「あ、イトリさんからチャットきた」
カオリはメッセージアプリを起動し、内容を確認する。
「んー……んん?」
カオリはキジマ達に来たメッセージの内容を伝える。
今クインクス達が拠点にしているのは15区であることから、依頼を受注していいか分からず、こっちに連絡が来たようだ。
「どうしようかなー? これ以上減らすとクインクス限界な気がするんだよねー」
ムツキを攫う事は簡単だ。だが、才子一人になったら、才子は潰れそうな気がしていた。
「ムツキ一等がぷ〇あなになったら、瓜江くんか不知くんを復帰させれば良いのでは? 幸いまだ改造前ですし」
あっけらかんとニムラは言う。
「それもそっか。じゃあムツキさんがオナホールになったら、瓜江さんを返してあげよっと。一応準備だけしとくね。もしかしたらお膳立てしてあげてもオナホーが返り討ちになって終わるだけかもしれないし」
カオリはムツキを売る決定を下した。
「
「ううん、ぱとろーる中に攫う。良い考えがあるんだよね。分身変化でも喋れるようになったし、小説家さんとオナホーの偽物を使うよー」
──────────
クインクス達は、14区のパトロールに出ていた。14区は喰種同士の共喰いが激しく、危険度の高い喰種が多く生息している地域だ。ここをパトロールできるのは、捜査官の中でも限られた人しか不可能な地域である。
だが、その日は裏通りを歩いても、喰種の数が少なかった。まるで、何かから隠れているかのよう……否、
「まさかレザーフェイスが14区に来とるんか……? むっちゃんはどう思うん?」
「14区の凶悪な喰種達を食らい尽くせるのは、15区の喰種くらいだろうね……いや、待った。向こうに誰かいる」
ムツキは持ち前の視力を活かし、遠くにポツンと立つ存在を見付ける。
少しずつ近付いていくと、その姿がハッキリと分かりだす。それは……
「やぁトオル。会いに来たよ」
「トルソー……なんで14区に……」
「レートAの鱗赫! 鱗赫相手なら俺にお任せあれ!」
トウマは刀型クインケ『髯鬼丸』を展開し、トルソーへ斬り掛かる。
「トオルとの逢瀬を邪魔しないで欲しいなァ。だから、お邪魔虫のみんなには『オーバークロックオウル』と戦って貰うよぉ?」
冴木はトウマの一閃を軽やかに回避すると、指をパチンと鳴らす。
─────上空から赫者状態の『隻眼の梟』が降ってきた。
「隻眼の梟! 収監されてるはずじゃ……!?」
「嘉納さんに頼んで作って貰った特別製の人工喰種だよトオルゥ! でも僕達は二人で逢い引きの時間さぁ!」
「むっちゃんこ! 今の装備ならトルソーは雑魚のハズや! さっさと片付けてウチらの援護おね! シャオたん!さんぺー!ヒゲ! ウチらは4人で偽梟を相手すっぞ! ウチとヒゲは急いでRc抑制剤を武器に注入!」
才子達は梟への攻撃を開始する。まずは手始めに、安浦がライトボウガン型クインケ『ミソラ改二天』で梟を穴だらけにしていく。
「ゲヒゲヒゲヒ! いてぇなあ……でも治っちゃうんだなぁこれが」
梟からは
傷を即座に修復した偽梟は、異形の肩から羽のような赫子を次々に射出していく。あわや安浦に当たる直前、シャオが射線上に割り込んだ。
