鬼灯の冷徹かと思ったが………   作:超高校級の切望

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ルシファーの任命

「あらオーディン様。お久しぶり、素敵なお髭ですね」

「む?リリスか……何じゃお主復活したのか?うむうむ相変わらず良い女じゃな。どうじゃ、今夜久しぶりに飯でも」

「あら嬉しい」

 

 長い髭を撫でていた眼帯の老人、オーディンがリリスを確認するなり誘い、リリスもあっさり誘いに乗る。が、お付きの戦乙女(ヴァルキリー)が咎める。

 

「ご自重くださいオーディン様。ヴァルハラの名が泣きます。それと貴方も、そう軽々しく男性を誘ってはいけません。恋愛は根気よく、一人の相手に絞るべきです」

「あら、私結婚経験あるわよ?」

「うぇい!?」

「すまんのー。此奴は固くてな。こんなだから男も中々出来ん」

「ああ、それで酔いながら彼氏欲しいなんて……」

「何で知っているんですか!?」

 

 リリスの言葉に叫ぶ戦乙女。リゼヴィムが玩具を見つけたみたいな顔をする。

 

「うひゃひゃ。残念だねぇ、しかもママンはモテてモテて子沢山。未だに処女臭ぇアンタとは違うのさ」

「うう、うわーん!わ、私だって素敵な英雄とエッチなことしたいのにー!」

「ほほう。なら良い物件を紹介してやろう!銀髪って部分しか見てくれないあげく姉さん扱いしてくるシスコンの変態と家事が得意で面倒見も良く高収入な有能、どっちが良い?」

「後者で」

「即答wwwだよね!」

 

 と、リゼヴィムは懐から写真を取り出す。

 

「オタクの神話にさ~、アレいたじゃん?ほら、えっと……シグルドだっけ?……龍の心臓食って変な力得た奴」

「変て……」

「それと似たように龍の血肉食って龍の力を取り込んでる男がいるのよ。しかも数十年で閻魔大王補佐官補佐まで上り詰めた有能で高収入、オマケに独身で恋人もいない。あ、これ写真」

「わ。顔も中々……私って引くほどの美男子よりクラスに一人はいる人気者の方が好きなんですよね。親しみやすくて」

「まあバツイチだけどね。これ子供」

「あ、可愛い」

「……リゼヴィム君さぁ、あれ解っててやってるのかな?」

「でしょうね」

 

 と、閻魔と鬼灯がリゼヴィムの悪魔の誘惑を見ながら呟いた。

 

「おお、リリン。久しいな、何じゃ貴様は真なる血筋が~とはやらんのか?」

「興味ねーっすよ。普段おちゃらけてる強そーなキャラでやってくっす」

「………ほう」

「あーけどなー!俺も眼帯+長髭とかやってみよーかなー!?渋くて素敵と思わねー?近くの人につい聞いちゃうぐら──べへ!?」

 

 リゼヴィムの言葉にオーディンがピクリと反応した瞬間リゼヴィムが鬼灯の蹴りで吹っ飛び壁に頭をめり込ませた。

 

「お久しぶりですオーディン様」

「う、うむ。あれ、良いのか?」

「何か問題が?」

「あー………うむ。昔のまんまじゃな」

 

 鬼灯の対応に頭をポリポリかくオーディン。取り敢えず怒らせないようにしよう。そう心に誓った。

 

「して、儂はお主等の内乱には興味ないのでな。レーティングゲームを見にきたのでな」

「そうでしたね。ちょうど良かった、対戦カードを北欧、地獄のトップそれぞれで決めてみては?」

「ふん。出迎えにこんかった謝罪か?まあ良い、儂はグレモリーじゃな。赤龍帝に聖魔剣、堕天使幹部のハーフとついでにルシファーの妹。興味深い」

「あー、ならワシはゼファードル君かなぁ。一週間だけとは言え地獄にいたし」

「チュンさんの扱きを受けて人の形を保っていた彼がどれだけ丈夫かパワータイプのグレモリー眷属に当ててみようと言うことですか」

「違うよ!?ワシ普通に応援してるだけだよ!」

 

 

 

 

