと、最後の方にご褒美(意味深)の描写があります。当然当初のコンセプト通り、全年齢ギリギリの性描写を必死こいてかいたので、苦手な方はここでブラウザバックするか途中で読むのをやめてください。この話はあくまでおまけなので、読まなくても支障はないです。「えっちなのはいけないと思います!マジ無理!」という方は、ガチで見るのをやめることをお勧めします。発禁しなきゃいけない部分は一切書かなかったけど、一応ね。

忠告はしたぞ?したからな!?あとでそこに文句つけてきたって知らないからな!?嫌なもん見たとか言われても自己責任だからな!?(ビビり特有の線引き)


幕間 後日談、というか今回のオチ

△ ▼ △ ▼

 

さて、無事残敵を掃討し終えた俺は、SR-25を仕舞ったガンケースと、MGL140と言う回転弾倉式のグレネードランチャーが入ったアタッシュケースをそれぞれ持ちながらビルとビルの間を駆けていた。

 

いやぁ、何か使えるかもと思って近くに隠して置いたのが役に立ったな。敵陣を爆撃して掻き回すって単純な作戦だったけど、上手く刺さってくれて助かったわー。

 

ドローン越しだけど他の連中が離脱したのは確認出来たし、敵は全て殲滅。周辺に斥候や監視装置の反応はなく連絡を取ってる様子もなかったから、今回の戦闘の様子が誰かに漏れる事はない。任務完了で万々歳ってところかな?

 

とは言え、俺の仕事はまだ終わってない。何時ものようにセーフハウスとして確保しておいたホテルに泊まり、装備を回収しなければ。チェックインは済ませてあるから、このままとんずらしたら怪しまれて俺への足掛かりになってしまう。身バレは絶対阻止しなきゃ(固い意志)。

 

ビルの屋上をピョンピョン飛ぶと目立つので、時間は掛かるが狭い路地を経路にホテルへと向かう。目的地まで後数分というところで、目の前からナニかが動く気配を感じた。

 

即座にガンケースとアタッシュケースを捨て、レッグホルスターから拳銃を引き抜き構える。M1911、『コルトガバメント』の愛称で親しまれ、ストッピングパワーに優れた.45ACP弾を使用する合衆国民が大好きな銃だ。

 

俺はM1911のサイトと視線を真っ直ぐ前方の人影に合わせ、腰を低くしいつでも動けるように息を整える。引き金にかけた指もあとほんの数ミリ動かせば撃鉄が起きるところまで引き絞り――――

 

「僅かな身動ぎの気配を察知し刹那のうちに意識を完全に切り替える、流石と言ったところか」

 

ゆらりと黒い影が一歩進み、ビルとビルの隙間から僅かに差し込む月明かりにその身を晒す。無骨な肩当てと腰に佩いた一振りの太刀。そして鍛え上げられた筋肉を備えながら肉感的でグラマラスな肢体。刀こそ納めているものの、褐色の女剣士キシリア・オズワルドに他ならなかった。そして、その姿を捉えた俺は……

 

「何だお前か。あまり驚かすなよ、撃っちまうだろうが」

 

そう言って、銃をホルスターへと納めた。

 

「こうして会うのもしばらくぶりか。久し振りだな、キシリア(・・・・)。今回は助かった」

「何、此方としても、なかなか良い闘いをさせてもらった。最近は中々手練れと戦う機会がなかったからな、渡りに船というやつさ」

 

そう、キシリアが今回の戦場に現れた理由。何を隠そう、この俺が傭兵として雇ったからだ。

 

ブリーフィング後、敵が確実にこちらを倒すための策を打ってくるとしか思えなかった俺は、キシリアを使って相手が自信満々に繰り出してくるであろう策を叩き折ってやることにした。まるで将棋のように盤上でこちらを詰ませるように一手一手打ち込んでくるのならば、横から殴りつけて盤をひっくり返してしまえばいいのだ。

 

……言葉尻だけを見れば脳筋じゃないか!と言われるかもしれないが、相手の策の前提となる条件を崩してしまえば、それだけで渾身の一手は無為に帰す。わざわざ敵の策略を崩すためにこちらも策を巡らすなんて面倒な事、この程度の仕事で一々やってられっか。無駄な手間は可能な限り避けたい。

 