「相手の羽赫は私が引き受ける! みんなは攻撃を続けて!」
シャオは鎧型クインケ『アラタ<soft>』と手足に纏うクインケ『クアイ改二乙』と自身の甲赫を身に纏い、盾となる。
次々に羽赫がシャオに直撃し、鎧はギシギシと音を立てるも、偽梟の羽赫を防ぎきった。
「流石メイン盾! 唸れローゼングルトン! 光になれぇぇぇええ!!」
才子は一気に跳躍し、偽梟の頭部へハンマーを振り下ろす。
ゴキリと音を立て、偽梟の首が折れる。
「赫子ガード! 『
才子は赫子を盾の様に展開し、偽梟の叩き付けを防ぐ。耐久力に難のある鱗赫とはいえ、7層に展開した赫子は偽梟の振り下ろしを受け止めることに成功した。
「ギヒヒ! 首が折れちまったぜぇ……コキッとな! お返しにとっておきの技を見せてやろう……ファンネル!」
偽梟は首を元の位置に戻してから、羽の集合体のような何かを無数に展開する。それらは宙にフワフワと浮かび、羽の弾丸をばら撒き始めた。
「偽物とはいえ隻眼の梟ってこんな事もできたんか……SSSレートはガチやね……っ!」
飛来する弾幕を赫子やクインケで叩き落としながら、才子は呟く。
……否、隻眼の梟は赫子をファンネルのように飛ばすことなどできない。これは同じ羽赫の喰種であるイトリの能力だ。
「羽赫とは相性の悪い尾赫でも、やれるとこまでやってやる! せぇやッ!」
トウマは髯鬼丸を一閃。あまり効かないだろうと思っていた一撃は、偽梟を深々と切り裂いた。
「およ? 意外と効いてる?」
インファイトで殴り蹴るシャオが偽梟のヘイトを取っているので、トウマは背後から斬りつけているのだが、自分の攻撃が思った以上に通ったことに驚いた。
それもそのはず。偽梟はカオリの複製能力によって生まれているので、4種の赫子を持っている喰種だ。鱗赫の属性もあるため、相性は等倍となる。赫者の様に見えるが、カオリの変身能力によって姿が変わっているだけなので、羽赫の特殊な赫子を纏っているワケではない。
とはいえ、展開されているブレード状の部分やファンネルは純粋な羽赫であるため、その部分は髯鬼丸の通りが悪い。
─────だが、いくら攻撃を続けても、偽梟の再生が止まらない。攻撃は通っているが、即座に再生してしまう。
「……なんやねんコイツ。ノロやペニーワイズみたいな再生力してるやんけ……
才子達はフレーム3を飛ばして、フレーム4を開放する。
「ギャハハ! 新人達の赫子も知ってるゾォ! 女は『タイガーマスク』、メカクレは『
偽梟はケタケタと嗤う。ファンネルは数を増やし、弾幕を形成する。
「ワイ、要塞。カスみたいな羽赫でカチカチなワイの甲赫を抜けるとは思えないンゴねぇ」
フレームアウトギリギリで口調の変わったシャオが甲赫を広げ、羽赫の弾幕を防いでいく。
「プクプクプクッ! 俺様に刀を寄こせヒゲくん」
「なるほど、良いセンスだ。交換しよう、今は俺の方が銃を扱える」
同じく口調の変わったアウラとトウマは、互いのクインケを交換した。アウラは刀を、トウマはライトボウガンを持って偽梟へ駆ける。
「喰種式CQCを見せてやろう!
トウマは正確に偽梟を穴だらけにしながら、尾赫を叩き付ける。バギョっと音を立て、偽梟の肩がひしゃげた。
「プークックック!
