鬼灯の冷徹かと思ったが………   作:超高校級の切望

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新任先生アザゼル

「ようこそアザゼル総督。これ許可証です、契約事項読んでからサインしろ」

「お、おう……」

 

 アザゼルは柳を前に引きつった顔で許可証を受け取る。天照大神の署印は既にある。後はアザゼルがサインをするだけだ。

 

「って、なんだこりゃ!?何で実験、発明が禁止なんだよ!」

「そりゃ、アザゼル総督の破天荒ぶりは良く聞いてますからね。グリゴリの電力をバラキエルの雷光で補おうとバラキエル強化計画を立案。冥界の堕天使領で山二つが消し飛ぶ。神器の実験と言いドラゴン系の神器、各々のパーツを繋ぎ合わせ人工ドラゴンの作成、暴走。山一つ崩壊。痛々しい名前の人工神器の作成中暴走、山三つ崩壊。山に何か恨みでも?そして、天界にいるガブリエルの胸をもんでやると堕天使の翼を白くして天界の防衛システムに感知されないようになる改造を施そうとして、幹部、自分を含めた多くの堕天使が体調不良………その実験をここでやろうとしたら、そりゃ止めるさ」

「別にいいだろ。そこまで危険なのはやらねーからさ!な?」

「信用できないので。もしやると言うなら前歯を折ってでも止める」

「何でダメージが具体的なんだよ!?普通力尽くとか、良くても殴ってでもとかだろ!?」

「ああ、鼻の骨の方が良かったですか?」

「………………」

 

 アザゼルは柳の後ろに一角の鬼の幻影を見た。が、すぐに首を横に振る。目の前の相手はあの鬼ではない。

 

「上等だ!俺は実験をやめる気はない!どうしても止めたきゃ力尽くでやっぺ──!」

 

 パキョッと遠慮のない本気の拳が柔らかい鼻の骨を砕く音が響く。吹っ飛ばされたアザゼルはそのまま壁に激突した。

 

「ほ、本気でやりやがった!」

「え、ひょっとして堕天使ジョークでしたか?すいません、やめないと言ってたので」

「……………」

 

 アザゼルは思った。間違いなく同類だ。逆らわないでおこう、と。

 

「まあ実験自体はきちんと企画書とその結果起こる被害をキチンと事前に報告してくれれば、それ次第では許可出しますから。ただし無断でやったらそれ壊して弁償もしない」

「おおう、お前本当に鬼灯に似てるな」

「ははは。鬼灯様だったら前歯も鼻の骨もついでに腰の骨もへし折ってますって」

「…………………」

 

 

 

「と言うわけで、今日からお前等の神器監督官になったアザゼルだ。よろしくな」

 

 鼻にガーゼを張ったアザゼルが挨拶するとリアス達は思わず身構える。何せ相手は堕天使総督なのだ。

 

「赤龍帝と邪眼持ちは爆弾抱えてるからな。扱えるようにならなきゃ、最悪禍の団の活動中封印って事もあり得る」

「ていうかそこの吸血鬼は本来封印予定だったんだけどな。魔王ルシファーの懇願で許可したけど次暴走したら即封印だからな」

「ふぇぇ!?」

 

 柳の視線に女子制服を着た男子生徒が震える。彼が停止世界の邪眼(フォルビトゥン・バロール・ビュー)の所有者にして前回敵に捕まり暴走状態にさせられたハーフ吸血鬼の転生悪魔だ。

 

「前回の件は、ギャスパーのせいじゃないわ」

「そうだな。強いて言うなら各勢力のトップが集まる場所に、力が制御できないという理由で連れて来れないという状態で放置して、しかもそんな危険な状態の奴を護衛も付けず、利用しやすい結界内に放置した主のせいとも言える」

「何ですって………」

「封印している間何もしてなかったんだろ?私達には教えることが出来ない、とでも言って。良く封印解く許可出たな。日本神話だったら暴走に巻き込まれないように人気のない場所で、使えるようになるまで鬼灯様にしごかれるぞ………使えるようになるまで地獄に来るか?」

「い、いやですぅぅぅ!」

 

 鬼灯の文字通りの地獄の特訓はお気に召さなかったらしい。

 

「そもそも主がどんだけ強くなろうとRPGじゃねーんだ。パーティーメンバーが強くなるかよ。なのに今なら大丈夫とか訳解らん」

 

 ふぅ、と肩を竦める柳。事実を淡々と言っただけだがお気に召さないのかリアスは顔をしかめている。

 

「つまり、俺達がキチンと力を使いこなせれば、封印云々の話は出ないんですね?」

「まあな」

「やってやりますよ!強くなって、力を使いこなして、認めさせてやります!」

「………熱いな。まあ期待してやるよ…………ところで何で寝そべってんの?」

「こむら返りと腹痛です」

「ごめんなさいイッセーさん。ちっちゃい私が未熟なばかりに……」

「次勝手に妙な術使ったら失敗した際に特急列車の中で下痢になる系の尊厳を失うことになる術使わせてやる」

「はい、気をつけます」

 

 しょんぼり落ち込むアーシア。反省しているのなら何よりだ。

 

「ああ、それと今度冥界に帰る時は近場の悪魔の領地に移動しろよ」

「そんな事しなくても駒王町の地下には冥界行きの列車が来る駅があるわよ」

「ああ。ここもう日本神話の領地だしな。取り壊して地獄の入り口に変えさせてもらった。連絡行ってないのか?」

「な!?聞いてないわよ!」

「来た報告は全部読むようにな。どうせ夜は男の部屋、朝も男の部屋。金髪元シスターに抜け駆けされないように付きっきりか………領主じゃなくなって良かったな。仕事しなくても連絡が遅れるだけだし」

 

 眉根を寄せるリアスに対して柳は指を鳴らし大量の本を出す。

 

「見下されたくないなら少しは知恵を付けて見せろ」

「なめないでくれるかしら」

 

 と、渡された参考書を滅びの魔力で消し去る。

 

「15200円+税、今すぐ払え」

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