終夜廻 〜夜明けの物語〜   作:Kurokodai

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1話 目覚めた少年

ここは、とある山間部にある田舎町

見た感じでは、寂れた商店街や潰れた廃工場、さらには都会から隔離されたかのように、町全体を囲む山々

その不便さが表れている為、この地域に住んでいる人口はとても少なく、今も都会へと引っ越す人が後を絶たない

だが、最近ではこの田舎町も発展し始めており、そのおかげで、巨大スーパーや、動物園、さらには新幹線の駅等この田舎町の景気を呼び戻す施設が完成している為、多くの人が来る筈であった。

しかし、昼には多くの人が来るのであるが、この田舎町には止まらなかった

 

いや……開拓前よりもさらに引っ越してしまう人が倍増していた

 

何故かというと、この町は夜になると恐ろしい世界へと変わってしまうからである

 

 

この町……いや、この辺の山の麓とつながる隣町や向かいの町には、必ず出ると言われている

 

 

 

『お化け』を……

 

実はこの三つの町には数多くの『心霊スポット』が存在しており、その為多くの若者が心霊スポットに肝試しに訪れることが多かった

 

 

 

しかし……

 

心霊スポットへ行ってしまった者は、誰一人帰ってくる事はなかった(・・・・・・・・・・・・・・)

 

それもそうであったこの町に住み着くお化けはただのお化けではなかった

 

人を殺すお化けである

 

その為、心霊スポットに行けば、そこに肝試しに行った若者の『亡骸(・・)』がそこらへんに転がっていた

 

さらに、若者の一人が持っていたカメラには、殺されるまでの映像もあり、そこに映し出された『異形』が、撮影者の若者以外を次々に殺害する光景があった

 

その理由もあり、今もこの町も……隣町も……山向こうの町も、人がどんどん減ってきていた

 

特に山向こうの町は、激減が激しく、小中学校が全て閉鎖されてしまい、学校に行くためにも山を通ってこの町に来る児童が少なくなかった

 

 

 

そして……また一人………闇の存在により『最後の犠牲者』となった子供が、一人いた

 

 

 

 

   ◇

 

 

  

?『うっ、うーん……』

 

ある日の夕方、山の頂上付近で、一人の少年が目覚めた

見た目は、緑色の服に短パン、そして頭には服と同じく、緑の鉢巻の様なものを巻き付けていた

少年は起き上がると、周りを見渡した

 

?『僕……何でここにいるんだろう?』

 

どうやら少年は何も覚えていない様だ

しばらく、止まっていた少年であったが、夜が近づく事に気がついたのか、立ち上がり、そのまま山を下って行った

 

 

 

 

   ◇

 

 

  

 

しばらくして、少年は表札に『新上』の名前が彫られた一つの一軒家にたどり着いた

見た目は、今時の一軒家とは違い、少し古さが残った感じであった

どうやらここが、少年の家の様で、そのままドアを開けて、中へと入って行った

 

?「ただいま」

 

少年の声に返す言葉がなかった

一応、少年の家族はいる様だが……

少年はそんな事は気にせず、二階に上がり、自室へと入って行った

 

 

 

 

   ◇

 

 

  

 

夕飯を済ませた少年であったが、その時も家族は少年を無視していた

その理由もわからずに、そのまま自室へと戻る少年

少年は椅子に体を倒すと、少し悲しそうな顔で考えた

 

?「どうして皆、僕のことを無視するんだろう?」

 

少年の家は父と母、さらに兄と弟の5人家族であった

少年は虐待を受けてはおらず、いつも愛を受け取って育ってきていた

それは他の兄弟も同じでした

 

ですので、突然少年を無視した事に疑問を抱いていたのです

 

?「僕、何か悪いことでもしたのかなぁ……」

 

しばらく考え込んでいましたが、睡魔が襲ってきたのか、少年は机に伏せて眠り始めてしまいました

 

 

 

 

 

 

 

「だめっ!にげてっ!!」

 

「ソウカイソワカウウウイソワイソウカイソワカウウウ」

 

「よる ねむらない わるい こどもは

ふくろに いれられて さらわれちゃうよ

よまわりさんは

よなよなあるきまわって

わるいこどもをさがしているよ」

 

「だめだよっ!●●●くんっ!」

 

「このトンネルのおくにはおそろしいのがいたんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チョウダイ?

 

 

 

?「はっ!」

 

少年は恐ろしい何かを見て目を覚ました

少年の顔は汗まみれとなっており、それが余程の悪夢だと思われる

 

?「今のは……夢…?」

 

だが、夢の割にはまるで現実的な雰囲気であった

少年が眠っていた同じ山の頂上

誰かの名前を呼ぶそれぞれ赤と青のリボンをつけた少年と同い年ぐらいの少女たち

不気味な雰囲気を持つ入口が閉ざされたトンネル

誰かに告げられた噂話

手のひらで体が形成された化け物

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

触手の様な体を持つ巨大な化け物であった

 

少年は悪夢を見たのであった

しかし、何故かその内容が前にも見たことがある様な感じがしたのです

少年は、今見た夢での光景が頭から離れなくなり、眠ることができませんでした

少しでも眠気を出そうとして、こっそりと一階に降りてきて、外へ出ようとします

 

?「風を当たってこよっと」

 

少年は、家を出て誰もが寝静まった夜の街……『夜の世界』へと歩みだしてしまいました

それが少年にとって、恐ろしい……最後の夜を迎えることになろうとは知らずに

 

続く

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