時間は戻り、再び夕方。
二人の少女が、通学路を歩いていた。
片方は赤いリボンにポニーテールをした茶色の髪の少女。
もう片方は青いリボンと三つ編みをした若干金髪の少女。
どちらも共通点として、中学校の制服を着ているということ。
彼女達は、かつて夜の恐怖を経験した赤いリボンのユイ、そして青いリボンのハル。
ユイ「それにしても、まさかハルが再び戻ってくるなんて信じられなかったよ」
ハル「私もよ。フフッ」
ハルは数年前に一度この街から引っ越していたが、親の事情で再びこの街に戻りユイと仲良く暮らしていた。
数年前まではこの街も結構寂れていたが、発展が進んでいき数々の娯楽施設等が出来上がっている。
ハルの父親は、この街に出来た関連の会社に転勤する様に引っ越した街の会社から辞令が出され、再びユイと過ごせていた。
ハル「今日も学校楽しかったね」
ユイ「いん、こともと友達になった事でより楽しくなってきたよ」
実は二人はこともと同じ中学校に通っていた。
同じ学校、同じクラスの為すぐ仲良くなれた。
そして時折3人は共に新しくできたカラオケ、ボーリング等に遊びに行ったり、夜の街を廻ってたりしていた。
又他の生徒からは『学校内3大美少女』として憧れていた。
そしてもうすぐ家に着く頃合いにある話をし出した。
ハル「そういえば、最近街の様子が変だよね」
ユイ「うん、前まではそんなに多くなかったけど、最近お化けの数が異常に増えているみたい。特に山向こうの街はここと隣町以上に多いからそこに住んでいる人が別の街に引っ越すことがとても多いみたいだよ」
ハル「近所の話だと、心霊スポットに訪れた人がその場で死んでいるって話を結構聞くんだけど、もしかしてそれと何か関係があるのかな?」
ユイ「わからない……でも調べる必要はあるみたいね」
ユイとハルは一度家に帰り、夜になるまで待機していた。
その間ハルとユイはこともも誘うことにした。
そして人が寝静まった深夜…
ユイは飼い犬『クロ』と共に静かに家から抜け出し、ハルの家へと向かっていく。
途中で襲いかかってくる化け物達から逃げ抜け、ハルが住んでいる家の前でハルと引っ越す前にあげた犬『チャコ』と出会う。
ユイ「お待たせ、こともには連絡した?」
ハル「ううん、お姉さんが出たんだけど今こともは家にいないって。多分もう外に出ていると思う」
ユイ「そっか……もしかしたらどこかで出会うかもしれないね。取り敢えず山向こうに行こう」
ハル「うん」
二人と二匹は山向こうの街へ目指すべく、夜の街へと足を運ぶ。
もちろん道中で魑魅魍魎の化け物と出会うが、過去に経験した事…そして二匹の存在もあってか切り抜けてきた。
やがて、目の前に山向こうへと通じる山道にたどり着く。
ハル「ここが山向こうの人がこっちに来るために使う道だね」
ユイ「うん、道は道でも山道だけどね」
二人はそのまま山道へと入っていく。
ここでも気味の悪い化け物が遭遇することがあるが、草むらに隠れながらやり過ごしていく。
やがて峠を越し、降り始めた。
ユイ「こっから先が山向こうだね」
ハル「ユイ、こっちは私たちの街より危険だから気をつけよう」
とその時、さっきまで大人しかったチャコとクロがある方向へ向かって、吠え始めた。
しかし、その吠え方には威嚇よりも『恐怖』を感じる様な吠え方だった。
ハル「チャコ?クロ?どうしたの?」
なんとか宥めようとするハル。
すると、ユイが何かを感じ取ったのかハルの腕を引っ張り近くの茂みに逃げ込む様に二匹と共に隠れる。
ハル「ちょっ!?ユイどうしたの!?」
ユイ「(シッ!静かに!)」
ユイは小声で言い、そっと茂みの陰から覗き込み、ハルも同じく覗き込む。
すると、二匹が吠えていた先から何か沢山揺らめく黒い何かが近づいてくる。
それは地面から生えている『触手』。
だが、この触手は地面から生えているのに地面は盛り上がってはいないし、つーっと滑る様に進んでいた。
これを見たユイとハルは、あの触手は『お化け』と確信した。
だが、それと同時に何か不気味な雰囲気を感じた。
あの触手からは、恐怖と共に『怒り』と『憎しみ』の雰囲気を感じた。
まるで、過去に何かあってそれで化け物になったかの様に……
そう思っている間にその触手は二人と二匹に気づくことなく、そのまま二人が来た道の方へと消えていった。
二人はそのまま茂みから出てくる。
ハル「ユイ……あのお化け…一体なんなのかしら?」
ユイ「わからない……でも普通のお化けとは違うという事はわかる。気を付けていこう!」
ハル「えぇ」
その後は何のトラブルもなく、降り終えて山向こうの街へとたどり着いた。
その光景を見た二人は静かに絶句した。
まずこの街は街灯がとても少ないので、お化けを見つけにくく、さらには至る所にある家がボロボロになっていて、廃墟と化していた。
さらにはカラス、犬、猫の死骸が其処らにあり、自分たち、そして隣町よりも酷い環境であった。
おまけに、話の通りお化けの数も他の街よりも以上に多かった。
その光景はまさに、ゴーストタウンそのものだった。
ユイ「……ハル?こっから先は私たちが想像してたよりも危険なことが起きるかもしれない……このまま引き返す?」
ユイは冷や汗をかきながら、ハルに言う。
ハルも同じくこの街を見て、冷や汗をかいていたが……
ハル「確かに怖いけど、私は行くよユイ…」
ユイ「わかった。ハルが行くなら私も行く」
こうして二人はそのまま、さらに危険な街の夜を彷徨うことになる。
後ろで、同じく夜の街を彷徨う少年に気付くことなく………
そしてその少年もその二人の少女に気付くことなく彷徨う……