オーディン達が来日して数日。オーディンの要望でキャバクラ行ったり遊園地や寿司屋に行ったり英雄派構成員を生け捕りにして地獄に連れて行ったり地獄の衆合花街にオーディンが行ったり秋葉原でヘルがオタク狩りに顔を隠す仮面を取られ半死人の顔を曝され気味悪がった所をロキがボコボコにしてそれからロキがヘルと手を繋いだら三子が柳をジッと見てきたので手を繋いだりそれをガブリエルが微笑ましそうに見てきたりと色々あったがいよいよ日本神話との会談の日。
今回は時間を取れた鬼灯もいる。
「まあ、流石にこのメンツで襲ってくる奴は居ませんか」
「でしょうね。ああ、そうだバラキエルさん」
暇そうに呟く柳とそれに返す鬼灯。不意に思い出したようにバラキエルに声をかける。
「姫島さんの件なのですが、三日後に面会できるよう手配しました。お会いになりますか?」
「い、良いのですか!?」
「彼女はそれなりに成果も残していますからね」
それぐらいのサービスは良いでしょう、と鬼灯が言った時目の前に魔法陣が現れる。
「人間の術式だな」
と、ロキが呟くと魔法陣が膨れ上がる。
「来ましたね。腕がなるで~すよ」
パシパシ櫂を前足に当てる芥子。ちなみに他の面子は帰った。小判はストレスで少しハゲが出来ていたが柳も鬼灯も特に気していなかった。
「はじめまして異形の者達。我等は異形の者から人類を救うことを目的とした、英雄派」
と、狸型の自立神器に乗った男が此方を見下したように言う。もう一度言おう、狸型の自立神器だ。
「これは挨拶代わりだ」
『グオオオオ!』
今回のリーダー格と思われる男の神器が腹を叩こうと大きく手を振り上げる。
「あ!タヌキだ!」
『グギャン!?』
が、芥子に吹っ飛ばされた。しかしなかなかやる狸だったようでクルリと回転して着地する。
『グ、オオオオ!』
そして腹をポンと鳴らすと背中から炎が吹き出る。柳があちゃーと頭に手を当て鬼灯はもう仕事が終わったというように金棒を背に戻す。
「性懲りもなくまた現れおったか狸ぃぃぃぃぃ!」
「少しは歯ごたえがあると思ったのだがな。強くなってから出直してこい!」
「芥子さん、強くなって出直してこられたら困ります」
ボコボコにされたリーダー格と哀れにも芥子に挑み返り討ちにされた構成員から、神器を抜き出し縛り付ける。本人は地獄のカラス天狗警察の元に送っておき、神器を調べる。と、神器の中に妙なモノを見つけた。
薄黒い蛇だ。
「………三子、これ何か解るか?」
「…………これ、我の蛇じゃない。けど、似た力感じる。我の蛇を切り刻んでそれを核にした………と、思う?」
数匹いることだし、一匹引きちぎってみる。小さな肉片を残して蛇は影のように消える。
「……その消え方、覚えがあるぞ。
「日本にも現れますね。今回のように人間だけの方が寧ろ珍しい」
数週間前、アザゼル総督より同盟勢力に通知されたのは、英雄派が神滅具で生み出された魔獣を使役しているというもの。この蛇もその応用で創られたものなのだろう。
「それより私はこの芥子ちゃんがあんなに怖くなった狸さんに興味ありま~すよ」
「ガブリエルさん口癖移ってる。芥子ちゃんは日本では意外と知れ渡っている昔話『かちかち山』の兎どんなんだよ。大好きなおばあさん殺されたから狸が嫌いなんだ。つっても芥子ちゃんよぉ、性懲りもなくって言ってたがこの狸があの狸とは限らねーんじゃねーの?ただの狸が神器の材料にされるとは思えないし」
「いえ恐らくあの狸は妖怪の類ですよ。喋ってましたし二足歩行でしたし。ほら、藁を背負っていたでしょう?船も漕いでましたし」
「…………そこは突っ込んで良いところなのか?」
芥子の言葉にロキは呆れながら尋ねる。
「そういえば、狸どんの魂地獄に来てませんでしたね。十分可能性はあります。と、なればこれは日本由来の神器。回収しましょう」