「で、結果はどうなったんですか?」

『初戦はゼファードルさんが戦車もかくやというタフネスさで戦車、元シスターの僧侶を倒し、騎士を眷属半数を巻き添えで撃破。吸血鬼は仲間ごと止めて、ルールに『仲間を止めることを禁じる』があったので失格。残った赤龍帝とグレモリーに対してゼファードルさんが魔力を込めた拳で殴り合い。しかし赤龍帝がグレモリーの胸を公然の場でつつくという奇行に走った瞬間禁手に至り、さらに女性限定で胸の声を聞くという訳の分からない技を使用しゼファードルさんの眷属の一人の思考を読み、グレモリーへの不意打ちを止めました』

「………胸を、つついたんですか?」

『ええ、堂々と。あの淫獣よりも淫獣な生物がいるとは思いもしませんでした。衆合地獄の予定でしたが、あれは女性獄卒が危険ですね。まあそれで、ゼファードルさんが余計なことするなと叫び懲りずに殴り合い。ボロボロになりながらも赤龍帝を撃破したのですが、グレモリーの女王が絶対に許さないと突然きれ雷光を放ちました。そしてゼファードルさんの方が負けました』

「………アザゼル総督の話では今代の赤龍帝って歴代一才能無かったのでは?」

『アレは寧ろセンスの固まりですね。目覚めさせ方と編み出す技がおかしい』

 

 全くだ、と同意し頷く柳。と、電話して手が休まっていたのに不満を覚えたのか妲己が身を捩る。

 

「とと。すいません鬼灯様、妲己様がはやくしろって促してきたので……」

『いえ。長々とすいません。質問が一つだけあっただけなのですが』

「質問?」

『冥界の子供達の間で、アレ流行るんですか?』

「流行ります」

『地獄の娯楽を直ぐ流しましょう。テレビ局への通達お願いします』

 

 それだけ言うと電話が切れた。

 

「終わったの~?早く続きをして欲しいわぁ」

「はいはい………」

「……………」

 

 柳が妲己の毛繕いを再開すると部屋の隅にいた三子がお手玉をやめジッと見つめる。

 

「我も後でやって」 

「あら、貴方本性は龍でしょ?してもらえるのかしら?」

「髪の毛。この姿ならある」

「ああ、成る程ねぇ………」

 

 

 

 冥界であるニュースが流れ冥界中が騒然とした。

 それは、始祖悪魔リリスと初代ルシファーの子、リゼヴィムの存在。旧魔王派は敵対したと報道されたがルシファーだけは今の冥界に敵対しなかったというのだ。

 まさに英雄的。利用しない者はいない。ゼクラムはある紙を渡していた。それは、リゼヴィムが魔王になるという意思表明のカンペ。

 どうせ何も考えるつもりはないガキだ。扱うのは容易い。現在屋敷から出ることを魔王から禁じられているが、リゼヴィムの口添えでどうとでもなる。

 テレビを付け、リゼヴィムがカンペを開くのを見て笑う。が………

 

『いらね』

 

 リゼヴィムはカンペを魔力で燃やすとニヤリと笑い手招きする。現れたのはサーゼクス。

 

『俺はサーゼクスきゅんにルシファーの座を正式に渡すことをここに宣言するぜぃ!貴族共はこれを支え、手助けしろよぉ!それとママンを殺しかけた奴らの生き残りゼクラムは死ね!』

『私は別に怒ってないけどね』

「────!」

 

 その言葉にゼクラムは目を見開く。正当なルシファーの血縁からの、正式な委任。所詮本来の魔王ではないとサーゼクスを見下していた大王派は、サーゼクスに乗り換える。正当性がないという理由で日和見を決めていた貴族達も流れる。

 何より最後のリゼヴィムとリリスの言葉。悪魔の始祖、それもリリスを害したとなれば、ゼクラムの発言力は減る。

 

「やられた、あのガキ───!!」

 

 カンペを受け取り、笑顔で頷いておいて……!

 

 

 

 北欧の悪神ロキ。彼は主神オーディンの命で面倒だと思いながら娘のヘルを連れて日本の地獄に来ていた。

 

「ふん。極東のあの世など、何故いちいち視察せねばならんのか」

「………眠い」

 

 ロキは忌々しげに鼻を鳴らし地獄に入る。

 

「ようこそロキ様。今回案内役を勤めさせていただく柳と申します」

「ふん。案内なら、さっさと済ませろ」

 

 

 

「地獄めっちゃ怖い」

「パパ。私、また地獄来たい」




地獄でどんな目にあったのか、詳しくは次回を待て!
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