敵が増援として造反した対魔忍を引っ張り出すのは流石に想定外だったが、おかげでキシリアという手札を最大限に活用することが出来た。上忍並みの戦力を一名は奇襲により抹殺しもう一名も戦線離脱まで追い込んだ、十分な成果だ。こっち来た奴はベアリング弾の嵐で蜂の巣にしてやったしな。

 

「あ、でもなんで氷室に襲い掛かったんだ?こちらには手を出さないという契約だったはずだが?」

 

聞かなければならないことが一つあったことを思い出し、問いただす。俺が反撃の下準備をしていた時、こいつは選りにも選って氷室に斬りかかりやがったのだ。そうならないために報酬を弾んで契約内容に盛り込んだっていうのに!

 

苛立ちを隠しきれなかったせいか全くの平坦になってしまった俺の声音を聞きながら、キシリアは悪びれもせずにああ、と言ってから答えた。

 

「随分お前が気にかけていたからな、どんな奴なのだろうと手を出してしまった。まだまだ未熟ではあるが、いや中々どうして、筋がいいじゃないか」

「…………そんなこと聞いてるとでも?」

「……そうだな、今のも答えではあるのだが」

 

あまりにも適当な事を抜かすので青筋を立てていると、キシリアは仕方がないと言わんばかりに溜息をついた。何で俺が我儘言ってる風なんだこいつは。脳天吹っ飛ばしてやろうか。

 

彼女は、割と発想が過激になっている俺に触れるか触れないかというギリギリまで近づくと、耳元へと顔を寄せ、小さく呟いた。

 

「あの女から、お前の匂いがしたからだ……抱いたのだろう?私と同じように」

 

 

△ ▼ △ ▼

俺がキシリアと出会ったのは一年近く前、対魔忍としての任務中だった。互いの関係は至極単純、俺が暗殺者(ヒットマン)でキシリアは護衛(ガーディアン)。二人とも同じ目標を殺そう守ろうとしていた。

 

その時は彼女に護られていたターゲットを知覚外からの狙撃で脳漿を吹き飛ばし、追っ手がかかる前にさっさとトンズラしたので良かったのだが、しばらく経って別の任務中にまたもやかち合ってしまったのだ。

 

しかも前回の暗殺を教訓に対策していたらしく、狙撃は弾丸を全て切り払われあえなく失敗。更には逃げ出す前に場所を突き止められてしまい、接近戦特化の彼女とタイマンを張るという最悪の事態に陥ってしまった。

 

まあ上手いこと死んだふりが成功したので、そのまま行けば俺の華麗な逃走術を披露して終わるところだったのだが、そうは問屋が卸さない。何と、俺のターゲットにしてキシリアの護衛対象である資産家の男が幾人ものオークを連れて俺たちが戦闘していた廃ビルに現れたのである。御丁寧に強力な媚薬を混合したガスを部屋中にぶちまけてである。

 

どうやらその男、最初からキシリアを自分の(モノ)にするために雇ったのだという。自身を脅かす敵がくたばったので、大手を振って彼女を堕としにかかったというわけだ。俺が後ろで死んだフリしてるのにな!

 

後はキシリアが媚薬の影響で上手く動けないままオークと戦闘しているうちにターゲットを後ろからズドン!して、二人で協力し残った敵を倒して終わりだ。ま、二人とも媚薬にヤられてたから、その後一晩かけて身体の火照りを冷ました(意味深)んですがね!

 

そんなこんなで縁が出来た彼女との関係は今も続き、時々面倒な任務が来たら傭兵として密かに雇ってたりしているのである。コイツかなりの実力者な癖にフリーランスだから、予備戦力とするには凄く便利なのだ。おまけに口が固いしな。

 

……なのだが、何でかこいつ性的な方向に話を持って行こうとするんだよなぁ。「戦いで身体が火照ってしまった」とか言って毎度のように自分を抱かせようとするのだ。ぶっちゃけコイツに依頼を出す頻度が少ない理由がこれだ。種族値が体力と膂力全振りの鬼族相手にプロレス(意味深)するとかかなりキツいんだぜ?それだったら多少困難でも素直に任務をこなしたほうがマシだ。

 

ほら。そんな事考えてる間にも豊満な二房を俺の胸板にこすりつけ、肉感溢れる脚を俺のそれに絡めてる。コイツさては誘ってんな?(名推理)

 