アウラは両肩に生えた一対のブレードで偽梟の両後足を切り落としてから頭に刀を振り下ろし、切れ込みをいれる。
「ゲハハハハ! なかなかやるじゃねえか! だが俺もブレードタイプの赫子だ。しかも俺は弾幕を張れる! 俺のブレードの方が上だ!」
偽梟はブレード状の赫子をアウラ目掛け一閃。
対してアウラもブレードを一閃。ぶつかり合ったブレードは硬質な音を立てる。
「プクプクプク! 例え隻眼の梟だろうとも、汎用タイプのブレードが、俺様の特化型ブレードに勝てるカバーカ!」
アウラのブレードが偽梟のブレードを砕く。体勢を崩した偽梟に、才子が飛びかかる。
「よっしゃあ! 後はウチに任せい! 赫子を武装色硬化! 『ゴムゴムの
巨大化した拳状の赫子が、凄まじい速度で偽梟の体をブチ抜いた。
体の大部分を消失した偽梟は、ゆっくりと倒れ……
─────べしゃりと音を立て、溶けた。
「……マジか。最悪や」
才子は呆然と呟く。
「米林先輩、ワイらに説明してクレメンス。コイツはどうして溶けたンゴ?」
シャオが尋ねる。才子は顔を顰めつつも、語る。
「半年前、ロゼっちゅう喰種組織と戦ったとき、
否、CCGの読み通りカオリの仕業である。才子はトルソーと共に偽梟が現れた事により、偽者を作り出す能力はアオギリが所持していると勘違いした。
ロゼとの戦いではアオギリの喰種であるエトやノロが居たことも、勘違いを加速させている。
ビル風の音が静かに流れる中、才子はふと気付く。
「……むっちゃんとトルソーは?」
ムツキが居ない。鼻の利く才子は、この付近にトルソーが放つイカと樹脂のようなニオイがしない事が分かる。
「……まさかトルソーに攫われたん!?」
才子達はムツキを探す。
……だが、ムツキもトルソーも見つからなかった。双剣ローゼンヴィテスと容れ物のアタッシュケースが落ちていただけであった。
──────────
「トオルゥゥゥ!!」
それもそのはず。14区の喰種達は、最弱でもA+レート近くの強さを持つ。Sレートの喰種達が大半を占める14区で戦い続けたムツキにとって、Aレートの冴木は明らかに雑魚だ。
迫り来る冴木に対し、ムツキは双剣ローゼンヴィテスを振るう。冴木の首を容易く切り落とした。
(以前はトルソー相手に凄い苦戦したのに、こんなにあっさり……俺達は強くなったんだね……これも先生のおかげ……って言いたいけど、
ハイセに好意を寄せるムツキだが、クインクスとして強くなれたのはニムラの影響が大きい事を自覚していた。
ムツキは才子達の援護に向かおうとし……
「死んだと思った? エラストマジックだよトオルゥ!」
「なっ……!?」
首を落としたハズの冴木に肩を掴まれ、才子達とは逆方向に放り投げられた。
放り投げられたムツキだが、空中で姿勢を整え、軽やかに着地する。だが、だいぶ才子達から離れてしまったようだ。
「確かに首を落としたハズ……ペニーワイズじゃあるまいし、何で生きてるんだ?」
冴木と同じ鱗赫の喰種であるペニーワイズは、上半身を吹き飛ばそうが粉々にしようが再生した。だが、それはペニーワイズのような高レート喰種の場合だ。冴木はそれに当てはまらない。
「それはねトオル、僕が
「……??」
ムツキは冴木の言ってることが全く分からなかった。冴木の言動は意味不明だが、少なくとも今の冴木は首を落とした位じゃ死なない事は分かった。
ならばRc抑制剤を使った上で首を切れば死ぬだろうと考え、双剣のギミックを発動させる。双剣は
「ふふふ、僕はトオルをお持ち帰りするよ? 『秘技・熱可塑性の腕』ッ!」
─────トルソーの腕が伸びた。
「えっ……?」
例え喰種だとしても有り得ないその異形に、ムツキは思考が停止してしまう。
「ゴムゴムのバズーカ!」
才子の再現赫子とはまた別。本当に伸びた腕の攻撃でムツキは吹っ飛ばされ、雑居ビルの壁に叩き付けられる。
「がは……ッ!!」
「言ったはずだよトオルぅ? 僕は温かい熱可塑性エラストマーの化身。体の伸び縮みは自由自在さぁ!」
叩き付けられてムツキは気付く。このトルソー、以前より力が強い。