「魂をサルべージしたらぼっこぼっこにしてやるので~すよ」
パシパシと櫂を前足で鳴らす芥子。と、その時エントランスの自動ドアが開き閻魔と天照大神、悪魔の外交担当魔王レヴィアタン、ミカエル、アザゼル達が出てくる。
「やーお待たせ。大丈夫だった?」
「はい。そちらは?」
「北欧と日本神話、三大勢力の協力体制は無事敷けたよ」
閻魔が良かった良かったと笑う中、ロキとロスヴァイセの北欧の護衛組はん?と出てきた一同を見る。
「おい、髭爺は何処へ行った?」
「え?ああ、オーディンさんならスレイプニルっていう馬が引く馬車に乗って帰ったよ。凄いよねアレ。ワシも欲しいよ」
「では閻魔大王用の朧車を……柳さん、馬の彫刻を茄子さんと一緒に造ってもらえますか?」
「りょーかい」
「馬にひかれる馬車が良いの!何でそんな外国のクリスマスで希に見かける変なバイクみたいな奴で行けると思ったの!?」
「おい、待て………帰った?あの爺、勝手に帰りやがったのかファック!許せん、戻ったらスコルとハティに新しい世話係だよと騙してじゃれつかせてくれる!」
「ガルムも、貸す?」
「是非貸してくれヘル!」
と、オーディンモフモフ襲撃作戦を考える親子の横で戦乙女が膝を突く。
「帰っ、た……え、じゃあ私どうすれば………今から帰っても絶対間に合わないし『どの面下げて戻ってきたのかしら?』って絶対怒られる。う、うわぁぁぁん!私の人生、お先真っ暗ぁぁぁ!」
「「先がないなら今こそ就職…………あ」」
「君達息ぴったりだね」
鬼灯と柳が同時に口を開き閻魔がプププと笑うと二つの拳が閻魔の両頬を殴る。逃げ場のない衝撃が閻魔の内部に直で伝わる。
「私としては霊力だの魔力だの言われる力さえあれば使える北欧の魔術は、禍の団を相手にする以上に今後地獄でも活用法がありそうなので欲しかったんですよ。柳さんは?」
「俺は私情ですので其方を優先してもらっても。単に、変態三人組の相手をしてくれる人が後一人ぐらい欲しかっただけですので」
「苦労をかけてしまい申し訳ありません。それで、ロスヴァイセさんはどうします?」
「…………お給金は?」
「柳さんの手伝いの場合は、参拝者の祈願数によってはこのぐらい。獄卒達に魔術を教えてくれるならこのぐらいですね………いえ、貴方は女性ですし、柳さんの手伝いとして教師もやると考えるならこのぐらいかと」
「是非柳さんのお手伝いを!」
セラフォルーは書類を見る。目を擦り、再び書類を見る。
セラフォルーは魔王を有無を言わさず召集するとその場から転移した。
「ねえねえサーゼクスちゃん。アジュカちゃん。これ、何?」
「ああ、うん。三大勢力の結束を強めるべきだと思ってね。運動会を開こうかと」
「うんうん。で、それなんで外交担当の私に一言もないの?」
「会談で忙しかったろ?安心してくれ、各勢力への通達は私がしておい───ぶへらぁ!?」
セラフォルーの拳がサーゼクスの頬を抉るように捉える。というか氷の棘で実際頬の肉が少し抉れた。
「おっ前ふざけんなよ!今そんな暇あると思ってんのかマジで!」
「お、落ち着いてくれセラフォルー!その辺は我々もキチンと考えた!領地から撤退して空いている元日本の領地持ちや、一般の悪魔から志願者を募っている」
「…………それ本当?」
「本当本当!」
「……………他の勢力には何て?」
「悪魔祓いの内暇している者達を優先するように、英雄派の襲撃に備えられるだけ、と……堕天使も似たような感じに………」
「……………そっか。なら、うん。まあ良いや。殴ってごめんね?確かに親睦を深めるのは必要なことだったね」
「いや、いいんだよ」
「もうこいつテロリストの内通者何じゃねーの?殺そうかな、って思って本当ごめん」
「私こそ、まず相談するべき………え、ごめん。今何て?」