「最初は何となく引っかかる程度だったが、ニオイを嗅いで解った。あれは、お前に抱かれた女のニオイだよ」

 

身体をこすりつけ存分にセックスアピールをしながら、俺の耳元でキシリアは続ける。強い確信を抱きながら、甘く甘く蕩かすように責め立てる、女の声。

 

「な、何のことかさっぱりわからんな。俺を色情魔みたいに言うのはやめてもらおうか」

「ふふっ、言い逃れをしても無駄だ。お前の残り香と、お前の事で頭が一杯になって濡らす雌の臭い。似た者同士だから間違えないさ」

 

……いや。いやいやいやいやいや!ちょまっ、待って!何でそんな、俺が女調教してるみたいな事言うん!?言い掛かりにもほどがある!確かに俺女抱くし、ちゃんと楽しもうと一回数時間単位でヤってるけど、そんなんで女がホイホイ堕ちるわけがーーーーあ、ここ対魔忍世界だった。

 

「ジーザス……」

「ククク……罪な男だな、あんな少女を誑し込むとは。彼女、お前に心底惚れてるぞ?」

「……単に憧れてるだけじゃないのか」

「そんな訳あるか。あれは惚れた男を支えようと努力しているんだろう。一途でいいじゃないか」

 

そう言ってクスクス笑うキシリアの声が脳を掻き回す。

 

しかし氷室が……あいつ男運悪過ぎやしないか?俺みたいなのに一度抱かれたくらいで惚れるなよ……俺よりもいい男なんて一杯いるぞー?

 

俺が信じられない事実と耳元の蕩けるような声に頭を抱えていると、キシリアは更に身体を押し付けながら、どこか拗ねたようにこう続けた。

 

「本当に罪な男だ。私含めて幾人もの女を自分の物にしておいて、あの少女にゾッコンなのだからな」

「おい、だから人を性欲狂いみたいに言うのは……何だって?」

 

こいつ、いま、なんていった?

 

俺が、氷室に?いやそんなわけない。前世含め恋愛経験0だったんだぞ。確かに今世になって童貞こそ卒業したとは言え、あくまで身体だけの関係でしかなく、心から信頼出来た相手なぞ誰一人いなかった。そんな俺が今更、誰かに入れ込むなんて――――

 

「信じられないようなら、証拠を示してやろうか?お前が大好きな、物的証拠という奴だ」

「証拠……?」

「私があの少女に刃を振り下ろそうとしたとき、お前は私の頭を狙撃したな?」

「あ、ああ。そりゃ味方殺そうとしてるんだから、止めるだろ普通」

「その弾丸を私が防げず、脳天に直撃したとしても?」

「お前ならあのくらい防げるだろ?」

「当然だ。だが慎重なお前なら万が一防げない可能性を考慮して、武器を狙って攻撃を無効化するか手足を狙うだろう。少なくとも、友軍が死亡する危険を排除するために頭と心臓は絶対に狙わない」

「…………」

「解るか?お前は私と彼女の命を天秤にかけ、迷うことなくあの少女を選び取ったのだ。これで入れ込んでないと誰が言える?」

 

思わず、口を噤む。確かに、戦力として有用である自軍をわざわざ殺害する可能性を犯すはずがない。銃弾をワザと外すか武器を狙うかして、警告するだろう。

 

つまり、俺は氷室という『人間』に対し何らかの好意を抱いているのか……?

 

「んおぁ!?」

 

身体に突如走った感覚に思わず変な声が出た。感覚の発信元を恐る恐る見ると、キシリアの手のひらが、俺のズボンのチャック付近を上下左右に行ったり来たりしている。

 

「クククッ!別の女の事を考えていようと、ココは正直のようだな?」

「それ僕の息子、とでも言えばいいのか?こんだけされて反応しないほど、俺は不能ではねえよ」

 

一応平静を保ってはいるが、話している間中メリハリのある女体を散々身体中で堪能していたのだ。体は正直と言う奴である。

 

だが、据え膳喰わねば何とやら。他の女の話振っといて勝手に嫉妬し、慣れないアピールを必死にしてる彼女にいきり立たないはずもない。

 

俺はお返しに、キシリアの腹にある古傷を人差し指の先で軽くカリカリと引っ掻く。

 

「……ふっ……ぁ」

 