(Aレートだと思ってたら痛い目見るかも……S+レートくらいだと思って戦った方が良いな)
ムツキはフレームを3に上げ、冴木と対峙する。
「赫子の出力が上がったね? でもフレームは3でいいのかいトオル? 僕のために手加減してくれるのかな? トオルはやさしいなぁ」
冴木の姿が消え、それと同時にムツキは地面に叩き付けられた。
「ギアセカンドだよトオルゥ! 僕の速さに着いてこれるかな?」
冴木の体からモクモクと黒い蒸気の様なモノが吹き上がる。樹脂のようなニオイと、かつて幼少期のムツキが親に嗅がされた
冴木に対しては使うことがないだろうと思っていたフレーム4を開放する。
ペニーワイズに負けてからずっと、Rc細胞の制御訓練を数多くこなしてきた。今ではフレーム4も完璧に制御できる。
ムツキも速度を一段上げ、冴木に向け赫子を一閃。
鱗赫の冴木に対して相性の良い尾赫の一撃は……
─────冴木の体にめり込んで止まった。
「……両断できない!?」
「フフフ、なんでだろうねぇ?」
冴木はニヤリと笑うと、鱗赫を展開。鱗赫はグニャグニャと形を変え、網のような見た目になる。
「はい、捕まえたぁ」
冴木の網状赫子を振り払おうとするが、それを嘲笑うかのように、ムツキに絡みついていく。
「じゃあ、運んじゃうよぉ」
冴木の肩から、隻眼の梟の羽赫にそっくりな赫子が生える。
「羽赫ッ!? なんでトルソーが!?」
「とここでネタばらし!」
冴木の顔が歪み、別人になる。その姿は……
「─────ペニーワイズッッ!? ……いや、それも嘘だなッ!」
小林の顔だった。だが小林は鱗赫しか持たないはずの喰種だ。それに、小林の鱗赫は銀色の蛇腹剣。先程までの赫子とは異なる。
「その通り! 俺はペニーワイズではない。だが冴木でもない。俺はいったい誰なんだろうなァ?」
顔の変わる喰種。鱗赫と羽赫の二種持ち。ムツキはアオギリ製の人工喰種かとも思ったが、目が両目とも
暴れるムツキの首に、何かが刺さる。ムツキは自身の意識が遠のくのを感じた。
「これから俺はお前を冴木に引き渡す。そして、お前は冴木のオナホールになる。お前が次に目覚めることはきっと無い。手足と首をもがれ、お前は死ぬだろう。さらばだ、ムツキトオル。お前が死んだら瓜江は返してやろう」
「瓜江くん……? ぐっ……そうか……お前は15区の喰種かっ……」
姿形が変わる喰種。このことを誰かに伝えなければならない。捜査官の誰かに成りすましたのなら、捜査局が内部から崩壊させられる危険性がある。
だが、ムツキの体は動かない。薬が回り、どんどん意識が薄れていく。
(ごめん、才子ちゃん……)
ムツキは静かに目を閉じた。
変 な キ ャ ラ 付 け
この作者またクインクスに変な属性付け足してる……。
・フレディのアオギリ狩りでアオギリの喰種があまりいない
→アオギリが流島へ頻繁に行き来してる情報が手に入らない
→流島偵察ミッションがない
→鉢川斑が居ない
=ムツキが先行して流島に行かない。
=トルソーがムツキをゲットできない
結果、冴木さんはアオギリ資産のほぼ全てを盗んでムツキさん捕獲を依頼しました。タタラさんげきおこ
流れが無理矢理すぎるので、ムツキさんがオナホールになるシーンはバッサリカットでも良かったんですが、個人的にむっちゃんはオナホールになってこそかな……って思ったので話入れちゃったヾ(*´∀`*)ノ
●カオリが思う冴木さんのイメージ
・オナホール(熱可塑性エラストマー)と精液のニオイがする
・体が伸びる
・オナホールの事ばかり考えている
・性欲と股間がSSSレート
・きしょい
ちなみに、原作でも冴木さんの腕が伸びたように見えるシーンがあります。
偽冴木さんが本家よりキモいのは、偽冴木さん作者のカオリがそう思っているため。
●熱可塑性エラストマーって何?
オナホールの材料。他にも色々な工業製品に使われてるみたいですけど、作者の熱可塑性エラストマーの印象はオナホール。
DdD金木君実装記念更新はここまで!
またしばらくは書き溜めに入ります!さらば!