鬼灯の冷徹かと思ったが………   作:超高校級の切望

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オーフィスの所在

 五道転輪王、ミカエル、アザゼル、四大魔王が揃った会議室。チュンと柳は壁際に立つ。

 

「皆さん集まりましたね。それでは会談を始めましょうか」

「おい、その前にセラフォルーなんだその喋り方。熱でもあるのか?」

「ここは外交の場ですので」

「…………サーゼクス、如何に重要な会談の場とは言え重病の者を出席させるのは感心しませんよ?」

 

 セラフォルーの言葉にアザゼルが不気味がり、ミカエルがセラフォルーの体調を心配しサーゼクスを責めるように見る。が

 

「何なのよ2人して!私が真面目にしてるのがそんなにおかしいの?そりゃ私だって明るく行きたいわ☆でも……」

 

 チラリと柳を見るセラフォルー。青くなって直ぐにそらした。

 

「………でも、ちゃんとやらないと」

「やはり熱が………」

「成長したんじゃねーの?いや、ないか」

 

 と、セラフォルーの成長を全面否定する2人。セラフォルーは泣きそうになるが何とか堪えた。

 

「まあ、話がスムーズに進むことは良いことです。でしょう?」

 

 五道転輪王の言葉にまあそうか、と納得する2人。最初の議題は『禍の団』に関する情報交換。

 

 

 

「前回の襲撃時に捕らえた魔法使い達は皆トップの存在を知っているが、見たことがある奴はいないそうだ。トップってのは………オーフィスだ」

「オーフィス!?まさか彼が……?しかし、見たことがない?彼等は下っ端だったのでしょうか?」

「いや、実はカテレアも数年前から姿を見ていないと言っている。残された蛇を利用しているだけだそうだ」

 

 アザゼル、ミカエル、サーゼクスはそれぞれの意見、情報を交換する。それで解ったことと言えば禍の団のトップがオーフィスではあるが、その所在地を知る者がいないということだ。元より一枚岩でなかったが、そもそもオーフィス自体彼等は御輿として利用していただけらしいから、特に問題はないらしい。

 

「かー!せめてキチンとまとめてから離れてくれりゃ良いのになぁ。そうすりゃ大混乱間違いなしだったろうに」

「好き勝手動くからこそ、動きも予想し難い……せめて彼が、オーフィスが何処で何をしているか解ればいいんですがね」

「悠久の時を生きる無限の龍神だ。何を考えているかなんて、誰にも解らないさ」

「?三子さんなら地獄にいますが?」

 

 サーゼクスの言葉に五道転輪王は首を傾げながら尋ねる。その言葉に、その場の全員が首を傾げた。

 

「三子とは………柳君の娘のことでしたか?彼女が何か?」

「いえ、ですから彼女は無限の龍神なんですよ。あ、そういえばオーフィスって彼女の昔の名前でしたね」

「「「「はぁ!?」」」」

 

 

 

 無限の龍神オーフィスは昔、日本に暫く滞在したことがある。基本的に放浪していた彼、あるいは彼女が暫く同じ場所に止まっていた理由は、とある妖怪が関係している。

 その妖怪の名は座敷童子。自己が希薄な彼女達に共感を覚えたオーフィスは彼女達の姿に近い幼女の姿となり、数日ほど同じ時を過ごした。

 一度は別れたが久し振りに会ってみたくなり、座敷童子達を探し彼女達が住む地獄までやってきたのだ。

 

「以来、ずっと地獄に住んでいます。今では地獄の可愛らしいアイドルの一人ですよ」

「マジか?」

「はい。マジです。すいません、ずっと三子さんで通していたから、オーフィスが三子さんの事だというの忘れてました」

 

 あはは、と頭をかく五道転輪王。周りは本当に?と言いたげな視線を柳達に向ける。

 

「はい。事実です……自分も知ったのは最近ですが」

 

 これは本当。今までずっと座敷童子だと思っていた。鬼灯の冷徹という作品の世界だとずっと思っていたからだ。

 そんな事は知らない他の勢力はあれだけ仲良くしていて何で気づかないのだろうかと柳を見た。

 

「あー……禍の団が御輿にしてる奴が解った時に教えとくべきだったな。ちなみに、オーフィ……三子は蛇を戻せたりしないのか?」

「以前から良く蛇を持ってきてくれてたので、正体を知った際聞いてみたのですが『じゃあ柳様は吐いた息を残らずそのまま吸える?』と言われました。直接触れれば戻るそうですが、そもそも三子は切り離した一部が何処にあるのかどうするのか興味ないようです」

「あー、まあ無限の龍神様だもんな。俺らにとってはやばい代物でも本人からすりゃ髪の毛の先やった程度の感覚なのかもな」

「処断しますか?」

「んなことして龍神の怒りを買うのはごめんだ。おまえ等は?」

 

 アザゼルは両手をあげお手上げのポーズを取るとミカエルと四大魔王を見る。

 

「………私も同じ意見です」

「逆鱗に触れるのは怖いしね~」

「見たところオー──三子は柳と仲が良いようだし、手綱を握っていてくれるなら」

「私も問題ありません」

「私もだ」

 

 ミカエル、四大魔王も特に異論は無さそうだ。

 

「いやー、他の神話にも通達する前で良かった。危うく滅ぼされるとこだった」

「そんな事はしませんよ」

 

 と、笑う五道転輪王だが正直鬼灯がいる時点で安心できない。敵と認識されたら終わる。

 

 

 

 

 話は進み、次は若手悪魔についてだ。

 レーティングゲームという悪魔の眷属を競わせるゲーム。その中で、今年から正式にデビューする一同をデビュー前に競わせるため、その観賞の誘いだ。

 

「………あれ、この方……」

 

 と、若手悪魔の写真を見ていた五道転輪王は一枚の写真で手を止める。

 

「………何処かで見たような?チュン、解るかい?」

「知ってるよ。私のこと犯すとか言ってた奴よ。名前は………ゼブラ?」

「そう言えばシマシマの服を着ている。名は体を現すと言いますがここまでとは」

「あの、お二人とも。ここにゼファードルと書かれてますけど?」

 

 三人の会話に魔王達がピシリと固まる。犯す、犯すとか言ったか今?いや、言われたと言っていた。

 

「そう言えばこの件も後で報告するつもりだったんですが………うーん。私裁判官ではありますけど、罪状にあわせた罰を与えるための地獄を選ぶだけですしねぇ。柳殿、どうするべきだと思います?」

「国賓に粗相はかなりの重罪ですが相手は貴族で、しかも魔王の血族。レーティングゲーム参加資格剥奪や、継承権剥奪は上級悪魔達が騒ぐでしょう。迷惑をかけられた五道転輪王様への謝罪として五道転輪殿で一週間雑用させるのは?」

「それぐらいで良いのかい?」

「それでも貴族悪魔達は騒ぎそうではありますが、これ以上断絶される家は減らしたいはず。最終的には受け入れざるを得ませんよ」

「成る程。ではそれで………」

「解った。手配しよう。此方の不手際で迷惑をかけてしまい申し訳ない」

「いえ。冥界は未だ混乱期、旧魔王派まで現れ大変でしょう。チュンや、一週間だけとはいえ後輩だ。しっかり面倒を見てやるんだよ?」

「でもこいつ絶対暴れるよー。監視しなきゃいけなくなったら柳に拳法教えられないね」

「一週間ぐらい直ぐでしょう?」

「………解ったよ」

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