キシリアはどこか甘い吐息を漏らし、腹部から奔る官能から逃れるように僅かに身体をくねらせる。俺はそれを抑え込むように腰に手を回し引き寄せ、ちょうど真正面にあった彼女の唇に自身の唇を重ね合わせる。

 

「ちょ、まっ……んんっ」

 

唇を離さず、逆に口腔へと舌を捻じ込む。意識を舌先の感覚に集中させ、キシリアの内頬や歯の感触を存分に堪能しつつ反応を見て弱点を探る。そして一通り粘膜を舐め回した後は、彼女の舌へと俺のそれを這わせる。

 

「っ……んんっ……じゅ……ぇあ……」

 

重ね合った唇の隙間から時折甘い吐息と僅かな嬌声が漏れる。耳朶を打つそれによっていきり立つ何かを感じながら、愚直なまでに舌を舐り続ける。彼女の暖かく柔らかな果実と甘やかな喘ぎは、俺の雄としての本能を強烈なまでに刺激した。

 

昂ぶった本能のまま、更に苛烈に舌へと吸い付き絡め合う。まるで獲物を喰らう狼のように、俺は彼女の肢体という極上の肉を貪り尽くした。奪うように、踏みにじるように、それでいて丁寧に、味わうように。俺の意識はキシリアのみに集約し、彼女もまた、その世界に俺という存在だけを残す――――――そして、彼女の身体がぶるりと震えた。

 

「―――っ!?ッッ!……だ、めぇっ。~~~~っっ!!」

 

繋げた口から、彼女の悲鳴が振動として伝わる。そして同時、その褐色の肌も不規則に痙攣を繰り返す。ズボンの太腿部分が水気を帯びる。

 

そのまま待つこと一分程、キシリアの躰は痙攣を止めだらりと脱力した。地面に落ちないよう、彼女を引き寄せて身体を支える。そこで漸く、彼女は気怠そうに口を開いた。

 

「……っ、はあ……相も変わらず、容赦がないな……」

「鬼族相手に容赦無用なのはしっかり学んでるからな。後、お前が一々敏感なのが悪い」

「フフ……」

 

どこか嬉しそうに、俺に身体を預ける。とりあえず動けるようになるまでこのままか……早くホテル行って休みたいんですが……。

 

「おいおい、勝手に終わりにしようとするな」

「あ~……やっぱり?」

 

適当なところで切り上げようとしていた俺の雰囲気を察したのだろう、こちらを睨むように見るキシリアの目はしかし男に媚びを売る娼婦のように潤んでおり、少し前まで闘争を愉しんでいた瞳は肉欲の色に染まりきっていた。

 

「それに、お前だってまだまだし足りない(・・・・・)だろう?」

「……そこデリケートなところなんだから、触る癖止めてくれない?」

 

呆れたように苦言を呈した俺であるが、彼女の誘いを断ることなど不可能だろう。何故なら、俺を試すように挑発的な視線を向けるその瞳には、口角を引き上げこの先(・・・)を愉しみにしている俺の貌が映し出されているのだから。

 

どうやら、俺の安息日はまだ遠いようだ。

 

「さあ、今回の報酬分は付き合って貰うぞ。―――――我が主様?」

 

 

 

 

 

 




ね、18禁ワードなかったでしょ?
こういうエロ描写書くのはガチで初めてなので、滅茶苦茶時間かかりました。官能小説とか読まないから、そういう語彙とか文体とかさっぱりなんだもの。もうこれが限界……しばらくこういうの書かなくていいかな……。

キシリアはHRのしか持ってないので口調が安定してませんが、宗次君にべた惚れ剣士ってところでキャラは安定かな。見た目といいシーンと言い、個人的に好きなキャラ筆頭です。ただイラストの刀部分がかなり雑だったので、太刀か打ち刀かの判別がつかず苦労しました……

そう言えば、ちょくちょく感想でも言われましたが、対魔忍RPGついにリリースされましたね。普段使っていたPCでは何故か起動できず、ようやくさっき始められたところですが……お館様普通に優秀すぎひん?こいつホントに対魔忍か?あとガチャってなんだよ。時間あれば番外で、RPG世界の宗次君も書いてみたいですねえ。

あ、そういう(・・・・)部分書かなかったので一応大丈夫だとは思うんですが、ヤバそうだったら(というか通知とか来たら)表現をマイルドなものに変えます。

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