?「……やっぱり何も変わってない」
誰もが寝静まった時間帯に、一人の少女が入口が閉ざされたトンネルの前に立っていた。
その少女は、赤いリボンを頭につけ、肩にはその年齢には似合わないウサギのポシェットを背負っていた。
見た感じでは、美少女の様な感じであるが、一つだけ他の人とは違う部分があった。
それは、
彼女の名前は『ことも』。
今年から中学校に通っている少女であった。
彼女は時折、閉ざされたトンネルに来ていた。
実はかつてトンネルには、悍ましい化け物が住み着いており、その化け物に彼女の姉が連れ去られてしまったのだ。
彼女はその化け物と戦い、姉を取り戻したのだが、その代償なのか彼女の左目は弾け飛ばされ、彼女は生死を彷徨う事になった。
幸い命に別状はなかったと搬送された病院で言われていたが、実は彼女を助けたのは、彼女の飼い犬の『ポロ』であった。
ポロは、彼女の代わりにトンネルへと入り、命を救ってくれたのだ。
その後、彼女は退院し、夜の町を巡廻していた。
そして、その4年後の今になって、過去の姉と同じくらいの身長になり、今は隣町の中学校に通っていた。
そこで、前に仲良くなったある二人の少女と再び出会い、偶に夜の町を巡廻したりしている。
さて……話は戻り、彼女(以降は『ことも』)は今、かつて死を経験したトンネルの前に来ていた。
ことも「あの時に左目が無くなって少し不自由になっちゃったけど、こうやって生きている事にはポロに感謝しとかないとなぁ」
自分の眼帯を触りながら、そう思っていた。
そう言って、こともはそのまま引き返していった。
しばらく歩いていたこともであったが、家には帰らずにある場所にたどり着いた。
目の前にあるのは、石で積まれた墓の様なもの。
……それはポロの墓であった。
こともは左目が失われた後からずっとポロの墓に来ていつも花を供えていた。
そして今日も、ポロの墓の前に赤い花を添えた。
そのままこともはしゃがみ、手を合わせて思う。
ことも「ポロ、あの時はありがとね。ポロのおかげで私は今も生きて、新しい友達もできたよ」
その後、こともは家に帰宅するため、ポロに別れの挨拶して、そのまま帰路についた。
この帰りも、こともに危害を加えるお化けから逃げつつ、家に帰り着いた。
今となっては、この追いかけっこはこともにとっては日常なものになっていた。
いつもの様に、お化けにあったら逃げたり、塩を撒いたりして撃退したりといったものであった。
こともはそのまま家に入ろうとする。
とその時、すぐ後ろの道路で誰かの足音が聞こえてきた。
その足音はこともの家の前に来ると、こともの方には来ずにそのまま通り過ぎていった。
ことも「今、誰かが通った気がする・・・」
振り返えるもすでに遅く、そこには誰もいなかった。
ことも「・・・気のせい・・・じゃないわね」
こともは、その足音の正体を探るために、再び夜の町を歩こうとしたが・・・
?「こらっことも!またこんな夜遅くまで外に出歩いていたのね!」
家の中から見た目が大学生で、こともと少し似た感じの女性が現れた。
ことも「あ、ただいまお姉ちゃん!」
おねえちゃん「ほらっ!早く家に入りなさい!」
こともは、そのまま家に入っていった。
夜が少し深まってきた頃、こともが懐中電灯を持ったまま家から出てきた。
ことも「さっきの足音……なんか嫌な予感がする」
そういうと、懐中電灯を握りしめたまま化け物が彷徨く夜の街を歩き始めた。
続く