「ありがとう」.....それしか言う言葉が見つからない.....(天才ジョッキー)
ジョジョネタはこれくらいにして、とにかく、皆様、本当にありがとうございます。これも全て評価してくださった皆様方のお陰です。
.....そう言えばこの小説、主人公がまだ雄英高校にすら入学してませんが、こんなに盛り上がって大丈夫なんでしょうか。
試験も残り2分。「デク」は既に、50過ぎほどのポイントを獲得していた。
そう、50過ぎ。──あれだけの勢いでポイントを稼いでいたのしては、些か少なすぎる数値である。
(足が……重い……!)
彼はらしくなく焦っていた。それも、最大限に気を遣っている筈の体についてでだ。
デクは限界だった。肉体、という意味ではなく、個性という意味で。──20%の稼働限界を迎えたのだ。時間が切れ、これ以上ワン・フォー・オールを発動すれば体が砕けてしまうであろう状態である。
なので、彼は通常の身体能力で町を駆けていた。その手に最早、道路標識は握られていない。
しかしそれでも、彼の体は確実に疲労に蝕まれていた。
取り敢えず眼前に見えた1Pヴィランを処理するか。そんなことを考えつつ、彼は足に力を込めてひと思いに駆け出した。
だが。刹那に辺り一帯を震わせた巨大な衝撃によって、彼の歩みは止まってしまう。
デクは一瞬驚いたものの、直ぐ態勢を整えて前方を見据える。1Pヴィランの後方を。
──そこに見えるのは、圧倒的脅威。
彼は見た。5階はあるビルを、その片腕で悠々と破壊する巨体を。
彼は思い出した。それが、説明用資料に記載のあった0Pヴィランであることを。
「デク」は、理解した。あの存在には敵わないということを。
デクは、見た。そのヴィランの足元に、瓦礫に足を取られて動けなくなっている受験生が居るのを。
──「僕」は。考えるよりも速く体を動かした。
刹那。「ヒーローとしての信念」から覚醒した僕は、一瞬で状況を把握すると、地面を100%の出力で蹴って飛び出した。
跳躍力が倍増し、一瞬にして5階分の距離が詰まる。
(余計なことを.....!)
心の中でそんな声が聞こえた気がしたが、知ったことではない。
倒しても成果にはならない? 他のヴィランを倒すべきだ? そんなもの、「くそくらえ」だ。
ヒーローが困っている人間を見過ごしてどうする。
「デトロイト.....!」
叫びつつ、僕は腕を後ろに引く。もう、彼我の距離は3メートルとない。直ぐに激突してしまう。その前に決めなければならない。
「スマッシューーッ!」
次の瞬間。いくつかのことが立て続けに起きた。
先ず、前へ前へと向かっていた僕が、パンチの威力により空中で静止し。
次いで、眼前のロボットの顔面がアンパンのようにヘコみ。
最後に、派手な音を立ててヴィランが大きく後方へと吹っ飛んだ。
そこまでは良かった。この瞬間まで僕はスーパーヒーローで、そこに悪点は1つだってなかった。
でも。1拍置いて腕に伝わってきた痛みが、僕をちっぽけな少年へと引き戻した。
「ぐ──ッ!」
腕の痛みに低く喘いでから、僕は必死に今の状況を確認する。
今、僕は落ちている。仮想の町に向かって、自由落下運動と洒落こんでいるのだ。このまま落ちるようなことがあれば、間違いなく即死である。
そして。右足と右腕、ついでに左手の中指が折れていた。100%の力を、何の制限なしに振るったのだ。当然の報いと言えよう。
この状況。切り抜ける方法は──。
ある。胸中でそう叫んでから、僕はまだ動かせる左腕を真横に突きだし、その人差し指を弾いた。人差し指にはワン・フォー・オール100%の力が付与されている。なので、尋常ならざる威力の「デコピン」が指の先へと出力され、その風圧で、僕は大きく真横へと飛ぶことになる。技の代償で派手にに吹っ飛ぶなんて、あまり格好が付かない。
だが、今は
次の瞬間。僕はガラスを突き破り、向かって右手側にあったビルへと思いきり突っ込んだ。
これが僕の逃走経路だ。自分の人差し指を犠牲にすることで、自分の身の安全を守ること。それが、僕の「覚悟」だった。
「終・了~~!!」
と、ふと。僕の耳にそんな声が聞こえてきた。この声はプレゼントマイクだろう。
字面からも、それが終了のコールであることは明白だった。
ここで終わり、か。僕はしみじみと思った。
──正直なところ、全く記憶がない。思い出せるのは、入試で使われたロボットの情報と、0Pヴィランに立ち向かったことだけだ。
それでも、過ぎた時間は戻ってこない。ここを去らなくては。そんな思考をまたたかせつつ、僕は立ち上がろうとした。
しかし、足が動かなかった。脳内麻薬でも分泌されているのか、あまり痛みは感じなくなってきたが、体は限界のようだ。
暫くしてから、救護班が駆けつけて、然るべき処置を施してくれたらしいが、その時には既に意識がなく、気付いたら、僕は雄英の保健室に居たのだった。
折れていた筈の腕と足、ついでに指も、気付いた時には完治しており、雄英の力に驚かされつつも、僕は試験会場を後にした。
筆記は取れている──と思いたい。何せ、あそこの偏差値は70を越えている。下手を打っていれば容易く切り捨てられる。
そんなことを思いながら帰宅し、死んだように眠り、そして数日が経った。
夜のこと。動きを参考にするためにオールマイトの古いドキュメンタリーを鑑賞していた僕に、母は手短に告げた。
「出久……これ、来てたよ」
その言葉の意味が分からない僕じゃない。──来た。そのままの意味だ。雄英高校の結果が「来た」のだ。
それを聞くと、僕は手紙を受け取り、急ぎ足で部屋に駆け込んだ。
そして、手紙を開封する。緊張しつつ、中にあった投影機を机に置いてスイッチを押すと、それなりのサイズがあるモニターが顕現され、そこに、予め録画してあったであろう映像が──オールマイト直々のメッセージがーー再生された。
それによれば。僕は──。
見事、雄英高校に受かったのだそうだ。筆記は合格ライン越え。実技の方は
色々な原作の説明シーンやらはバッサリ切り捨てております。